『天に星 風に歌 そして天使は舞い降りる 6』






車内にもうすぐ到着するというアナウンスが流れ、恭也は眠りから目を覚ます。
目を覚ました恭也は、窓から外を眺めながら、口を開く。

「やっと京都に着いたか」

今日は恭也の通う学校の修学旅行だった。
恭也は外へと視線を向けながら、数日前のやり取りを思い出し、一人笑みを浮かべる。
その時、修学旅行に行く事を言ったら、真雪に土産に酒を買ってくるように言われた。
それを横で聞いていた知佳が嗜め、耕介が苦笑する中、
ふざけすぎた真雪が薫に追いかけられるといういつもの展開へとなったのだが。
そんな事を思い出しているうちに、列車は駅へと着いたようだった。
京都駅に着くと、先生を先頭にしてぞろぞろとその後に続き降りていく生徒たち。
生徒たちは駅を出ると、そこから観光バスへと乗り換える。
そうして一日目はあちこちをバスで移動しながらの観光をするのだった。

二日目。
クラス毎に行動するこの日、恭也のクラスは京都市内の観光をしていた。
そして、ある土産物屋でクラスメイトたちが店の中を行き来する中、恭也は見知った顔を見つける。
どうやら向こうも気付いたみたいで、こちらへと近づいてくる。

「薫さん、こんにちは。珍しい所で会いますね。どうしたんですか?」

「ああ、言ってなかったっけ?うちも修学旅行なんよ」

「聞いてましたけど、場所までは聞いてませんでしたね」

恭也と話していると、薫はふいに名前を呼ばれる。

「薫〜、これ面白いと思わない、って、恭也くん?」

「あ、瞳さん。こんにちは」

恭也は薫の後ろから現われた瞳にも挨拶をする。

「そう言えば、恭也くんも修学旅行って言ってたわね」

「はい」

瞳の言葉に、恭也は頷いて答える。

「薫さんたちは、この後どこに行く予定なんですか?」

「うちらは自由行動だから、まだどこに行くか決めてないんよ」

薫たちと話していると、同じグループなのだろうか数人の女子たちがやって来る。

「薫、瞳〜。その可愛い子、誰?」

「あ、この子、文化祭に来てたわよね」

「あ、薫と瞳に勝った子だ!」

あっという間に、数人のお姉さんたちに囲まれる恭也。

「ねえ、名前は何ていうの?」

「どこの学校なのかな?」

「え、えっと…」

4人のお姉さんに囲まれ、矢継ぎ早にされる質問に困る恭也。
そんな恭也を見て、瞳が両手を打ち鳴らす。

「ほらほら。皆、そんなに一気に質問したら、恭也くんだって困るでしょう」

「千堂の言う通りね。それに、ここは店の中とよ。
 店の人の迷惑になるから、少し静かに」

瞳と薫の言葉に頷くと、お姉さま方は恭也を連れて店を出る。
店の出入り口から少し離れた所で、お姉さま方は改めて質問をする。
今度は、恭也の両側に薫と瞳がいて、先ほどのような事にならないようにしている。

「えっと、じゃあ名前は?」

「高町恭也といいます」

「恭也くんか。あ、ジュース飲む?」

ショートカットで活発そうな子は、そう言うと恭也の返事も待たずに自販機へと駆け出す。
それを見ながら、瞳が苦笑を浮かべる。

「また、香也は人の意見も聞かずに…」

「仕方がないわよ。だって香也だもん」

瞳の言葉に、追随するように言った少女の言葉に全員が頷く。
そうこうしている内に、香也と呼ばれた少女が戻ってくる。

「はい、薫たちの分もあるからね」

香也はそう言うと、全員に飲み物を渡す。

「あ、真璃愛(まりあ)、飲み方分かるよね」

「当たり前ですよ。伊達に皆さんと付き合ってませんよ。
 私も、これぐらいは覚えました」

真璃愛と呼ばれた少女は、少し口を尖らせて文句を言う。

「あははは。ごめん、ごめん。と、じゃあ、僕たちの自己紹介もしないとね。
 僕は長崎 香也(ながさき かや)って言うんだ、宜しくね」

ショートカットの少女がそう言うと、その横にいた少し背の低い幼い感じの少女が手を上げる。

「はいはい!次は奈々の番だね。奈々は早乙女 奈々(さおとめ なな)って言うの。宜しくね」

「宜しく」

奈々に頭を下げる恭也。
恭也が頭を上げるのを待って、ロングヘアーのどこか上品な物腰をした少女が口を開く。

「私(わたくし)は、御園真璃愛と申します。以後、お見知りおきを」

「あ、はい、こちらこそ」

頭を下げる真璃愛に倣い、恭也も再び下げる。
そんな恭也を見ながら、残る一人が口を開く。

「私は木村 聡美(きむら さとみ)。一度会ってるんだけど、覚えてる」

「あ、はい。文化祭でですよね」

「そうそう。とりあえず、宜しくね」

「はい」

一通り、自己紹介を終えると、香也が尋ねる。

「ねえねえ、どうして恭也くんと薫たちは知り合いなの?」

「私は薫経由だから」

瞳はそう言って、薫へと視線を移す。
それを受け、薫が説明する。

「えっと、うちはたまたま知り合ったと言うか」

十六夜を使った右膝の治療を誤魔化しつつ、説明をしようとして言葉に詰まる。
そこへ、恭也が助け舟を出す。

「俺の妹と、薫さんの住んでいらっしゃる寮の方が友人で、その関係で何度か寮の方にお邪魔してるうちにです」

その言葉に、全員が納得する。

「うぅ〜、恭也くん可愛い〜。やっぱり、このまま連れて行ったら、まずいよね。駄目だよね」

香也が薫たちに向って、そんな事を言う。
言われた恭也は照れて下を向くが、その仕草が更に香也の心に火を点ける。

「か、可愛いぃぃぃ。あ〜ん、僕、こんな弟が欲しい。
 こんな弟がいたら、毎日可愛がるのにぃぃ」

香也は恭也へと抱きつきながら、そんな事を言う。
それを見て、瞳たちは顔を見合わせ苦笑する。

「まーた、香也の悪い病気が始まった」

瞳の言葉に、聡美が頷きながら答える。

「仕方がないわよ。香也は可愛いものに目がないから」

「香也ちゃん、ずるい!奈々も!奈々も恭也くん、ぎゅってしたい!」

奈々はそう言うと、香也の逆側から抱き付く。
そんな三人を眺めながら、真璃愛が楽しそうに笑う。

「あらあら。皆さん、楽しそうですね」

「いや、恭也くんは二人に挟まれて苦しそうだけど」

真璃愛の言葉に、聡美が突っ込むが、真璃愛はあらあらと言って首を傾げるだけだった。
そんな中、見かねたのか薫が声を出す。

「ほら、長崎、早乙女。恭也くんが苦しがってるから、その辺にしとくと」

薫に言われ、二人は渋々ながら離れる。

「大丈夫やったと、恭也くん」

「はい、助かりました」

恭也を心配そうに覗き込む薫に、恭也は微笑んで返す。
その笑みに、頬を染めながらも、薫は「そう」と短い返事を返すのだった。
そんな薫を面白いものを見るように見ていた瞳が、

「ほら、香也も奈々も。あんまり恭也くんにくっ付いてると、薫が怒るわよ」

「せ、千堂!な、何を、言っちょるとね!」

焦ったように怒鳴る薫を、香也たちが珍しいものを見るような目で見る。

「はー。薫さんは面食いだったんですね」

「み、御園!」

「薫、慌てれば慌てた分だけ怪しいって」

「木村まで…」

「かと言って、否定しなかったら聡美によって、どんな事を言いふらされるか」

「あら、香也。そんな言い方は心外だわ。私はただ、真実を面白おかしく聞かせてあげようと思っているだけなのに」

「奈々は〜、面白おかしくしてる時点で、少し内容が変わっていると思うんだけど〜」

急に騒ぎ始める薫たち。
そんな中、恭也に声を掛ける人物がいた。

「おーい、高町!」

「あ、先生」

恭也は声のした方を向く。
そこには、先生を筆頭にして、クラスメイトたちが揃っていた。

「修学旅行に来てまで、ナンパするなよ。先生なんか、先生なんか…」

後半は涙声になりながら、言葉を詰まらせる。
その後ろでは、「先生〜、ナンパって何?」とか、「先生、泣かないで。そのうち、きっといい事があるよ」とか、
「高町くん、酷いわ。私というものがいながら」、「何を言ってるのよ。高町くんは私のよ」とか。
そんな生徒たちの声が聞こえてくる。
そんな先生やクラスメイトたちを見ながら、瞳が恭也に言う。

「何か楽しそうなクラスね」

「ええ、まあ。退屈はしませんね。それじゃ、俺はここで」

「そうね。ひょっとしたら、また会うかもしれないけどね」

瞳はそう言って笑う。
恭也は全員に挨拶をすると、クラスへと戻って行った。
その先で、「先生、誤解ですよ。あの人たちは知り合いで…」という恭也の言い訳が聞こえてきて、
薫たちは顔を見合わせると笑みを浮かべるのだった。



  ◆ ◆ ◆



三日目の午後。
京都の市街地を歩いていると、前方から薫たちがやって来る。

「あ、恭也くん。また会ったね」

香也が嬉しそうに手を振りながら話し掛ける。
それに対し、恭也は挨拶をする。
瞳が恭也の担任の先生と話をして、行き先が同じと分かると、同行を申し出る。

「幾ら高町の知り合いと言っても…」

「まあまあ。そんなに固い事は言わないで。ね、お願い」

瞳の横から、聡美が両手を合わせながら上目遣いに見る。

「まあ、行き先も一緒ですしね。あはははは。大勢の方が楽しいでしょう」

そう言って、許可を出す担任を見ながら、薫が恭也に囁く。

「ほ、本当に面白い先生じゃね」

「ええ。本当に何を考えてるんだか」

恭也はそっと溜め息を零すのだった。



香也たちと奈々に両手を取られながら移動する恭也に、冷たい視線が突き刺さる。
担任の教師の視線と、クラスの女子の視線、そして薫の視線である。
同じクラスの女子たちの視線は、恭也ではなくその両横に向けられていたのだが。

「薫〜、何怒ってるの?」

瞳が微笑みながら、薫に言う。

「べ、別に怒ってなんかなか!」

「充分、怒ってるじゃない」

瞳と薫のやり取りを聞いていた真璃愛が、ポンと手を打つ。

「ああ、薫さんは嫉妬してるんですね」

「み、御園!」

「まあまあ」

薫の怒鳴るような声にも、真璃愛は表情を崩さず、笑みを浮かべた口元に手を当てる。
そこに木村も加わり、薫たちは騒ぐ。
その騒ぎを後ろに見ながら、香也は満面の笑みを浮かべていた。

「まさか行き先が同じなんて、ラッキーだったわ。瞳と聡美に感謝しなきゃね。
 恭也くんとこうして一緒に歩けるなら、翠屋のシュークリームぐらい安い、安い」

何やら裏で取引をしたらしい香也は、それでも上機嫌で歩く。
その香也とは逆の手を繋ぎながら、奈々も笑顔を浮かべていた。

「フンフンフ〜ン♪恭也くん、楽しいね〜」

何が楽しいのか、奈々は握った手を大きく振りながら歩く。
と、信号待ちで止まり、恭也は薫へと話し掛ける。

「薫さん、どうかしましたか?」

「え、な、何が?」

「いえ、先程から何か様子がおかしいような気がしたので」

「な、何でもなかよ。大丈夫」

「そうですか。なら、良いんですけど…」

恭也はそう言って、視線を前に向ける。
と、その視線の先に小さな子供がボールを追って道路に飛び出すのが見える。
そして、そこへトラックが突っ込んでくる。
運転手はそれに気付き、ブレーキを踏むが間に合いそうもなかった。
それに気付いた恭也と薫は、同時に走り出す。

「駄目、間に合わない」

「ここは、俺が」

薫の呟きに恭也が答え、神速の領域へと踏み込もうとする。
それよりも早く、その子供の前に一つの影が立つ。
笠を被り顔は良く見えないが、微かに覗く横顔と、そこから伸びている長く美しい髪から女性だろう。
緋袴を穿き、手には日本刀を持っている。
突然の闖入者に、恭也たちの動きが止まる。
そんな二人の前で、トラックが止まりきれずに突っ込んでいく。
一瞬とはいえ、止まってしまった恭也たちはその場には間に合わないと分かりつつ、再び走ろうとする。
そんな中、その女性は被っていた笠を放り投げ、白木の柄に鈴が付いた刀に両手をかける。
そして、それを抜きざま振り下ろす。
と、音もなくトラックが二つに割れ、その女性と子供を避けるように通過する。
その半分が、運悪く恭也たちへと向って来た。
驚いている薫を抱きかかえ、恭也はそれから身を躱す。
女性は恭也たちを見て、無事だと分かると、まず子供を抱きかかえ、母親へと渡す。
礼もそこそこに、恭也たちの元へ来ると、

「どうもすいません。少し失敗してしまいましたわ。
 どこぞ、お怪我はありませんか」

「あ、はい。大丈夫です」

「そうですか。それは、良かったです。そちらも?」

そう言うと女性は薫を見る。
薫は頷くと、自分が恭也にまだ抱えられたままである事に気付き、顔を赤くする。

「きょ、恭也くん。もう大丈夫だから」

「あ、すいません」

恭也は薫の言葉に、薫を地面へと降ろす。
その時、恭也の目にどこも怪我をした様子のない運転手の姿が映る。

「あの技は一体…」

薫を降ろした恭也は、目の前の女性へと視線を向ける。
純粋に剣士として、目の前の女性に興味を抱く。
そんな恭也に、微笑んで見せると、

「無事でなによりでした。ほな、うちは仕事の途中でしたので」

そう言って、立ち去ろうとする。
そんな女性に、声を掛けるものがいた。

「鶴子さん、こんな所にいたんですか。もう、急にいなくなるから驚きましたよ」

その人物を見て、薫が驚いた声を上げる。

「楓!どうして、こげな所に」

「か、薫?!それはこっちの台詞だよ。ここは京都なんだから」

「あ、ああ、そうじゃった。うちは修学旅行で」

薫と楓のやり取りを見ながら、鶴子と呼ばれた女性が話し掛ける。

「楓はん、こちらはお知り合いで?」

「あ、はい。こっちは薫と言うて、うちの従兄妹です」

「ほう。ほな、神咲の…」

「ええ。薫は一灯流の伝承者なんです」

楓の言葉に、鶴子は面白そうな顔をする。

「ほな、そっちの子は?その子も、ただもんではおまへんやろ」

鶴子の言葉に、楓も薫の横にいる恭也を見る。

「さあ?うちは知りませんけど…。ま、まさか薫の彼氏!」

「ち、違う!楓、そうやってすぐに思い込むのは悪い癖やで。そげな事言うたら、恭也くんに悪いやろ」

「恭也はんと言いはるんですか」

鶴子の言葉に恭也は頷き、

「それよりも、ここからどいた方が」

恭也の言葉に、ここが道路の真中である事を思い出し、四人は場所を移す。
その際、担任と瞳には事情を説明し、先に行ってもらう事にする。
瞳は薫の事情を知っているため、香也たちに上手い事言って、立ち去る。
恭也は、

「警察に事故の説明とかをしないといけないと思うので。間近で見た人物として。
 それに…」

そう言い、鶴子を見る。
それで恭也の言いたい事を察した先生は頷く。

「分かった。一応、先に行ってるから。もし、時間までに来れそうもなければ、ホテルに戻ってなさい」

恭也は頷いて答える。
それを確認すると、先生は他の生徒を連れて行くのだった。

「恭也くん、良いの?」

「ええ。あの先生は俺の事情を知る数少ない人ですから。父さんの友人なんですよ」

その言葉で納得すると、薫は改めて鶴子へと向き直る。

「神咲の名を知っていて、尚且つ、仕事中で楓と一緒におられたと言う事は、鶴子さんも」

薫の言葉に頷きながら答える。

「うちも退魔士です」

「鶴子さんは、かなりの腕前やで、薫」

「そんな事はありしません」

鶴子はそう言うが、先程の一撃から薫は鶴子の実力を大体掴んでいた。
間違いなく、自分よりも上だろうと。

「もしかして、京都の山奥で伝えられてきた神鳴る剣…」

「まあまあ。そないな事、どうでも良いやおまへんか。
 それよりも、早く友達の所へ戻った方が宜しいかと。
 この仕事は、うちと楓はんで充分ですさかい」

鶴子の言葉に、薫は暫し考えるがやがて頷く。

「今度、時間があればゆっくりとお話を聞きたいもんです」

「そうですな。今度、時間があればゆっくりと…。では、うちらはこれで」

鶴子はそう言うと、その場を去って行く。
楓も薫に軽く挨拶をすると、鶴子の後を追うのだった。
その場に残される形となった薫は、暫し鶴子の去った方を見ていたが、突然恭也に手を掴まれ、引っ張られる。
それに驚きながらも、大人しく付いていく。

「恭也くん、どうしたと?」

走っている所為ではなく、他の理由で暴れる動悸を押さえつつ、平静を装って聞く。
そんな薫に、恭也は走る足を止めずに言う。

「トラックを真っ二つにした張本人の鶴子さんがいない以上、俺たちがあそこにいたら、すぐには戻れませんよ」

そう言って恭也は、聞こえてくるサイレンの音を薫に教える。
薫もそれに頷くと、一緒に走り出す。
その手をしっかりと握ったまま。
やがて、現場から離れたところで恭也たちは止まる。

「ふー、ここまで来れば良いでしょう」

「そうじゃね」

二人とも大して呼吸も乱れておらず、ゆっくりと歩き出す。

「さて、これからどうすると?」

「そうですね。とりあえず、皆と合流しましょう。多分、まだ間に合うかと」

「そうじゃね」

そこで恭也はまだ、薫の手を握っている事に気付き、慌てて離す。
それを少し寂しく感じ、薫は思わず口走る。

「うちと手を繋ぐのは嫌?」

言われた恭也も、言った薫も驚く。

(う、うちは何を…)

慌てて何かを口にしようとするよりも早く、恭也が薫の手を握る。

「嫌じゃありませんよ」

「そう。でも、うちの手は長崎や早乙女と違って、剣ばかり握ってるからゴツゴツしとるじゃろ」

「それは、俺も同じですよ。それに、俺は薫さんの手、好きですよ」

驚いて恭也の顔を見る薫。恭也はそっぽを向いて、誤魔化すように言う。
ただ、その顔は耳まで赤くなっていたが。

「薫さんの手は、人に仇なす霊から人々を守るために鍛えられたものですから。
 それに、……そんなにゴツゴツしてないですよ。その、綺麗です」

恭也は小さくなっていく声で言う。その声は薫の耳にはっきりと届き、薫は嬉しい気持ちになる。

「ありがとう」

「いえ」

二人は無言で、手から伝わる温もりを感じながら歩いて行った。



こうして色々あったけれど、二人にとって、この修学旅行は良い思い出となったのであった。





  つづく




<あとがき>

キレンジャーさんで、47万Hitリクエストでした。
今回は、薫メインかな?

美姫 「色んなキャラが出てるけどね」

ははは。とりあえず、そのキャラの簡単な設定などを。



長崎 香也(ながさき かや)
薫、瞳の友人その一。
ショートカットで活発な少女。可愛いものに目がない。
陸上部所属。



早乙女 奈々(さおとめ なな)
薫、瞳の友人その二。
幼い感じの少女で、少し舌足らずな話し方をする。
手芸部所属。



御園 真璃愛(みその まりあ)
薫、瞳の友人その三。
御園財閥の一人娘で、ロングヘアーの少女。
箱入りとして育った為、少し世間とずれた所がある。
それでも、瞳たちと付き合い、大分ましになったらしいが。



木村 聡美(きむら さとみ)
薫、瞳の友人その四。
海鳴南商店街の一角にある酒屋の娘で、さっぱりとした性格をしている。
家の酒屋は品揃いが良く、たまに秘蔵の酒が入っている事もあり、真雪や耕介は常連と化しているとか。
剣道部所属。



こんな感じで。
美姫 「この木村聡美って、文化祭の剣道部、護身道部の出し物を受付をしてた?」

はい、そうです。

美姫 「それにしても、今回は美緒ちゃんかなと思ったのに」

はははははは。
まあまあ。では、次回で。

美姫 「バイバ〜イ」







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