『 An unexpected excuse
    〜Prologue〜     』






それは良く晴れた天気の良い日の事だった。
恭也が中庭で皆と一緒に晶やレンの作った弁当を食べ終え、くつろいでいると数十人の女生徒が、恭也と赤星に用があるとやって来た。

「で、用っていうのは何かな?」

赤星が女生徒たちに訊ねる。複数いる生徒のうち、代表らしき女の子が一歩前に進み出て話しを切り出す。

「単刀直入にお聞きします。高町先輩と赤星先輩って付き合ってるんですか?」

「「はっ!?」」

(おい、赤星。これはどういうことだ?)

(俺に聞かれても判るはずが無いだろ)

「ほら、そうやって見詰め合うなんて……やっぱり」

「「違うっ!」」

「美由希たちまで、何故そんな目で見る」

「え、あははは。冗談よ冗談」

「そうですよ、おししょー。うちは信じていますから」

「はぁー、もういい。とにかく、そんな事はない」

『本当ですか』

「ああ」

「所で、君たちは一体?」

「私たちはファンクラブの者です。今回、先程の件ともう一つ重要な事を代表として真実を聞きに来ました」

「ファンクラブ?」

「聞いた事はあったけど、本当に存在してたとは……」

聞きなれない単語に疑問を浮かべる恭也と、その存在だけは知っていた赤星がそれぞれ違う反応を見せる。

「まあ、赤星は人気があるからな。ファンクラブがあってもおかしくは無いか。
 兎に角、安心してくれ、俺と赤星は本当にただの友達だから。赤星、お前のお客さんらしいから、後は任せた」

「本当に俺だけならな」

「???それはどういう……」

恭也の台詞を遮って一人の女生徒が声を上げる。

「高町先輩。こっちから半分は高町先輩のファンクラブなんです」

「なっ!何故、俺にそんなものがあるんだ?」

「恭ちゃん、全然自覚ないみたいだけど……」

「いや、でも師匠のあれは今に始まった事じゃないし」

何やら後ろでひそひそと話をしている美由希たちを無視して、恭也はその女生徒に用件を聞き出す。

「……で、もう一つの用とは?」

「はい、ぜひ答えて欲しい事があるんです」

「何だ?」

『高町(赤星)先輩って付き合っている人はいるんですか?もしくは、好きな人は?』

「「はっ?」」

思わず間の抜けた返事をする恭也と赤星。そんな二人にファンクラブの会員たちは詰め寄る。

『お願いします。答えてください』

そのあまりにも真剣な態度に思わず後退る二人。
恭也は助けを求めようと後ろを向くが、そこには同じ様に真剣な表情をして答えを聞こうとしている美由希たちがいた。

(な、なんだこの鬼気迫る殺気は……)

「おい、赤星」

恭也は同じ境遇に立たされている赤星に助けを求めようとするが、赤星は何か観念したような覚悟を決めたような顔をして、

「判った。その質問に答えよう。だから、少し落ち着いて」

赤星のこの言葉に少し落ち着きを取り戻すファンクラブの面々。
そして、これから赤星がいう事を一言一句、聞き漏らさないように耳を傾ける。

「実は、……俺には付き合っている人がいる」

この台詞にファンクラブの会員たちは、悲鳴に近い声を上げる。
そのうち、ショックから立ち直った一人が赤星に問い掛ける。

「あ、相手は誰なんですかっ!ま、まさか高町せ……」

「違う!それは絶対に違う!」

「じゃあ、誰なんですか?」

「はぁー。藤代だよ」

「藤代さん?って、あの女子剣道部の部長の?」

「そうだよ」

『え〜〜』

ショックを受け泣き崩れるファンクラブの人たちと、驚きの声を上げる美由希たち。
平然としているのは、その事を知っていた恭也と、その恭也のファンクラブの会員たちだけである。

「で、高町先輩の方はどうなんですか」

恭也ファンクラブの代表の女の子が、恭也にも答えを促す。

「お、俺か?」

「はい!付き合っている人、もしくは好きな人は!いるんですか!どうなんですか!」

先程よりも殺気立ちながら詰め寄ってくるファンクラブの会員たちと美由希たち。

(な、何故、美由希たちまであんなに殺気立っているんだ?)

朴念仁ぶりを発揮しながらも、命の危険を感じて後退っていく。
が、とうとう壁際まで追い詰められ、逃げ場を無くす。

(何でこんな目に合っているんだ)

どこかに逃げ場がないか見渡す恭也の目に解放されて、清々しい笑みを浮かべる赤星の姿が映る。
それに気付いた赤星は、少しだけ申し訳なさそうな顔をしながらも、面白そうに事態を傍観している。

(俺に味方はいないのか!仕方が無い。こうなったら……)

恭也は観念したのか、ため息を一つ吐くと質問に答える為に口を開く。

「俺が、好きなのは…………」



<to be continued.>




<あとがき>

浩   「An unexpected excuseプロローグ編どうだったでしょうか?」
美姫 「何か変な所で終わってるわね」
浩   「おう。これはなヒロインが未定だからだ」
美姫 「アホッ!(バキッ)」
浩   「痛ってー。すぐに殴るな!さ、最後まで話を聞け!つまり、ヒロインの希望を取るんだよ!」
美姫 「あー、そういうこと」
浩   「そうだ。とりあえずリクエストが来たヒロインから書いていく事にする」
美姫 「その言い方だと複数パターンあるって事?」
浩   「その通りだ。基本的には得票数、先着順にするつもりだから」
美姫 「一応、ショートショートになる予定なのよね」
浩   「うん、その通り。後、ヒロインリクはこのヒロインを希望っていう事の他に、
     タイトルの"An unexpected excuse”も一緒に書いといて下さい。
     で、リクの方法は掲示板かメールで。後、公表可能なHNもお願いします。匿名希望も可」
美姫 「あ、質問!このヒロインって誰でも良いの?」
浩   「OKです。1、2、3関係なし!」
美姫 「ふーん、了解っと。じゃあ、今回はここらへんでOK?」
浩   「うーんと、……OK!」
美姫 「じゃあ、さようなら〜」




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