『リリカル もう一つの戦い その2』






なのはとフェイトの戦いへと割り込んだ数日後のこと。
以前の再現かと思わせるほど、道場内で同じように正座して向かい合う二人。
その間には、以前の戦いの後、士郎が取り上げたデバイスと呼ばれる15センチにも満たない棒が二つ。
士郎に回収された事で、なのはたちを信じて、もうアホな事はしないのだろうと安心していた恭也だったが、
改めて、自分の目の前に居る男が、高町士郎であった事を思い出す。
いや、思い知らされる。
全国武者修行と称し、幼い恭也をあちこちに引きずり回した男なのだ。
思い返せば、貴重な経験を幾つもした。
同時に、同じぐらいに死ぬような目にもあった。
武者修行と銘打っているだけあって、恭也の成長は過去の御神剣士と比べても抜きん出てはいる。
その事には感謝はしている。
だが、恭也がこの旅で学んだ最も大事な事はと聞かれれば、迷わずにこう答えるであろう。
士郎の事を理解しようとしてはいけない、と。

(そう言えば、青森でリンゴを食べているときに、博多ラーメンが食べたいと言って九州に向かったな。
 お陰で、路銀が底を着いたが。あの時か。どうせなら、有名店を食べ比べてみないとな、とか言い出したのは)

懐かしそうに回想を始める恭也に気付かず、士郎は二つのデバイスを前に深く頷く。

「これで、より俺たちの正体がばれずに、なのはたちに協力してやれるな、おい。
 思えば、長い時間が掛かっちまった。
 その間、なのはに何かあったら、あのイタチもどきをどうしてやろうとか、
 あまり遅いようなら、拷問してでも早く完成するように脅……じゃなく、協力要請をしようか、
 などと思った事は数知れず…」

一人、その時のことを思い出して拳を握る士郎。
だが、それに追随するような声もなく、恭也はひたすら過去を振り返っていた。
それに構わず、士郎は段々と熱く語り出す。

「だが、だぁぁぁがっ! それも今日までだ! 待っていろよ、なのは!
 これからは、俺が守ってやるぞ!」

(普通、有名店の食べ比べなら、その地方でやるもんじゃないのか。
 何故、この人は札幌ラーメンと食べ比べようとしたんだろうか。
 路銀さえ底を突いていたというのに、臨時で稼ぎ、ヒッチハイクと併用して北海道に行ったのも、
 今となっては良い思い出だ。ああ、この時かな。計画を立てる事の大切さを知ったのは。
 そう言えば、ラーメンを食べた後、珍しい土産物を見つけたんだったな。
 確か、熊カレーだったか」

「ああ、だが凛々しいなのはの姿も捨てがたいな。やはり、ビデオは持参すべきか。
 むむ。今、最新のやつって幾らぐらいしたかな。あ、ちゃんとDVD編集する機械も買わないとな。
 ああ、勿論、写真にも残しておかないとな。やはり、一眼レフは基本か?」

何処から取り出したのか、ビデオカメラや編集機のカタログを広げ出す士郎。
大切なはずのデバイスが、無数のパンフレットに埋もれていく。
それを注意する事無く、恭也はここではない何処か遠くを眺める。

(そうだったな。それで、やはり材料は鮮度が大事とか言い出して、北海道だから野菜も美味いはずだとか言って。
 ああ、そうだ。北海道中を巡って、カレーの材料を農家の方からわけてもらったんだったな。
 で、熊だけはどうしようもなく、山へと向かったんだった。
 冬で冬眠中だから、俺でも倒せるだろう。これも修行だとか言ってな。
 で、熊が冬眠するような場所は当然、普段から人が近づく訳もなく、道なき道を延々と歩き回って……。
 急に吹雪き出して、見事に遭難か……。ふっ。雪が思った以上に怖いものだと知ったのは、この時か。
 更にまさか、幾ら父さんでも、少しだけ持っていった食料を一人で食べてしまうとは思わなかったよ。
 お陰で、俺は空腹で腹が鳴って……。ああ、その腹の音がうるさいって、テントを支える柱を折ったんだったな。
 ……よく、無事だったな)

「むむ。やはり、ビデオはこっちの方が良いか。
 少し高いが、やはり綺麗に撮れるというのは大事だしな……。手ぶれ補正も大事だぞ、うん」

(後で問い詰めても惚ける始末だしな。
 今度からは、きちんと証拠となるものを取っておいた方が良いかもな。
 だが、はっきりと分かる形でないと、きっと誤魔化すだろうし…)

「うーん、やはりちゃんと記録に残すのは大事だから。やっぱり、編集機も大事だな。
 高いが、これかな。恭也はどう思う」

「……ふむ。やはり、記録に残すのは大事だな」

「そうか、そうか。やはりそう思うか! なら、決まりだな。
 いやー、お前の事だから反対するかと思ったが、やはりお前も人の子か。
 なのは相手だと緩く……いやいや、優しくなるんだな、うんうん」

一人納得し出す士郎を、現実へと戻ってきた恭也が怪訝な顔で見詰め、ようやくこの場の惨状に気付く。

「って、何をこんなに散らかしているんだ」

「ああ、気にするな。購入の方は俺がやっておくから」

「はぁっ? 何を言って…」

「って、デバイスがぁぁっ! 恭也、探せ!」

ようやく考え事が終わり現状を見れば、自分の取り出したパンフレットの何処かに埋もれてしまったデバイス。
慌ててパンフレットの山を掘り起こし、デバイスを探す士郎の姿に溜め息を一つ吐くと、
恭也もまたデバイスを探すために手近なパンフレットを除けていくのだった。



「さて、無駄な時間を過ごしてしまったが、話を戻すぞ」

全ての原因は自分だろうと突っ込みたいのを堪え、恭也は嫌々ながらに頷く。
先程からずっと、道場に呼ばれた時からと言っても良いが、嫌な予感が、
いや、確信が恭也の中にはあった。
それを否定したくて、一縷の望みをかけるように現実逃避をした訳だが、やはり無駄だったようだ。
尤も、現実逃避で事態が好転するなどという事は、元々ありえないのだが。

「これが、ユーノくんに頼んで出来上がった新デバイスだ。
 これを翳す事で変身でき、声も誤魔化せるという優れものだぞ」

「それよりも、俺は魔法に対する何らかの機能が欲しいのだが。
 それはどうなっているんだ? 流石に、ただの小太刀ではあの魔法を受け止めるのは無理だぞ」

「そんなものはない!」

「はぁっ!?
 こんなくだらない、ボイスチェンジャー機能は着けて、肝心の攻撃や防御に関する機能は一切なし!?」

「ふっ。そこは、ほら、気合で」

「……忘れてたのなら、素直にそう言え!」

「な、何を言う。ちゃんと対策は考えていたぞ」

慌てて告げる士郎を怪しげな目で見詰める恭也。
その冷たい眼差しに思わず後退しそうになるも、士郎は口を開ける。

「魔法使い共に対する技をちゃんと考えたんだからな!」

士郎の言葉に、剣士として興味をそそられたのか、恭也の眉が一瞬だけ動く。
それを見逃さず、士郎は余裕の笑みを刻むとあぐらを組んだ膝に手を乗せて恭也を見る。
同じように、こちらは正座のまま足の上に置いた拳を小さく握りながら、士郎を見返す。
今は昔の怪我が原因で長時間の戦闘や激しい動きは出来ない士郎だが、
それでも剣士として超が付くほど一流なのは恭也も認めている。
その男が編み出した新たな技。
それを耳にしては、恭也と言えど少なからず興奮を隠せはしなかった。

「それで、それは…」

「ふっふっふ。新技。御神流、対魔法戦剣術奥義、撃たれる前に殺(や)れ!! だ。
 まず、相手が魔法を使う素振りを見せたら、何も考えずに相手の懐へと飛び込み……」

「期待した俺がバカだったよ」

「……やーい、バーカ、バーカ。恭也、バーカ」

表情を変える事なく、恭也は無言で素早く小太刀を抜き放つと士郎へと振り下ろす。
これを同じく抜き放った小太刀で受け止めつつ、二人は刃越しに視線を絡める。

「恭也、いきなり斬り掛かるとは何事だ! 危ないだろう!」

「うるさい。今死ね、すぐ死ね!」

「何が気に入らないんだ!」

「そんなアホな戦い方があるか! 飛び込む前に撃たれたらどうする。
 近接用の魔法があったら。発動が早いのもあるだろう。前に見た限り、追尾するような魔法もあったぞ」

「それは、ほら、根性で…」

「どうにもならん!」

「わ、分かったから、刀を仕舞え。その辺に関しては、またユーノくんに頼んでみるから」

「今度こそ、忘れるなよ」

「あ、ああ」

ようやく小太刀を引いた恭也に安堵しつつ、士郎は新たなデバイスを手にする。
不意に真剣な顔付きになると、恭也を見る。

「それで、少し真面目な話に戻すが…」

士郎の言葉に恭也もまた真剣な顔を作ると、ゆっくりと座りなおす。
それを見届けると、士郎は口調も真剣そのままに告げる。

「名乗る名前をどうする?」

「はぁっ!?」

全く予想もしていなかった言葉に、恭也は素っ頓狂な声を上げ、額を押さえながら、
何度も自分に目の前の男は高町士郎だと言い聞かせる。
ようやく落ち着いたのか、ようやく士郎と目を合わせる。

「どうでも良い事に、真剣な顔になるな」

「どうでも良くはないだろう! 大事な事だぞ!」

「前に、仮面の剣士とか名乗ってなかったか」

「あれは仮だ、仮。しまったな。後ろにかっこ、仮って入れておけばよかったか」

「いや、意味が分からないから」

どっと疲れた声を出しながら、恭也はもうどうでも良い気分で適当で良いと返事する。
それを聞き、士郎は一人考え込むと、やおら顔を上げる。

「よし、俺の事はホワイトと呼べ」

「はぁっ!? いや、確かに正体を隠すから、名乗る名前から推測されるようなのは駄目だが…。
 何故、ホワイトなんだ」

「ん? 士郎、シロー、シロ、ホワイト」

「…………で、そうやって付けた場合、俺はどうなるんだ?」

「お前は、恭也、キョウヤ、キョウ、キョ、キ?」

「一文字っ!?
 それ以前に、父さんのような捻りもなければ、単に名前を一文字にしただけじゃないか!」

「ちょっと、待て! 恭也、恭也……。くそっ、考え難い名前だな、おい!
 名付けた奴の顔が見たい!」

「望むのなら、鏡を見ろ」

「俺が付けたんじゃないもんね〜。バーカ、バーカ」

「っ……」

拳を強く握り締めながら、恭也は何とか耐える。
その恭也の目の前で、士郎は手をポンと叩く。

「よし、白の反対で黒。ブラックとでも名乗っとけ」

「最早、俺の名前の名残も何もないな。別に構わんが……」

「ちっ、注文の多い奴だな。まあ、確かにブラックやホワイトと名乗ると、違うものになりそうだからな」

「何の話だ」

「お前には分からんだろうな。日曜日も働くお父様は、朝食を食べながらテレビを見ているんだよ。
 お前たちと違い、社会人は大変なんだ」

「…日曜も俺と美由希は鍛錬を行っているから、朝は早いぞ。
 寧ろ、日曜日に遅いのは父さんだと思うが?」

「…………恭也、恭也。よし、お前はキョウだ!」

「聞かなかった振りか。いや、それは良いが、キョウとはまた安直な。
 と言うか、ばれるぞ、流石に」

「じゃあ、どうしろって言うんだよ! どうでも良いんじゃなかったのか!?
 それに、誰もそんな単純な名前を名乗るとは思わねぇよ!」

遂には逆に切れ始める士郎に、恭也はこの日、何度目か分からない溜め息を持って答えるのだった。





  ◇ ◇ ◇





闇夜を舞うマントに目を隠す仮面を付けた二人の男。
一部の者のみが知る、仮面の剣士その人であった。
彼らは今、空を斬り裂くように飛ぶ。
目指すその先には、戦う二人の少女の姿が。
見れば、なのはたちの味方なのか、もう一人見知らぬ少年が居た。
が、その少年は何者かに蹴り飛ばされる。

「父さ……じゃなかった。ホワイト。あれは」

「知らん。と言うか、気にするな。あくまでも、俺たちの目的は、一になのはの安全。
 二に友人であるフェイトちゃんの安全。三に、なのはの関係者の安全だ」

「あの子も関係者だと思うが」

「男は、特になのはと年の近い男は優先順位が下となるんだ。覚えとけ!」

士郎……もとい、ホワイトの言葉にキョウはただ呆れる。
が、なのはたちの方は吹き飛ばされた少年の下へと集まる。
それに呼応するかのように、敵対していた四人の騎士も一つ所へと集まる。
見れば、そこには白い仮面を付けた男が一人。
仮面の男は、騎士の一人シャマルに何事かを話している。
この関係図を見る限り、あの仮面の男も敵という事になるようだが…。

「早くしろ。減ったページは増やせば良いが、仲間がやられては遅いぞ」

仮面の男の言葉にシャマルは決意すると、闇の書を開く。
それを見て、吹き飛ばされた少年、クロノは逃げるつもりだと悟り、なのはたちに止めるように告げる。
なのはとフェイトが魔法を放とうとすると、それをシグナムとヴィータ、ザフィーラが守るように立ち塞がる。
そんな三人の騎士の前へと仮面の男は立ち、まるで守るかのようになのはたちと対峙する。
なのはたちが魔法を準備するよりも早く、男はなのはに向かって迫る。
男の蹴りがなのはへと当たり、クロノと同じように吹き飛ばされるのを防ごうと、
フェイトが助けるよりも早く、その後ろから二つの影が飛び出す。
男の蹴りがなのはに当たる直前、なのはの前に姿を見せた男が腕でブロックする。

「あ、あなたは…!? 仮面の剣士二号さん」

なのはの言葉に、キョウは思わず力が抜けそうになるが、何とか堪えると男の足を掴む。

「俺の事はキョウと呼んでくれ。頼むから…」

何処か悲愁漂わせるキョウの言葉になのはが頷き返す目の前で、もう一つの影が男の胸へと、
男がクロノに放ったのよりも強烈な蹴りをぶちかます。
吹き飛ばされ、ビルの壁にめり込む男へと向け、もう一つの影、ホワイトは中指を立てる。

「馬鹿野郎が! 誰に危害を加えようとしてやがる! そこで頭でも冷やしていろ!」

言葉遣いは悪く、少し可笑しな格好をした二人組みの出現に、
以前の登場を知らないクロノやシャマル、ザフィーラが言葉をなくす。
だが、格好や言動は兎も角、さっきの動きや攻撃を見る限り、その実力は侮れないと読み取る。
二人の出現に、ヴィータは顔を顰め、シグナムは何処か嬉しそうにデバイスを構える。
その後ろでシャマルは開いた書に指をなぞらせる。

「仮面の剣士二号、会いたかったぞ」

「それだけ聞くと、逢引みたいだな」

「だ、黙らないか、ヴィータ! お前はどうして、そう」

「へいへい。ちっ。あんまやりたかねーんだけどな。
 だが、ベルカの騎士に負けの二文字はねぇ!」

「さて、ヴィータは一号を。私は二号とやる。ザフィーラはシャマルを守ってくれ」

シグナムの言葉にそれぞれのやり方で答える二人を横目に、シグナムは改めてキョウと向かい合う。

「それでは、始めようか仮面の騎士二号」

「……俺の名前はキョウだ。頼むから、そっちで呼ばないでくれ」

「む、そうだったのか。それは悪い事をしたな。では、改めて行くぞ、キョウ!」

共に剣を手にし、今にもぶつかり合おうとした瞬間、後ろから仮面の男がキョウへと攻撃を仕掛けてくる。
しかし、キョウはそれをあっさりと躱す。

「邪魔をするな!」

「…ここは引け。もうすぐ、闇の書によってこの結界は破られるだろう。
 戦いたいというのなら、日を改めよ」

男の言葉にシグナムは、自分が一人ではない事を考え、渋々とだが頷く。
と、シグナムへと注意のいっている男へと、今度は逆にキョウが攻撃を仕掛ける。
それを躱した男、いや、躱したはずだったが、もう一刀の小太刀の峰が男の胸を打つ。
そうして吹き飛ばされる男の先には、ホワイトが舌なめずりして待ち構えており、
飛んできた男をさっきよりも強い蹴りで吹き飛ばす。

「さーて、邪魔者は居なくなったな。いや、先にあいつをやっておくか。
 どう思う、キョウ」

「ホワイトの好きにしてくれ」

「そっか。んじゃまあ、先にあっちから…」

ホワイトが動こうとした瞬間、シャマルの鋭い声が辺りに響き、
一瞬の閃光の後、何かが割れるような音が響く。
閃光が晴れた時には、既に騎士たちの姿はなかった。
誰も居ないはずの空から、シグナムの声だけが降りてくる。

「キョウ。次こそは互いに全力で勝負したいものだな」

その言葉に一つ頷くだけで、キョウは声が落ちてきたであろう空をじっと見上げる。
そんなキョウの元へと、頭を掻きながらホワイトが近づく。

「ちっ。あの野郎、さっさと逃げやがった。もう何処にもいやしねぇ。
 次に会ったら、覚えてろよ」

なのはたちを助けに来た正義の味方のはずなのに、吐く言葉は悪役みたいである。
ともあれ、今回も二人の活躍(?)によって、なのはの安全は守られた!
ありがとう、仮面の騎士、ありがとうホワイト、キョウ!
太陽に向かって一人、拳を握りながらブツブツと呟くホワイトの奇行に肩を竦めつつ、
キョウはとりあえずなのはたちが無事なのを確認する。

「そっちの男の子も大丈夫か?」

「え、ええ。所で、あなたたちは…。それに、その力…」

疑問をぶつけるクロノには答えず、キョウはなのはとフェイトに笑いかける。

「キミたちも無事で良かった。それじゃあ、俺たちはこれで。
 ほら、ホワイト、さっさと帰るぞ」

「ちょっ! ちょっと待て! もう少し余韻に…」

「はいはい」

ホワイトの襟首を掴みながら、空の彼方へと去って行く二人の背中を呆然と眺めるクロノたち。
その中にあって、なのはとフェイトだけは少し名残惜しそうに二人の去った方向を見詰め、
それらの一番後ろで、ユーノは吹き出た冷や汗を必死に拭っていた。
その脳裏に浮かぶのは、士郎より聞かされた言葉だった。

(もし、俺たちの正体がばれるような事があれば、これを作った君の責任だ。
 まあ、万が一にもそんな事はないと思うがね。でも、そんな事があったら……。あはははは。
 俺は思わず、キミがイタチだった時になのはや桃子とどんな事をしていたのかを思い出しそうだよ)

笑顔で持っていたリンゴを意味もなく握りつぶす士郎に、ユーノはイタチではないという反論も出来ず、
ただただ無言で頷くしか出来なかったのだ。
その時の事を、二人が出てきてからずっと思い出しており、
ユーノはなのはたちの会話に加わる事が出来ずにいたのだ。
だが、とりあえず一難は去ったみたいで、ほっと胸を撫で下ろす。
しかし、彼らは再びやってくるであろう、間違いなく。
なのはのピンチの時には、それはもう、疑う余地がないぐらい確実に。
そんな事が起こらないように、ユーノはもっとなのはをフォローできるように、
更なる魔法を勉強する決意をここにする。
だが、なのはの性格や、今関わっている事件の大きさから言って、安全という言葉は程遠いものではある。
そんな訳で、今日も今日とて謎の二人組みが空を飛び回り、一人の少年へと過大なるストレスを与え続ける。







おわり




<あとがき>

まさか、これの続編でリクエストが来るとは
美姫 「一発ネタだったのにね」
うむ。短編の続編って、意外と難しいな。
美姫 「意外でも何でもないんじゃ」
まあ、それっきりのつもりで書いているからな。
と言うわけで、前回と比べて少し可笑しい個所があるかもしれませんが…。
美姫 「そこは笑ってスルー♪」
極夜さん、400万ヒットおめでとうございました。
美姫 「こんな感じになりました〜」
それでは、この辺で。
美姫 「それじゃ〜ね〜」







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