『想い寄せて』
小ネタ
選択肢2.美由希
「わ、私は恭ちゃんの事が好きだよ」
「ああ、俺もだ」
恭也からの返答に美由希の頬に涙が一筋伝う。そして、そのまま恭也の胸へと飛びつく。
そんな美由希の頭を優しく撫ぜ、恭也は美由希が落ち着くまでずっとそうしていた。
やがて、美由希が落ち着いた頃を見計らって恭也は口を開く。
「美由希・・・、もう一度良いか?」
それが何をさしているのか分かり、美由希はただ黙って頷く事で了承の意を示す。
美由希が頷いたのを確認してから恭也はゆっくりと美由希に顔を近づけていく。
とそこへ、非常に申し訳なさそうに第三者の声がする。
「あのー、すいません。もう一周しますか?」
その声のした方を見ると、係りの人が困ったような顔をして立っていた。
「お、降ります。恭ちゃん、なのはをお願い」
「ああ、分かった」
恭也と美由希は顔を赤くしながらその場から走って逃げた。
その時、恭也に背負われ寝ているはずのなのはの顔も少し赤くなっており、
罰が悪そうな顔をしていたが、二人は最後までそれには気付かなかった。