『海鳴極上生徒会』






第6話 「二人で秘密のデート!?」





それは、とある日の昼休みのこと。
食堂から教室へと戻る途中、りのは廊下の隅で恭也の姿を見掛ける。
そこは空き教室の前で、普段からあまり人の居ない場所だった。

「殿じゃないか」

「うん。一体何しているんだろうね。恭也せ……」

不思議に思ったりのが声を掛けようとするのを、プッチャンが口を押さえて止める。

「ふぁ、ふぁふぃふるふぉ」

「しっ! 静かにしろ、りの。ほら、あれを見てみろよ」

角に隠れるようにりのを押すと、プッチャンは恭也の方を指差す。
こっそりとそちらを覗き見たりのは、小さく呟く。

「あ、聖奈先輩」

「くっくっく。隠密をまとめる者と会長補佐を務める者の密会だぜ。
 何かあったんだ」

「そうかな? そんな大事な事を、こんな所で普通は話さないよ〜」

「むむ。りのにしては、なかなか鋭いことを」

「えへへへ〜。褒められちゃった」

嬉しそうに頭を掻くりのに、プッチャンは少しだけ呆れるがすぐに目の前の光景に意識を戻す。
と、微かに二人の話し声が聞こえてくる。

「くすくす。本当に助かっちゃった」

「気にするな。所で、本題はなんだ?」

「あ、やっぱり分かった?」

「まあな。で?」

「うーん、今度の日曜日なんだけれど、空いている?」

「まあ、特に予定はないが」

恭也の言葉に聖奈はうんうんと頷くと、恭也へと一歩近づく。
その事を制することも嗜めることもなく、恭也はそのまま聖奈を見詰める。
やがて、聖奈がゆっくりと口を開く。

「それじゃあ、一緒にお出かけしない?」

「別にいいが」

「決まりね。じゃあ、朝十時に寮の前で」

「分かった」

二人は約束を交わすと、そのまま教室へと戻って行く。
後に残されたりのとプッチャンはお互いに顔を見合わせ、暫し見詰め合った後…………。

「「えぇぇ〜〜〜!!」」

校舎の一角に、大きな声が響くのだった。



  § § §



放課後の生徒会室。
その一角で熱い討論が交わされていた。

「やっぱり、おやつはポテチっしょ」

「いやいや、まめやの豆大福も捨てがたい」

れいんと小百合が自身のおやつを食べながら語っていると、
その横でポッチーを齧っていたりのが、にへらと笑みを見せながら言う。

「どっちも美味しいから大好きです〜」

そんなどうでもいいような会話をする三人へ、プッチャンが奮い立つ。

「だぁー! 今はそれどころじゃねえ。そんなのはどうでも良いんだよ。
 もっと大事な話があるんだよ、大事な話が。
 その話の腰を折る奴なんざあ、こうしてやる、こうしてやる」

言うや否や、プッチャンはその場にあったポテチに豆大福、ポッチーを手当たり次第に食べ始める。

「ああー、あっしのおやつが」

「…………斬る!」

「酷いよ、プッチャン」

三者三様の反応を一瞥すると、プッチャンは手を上げる。

「まあ、落ち着け。さっきも言ったが一大事なんだ」

「だから、何よ」

口を挟まずに黙っていた香が呆れながら尋ねると、プッチャンはクイクイと腕を曲げ、
全員に近づくように指示する。
その雰囲気に思わず唾を飲み込みつつ、りのたちはプッチャンへと顔を近づける。

「実はな……。とんでもない情報が手に入ったんだ」

「だから、それは一体何なのよ!」

「早く、ハリー、至急に言って」

プッチャンに合わせて、知らず小声になりながら尋ねる香とれいんを制すと、
プッチャンはもったいぶるように話し始める。

「実はな、さっき殿と隠密ねーちゃんが話しているのを聞いたんだが……。
 あの二人、今度の日曜日にデートするつもりだぞ」

「デート!?」

香たち三人の声が生徒会室に響き、会長を始めとしたメンバーがりのたちを見る。

「どうかしたのか、そこ」

あまりの大声に奈々穂がりのたちに尋ねると、れいんが真っ先に立ち上がる。
今聞いた話を言いたくて仕方がないのだろう。
それでも、部屋の中を一応見渡し、奏、奈々穂、久遠、まゆら、美由希しか居ないのを確認する。
当事者が居ないのをしっかりと確認すると、れいんが奈々穂へと告げようとする。
が、その口をプッチャンが塞ぐ。

「まあ、慌てるな。今、その事を言ったら、面白くなくなるだろう」

プッチャンに耳打され、れいんは目だけでその言葉の意味を問い尋ねる。
その耳元で、プッチャンが悪魔のように囁く。

「ここで公にしてしまえば、本人たちの耳にも入って、中止になるかもしれない。
 だが、黙っていれば、予定通りに行われるはずだ。なら、どっちの方が面白い?」

尋ねてくるプッチャンへ、れいんは同じように塞がれた口をにやりとさせる。
れいんが納得したのを見て、プッチャンが手を離す。

「すいやせんでした〜。別に何でもなくて、ナッシングで、無問題です」

腑に落ちない顔を見せながらも、奈々穂は追求を止めて手元の書類へと目を落とす。
他の面々も同じように作業へと戻るのを見て、プッチャンがれいんたちを呼び寄せる。

「さて、今度の日曜日、十時前に寮の前に集合だ」

「ちょっ、まさか後を付けるんじゃ!」

「しー、香、声が大きい、でかい、うるさい」

叫びかけた香の口を素早く押さえ込むれいんに、プッチャンがグッジョブとばかりに腕を差し出す。
それにれいんも親指を立てて答えつつ、香の耳元に囁く。

「香だって気になるでしょ?」

「そ、それはまあ……」

「なら、決まりっと。小百合は聞くまでもないよね」

「別に構わないが。まあ、あまり良い趣味とは言えないが……」

言いつつも反対はしない。
こうして、二人の後を付ける隊が急遽、決定されたのだった。

「あ、プッチャン。美由希先輩には教えなくても良いの?」

「うーん、みゆみゆに知らせるのは、諸刃だからな。
 事態が更に面白い方向へと転がる可能性もあるんだが、逆に今すぐに問い詰めに行く可能性もあるし…………」

「私がどうかしたの?」

「だから、殿と隠密ねーちゃんがデートするって知った時の反応だよ。
 って、みゆみゆ、いつの間に!」

「今だけど。丁度、資料整理の手伝いも終わったから、ちょっとおやつでもと思って。
 って、恭ちゃんがデート!? だ、誰と、いつ、どこで!」

「だ、だから、隠密ねーちゃんとだって。今度の日曜に。場所までは知らねえ!
 ほ、本当だ! だ、だから、首を捻らないでくれ〜。もげる〜。
 マジでやばいぞ、これ! て、手を、早く手を離してくれ〜!」

「あ、ああ、ごめん。そっか、聖奈さんとか……」

「ああ、そうだ。ふー、死ぬかと思ったぜ」

「人形でしょう」

「それを言うなよ、みゆみゆ。で、どうする?
 俺たちは面白そうだから、後を付けてみるつもりだが」

「うーん、私も参加したいけれど、その日は家に帰るって言ってるから」

「家?」

「うん。あ、言ってなかった? 私と恭ちゃんは、海鳴に実家があるんだよ。
 まあ、そんな訳で残念だけれど、今回はパスね」

「そうか。にしても、珍しいな」

プッチャンの言葉に、美由希は苦笑を浮かべ、そりゃあ気になるけど……、とブツブツ呟きつつ、
ポッチーをかじかじと齧る。
そんな美由希の肩にポンポンと手を置くと、プッチャンは分かっているという風に首を頷かせる。

「結果は教えてやるよ」

「お願いね」

言って固い握手を交わす心の友たち。
そんな二人をやや呆れたように見詰める香たちだった。



  § § §



日曜日、寮の前の茂みへと身を隠した一行が待つ中、恭也と聖奈の二人が一緒に寮から出てくる。

「あはは〜。一緒の寮なんだから、前で待ち合わせる必要はなかったわね」

「ええ。にしても、未だに男子と女子が同じ寮というのは問題だな」

「仕方ないわよ。そこまで考えてなかったんだし。
 まあ、恭也さん以外の男子が生徒会に入ったら考えましょう」

「そうだな」

二人は並んで歩きながら、街へと降りて行く。
二人からかなりの距離を開け、りのたちも追跡を始める。

「もうちょっと近づかないと、何を話しているのかも分からないぜ」

「無理言わないでよ」

「香の言う通り。あの二人を尾行するのは、かなり無理で、無茶で、無謀なんだから」

「これ以上近づけば、気付かれる」

「くっ。隠密のトップってのは、伊達じゃないってことか」

プッチャンは遥か先を楽しそうに話しながら歩く二人の背中を、恨めしそうに見詰めるのだった。



駅へと向かった二人は、そのまま切符を購入して改札を潜っていく。

「おいおい、遠出するのかよ」

「ピンチで、危機で、窮地! 何処まで行くのか分からないと、切符が買えない!」

「とりあえず、一番安いの買っとけ!
 降りるときに清算するんだ」

「了解で、ラジャーで、イエッサー隊長」

れいんは敬礼して見せると、券売機へと小百合を引っ張って駆けて行く。
人数分の切符を手に戻ってきたれいんから切符を受け取ると、急いで改札を抜ける。

急いでホームへと駆け込んだれいんたちの前に、丁度、電車に乗る恭也たちの姿があった。
香たちは一両ずらして乗り込むと、隣の車両を窺う。
勿論、その姿は同じ車両に乗っている人たちには奇異にしか映っていないのだが、
本人たちは気にする事無く、楽しそうに笑う二人を見詰めるのだった。
二人は思ったよりも遠くへと行くこともなく、二駅先の海鳴駅で降りる。
当然、その後を追うりのたちも降りると二人の後を追う。
駅を出て二人は立ち止まる。
それに慌てたのは後を付けている小百合たちで、四人は慌てて物陰へと身を隠す。

「まさか、気付かれたのか?」

「分からないわよ、そんな事。
 でも、気付かれたのなら、何らかのアクションがあるでしょう」

プッチャンへと返しつつ、香はじっと前方の二人を見る。
恭也と聖奈の二人は、暫く立ち止まって話をしながら時折、腕を伸ばして指を指している。
それが済むと二人は歩き始める。
どうやら、気付かれたのではなく何処に行くかを相談していたのかもしれない。
ほっと胸を撫で下ろす一同の前で、聖奈が隣を歩く恭也へと近づき、その腕に自らのを絡める。

「なっ!?」

香が思わず驚いて裏返った声を上げる。

「にっ!?」

続くように小百合も上ずった声を出す。

「ぬっ!?」

目を見開き、驚愕の表情のままれいんが洩らせば、

「ねっ!?」

いかにも楽しそうにプッチャンが叫ぶ。

「うわ〜」

ただ一人、りのだけが感心したような声を上げ、プッチャンがずっこける。

「おいおい、りの〜。そこはの、がお約束だろう」

「ああ〜、ごめんプッチャン。のっ!?」

「いや、もう遅いって」

「ほら、馬鹿なことやってないで、追うわよ」

俄然やる気を見せ始める三人の後を、りのが慌てて追う。
既に好奇心の塊と化したと言っても過言ではない三人の後を追いながら、
プッチャンはその三人の向こう、恭也と聖奈を見る。

(くくく。これは本当に面白くなってきたぜ〜)

プッチャンは一人、ほくそ笑む。
そんな追跡に気付いていないのか、二人は人気の少ない裏路地を歩く。
人が少なくなった事により、更に距離を開けながらも追跡を続ける四人。
どれぐらい歩いたか、民家が建ち並ぶ場所へと出てくる。
と、後を追うりのたちの前で、聖奈が角を曲がる。
すぐに追う訳にも行かず、暫くしてから角までやって来ると、そっと顔だけを覗かせる。
すると、丁度、聖奈が次の角を曲がるのが見えた。
またしても角まで走るりのたち。
角から覗けば、やはりまたしても聖奈が曲がる所だった。
こんな事を繰り返しているうちに、時刻は既に昼を回っていた。

「ひょ、ひょっとして気付かれているんじゃ…………」

りのの言葉に、他の者も同じ感想を抱き始めた頃、二人の姿を見失う。

「しまった! 見失った、ロストした、離された!」

慌てるれいんの肩に小百合が手を置き、角を指差す。

「あそこ!」

その言葉に、これ以上引き離されないようにと、りのたちは一気に角まで来る。
どうやら、商店街の入り口のようで、人がそれなりに行き交っている。
さっきまでよりも距離を縮めて追跡できる代わりに、今度は逆に見失う可能性が上がる。
現に、今も恭也と聖奈の姿を探している最中である。

「あ、居ました。あそこに聖奈さんが」

りのが指差す先、確かに聖奈が腕を組んだまま楽しそうに笑っている。

「追うわよ」

香が先導するように動き出し、その後を他の者が追っていく。
時に看板の後ろに、時に電柱の後ろへ。
またある時には通行人の後ろにへばりついてと、かなり怪しい行動を繰り返し、りのたちは聖奈の後を付いていく。
ようやく、目的地に着いたのか、二人は一軒の店へと入って行く。

「よ、ようやく、落ち着ける〜」

そのまま座り込むれいんへ、プッチャンが冷酷に告げる。

「でも、俺たちまで入るわけにはいかないんだな、これが」

「そっか〜。入っちゃうと、ばれちゃうもんね」

「そういう事だ、りの」

プッチャンの言葉に納得しつつ、りのは腹を押さえる。

「でも、お腹すいたよプッチャン」

「仕方ない。誰かがその辺の店から適当なものを買ってくるって事で」

「あ、じゃあ、あっしと小百合で行って来る」

言うやいなや、れいんは小百合の手を引いて走っていく。
その背中へとプッチャンが呆れた声を掛ける。

「もし、おまえ達が言っている間に、二人が出てきたらどうする気なんだ?」

「アンタが買出しを言い出したんでしょうが」

「だから、その際の連絡を取る方法を決めてからにしようとしてたんだよ」

喧嘩する二人の間で、りのはお腹に手を置いたまま座り込むのだった。
幸いにして、れいんと小百合が帰ってくるまで、恭也たちに動きはなく、
りのたちは店が見える向かい側の店と店の間に身を置きながら、買ってきたものを食べる。

「何が悲しくて、折角の休みにこんな所で食事を…………」

「言うな、香! それはあっしたちも同じ事!」

「でも、れーちゃん先輩たちは自業自得って気も」

「付いて来ている時点で、香も一緒」

「そ、それはそうですけど」

小百合の言葉に、香も言い返すことが出来ずに怯む。
その間、りのとプッチャンは無言でひたすら食べることに集中していたりするのだが、誰も気付いていなかった。
店の前で待ち伏せをする事数時間。
既に日が傾き出して赤く染まり始めた商店街で、香たちはひたすら店を見詰める。
りのは、そんな三人の後方で座り込んで寝ている。
当然、その手に居るプッチャンも店の見える位置におらず、する事もないので、こちらもまた寝ていた。
これからどうするのか相談しようと振り返り、ようやくその事に気付いた香は、プッチャンの頭を叩く。

「言い出しっぺが寝るな!」

「おおう! な、何だ、何か動きがあったのか!?」

「あんたね〜〜」

怒る香を宥めつつ、れいんが若干真剣な顔になる。

「でも、実際にどうするの? このまま待つのも一つだけど。
 ここはギャンブルと一緒で、いちかばちか入るってのもありかも」

「確かに幾らなんでも遅すぎるな。仕方ない、入ってみるか」

プッチャンはそう決断すると、店へと入る。
カランカランというベルの音に続き、ウェイトレスの声が届く。

「いらっしゃいませ〜。って、みんな!? どうしたの?」

「みゆみゆじゃないか。何でここに?」

「何でって言われても、ここはうちのかーさんの店だし…………」

美由希の言葉に、香とれいん、小百合は店の外に出る。

「「「あーー!! 翠屋!」」」

どうやら三人はこの事を知っていたらしく、今改めて店を見て気付き、思わず悲鳴じみた声を上げる。
そんな三人をプッチャンが呆れた顔で見下ろす。

「気付けよ、お前ら」

そんな四人へと、のほほんとした声が届く。

「ほらほら〜。店の前で座られると他のお客さんの迷惑だから、中に入ってね」

そう言って声を掛けてきた人物を見て、五人が驚いた声を上げる。

「聖奈さん(先輩)!!」

「隠密ねーちゃん!!」

「どうかしたの?」

「えっと、いえ、その……」

どもる香たちに首を傾げつつも、これ以上迷惑にならないように、店の空いている席へと案内する。
ようやく落ち着きを取り戻した五人の元へ、美由希が水を持って現れる。

「何で、聖奈先輩が、そんな格好を……」

香の言葉に、聖奈は似合う、と首を傾げながらエプロンの裾を抓んでみせる。
そう、翠屋のエプロンの裾を。
そんな五人に美由希が笑いながら説明する。

「何でって言われても、聖奈さんにお店を手伝って貰っているからだけど」

「手伝って? それじゃあ、殿は?」

「恭ちゃん? 恭ちゃんなら奥だよ。
 何か用? 伝えておくけど」

「い、いや、良い……」

美由希の言葉に肩を落とすプッチャンに顔を寄せ、香たちは睨み付ける。

「誰がデートだって?」

「あ、あははは〜。ま、まあ、こんなこともあるって」

「それで、何か注文する?」

美由希の言葉に香たちは肩を竦めると、メニューを開いてそれぞれに注文する。
無駄な一日を、少しでも取り戻すために。
そんなりのたちの様子を、美由希は苦笑を浮かべ、聖奈はいつもと変わらない笑みで見ていた。





りのたちが帰り、店が大分落ち着いた頃、奥から恭也が現れる。

「お疲れ様、恭也さん」

「ああ、別に大した事ではない。襲撃もなかったしな」

恭也がカウンターに腰を降ろすと、聖奈がコーヒーを差し出す。

「はい、どうぞ」

「ああ、ありがとう。で、りのたちは上手く誤魔化せたのか?」

「うん、大丈夫よ。美由希ちゃんの協力もあったしね」

「途中で恭ちゃんと入れ替わった時は、ばれるかと思ったけれど……」

「うふふふ。恭也さんと腕を組んだところを見せたからね。
 そうすれば、私が腕を組んで歩いている相手は恭也さんだと思うでしょう。
 恭也さんの姿が見えなくても、自然と相手は恭也さんだと思ってくれるのよ」

そんな事を話していると、一段落ついた桃子が現れる。

「はい、聖奈ちゃんもお疲れさま。
 幾ら、後輩の子たちを誤魔化すためとはいえ、手伝ってくれてありがとうね〜」

「いえいえ〜。こちらこそ、助かりました」

「かーさん、本当に助かった」

「気にしなくても良いわよ。
 恭也に頼られるのって滅多にないんだし」

この会話から分かる通り、聖奈は恭也へと護衛の仕事を依頼していたのである。
正確には、恭也へと伝えただけで依頼主は別にいるのだが。
ともあれ、りのたちの尾行に最初から気付いていた二人は、途中で美由希と恭也が入れ替わり、
町中を連れまわした後で、翠屋の前に足止めしたのだった。
その真実を知っていたため、美由希もその話を聞いても取り乱す事がなかったのであった。
尤も、この真実をりのたちが知る事はないが。





続く




<あとがき>

ってな訳で第6話は、後を付ける探偵のお話〜。
美姫 「うそつき!」
ぐげっ! う、嘘じゃなくて、冗談と言え……。
美姫 「ゲシゲシ」
のぉぉ! な、何で?
美姫 「それじゃあ、次回も極上よ〜」
それじゃあって、何の脈略ないし!
って言うか、殴られた理由が分からないんだけど……(泣)







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