2005年7月〜8月

8月26日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを弄くってお送りしてます>



美姫 「昨日は大変だったわね」

ああ、本当に。
久し振りにKが来たと思ったら……。

美姫 「見事にPCを弄ってウイルス感染してくれたわね」

……いやはや、びっくりしたぞ。
いきなりハードデスクにアクセスしてるっぽい動きを見せてな。

美姫 「もう本当にびっくりよね」

何とか、無事ではないが元に戻って良かったよ。

美姫 「でも、幾つかのデータが無くなったのよね」

ああ。何か、勝手に制限が掛けられたような状態になったんで、その後に来た式に見てもらったんだ。
そしたら、変なアプリケーションが入ってて、アンインストールも出来ない状況だったらしい。
で、復元してもらった訳なんだが……。

美姫 「復元した個所よりも後にSSを書いてたから、それが全部パ〜♪」

いや、何で楽しそうなんだよ。

美姫 「あははは、ごめんね。流石に、私もこれは喜んでられない状況だったわ」

シクシク〜。半分ぐらいまで書いてたのに〜(涙)

美姫 「まあ、それにめげずにこうして書いている訳だから」

当たり前だ! 負けてたまるか!
と言うか、ウイルス、勘弁してください。
K、もっと注意してくれ〜(泣)

美姫 「と、まあ、身内への批難はそれぐらいにして、どれぐらい進んだの?」

……とりあえず、長編は前回と変わりなしだな。
あ、とらハ学園はアップしたから、状況が変わってるけど。
今、出だしだな。
マリとら2ndに関しては、昨日の事件で消えたから、書き直し中。
何としても、今日中にアップを目指してる所。

美姫 「あ、今回はそこそこの長さだったわね」

ああ。これに関しては、もう少しだけ待ってろよ〜。
すぐにアップしてやる〜。

美姫 「その意気よ〜。さて、それじゃあ、CMへ〜」







雪……。
雪が降っていた……。
白く静かに降り積もっていく…。
街を白く染め上げるように…。

そんな冬の長い街にも春が訪れる。
まだ4月に入ったばかりで、寒さを感じさせるけれども、暦では間違いなく春が。
春、桜の季節。ただし、この街ではまだ少し先のこと。
それでも、出会いの季節がやって来る。

この街に一人の青年が訪れる。
今年から、この街の近くにある大学に通う事となった青年が。
青年の名は高町恭也。
これから彼が新たに出会う事となる人々とは……。



「だぁ〜、また遅刻ギリギリかよ〜」

「本当に、どうしてだろうね、祐一。とっても不思議だよ」

「……不思議でも何でもないわい! 名雪、お前が原因だろうが!」

「わっ、何か酷い事言ってる」

「って、俺は事実を言っただけだろうが! ったく、今日から三年だというのに、しっかりしてくれよ〜」

「ゆ、祐一、前!」

「へっ!? って、わ、わわ」

名雪の言葉に慌てて前を向くも遅く、祐一は曲がり角から出てきた恭也とぶつかってしまう。
祐一の方が走っていて勢いが付いていたはずだが、恭也は何なく踏み止まり、逆に祐一はその反動からか後ろへと倒れる。
その祐一の腕を引っ張り、倒れる事を防いだ恭也は、心配そうに祐一を見る。

「大丈夫ですか」

「あ、はい。ありがとうございます。こちらこそ、すいませんでした」

「いえ、こちらこそ、余所見をしていて…」

お互いに謝ると、祐一は名前を名乗る。
それに恭也も返し、ついでにと紙に書かれた住所を尋ねる。

「ああ、そこなら、ここを真っ直ぐに行って、三つ目を左に曲がったらすぐですよ」

「ありがとうございます」

「いえいえ。って、名雪、時間は!」

「…えへへ〜」

「笑って誤魔化すな! あ、それじゃあ、俺は急ぐので」

「いえ、こちらこそお時間を取らせてしまったようで」

そう言葉を交わすと、祐一と名雪は走り去る。
その背中を見送ると、恭也は教えられた道を歩き始める。



「はい、タイヤキ五つで五百円!」

「うん。……って、あれ? あれ?」

「どうした、嬢ちゃん」

「えっと、財布が……。うぐぅ、忘れてきた〜」

「そうか。だったら、可哀想だが、これをあげる訳にはいかないな」

「うぐぅ」

「そんなに悲しそうな目で見られても、こっちも商売だからな〜」

少女にじっと見詰められ、屋台の親父も困った顔を見せる。
そこへ、すっと五百円玉が差し出される。

「すいません、それを貰えますか」

「あ、はい、毎度〜」

親父は金を受け取ると、恭也へとその包みを渡す。
少女はそれを悲しげな目で見詰めるが、仕方がないと諦めると、この場を立ち去る。
その背中に、恭也は声を掛けて呼び止めると、その袋を少女へと渡す。

「良かったら、これ」

「え、でも、良いの?」

「ああ。甘いものは苦手だからな」

「だったら、どうして。って、ひょっとして僕のために?
 そ、それとも、僕を誘拐するの?」

「ち、違う! そんなつもりではなくて…」

少女の言葉に慌てる恭也を見て、少女は楽しそうに笑う。

「あはは、冗談だよ。だって、君はとても良い人みたいだもんね。
 タイヤキ、ありがとう。僕は月宮あゆっていうんだ」

「俺は高町恭也だ」

「うん、恭也さんだね。ありがとう。この恩はきっと返すから」

「だったら、今、少し良いか」

「うん、大丈夫だけど、何?」

「この辺りで食料品や衣類を売っている店を教えてほしんだが」

「それぐらい、お安い御用だよ」

あゆは胸をぽんと叩いて自身満々にそう告げると、早速タイヤキを取り出して齧る付くのだった。



ピンポ〜ン。
インターフォンが来客を告げ、家に居た女性は玄関へと向かう。

「はーい、どちらさまですか」

言いながら扉を開ける辺り、この辺りは治安が良いのだろう。
そんな事を考えながら、恭也は出てきた女性へと挨拶をする。

「こんにちは。今度、隣りに引っ越してきた者です。
 これはつまらない物ですが」

「まあ、これはご親切にありがとうございます。
 宜しかったら、中でお茶でもどうぞ」

「あ、いえ」

「どうぞ、遠慮なさらずに。お隣りさんじゃないですか」

女性の柔らかな雰囲気に断り切れず、恭也は結局、家へとお邪魔する。

「コーヒーで宜しかったですか」

「あ、お構いなく」

恭也は案内されたリビングに腰を下ろしつつ、女性へとそう答える。

「はい、どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

コーヒーを一口啜り、恭也は思わず声を洩らす。

「…美味い」

「ありがとうございます」

嬉しそうに微笑む女性に、恭也も微かに笑みを浮かべて返す。

「あ、そう言えばまだ名前を言ってませんでしたね。
 私は水瀬秋子と言います」

「あ、高町恭也です」

「恭也さんですね」

「はい」

「恭也さんは学生さんですか?」

「はい、今度、こっちの大学に通う事になりまして」

「それじゃあ、一人暮らしを?」

「ええ」

「それは大変でしょうね。何かあったら、遠慮せずに言って下さいね」

「ありがとうございます」

秋子の言葉に礼を言う恭也を見ながら、秋子は良い事を思いついたとばかりに手を打つ。

「そうだわ。今日は夕飯を食べていきませんか」

「い、いや、そこまでご迷惑は」

「別に迷惑でも何でもないですよ。食事は大勢の方が楽しいですし」

「ですが、親御さんの了解もなく、勝手に決めては。親御さんもご迷惑でしょうし」

「あら、それなら問題ないですわ。私がここの家主ですから」

「水瀬さんも一人暮らしなんですか? だとしたら、余計にまずいのでは」

「いえ、娘が一人と甥が一人居ますよ。後、娘のような子が二人」

「娘さんですか!?」

秋子の言葉に驚いた声を上げる恭也を、秋子は楽しそうに見る。

「そんなに若く見えました?」

「ええ。その、学生かと」

「あら、高三の娘を持つ私に、そんな嬉しい事を」

そう言って喜ぶ秋子を、恭也は失礼にならないようにそっと見遣りつつ、その言葉に更に驚いていた。

(高三の娘って……。かーさんもそうだが、水瀬さんもかなり若く見えるな)

そんなこんなと世間話をしているうちに、恭也は夕飯を食べていく事となったのだった。



冬の長い街で新しい出会いをした恭也。
これから、どんな物語が紡がれていく事になるのか、それはまだ誰にも分からない。
Kanon X とらいあんぐるハート3
北の街から吹く風 近日妄想爆裂!







うーん、うーん。

美姫 「ほらほら、さっさと書き上げなさいよ!」

うぅ〜、厳しいっス。

美姫 「ほらほら〜。って、CMが終わってるじゃない。浩、ほら!」

あ、はいはい。
えっと…………、次のコーナーは。

美姫 「いや、今回は何もコーナーはないわよ」

……そ、そっか。えっと、じゃあ……。
あれ? これで終わり?

美姫 「うーん、そうなるかしらね」

そ、そうか。
それじゃあ、また来週〜。

美姫 「それじゃ〜ね〜」



<この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました>
提供:PAINWEST







美姫 「ほらほら、さっさと書きなさい!」

書いてるってば〜(涙)


8月20日(土)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを提供させてお送りしてます>



美姫 「今回は土曜日なのね」

ああ……。昨日、言った通りだな。

美姫 「さて、それじゃあ、SSの進み具合でも聞こうかしら」

……ヒュ〜、ヒュ〜。

美姫 「ひ〜ろ〜」

は、はいぃぃ! と、とりあえず、今はきりリクを書いている途中です。
で、『マリとら2nd』、『DUEL TRIANGLE』とほぼ30%出来てます。

美姫 「とらハ学園は?」

精神精鋭執筆中です。現在、15%です!

美姫 「そう言えば、最近はKanonのSSがアップされてないけれど?」

…ど、努力します。

美姫 「頑張りなさいよ」

は、はい!

美姫 「さて、それじゃあ、CM〜」

あ、あの、出来れば、さっきから喉元にある、コレをそろそろどけて欲しいかな〜。

美姫 「くすくす」







イリーナを殺して茫然とするエクレアは、気が付くと全く見たこともない光景の中、佇んでいた。
鉄の塊が唸りを上げて馬よりも早く走り、見上げんばかりの四角い建物が立ち並ぶ。
一瞬、茫然とするものの、すぐに興味を失い、絶望をその瞳に浮かべると、ふらつく足取りでそのまま何処へと歩き始める。
知らず人の少ない場所へと向かって歩いていき、ふと気が付くと、辺りに人の姿は見られなかった。
しかし、元から周囲に気をやっていなかったのか、エクレアは特に気にするでもなく、
まるでそれだけが今の自分のやるべき事とばかりに、ただ足を動かす。
機械的に、ただ淡々と歩を進めていき、やがて、墓地へと辿り着いたエクレアは、自虐的な笑みを見せると、弱々しく呟く。

「墓地か。丁度、良いな」

そのまま近くの木へと腰を降ろすと、何もする気が起きないとばかりに目を閉じる。
それまでの疲労や心労からか、すぐに寝息を立て始め、エクレアの意識は深く深く潜っていく。
そこへ近づく一つの影に気付く事もなく。



その日、高町恭也は一人、父の眠る地へと向かって歩いていた。
その手には、生前、士郎が好きだった甘い和菓子と、これまた好きだったお酒を持って。
恭也の胸に去来するのは、何とも言えないような気持ち。
嬉しくはあるのだが、何処か寂しく、同時に虚脱感にも似た思い。
それは、恭也の妹であり、弟子でもある美由希の存在。
既に彼女の剣は自分と互角の所まで来ている。
今の所は、僅かな実戦経験の差で恭也の方が、本当に僅かだがまだ上だが、それも遠くないうちに追い抜かれるだろう。
そして、自分が辿り着けない更なる高みへと向って行くであろう。
それが羨ましくもあり、同時に嬉しくもある。
だが、同時に父と自分の夢であり目標だったものが無くなる瞬間でもある。
勿論、恭也を美由希が追い抜いたとしても、まだ教えるべき事はある。
だが、不器用なくせに努力家の彼女ならば、それもすぐに覚えるだろう。
そうなった時、果たして自分はどうすれば良いのか。
別に剣を捨てるつもりはないが、何かが抜け落ちそうな気がするのも事実で、恭也は焦りにも似たものも感じていた。
そういった複雑な心境を考えているうちに、知らず足は士郎の元へと向かっていたのであった。
それに気付いた恭也は苦笑を零しつつも、こうして手土産を持って向かっているのだった。
いつ来ても綺麗にされている士郎の墓を軽く掃除し、お供えをして手を合わせると、静かに目を閉じる。

「父さん、美由希はもうすぐ俺の手を離れる。
 あの日の約束通り、俺を越えて、恐らくこの先、父さんさえも越えていくだろう。
 だけど、俺は……」

一通り士郎へと語り終えた恭也は、先程よりかは幾分ましになった顔付きで立ち上がると、

「それじゃあ、また来るよ」

そのまま家へと帰ろうとした恭也は、木の根元に座り込み、意識を失っているようにも見える女性を見つけると、
そちらへと近づいていき、そっと声を掛ける。
しかし、女性の方からは何の反応もなく、恭也は女性が気を失っていると気付き、その身体をそっと抱きかかえるのだった。



次に目が覚めたエクレアは、自分がまだ生きている事に嘲笑を浮かべると、辺りを見渡す。
奥に置かれた小さな文机に、床に直に引かれた布団。
そして、部屋全体を覆う見たこともない絨毯からは、微かに草のような匂いがした。
微かに心が落ち着くのを感じたエクレアは、それを否定するように首を振ると、自分の置かれた現状を把握しようとする。
何処かの部屋のような場所から察するに、誰かに助けられたのかと検討を付ける。
と、それを証明するかのように、部屋の入り口に誰かが立ち、軽くノックをする。
返事を返さないで居ると、まだ寝ていると思ったのか、その人物は中へと入って来る。
扉もエクレアの見慣れたものとは違い、紙のようなもので出来ており、それが横へとスライドして開く。
その事に多少の興味を覚えつつ、ただそれを見詰めていると、部屋に入って来た青年と目が合う。
青年はエクレアが起きている事に多少驚きつつも、そのまま扉を閉めて中へと入ると、エクレアの枕元へと水の入った容器を置き、
その横に直に座り込むと、エクレアへと話し掛ける。

「えっと、言葉は分かりますか?」

青年の言葉にエクレアは首を傾げる。
どうやら、言葉が通じていないようで青年は困ったような顔を見せた後、自分を指差す。

「自分は、高町恭也と言います。墓地であなたが倒れているのを見掛け、
 怪我とかもなく、単に疲労しているだけのようだったので、ここにお連れしたんです。
 って、分かりませんね」

恭也の言葉を聞き取りながら、エクレアはやっぱり言葉が分からないのか首を横へと降る。
だが、とりあえず、恭也の名前だけは分かったのか、恭也の方を指差し、

「キョウ…ヤ」

と呟く。それに頷いたのを見て、エクレアは目の前の人物の名前が恭也で良いと核心すると、今度は自分を指差す。

『私の名前はエクレアだ』

「エクレアさんですね」

半ば投げやりにも近い口調で自分の名前を告げる。
この名を聞いた時の恭也の反応をじっと窺いながら。
しかし、エクレアが期待したような反応は全くなく、言葉も通じない事から、かなり遠い地に来たのかと納得する。

(まあ、どちらにせよ、もうどうでも良い)

そう考えると、エクレアはまた身を横たえる。
既に何もする気もなく、ただ目を閉じる。
そんなエクレアを見て、恭也は疲れているのだろうと、部屋を後にする。



こうして、普通なら決して交わることのない異世界同士の者たちが縁を持つ事となった。

一人は、自分の存在を消してしまいたいと願う女。
一人は、自分の存在に迷いを感じ始めた男。

果たして、彼、彼女たちが紡ぐ物語は、どんな色に染まっていくのか……。







美姫 「また、とてつもなく無茶苦茶な話を……」

まあ、ここのCMSSは一発ネタみたいなもんだしな。
多少の無茶は目を瞑って。

美姫 「まあ、別に良いけどね」

うんうん。

美姫 「さて、それじゃあ、今回はこの辺で」

また来週。

美姫 「今度はちゃんと金曜日よね」

……多分。

美姫 「多分って、何よ、多分って!」

ぐ、ぐるじぃぃ〜。


8月19日(金)

突然ですが、本日の美姫ちゃんのハートフルデイズは野球中継延長の為……。

美姫 「嘘吐きなさい!」

ぐ、中々痛いぞ、お前。

美姫 「自業自得よ。大体、野球中継って何よ、野球中継って」

まあ、何となく?

美姫 「私に聞くな! 早い話、アンタがSSを書いてて、こっちの時間が取れなかったんでしょうが」

う、うぅぅぅ、すいません。

美姫 「ただしくは、こうでしょう。
     本日の美姫ちゃんのハートフルデイズは、執筆の遅い浩(バカ)の所為で明日となりました」

って、明日かよ!?
こういう場合、普通は来週だろう!

美姫 「普通じゃないと思えば良いのよ」

シクシク。

美姫 「そんな訳で、明日を楽しみにね〜」


8月12日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーの提供でお送りします>



…………あじぃ〜〜。

美姫 「夏だからね〜」

あぢぃぃぃ〜〜。

美姫 「夏だもの」

あづいぃぃ〜。

美姫 「夏だしね」

あ……。

美姫 「そこまでにしておきなさいよ」

はい。

美姫 「夏なんだから、暑いに決まってるでしょう」

分かってるって。でも、暑いのは苦手なんだよ…。

美姫 「ほら、もっとしゃんとしなさいよ、だらしない」

へいへい。

美姫 「ったく。と、それよりも、現在のSSの状況を聞かないとね」

うーん、マリとら2nd、誠心誠意努力中!
とらハ学園、暑さにめげずに奮闘中!
天星、茹だる暑さに対抗しつつ執筆中!
短編、暑さ以外の要因も加わって、オーバーヒート気味!
その他もろもろ、妄想爆発中!
って、ところかな。

美姫 「ふーん、そうなんだ。って、これで分かる訳ないでしょうが!」

<ガガガガッ!>

……ぐぅぅ。

美姫 「まったく、暑さでやられたの?」

んなバカな。

美姫 「だったら、ちゃんとしなさいよね」

……えっ!?

美姫 「何でそこで驚くのよ」

何となく。

美姫 「……ふっ。言葉で言っても無駄って事ね」

ごめんなさい、ごめんなさい。

美姫 「…………相変わらず、その辺だけは素早いわね」

エッヘン!

美姫 「いや、褒めてないからね」

……と、とりあえず、

美姫 「CM〜♪」







「ふっふ〜ん、おサルにはお似合いやな」

「んだとー。てめぇ、今日という今日は泣かす!」

「出来るもんならやってみい。最近では、うちの方が発育も良いんやで〜。
 晶くんは、どうやってうちを泣かせてくれるんや〜?」

「ぐっ! う、うるせぇ! それと強さは別だ!」

翠屋の店の裏で、晶はレンへと拳を繰り出す。
迫り来るソレをレンは軽く手でいなし、晶の身体が前へと流れる横を軽やかに滑り込むようにして間合いを詰める。
トンと、傍から見ている分にはそんな風に軽くレンの掌が晶の胸へと触れた瞬間、晶は後方へと飛んでいく。
しかし、そのまま足を地へと付けて勢いを押し込めると、微かにつんのめりつつもレンを睨みつける。
それを感嘆の呟きと共に見詰めるレン。

「ほう。今のを堪えるとは、中々やるようになったやないか」

「当たり前だ。そして、次はてめぇが吹っ飛ぶ番だ!」

「面白い、出来るもんなら、やってみぃ」

お互いに吠えて距離を詰めるように走り出す。
と、そこへ裏口の扉が開き、ツインテールの可愛らしい女の子が出てくる。
その表情は、普段は愛くるしいのだろうが、今は怒りのためなのか、僅かに目を吊り上げており、出てくるなり息を大きく吸い込む。
晶とレンはその少女──高町なのはの姿を見た途端、さっきまでの勢いもどこへやら、急に大人しくなるが、時既に遅く、
なのはは目一杯吸い込んだ空気を吐き出すと共に、二人へと雷を落とす。

「晶ちゃん! レンちゃん! いい加減にしなさい!」

「「ご、ごめんなさい……」」

項垂れて素直に謝る晶とレンに、なのはは人差し指をぴっ、と上に伸ばして説教を始めるのだった。



    いつもと変わらぬ日々



「桃子さ〜ん、シュークリーム二つお願いします〜」

「はいは〜い。はい、お待たせ〜、丁度、出来上がったわよ。
 それにしても、ありがとうね、忍ちゃん。
 忍ちゃんがバイトで来てくれて、本当に助かったわ」

「いえいえ。桃子さんのためですから」

「桃子様、こちらもシュークリームが三つです」

「はいはーい。あ、ノエルさんもありがとうございますね」

「いえ、お役に立てれば」

「もう、充分過ぎるぐらい立ってますよ。
 と、うーん、もうちょっとシュークリムは作っといた方が良さそうね。
 松っちゃん、そっちはどう?」

「こっちの作業はもうすぐ終わりますよ」

「そう。じゃあ、次はシュークリームに取り掛かるから、松っちゃんはそっちにある奴の下準備をお願い」

「はいはい」

「さて、それじゃあ、私たちもフロアに戻ろうか、ノエル」

「はい、忍お嬢様」



    穏やかに日常は流れていく



「さてっと…。これで掃除は終わりだな。
 夕飯の買い物にでも行くか」

「うぃ〜、耕介〜、おはよ〜さん」

耕介が掃除を終え、額の汗を手で拭っていると、いかにも今起きたばかりという感じの真雪がやって来る。
真雪の格好に苦笑しながら、

「おはようって、もうとっくにお昼も過ぎてますよ」

「あたしは今、起きたばかりなんだから、おはようで良いんだよ。
 それよりも、何か軽く食べるものないか?」

「はいはい。簡単なものですけど、今すぐに作りますよ。
 あ、それと、それが終わったら、夕飯の買出しに行ってくるんで、留守番お願いします」

「へいへい」

耕介の言葉に適当に相槌を返しながら、真雪は新聞を広げる。
料理をしながら、その背中をちらりと一瞥した後、耕介は話し掛ける。

「そんなに無理して仕事をしなくても、まだ締め切りまでには余裕あるんでしょう」

「わーってるよ。でも、後少しで終わるからな。だったら、早く終わらせて、たっぷりと休む方が良いだろう」

「ですね。もうすぐ知佳も帰ってきますし」

「……言っとくが、知佳が帰ってくることとは関係ないからな」

「はいはい」

「お前、本当に分かってるのか?」

「分かってますって」

真雪の言葉に答えつつ、耕介は微笑を浮かべていた。



    だが、その影では



「あ、シェリー、久し振り。どうしたの?
 え、こっちに戻ってくるの? うん、うん。
 それで、いつ? あ、そうなんだ。うん、楽しみにしてるわ。
 あ、リスティにはこの事は? そう、まだなの。
 分かったわ、私から伝えておくから」

その後、二三言シェリーと言葉を交わすと、フィリスは電話を切る。
と、そのタイミングで扉がノックされる。

「はい、どうぞ〜」

「よぉ、フィリス」

「リスティ、ここは病院よ。煙草は…」

「だから、別に火は点けてないだろう」

「そういう問題じゃありません」

フィリスはリスティが加えている煙草を取り上げると、リスティへと手渡す。
それを受け取りながら、リスティは軽く肩を竦める。

「はいはい。って、何か機嫌が良いじゃないか。何かあったの?」

「ふふふ、分かる?」

「まあね。あ、もしかして、恭也とデートの約束でもしたのか?」

「ち、違うわよ、そんなんじゃないってば!
 そ、それに、どうしてそこで恭也くんの名前が出てくるのよ」

「うん? 違ったのか。で、恭也の名前が出てくる理由か?
 本当に言って欲しいのか?」

リスティは真雪ばりのニヤリとした笑みを貼り付けて、フィリスへと迫る。

「な、何よ」

「ふっふっふ。それは〜、フィリスが恭也のことを〜」

「わ〜! きゃ〜、リスティー! それ以上は、本当に怒るからね!」

「へいへい。で、実の所はどうなんだ?」

「ど、どうって。その、恭也くんは私の患者で。
 も、勿論、それだけって事じゃなくて、仲の良い友人というか…。
 わ、私としては、もっとどういうか。でもでも、ライバルの子たちも結構いるし…」

「おーい、そうじゃなくて、お前が嬉しそうにしてた理由だよ」

呆れたように呟くリスティの言葉に、フィリスは顔を赤くしつつ、唇を尖らせる。

「だったら、ちゃんとそう言ってよ」

「僕が悪いのか? まあ、良いや。面白い事も聞けたしな」

再びニヤリと笑うリスティに、フィリスは縋りつく。

「リスティ、この事は…」

「どうしようかな〜」

「…そんな事言うのなら、もうリスティにはお金を貸してあげないからね。
 それと、今まで貸してた分、今すぐ返してもらいますから」

「わ、悪かったって。OK、OK。この事は誰にも言わない」

「宜しい」

「ったく、一体、誰に似たんだ」

「はい? 何か言いましたか?」

「いんや、何にも。って、それよりも、機嫌が良かった理由ってのは?」

「ああ、そうだったわ。実はね、さっきシェリーから電話があって、近々、休暇を取ってこっちに来るんですって」

「へえ、そうなのか。だとしたら、今頃は寮の方へ連絡してるかな」

「かもね。リスティも休みを取って、久し振りに三人で出掛けない」

「そうだね、たまには悪くないか」



    ゆっくりと



「うーん、さて次は何処に行こうか、小鳥」

「そうだね、さくらちゃんは何処か行きたい所ある?」

「とりあえず、先に注文してしまいましょう」

「あ、そうだね」

「にゃはは、失敗、失敗」

さくらの言葉に、小鳥と唯子は顔を見合わせて恥ずかしそうに笑うと、メニューと睨めっこを始める。
注文を終えた唯子は、水を一口飲むと、思い出したように切り出す。

「そう言えば、真一郎から連絡あった?」

「あ、うんあったよ。今度、こっちに来るって言ってたね」

「向こうでの修行は終えたと言ってましたね」

唯子の言葉に、小鳥とさくらも昨日の電話を思い出しながら返す。

「うん。今度は、こっちにある店で修行を兼ねて働きながら、お金を溜めるって言ってたね」

「向こうでの分と合わせて、ある程度溜まったら、店を出すって言ってたものね」

「楽しみですね」

さくらの言葉に三人は頷く。
と、唯子がまたしても思い出したように話し掛ける。

「そう言えば、千堂さんも今度こっちに来るって言ってたよ」

「千堂さんが?」

「確か、今は九州の方の大学で護身道を教えてられるんじゃ?」

「そうなんだけれど、海鳴の近くの企業が千堂さんに特別コーチをお願いしたんだって。
 大学の方からは、千堂さん以外にも指導する人が居るのと、一ヶ月だけという事でOKを貰ったって。
 学生だと、千堂さんの訓練が出来ないだろうからって、学長が許可してくれたらしいよ」

「じゃあ、お休みに会えるかな?」

「多分、会えるんじゃないかな?
 それに、予定よりも早くこっちに来るって言ってたから」

「それじゃあ、鷹城先輩に連絡を取って頂いて、皆で一緒に何処かに行きませんか」

「あ、それ良いかも。どうせなら、真一郎も一緒の時にしようか」

「そうだね。じゃあ、唯子、忘れないで伝えてね」

「まっかせなさい」

唯子はそう言うと自分の胸をドンと叩くのだった。



    だが、確実に



「美沙斗、私は先にあがりますね」

「ああ、お疲れさん。いづみさんも、お疲れさま」

「あ、はい、お疲れ様です」

「で、今日の訓練はどうだった?」

「ええ、何とか勝ちました。でも、流石に皆さん、強いですね」

「いづみも充分強いですよ」

「そうかな? あんまり実感が湧かないんだけどな。
 まあ、弓華がそう言うんなら、信じておくよ」

二人のやり取りに、美由希は知らず、微かに笑みを見せる。
そんな美沙斗に、いづみは改めて礼を言う。

「本当にありがとうございます、御神さん。お陰でいい訓練が出来ます」

「いや、礼には及ばないよ。うちの隊員にも良い訓練になってるからね。
 それに、弓華の友達なら、大歓迎だよ」

美沙斗の言葉に、いづみは照れ臭そうに笑う。

「そう言って頂けると…」

「それにしても、本当に強くなりましたね、いづみは」

「まあ、私もあれから遊んでた訳じゃないからね。
 でも、まだまだ上には上が居るよ」

「千堂さんの事ですか?」

「いや、確かに千堂さんや唯子も強いけど、それは正面から戦った場合だからね。
 尤も、あの二人がやっているのは護身道なんだから、それで良いんだけどね」

「千堂さんは、それでもかなりの実力者ですけどね」

弓華の言葉に、いづみは違いないと笑う。

「下手な奇襲なんかは簡単に気付かれるからね。
 最後に会った時は、何とか勝てたけど、あれから更に強くなってるだろうし、今度やったら、どうなるかな」

「楽しそうですね」

「まあね。まあ、それ以上に、私は闘いたい奴が居るんだけどね」

「それが、さっき言ってた上には上ですか」

「ああ。相手の流派までは聞くのを忘れたけれど、私と似たような戦い方をする子でね。
 お互いに名前は名乗らなかったけれど、今度会った時に手合わせをしようと言って分かれたんだ。
 あの子は本当に強いよ。あの若さで、あの強さだから、どれぐらい成長してるのか楽しみだ」

「でも、名前も知らないのに会えるんですか?」

「確かに名前も知らないけれど、居る場所は知ってるから」

「そういう事ですか。因みに、何処ですか?」

「私だけじゃなく、弓華にも馴染み深い地だよ。…しかし、あれから三年か。
 どれぐらい腕を上げたかな」

楽しそうに呟くいづみに、美沙斗が思い出したように弓華へと声を掛ける。

「そう言えば、もうすぐだね、弓華の休暇」

「はい。いづみと一緒に海鳴に行く予定なんです」

「へえ、海鳴に」

美沙斗の言葉に、いづみが頷く。

「ええ。ちょっと、高校時代の友人が戻ってくるらしくて。
 しかし、御神さんも海鳴をご存知なんですか」

「ああ、あそこには私の娘と、甥が住んでいるからね」

「娘さんですか。幾つなんですか?」

「今年、大学受験だよ。必死で勉強してるって、この間連絡があった」

その電話を思い出しているのか、美沙斗の顔が和らぎ、弓華もそんな美沙斗を静かに見守る。
と、いづみが驚いたように声を上げる。

「え、ええ! そ、そんなに大きな娘さんが居るんですか!?
 え、え、だって、え、ええ! み、見えないですって」

「そ、そうかい。それはちょっと嬉しいね」

「いや、本当に……。はぁ〜、友人にも、見た目と年齢が合わない子が居るけど…」

本当に驚きつつ美沙斗を見るいづみに、弓華はその友人が誰だか分かり、何とも言えない顔になる。
弓華の親友でもある彼女に、弓華はそっと心のうちで謝るのだった。
それを打ち払うように、弓華が美沙斗へと話し掛ける。

「そう言えば、美沙斗も一緒の日でしたね、休暇」

「ああ。少し前まで忙しかった所為か、ここの所は少し暇だからね。
 と言っても、いつでも人手不足のここでは、そんなに暇はないんだけどね。
 とりあえず、私や弓華が同じ期間に休日になっても、何とかなりそうだからって隊長が半ば無理矢理にね」

「海鳴へ帰るんですよね」

「ああ。娘に会いにね。それに、恭也とも手合わせの約束をしているから」

「恭也? ああ、さっき話してた甥っ子さんですね。手合わせって事は、彼も御神流を?」

「ああ。恭也だけでなく、娘、美由希と言うんだが、こっちもやってるよ。
 ただ、恭也は父を早くに亡くしてからは、独学で学んで、美由希はその恭也を師匠として育ったから、全部の技を知らないんだよ。
 だから、私から恭也に、そして、美由希へと伝えてもらおうと思ってね」

美沙斗の言葉から何かを感じ取ったのか、その辺の詳しい事情が少し気になったが、敢えて触れず、別に気になった事を尋ねる。

「独学で御神流を、ですか。そんな事が出来るんですか?」

「ああ。兄さん、つまり、恭也の父親が、修行方法などを記したノートを残していたらしくてね。
 まあ、一時は無茶をして膝を壊したけれど、去年に手術をして、完治したから、更なる高みへと登っていくだろうね」

「へえ。是非、一度手合わせをしてみたいな」

「そうだね、恭也や美由希もいい経験になるだろうから、いづみさんの都合さえ付けば」

「ええ、是非とも」

楽しそうないづみに苦笑しつつ、弓華は美沙斗へと提案する。

「美沙斗、同じ日に休暇で、目的地も一緒なら、一緒に行きませんか」

「良いのかい」

「ええ、構いませんよ。いづみも良いですか?」

「私も構わないよ。御神さん、それじゃあ手合わせの件、お願いしますね」

「ああ。それじゃあ、気を付けて」

美沙斗の言葉に弓華といづみは挨拶を返すと、その場を去るのだった。



    ソレは動き始めていた



「はぁぁぁ!」

深夜の誰も居ないはずの林。
その奥にある少し開けた空間に、月光を反射させ、細い銀光が走る。
その銀光を受け止めるのは、これまた同じように静かに鈍い光りを放つ刃。
金属同士がぶつかる甲高い音に続き、地を蹴る音が聞こえる。
刃を激しくぶつかり合わせる二つの影──恭也と美由希は、付かず離れずの距離で互いの位置だけをころころと変えながら、
まるで舞うように、その両手に握り締めた刃を振るい続ける。

恭也と美由希は今日の深夜の鍛練を終えると、帰る支度を始める。
それぞれに飛針や小刀を回収し、バックへと詰めるとそれを持ち、家路に着く。
神社の石段を降りながら、ふと恭也は足を止めて後ろ、やや斜め後方の繁みへと目を向ける。
暫らくじっとそこを注視していたが、特に何も違和感は感じられず、恭也は軽く首を振ると一人ごちる。

「誰かが見ていたような気がしたんだが……」

「恭ちゃん? どうしたの?」

立ち止まったかと思うと、一向に動き始めない恭也に、美由希が首を傾げながら尋ね、
恭也が見ているであろう場所へと視線を転じる。
しかし、そこには何もなく、益々首を傾げる美由希に、恭也が言う。

「いや、何でもない」

「…ふーん、だったら良いけど。急にぼーっとするから、少し心配したよ」

「お前には、ぼーっとしてるとは言われたくないな」

「それ、どういう意味?」

「口に出さないと分からないか?」

「う、うぅぅ、兄が虐めるんです」

「バカなことをしてないで、さっさと帰るぞ」

「あ、うん」

走り始めた恭也の後ろを、美由希は追うように走り出す。


    微かな違和感を感じる者



「ふぅぅぅ。除霊完了」

大きく息を吐き出すと、薫は疲れたように呟く。
と、薫の手にした刀から、一人の女性が現われる。

「薫、お疲れ様です」

「ああ、ありがとう十六夜」

十六夜の言葉に、薫は軽く微笑んで返すが、すぐに表情を引き締めると、十六夜へと問い掛ける。

「十六夜、気付いてるか?」

「ええ。どうも、最近、悪霊が頻繁に出てきてますね」

「ああ。しかも、それだけじゃなか。婆ちゃんの言葉だと、力を付けとると…」

「確かに。今日のような悪霊に、これ程の力があるのは可笑しいですね」

「まさかとは思うが、霊力に対して、霊たちに抵抗力が付き始めたとか?」

「ですが、力全体が上がっているようにも感じられました」

「やっぱり、詳しい事は分からんね」

「ええ。今は、和音様たちの報告を待ちましょう」

「神咲三流派の長老的立場の三人による話し合い。
 一体、どんな答えが出るんじゃろうね」

「何にせよ、あまり良い答えは聞けそうにもないですけどね」

「確かに……」

二人の言葉は、ただ静かな夜空へと溶けるように消えていく。


    嫌な予感を覚える者



「これは……!? お母さん、これは?」

黒髪の少年は、その横に座っていた母親へと意見を求めるように振り向く。
母親は、少年の手元を覗き込むと、横から手を伸ばして、何やら弄る。
その結果が出たのか、少年と母親の目の前に幾つもの数字やグラフが浮かび上がる。

「特異点? いや、違う?」

「落ち着きなさい、クロノ!」

焦る少年、クロノを落ち着かせるように叱責する女性、リンディ。

「は、はい」

リンディの言葉に僅かに冷静さを取り戻したのか、クロノは改めて目の前の情報を目にする。

「解析不能? 一体、何処から……。
 お、お母さん、これ…」

「これは、海鳴?」

「まさか、なのはの身に何かあったんじゃ」

「落ち着きなさい。今はまだ情報が少なすぎます。
 いえ、解析不能となってます。なら、まずはこれが何なのか調べないと、闇雲に動くだけでは何も出来ませんよ」

「分かりました…」

「それに大丈夫ですよ、なのはさんなら。いえ、なのはさんたちなら。
 彼女は一人ではないのですから。周りに、たくさん頼もしい方たちがいるのだから」

「…ですね。だったら、今は僕たちにしか出来ない事を」

「ええ、そうです。さあ、頑張りましょう」

「はい」

二人の親子は、頷き合うと、目の前の装置を何やら操作し始めるのだった。



    異常に感付く者



何かが起ころうとしていたが、それは日常の中で人々に悟られる事なく、ゆっくりと進んでいた。
そして、まるで何かに呼び寄せられるかのように、その地に関わりのある者たちもまた、知らず知らずのうちにその地へと集う。
これは偶然なのか、それとも……



    全ては主様の御心のままに…



<タイトル未定> 2005年、年内アップ予定!







美姫 「さて、お仕置きも終わったし…」

ピクピク……。

美姫 「そろそろ時間の上に、相方が何故か寝ているので、今回はこの辺で」

う、うぅぅぅ。

美姫 「それじゃあ、また来週〜♪」

……あ、う、……で、……ではでは。(ガクリ)


8月5日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを奪い取ってお送りしてます>



いやー、一週間ぶりだな。

美姫 「このコーナー自体は週一だから、普段とは変わらないんだけれどね」

まあ、それはそうなんだが。

美姫 「さて、それじゃあ、SSの…」

いや、だから、先週から変化ないに決まってるだろう。

美姫 「よね〜」

さて、とりあえず、CM〜。







鍛練の帰り道、美由希を先に帰して公園へと寄って帰った恭也は、そこで不思議な女の子と出会う。

「ひにゃぁ〜。あ、あんな所(変身する所)を見られたら、もう、もう、ひなは恭也くんの所に行くしか…」

「恭也、アンタ、いったい何をしたのよ」

「だから、誤解だって言ってるだろう!」

「ひなちゃん、安心して。私はあなたの味方だからね」

「ひにゃ〜、あ、ありがとうございます、桃子さん」

「桃子さんだなんて、そんな他人行儀な。お義母さんって呼んでね」

「は、はい、お義母さん」

諸々の誤解などから一緒に暮らす事となったひなと名乗る少女。
彼女こそが、昨夜恭也が出会ったあの少女だった。
そして、彼女には秘密があり、それは宇宙から来た平和を守るガァーディアンハーツと呼ばれる存在だった。
その正体は他の者には秘密にしなければならず、唯一その正体を知る恭也は何かと協力する事になるのだった。
しかし、この日から、恭也の周囲が一変する事になるなど、この時の恭也が知るはずも無かった……。

「恭也さん、実は私……」

「いや、言わなくても良い。(これ以上の厄介事は正直、遠慮したい)」

「あ、ありがとうございます。何とお礼をしたらいいのか」

「いや、お礼はいらないから…」

「私、制服泥棒をしているのには事情があるんです。…実は私はレスランシュ星人で」



「……見つけましたわ。恭也様こそ、私の運命の人」

「また何か嫌な予感が……」

「恭也様、実は私、リルト星のプリンセスで地球は婿探しに……」



「それ以上近づけば、斬る!」

「…で、今度は何だ? 宇宙忍者とでも言うのか」

「な、何故、私の正体を!?」

「はぁ〜。まさか、本当にそうなのか……」



「僕はね、修行をするためにこの星に来たの」

「この星……。あー、琴乃はひょっとして、宇宙人なのか?」

「ち、違うよ〜。僕はカルティー星の巫皇で、地球に修行に来たんじゃないよ」

「……ひなが言っていた捜索の出ている巫皇というのは、琴乃のことか」



「若いの、まあ、せいぜい頑張るがいいぜよ」

「何故、お前はそんなに偉そうなんだ」

「ふっ、そんな事をいちいち気にしているようじゃ、まだまだぜよ」

「いや、もう何も言わん……」



次々に何故か集まってくる少女(?)たちに、恭也の日常はどうなってしまうのか?
一つ屋根の下で繰り広げられる、異星人たちとの物語。
がぁ〜でぃあんとらいあんぐる 2XXX年9月より遂にスタート!







美姫 「そうそう、遂に200万Hitね」

ああ。感慨深いな。
これも全ては皆さんのお陰。

美姫 「本当にありがとうございます」

ありがとうございます〜。

美姫 「これからも、もっともっと精進させますので!」

させられますので。って、おいおい(汗)

美姫 「しないつもり」

いや、ちゃんと努力するって。

美姫 「頑張んなさいよ」

おう!

美姫 「返事だけはいいわよね」

それを言うなよ〜。

美姫 「っと、それじゃあ、今回は速いけれどこの辺ね」

いや、本当に速いな。

美姫 「まあ、今回はね。それに、これからアンタにSSを書かせないとね」

あ、あははは〜。お手柔らかにお願いします。

美姫 「はいはい。それじゃあ、また来週ね〜」

ではでは。


7月29日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを乗っ取ってお送りします>



さて、早速ですがお知らせです。

美姫 「7月31日の日曜日から、8月4日の木曜日まで…」

更新が出来ません。

美姫 「ネットそのものが出来ないから、掲示板やメールの返事も止まってしまいます」

その期間、投稿の方もアップできません。

美姫 「でもでも、金曜日にはアップするので、ファイルを送ってくださる分にはOKです」

ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。

美姫 「でも、何で?」

ふっ。少し速いが里帰りだ。

美姫 「えっ!? 辺境の惑星へ行って帰ってするのに、5日間で大丈夫なの!?」

おい、待て! 俺は何処かの星の出身かい!

美姫 「えっ! 違うの!?」

いや、マジで驚かないでください。
地球生まれの地球育ちです。それに、本当の理由は例によって山奥へと行くから…。

美姫 「半分、恒例のね」

ふっ。とまあ、そういう事ですので、次回の更新は金曜日です。

美姫 「もしくは、木曜日ね」

ちょっち、それは難しいけどね。

美姫 「さて、お知らせも終わった事だし、それじゃあ…」

とりあえずは、CM〜。

美姫 「じゃなくて、今回はショートショート〜」

シクシク。それなら、そうと初めに教えといてくれよ〜(涙)







「犯人はお前だ!」

恭也が突き刺した指先には、一人の男が。
男は慌てたように恭也へと向かって反論する。

「しょ、証拠はあるのかよ!」

そんな男の言葉を鼻で笑い飛ばしながら、恭也は自信満々に告げる。

「そんなもんない。俺の勘だ」

恭也の言葉に静まり返る一同の中、恭也はポケットへと手を突っ込みながら男へと近づいて行く。
あまりの出来事に茫然となっていた男は、恭也に肩を掴まれて我に返るが、その時には既に床へと倒されていた、
うつ伏せに倒れる男の腕を捻り上げつつ、恭也は膝で男の動きを封じると、ポケットから取り出した鋼糸をこれ見よがしに、
男の目の前で左右に引っ張る。

「証拠などいらん。自白させれば良いのだからな……」

「ちょっ、待て! お、俺は本当にし、知らな……」

「ほう、本当に犯人ではないというんだな」

恭也の静かな言葉に、男は身体を震わせると、未だに茫然としている刑事の一人へと声を掛ける。

「…………け、刑事さん! す、すいません、俺がやったんです!
 じ、自首します! 自首しますから、た、助けてください!」

男の言葉を聞き、刑事が我に返って近づく頃には、恭也は男を解放していた。

「ふぅ、難しい事件だった」

恭也はそう呟くと、その場を後にするのだった……。

「って、恭ちゃん、勘でやらないでよ〜」

「何だ、助手の美由希」

「だから、勘で犯人を決めないで、お願いだから」

「しかしだな、俺の勘があいつが犯人だと」

「もし、間違っていたらどうするのよ!」

美由希は半分涙目になって訴える。
そんな美由希に恭也は半歩引きつつ、

「じゃあ、どうしろと」

「こういったのは、現場をよく調べて、トリックを見破ったり、証拠を見つけるものなんだよ。
 次の事件の時は私に任せて!」

自信満々に言う美由希に、恭也は頷くのだった。



「見た目は青年、中身は年寄り。その名も枯れ果てた探偵、恭……って、痛い!
 な、何するのよ、恭ちゃん」

「自業自得だ馬鹿者」

「うぅぅ〜、うちの兄は苛めっ子」

「もう一発いっておくか?」

「え、遠慮します〜」



あの事件から数週間後、恭也と美由希はまたしても事件に遭遇していた。

「とりあえず、警察には連絡して、他の人たちには下のリビングに集まってもらっているぞ、美由希」

「ありがとう、恭ちゃん。それじゃあ、警察が来る前に、少し見ておこうかな……」

美由希はそう呟くと、恭也の後ろにいた那美を呼ぶ。
二人は部屋の入り口に立ち、死体を見つけるまでの出来事を口に出して確認する。

「最初に悲鳴が聞こえて、私と恭ちゃん、そして那美さんが最初にこの部屋に来たのよね」

「ええ。それで恭也さんが部屋を開けようとしたら鍵が掛かっていたので、管理人さんに借りて、鍵を開けたんです」

「そしたら、既にここには死体があったのよね。
 因みに、窓にも鍵が掛かっていて、この部屋の鍵はそこのテーブルの上…」

「他にこの部屋の鍵は、管理人さんが持っているマスターキーだけですから…。
 美由希さん、これって、もしかして密室殺人!?」

「そうなりますね。さて、それじゃあ、とりあえず、何かないか調べてみましょう」

「はい」

「あ、恭ちゃんはそこで待っててね。
 現場を荒らされると困るから」

「分かった」

恭也は美由希の言葉に頷きつつ、少し感心しながら二人の行動を廊下より眺める。
と、窓側へと歩いて行った那美が何もないのに躓き、そのまま転ぶ。
その拍子に、思わず掴んだベッド脇にあった台が倒れ、メモやら電話機が床へと落ちる。

「那美さん、大丈夫?」

慌てて美由希が駆け寄るも、那美しか見てなかった美由希は、思いっきり死体を蹴飛ばしてしまい、死体がごろりと半回転する。
しかも、美由希本人はその拍子に転び、部屋の中央にあったテーブルに豪快にぶつかる。
当然、その衝撃を受け止めることも出来ず、テーブルが倒れ、その上にあったノートパソコンと部屋の鍵が床へと落ちる。

「あ、ああ、パソコンが…」

那美が茫然と呟く中、どうやら電源の入っていたらしいパソコンのモニターがぶつんという音を立てて真っ黒になる。

「……えっと、とりあえず、立ち上がろうか、那美さん」

「そ、そうですね」

二人は慎重に立ち上がるが、那美の足には床へと転がった電話機にコードが絡まっており、それに足を捕られてよろめく。
その那美を見た美由希がすぐさま手を差し伸べるが、二人は縺れ合ってそのままベッドへと倒れ込む。
ベッドの上で必死になって足からコードを抜き去ると、二人はゆっくりとベッドから降りるが、
ベッドの上のシーツは皺くちゃになり、枕は床へと落ちていた。
そんな二人を、恭也はただ眼差しで眺めていた。
それから数分後、到着した刑事たちが見た現場は、まるで何者かに荒らされたかのようにぐちゃぐちゃとなっていた。

「これは酷いですね、警部」

「ああ。これだけ争った跡があるのなら、物音ぐらい聞いてるでしょう。
 何か、言い合うような声とまでいかなくても、物音はしませんでしたか?」

第一発見者である美由希たちへと事情を聞く刑事に対し、美由希と那美はただ乾いた笑みを浮かべるだけだった。







美姫 「さて、それじゃあ、SSの進み具合はどうかな〜」

どうでしょう〜?

美姫 「……つまり、進んでないのね」

あ、あはははは〜。
とらハ学園が頭の部分だけです。
あ、マリとら2ndも頭の部分が。

美姫 「で、次の更新はいつ?」

……が、頑張りますです。

美姫 「はぁ〜」

が、頑張るから、そう落ち込むなよ。

美姫 「アンタの所為でしょうが!」

うぅぅ。と、とりあえず……。

美姫 「CMよ」







「…………はぁ〜、何だってこんな事に」

心底疲れたように呟く恭也のだったが、その姿はいつもとは少し違っていた。
どう違うのかと言われれば、一言で言うのなら、小さいのである。
全体的に小さく、いや、幼くなっていた。

「はぁ〜。いつ、治るんだろうか」

忍の実験体になったのが悪かったのか、その後に美由希の料理を食べた所為か…。
それとも、新しい薬を試したいといったフィリス先生に付き合ったのが悪かったのか。
はたまた、新しい治癒の術を編み出したと言った那美さんに掛けられた術が悪いのか。
並べればドンドン出てくる昨日土曜日の昼以降の自分の行動に後悔しつつ、恭也はもう一度溜息を吐き出す。
しかも、この姿になってから、住人たちがやたらと恭也を構いたがる所為で、恭也はいつにも増して疲れていた。
そんな恭也へと、その日の夕食後、更なる衝撃を襲う。

「恭也、とりあえず、アンタ明日から小学校に通いなさいね」

「はっ!?」

「もう話は付けてあるから」

「ちょっと待て。話って、早すぎるだろう」

「気にしない、気にしない。それよりも、ちゃんと行くのよ」

桃子の鶴の一声により、恭也の小学校生活が始まるのだった。

「恭也くんって言うんだね。私はさくら。木之本桜。よろしくね」

「よろしく、木之本さん」

「さくらで良いよ」

明るく話し掛けてくるクラスメイトとなった少女。
しかし、その少女には秘密があり、恭也は深夜の鍛練の帰りにそれを知ってしまう。

「美由希、先に帰ってろ」

「え、どうかしたの?」

「ああ。あそこに居る子なんだが、俺のクラスメイトなんだ」

「恭ちゃんのクラスメイトって、今の? だったら、大変じゃない。
 小学校四年生の女の子がこんな時間に一人で出歩くなんて」

「ああ。何か事情があるのかもしれないが、とりあえず送っていく」

「うん、分かった。恭ちゃんも気を付けてね」

「分かってる」

こうしてさくらの後に付いて行った恭也は、信じられない光景を目にする事となる。

「汝のあるべき姿に戻れ!」

「よっしゃー、これでまた一枚回収や。って、誰や!」

「…え、きょ、恭也くん。どうして、こんな時間に?
 ひょっとして、今の見てた?」

事情を知った恭也は、さくらに協力する事を申し出るのだった。

CCさくら&恭也 絶賛、妄想中!







美姫 「さて、今週はこの辺でお終いね」

だね。それじゃあ、また来週に。

美姫 「暫らくは更新が止まるけれど、無事に来週お会いしましょう♪」

って、来週、いきなりこれでスタートかよ!

美姫 「一緒にSSもアップしても、私は全然構わないのよ。って言うよりも、寧ろ、書け♪」

可愛らしく言いながらも命令ですね、トホホ(泣)

美姫 「とりあえず、また来週〜」

ではでは。


7月22日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの一部を乗っ取ってお送りします>



日増しに暑くなっていく…。

美姫 「そして、それに比例するかのように、アンタはだれていく」

グテ〜。暑いのは苦手なんだよ…。
うぅー、暑いの〜。

美姫 「はいはい、しゃきっとするする!」

……うし!

美姫 「さて、それじゃあ、とりあえずはCM〜」







それを知ったのは、とあるニュースでだった。
気になったのはニュースの話題ではなくて…。
テレビに映っている風景でした…。

写真でしか知らなかったあの家が…。
写真と一緒のあの家が…。
そこに映っていたのです。

だから…



「こんばんは〜。あなたと血の繋がった血縁の者です〜」

突如、恭也の元へとやって来た三つ編みの少女、御神美由希。
彼女は、恭也の持つ幼い頃の写真とまったく同じものを持っていた。

「この写真見たことある?」

「まさか、本当に……」

突然現われた自分の双子の妹に戸惑う恭也。

「だとして、一体どうするってんだ。まさか、この家で一緒に住むのか…」

悩む恭也の元へ、更なる訪問者が現われる。

「ご、ごめんください〜」

「…はい、どちら様ですか。新聞の勧誘なら間に合ってます。
 もし、テレビのニュースを見て、ここが小さい頃自分が住んでいた家で、血縁者だとか言う人なら、もっと間に合ってます」

意地悪く当てこするように、主に後ろにいる美由希へと向けていった言葉に、しかし、表にいる人物から驚いたような声が上がる。

「そ、そんな!」

「……へっ!? おいおい、まさか…」

半信半疑で扉を開けたそこには、大きな鞄を一つ持った一人の少女がいた。

「わ、私、水翠冬桜と申しまして、じ、実は、先程仰られたように……。
 こ、これに見覚えはありませんか? 母が私を預けた時に、唯一残していったものなんですが…」

そう言って少女が差し出したのは、一枚の写真だった。
幼い少年と少女が、この家の見える場所で水浴びをしている例の写真。

「……どういう事だ? 全く同じ写真が三枚。写っているは二人。
 一人は俺として、残りの一人が二人のうちどちらか……」

「つまり、どちらかは他人で…

「どちらかは兄妹…」

今のテーブルで三人はそれぞれの写真を前に唸っていた。

ふとした切っ掛けから訪れたこの地で、今、新たな何かが始まろうとしていた…。
私たちの家で…。
私たちの夏が…。

「兄妹かもしれないけど、他人かもしれない……。
 でも、だとしたら、この気持ちは……」

トライアングル ツインズ
第一話 「三人の双子!?」 次回もツインズです。







うーん、前回、おねティネタをやったから、やっぱりこれもしておかないとな。

美姫 「このCMネタSSに、遂にオリキャラまで参戦…」

うんうん。って、一体、いつまで続くんだろうか、これは…。

美姫 「まあまあ。それよりも、SSの方は?」

うん。全く!
と言うよりも、短編が書きたくなってきてて…。

美姫 「前から言ってるわね」

うんうん。で、幾つかのネタは浮んでいるんだがな。
さてさて。

美姫 「長編の方は?」

そっちなら、次は『マリとら2nd』か『DUEL TRIANGLE』がアップするかな。
まあ、あくまでも予定だけど。

美姫 「他には?」

他は、投稿用のSSを書いている所。
これも何とか今週中にはしたいな〜。

美姫 「そこで、“しよう”じゃなくて、したいという希望なのが、アンタらしいと言うか…」

ははは、照れるな〜。

美姫 「いやいや、褒めてないって」

む、そうなのか?

美姫 「当たり前よ! ほら、バカやっている暇があるなら、少しでもSSを書きなさいよね!」

わ、分かっているから、小突くなよ〜。

美姫 「とりあえず、もう一回、CM〜」







ティオレ・クリステラの最後の遺産。
それを狙う何者かが、ティオレ亡き後、CSS校長として、
また、光の歌姫として活躍するフィアッセ・クリステラの元へと脅迫状を送り付けた。
一方、その頃、フィアッセの幼馴染にして、四年前のコンサートでフィアッセを守り抜いた二人は、香港で鍛練をしていた。

「恭ちゃん、こちらは無事制圧だよ」

小太刀二刀 御神流の剣士にして、御神流正当の後継者 高町美由希

「そうか。それじゃあ、作戦通りに…」

美由希の師匠にして御神流師範、そして、御神の裏にあたる御神不破流の剣士 高町恭也

日々研鑚を重ねる二人の元へ、フィアッセから連絡が届く。
丁度、鍛練も一区切り付いた二人は、何やら不穏な動きを見せるイギリスへと向かうのだった。
そして、まるでそれを待っていたかのように、ゆっくりと事態は動き出していく。

「高町恭也に美由希。二人が四年前にフィアッセを助けたというのが本当だとしても、それは今は関係ない。
 私だって、護衛として、ううん、それ以上に友達としてフィアッセの事が心配なんだ。
 だから、素人に勝手な事をされるのは困るんだ」

ツインガンナーの異名を持つ、エリス・マクガーレン。
彼女はプロ意識を持つが故に、恭也たちを受け入れることが出来ないでいた。

「コンサートは中止しません。たくさんの人が、私たちの歌を待ってくれているから。
 例えどんな事があっても、私は歌う事を止めたりしないよ。
 どんな所でだって、歌いたいって思ったら、想いを歌に乗せて歌う。
 それが、ママから教わった事だもの」

狙われている状況の中、それでもフィアッセはコンサートを始める。
そこに歌を待つ人が居る限り。

「我々の要求は三つ。一つ、必要経費に糸目を付けない。
 二つ、全てが済めば、あの女は我々が頂く。
 そして、三つ、御神の剣士との対決には、一切の手出しをしない。
 これだけです……」

運命の地をイギリスから日本へと移す中、ソレもまたゆっくりと動き出していた。

それぞれの思いを胸に、運命の日は近づいていく。

「必ず守ると約束した。
 だから、俺は御神の剣士として相手が誰であろうと、フィアッセ・クリステラの影を悪意を持って踏む者がいるのならば、
 いつだって必ず斬って捨てる」

「私たちの刀は、そのためのものだから」

阻むもの全てを打ち砕く鋼の刃をその両の手に握り締め、二人の剣士は再び襲い来る影に立ち向かう。

とらいあんぐるハート 〜Sweet Songs Forever 〜 <PAINWEST Ver.>







うーん、こんなのはどうだろう。

美姫 「これって、何が原作と違うの?」

大きな点は、敵とヒロイン。

美姫 「だけ?」

後は、他のキャラもちょっと絡んできたり。
まあ、そんなに詳しくは考えてないんだけどな。

美姫 「そんないい加減な…」

いや、だって、ネタSSだし。

美姫 「まあ、確かにね」

と、それよりも、もうこんな時間か。

美姫 「あ、そうね。それじゃあ、そろそろこの辺で…」

ではでは。

美姫 「まったね〜」


7月15日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの一部を乗っ取ってお送りします>



う、うぅ、感動だよ。

美姫 「やっとモニターが直ったわね」

直ったというより、新しいのだけどな。
火曜日に全くモニターが付かなかった時は、一瞬、PCがクラッシュかっ、とか焦ったもんだよ。

美姫 「お陰で、火曜日はHPを全く更新してないのよね」

ああ。だが、木曜日に届いた新しいモニターのお陰で、こうして復活!

美姫 「復活という程でもないけどね」

確かにな。しかし、最初は驚いたぞ。
電源を入れても、モニターは黒いまま。
ああ〜、思い出しただけでも……。

美姫 「はいはい。ふ〜、それにしても、暑い日が続くわね」

まあ、夏だしな。

美姫 「はぁー、暑い、暑い…」

本当に暑い……。だ、駄目だ、このままでは溶ける……。

美姫 「本当に暑さに弱いわね」

ああ……。あ、駄目だ、暑さを認知し始めたら……。

美姫 「って、脳みそまで溶かしてるんじゃないわよ」

ぐで〜。とりあえず〜、CM〜.

美姫 「今のうちに氷で……」







日差しが初夏を感じさせる季節
時が止まったような静かな街で、当たり前のような日常が動き出す。

「皆さんこんにちは、今日からこのクラスの担任になる風見みずほです」

この出会いにより、春より俄かに騒がしくなり始めていた恭也の日常は更に加速していく。

「俺にも、人には言い難い秘密がありますから。
 俺の一族は、御神流という剣術を伝えていて…」

お互いの秘密を共有し、近づく心。

「恭也くん、今日から宜しくお願いしますね」

更にとんでもない秘密を持つことになる二人。

「別に、何でもないですよ。ただ、休日まで先生に監視される覚えはないですけどね」

些細な事ですれ違う心。

「恭也くん……」

「みずほ……」

そっと重なる二つの影。
それを優しく月明りが照らし出す。



初夏の日差し眩しいあの日、あの時…

俺たちは…
私たちは…

出逢った
そこから始まる物語

高町恭也と風見みずほのドキワクラブストーリー

おねがい・とらいあんぐる
第一話 「教えてティーチャー」 必ずチェックしてね
最優先事項よ♪







なんか、懐かしいな…。

美姫 「本当になつかしい作品とのクロスね」

と言っても、まだそんなに年月は経ってないけどな。

美姫 「さて、それはそれとして、現在のSSの進行はどうなのかな?」

とらハ学園の予定だったんだが、ちょっと『DUEL TRIANGLE』の方を連続でアップする予定。
とらハ学園はその後だな。

美姫 「やっぱり、あそこまで話を来週中までには持っていきたいのね」

おう! なので、とらハ学園はその後だな。

美姫 「因みに、どんなお話なのかしら?」

今度のとらハ学園はこれだ!







「お客様、こちらの商品がお気に召しましたか?」

「ええ、そうですね。少し気になりますね」

「そうですか、そうですか」

「少し詳しく知りたいですわね」

「ええ、宜しいですよ。ただ、私も詳しくは知りませんので、父から聞いた話になりますが…」

「呪われし地獄絵図……ね」



「あぁ、お札が!」

「まずいわね。どうやら、この札で封じていたみたいなんだけれど。
 沙夜ちゃん、どうかしら」

「美影さんの読み通りですね。しかも、このお札、一度剥がれた時点で力を急激に無くしてます。
 このままだと……」



「よ、妖怪退治は、うちらの務めでしゅから……」

「って、薫、まだ酔ってるよ! こ、ここは俺が何とかするから、とりあえず、酔いを覚まして…」

「耕介しゃん、何を言ってりゅんでしゅか。うちは、全然酔ってません。
 ……敵はどうやら六体のようでしゅから、三体ずつでぇ」

「薫、敵は三体だよ。って、間違いなく酔ってるって!
 那美ちゃん、薫の事お願い」

「は、はい」

「ですから、うちは全然、酔ってましぇん」

「薫ちゃん、呂律が回ってないよ…」



「本当に何の因果やら…」

「とりあえず、刀が通じるみたいだから、俺も役に立てるな」

「おら、二人共喋ってる暇なんてねーぞ。そっちに行ったぞ!」



「はぁー、どうやら父さんの仕業ではないようだな。
 てっきり、また何かやらかしたのかと思ったが…」

「これ、恭也。ぼさっとするでないぞ」

「うぅ、お化けは嫌ーー!」

「お、落ち着けって、美由希!」

「あらあら、美由希ちゃんってば、元気ね〜」

「あ、あははは。そんな事、言ってる場合じゃないんじゃないかな〜」

「忍お嬢様、お下がりください」

「うん、お願いね、ノエル。ほら、知佳もこっちに」



「なあ、ざから、これって、どんな運命なんだろうな」

「知らぬ。我に尋ねるな。だが、まあ、強いて上げるならば、主の日頃の行いかもな」

「何だよ、それは……」



「美影さん、この後はどうしますか」

「そうね。と言っても、最早、私たちは待つだけかしらね。
 後は、そう全て、彼次第ね」



とらハ学園 第59話「呪われし地獄絵図」 今月中にアップ予定!







とまあ、こんな感じだな。

美姫 「ほほ〜う」

と、まあ、先に『DUEL TRIANGLE』の方をアップするけどな。
因みに、これはあくまでもその一部であり、改変される可能性もあります。

美姫 「ふ〜ん」

さて、例によってこの雑記内のSSが一部で好評。
これはいよいよ、長編化か!?

美姫 「また、そんな無謀な事を…」

…あ、あははは。だよな。ま、まあ、もう少し様子を見ますです、はい。

美姫 「そうしておきなさい」

とりあえず、CM〜.







これは、高町恭也が中三へと進学を果たした春休みの出来事。
急に届いた旧知からの手紙により、恭也は一人、その人物の元へと赴いたのだった。

「…という訳で、あの子をそっと見守ってやって欲しいの」

「はい、分かりました。彼の成長を見るのは、俺も嬉しいですからね」

「ありがとう、恭也くん。でもね、一応、修行中だから、ギリギリまでは手を貸さないで」

「どうしても手が必要な時にだけ、助けるようにですね」

「ええ、お願いできるかしら」

「分かりました。それで、俺はどうすれば」

「…手続きはこちらでやっておくから、恭也くんはこの日、ここに行ってくれれば良いわ」

「了解です」



「……って、女子校じゃないですか!」

恭也の叫び声が、ここ麻帆良学園中等部に響くのだった。

「どうやって転入手続きしたんですか、ネカネさん…」

丁度恭也が肩を落とした時、鞄から何かが転がり落ちてくる。
瓶詰めに去れた飴玉のようなものを拾いつつ、同じく落ちてきた紙切れを手にする。

「はて、こんなもの入れた記憶がないんだが…」

恭也は紙切れを広げて、そこに書いてある文字を目で追う。
その速度が徐々に落ちていき、全て読み終えた恭也は、盛大な溜息を吐き出すのだった。

『恭也くんへ。
 言い忘れていたけれど、ネギは女子校の中等部の先生をやってます。
 だから、恭也くんも女の子になってくださいね。
 同封した魔法のお薬を飲めば、一日の間、女の子になれますから。
 それじゃあ、ネギの事をよろしく。
 勿論、今更断わったりしないと信じてますから。
 名前は、高町恭で手続きしてるからね。それじゃあ、頑張ってね』

「高町恭って、もう少し捻ってくださいよ」

恭也は呟きつつ、薬を一粒取り出し、渋々と口へと放り込むのだった。



「え、恭お兄ちゃんですよね。あれ、あれ、どうして女の子の…」

「…色々と事情があるんだ、って、ネギには隠す必要はないのか。
 実は、ネカネさんに頼まれてな。ネギの修行の手伝いをする事になった。
 ただし、本当に危なくなった時だけ、手を貸す事になるから、出来る限り、自分の力で頑張れよ」

「…は、はい!」

恭也の言葉に、ネギは気を引き締める様に返事をする。
そんなネギを、恭也は本当の弟を見守るかのような目で見詰めるのだった。

「あ、所で、恭お兄ちゃんではまずいですね。えっと、恭お姉ちゃんで良いんでしょか」

「…………まあ、好きに呼んでくれ。ただし、くれぐれもばれないようにな」

「はい、それは勿論です!」

こうして、修行中の魔法使いと剣士の物語は始まるのだった。







美姫 「この後、吸血鬼事件が起こるのね」

大体、その辺りだな。

美姫 「ふむふむ」

って、そこ、真剣に考えるな。

美姫 「あはは〜、冗談よ、冗談。さて、それよりも、キリキリとSSを書いてもらうわよ」

へいへい。それじゃあ、今回はこの辺で。

美姫 「それじゃあ、また来週〜♪」

ではでは。


7月8日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜、ハートフルデイズ〜」

この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを奪い取ってお送りしてます。



美姫 「さて、今週もやってきましたこのコーナー」

…………。

美姫 「もしもーし」

……。

美姫 「ちょっと、始まってるわよ」

あ、暑い……。もう駄目。

美姫 「……えーい、とっとと起きんかい!」

ぐげっ。……ぐて〜。

美姫 「や、やる気がないわね」

違うぞ〜。やる気はあるけれど、暑くて、暑くて……。溶ける〜。

美姫 「溶けるか! ……って、浩だし、それもあり得るかも……」

納得されたらされたで、それは嫌だな。

美姫 「だったら、さっさとやる気を出しなさい!」

いよーし、やるぞー!

美姫 「さて、とりあえずは、CM〜」

…って、おいおい(汗)







風芽丘学園に在籍する乃木坂春香は、容姿端麗にして才色兼備。その上、超が付くぐらいのお嬢様。
更には、『白銀の星屑(ニュイ・エトワーレ)』なんていう二つ名まで持つ、学園のアイドル。
ある日、そんな春香の秘密を知ってしまった恭也は、その事が切っ掛けで仲良くなっていく。
所が、このお嬢様、意外とドジな面もあり、恭也は学園で春香の秘密がばれないように必死でフォローをする事に。
その結果、男子生徒の多くを敵に回しつつ、身近な女性には何故か睨まれる日々を過ごす事となる。
そんなある日、今度は春香が恭也の秘密(御神流)を知ってしまったから、さあ大変。
春香の口からそれが出やしないかと、今まで以上に神経を使う恭也。
そんなこんなで今まで以上に一緒にいる事の多くなる二人だった…。

お嬢様とのシークレットラブストーリー
 高町恭也と乃木坂春香の秘密 夏のような秋のような冬のような春のような季節に公開!







……ぐで〜。

美姫 「起きろー!」

いや、別に寝てないって。単にだれてるだけ〜。

美姫 「何かむかつくから、とりあえず殴っても良い?」

……ぐぅぅ、す、既に殴ってから聞くなよ〜(涙)

美姫 「ふふふ♪ これからの返答次第では、もっと痛い目をみるんだから♪」

え、えっと、な、何で御座いましょうか。

美姫 「勿論、SSの状況よ♪」

あ、あはははは。えっとですね…。
現在は、『DUEL TRIANGLE』を進行中です、はい。
その次に『マリとら2nd』か、『とらハ学園』を。
で、『Moon Heart』という予定です、はい。

美姫 「予定という事は…」

も、勿論、変更が起こることも。いや、起こる可能性が大です!

美姫 「それって、予定って言わないと思うけど」

あ、あはははは〜。

美姫 「何か、小学生の夏休みの予定みたいよね」

書くには書くけど、やらないってやつか?

美姫 「そうそう、それよ、それ。まあ、あんたはその予定を再提出喰らった事のある奴だったわね」

あはははは! あれは、小学校三年生か四年生の事だな。
今でもはっきりと覚えているぞ。
朝八時起床。で、そこから十時まで自由時間。そして、十時に就寝。
完璧な予定表だったのに。因みに、たったの数分で書き終わった。

美姫 「当たり前よ! 全く、なんて小学生なのかしらね」

しかしだな、他の子のを見た時って、何故か、何時に朝食、何時に風呂とか書いてるんだぞ?
毎日、毎日、その通りに動けるわけないだろう?
大体、そんなのは都合によって変動するんだし…。

美姫 「確かにそうなんだけど、アンタのはかなり酷いと思うわよ。第一、八時起床って何よ!」

いや、正直者だったんだな。出来ない事は約束しないと。

美姫 「いや、まあ、確かに正直よね」

だろう。なのに、やり直しとか言われたんだよな。何でだろう?

美姫 「いや、何でも何も、起床と自由時間と就寝しか書いてないし…」

だから、それは…。

美姫 「はいはい。不毛な言い争いはこの辺にしておきましょう。どうせ、過去の事なんだから」

まあ、確かにな。

美姫 「それよりも、今はこっちの方よ。で、SSはどうなの?」

うーん、何もなければ、『DUEL TRIANGLE』、『マリとら2nd』の順になるはず。
その後の『Moon Heart』はちょっと怪しいけど。『とらハ学園は今月中には絶対に書くし。
と言うか、ネタは出来てる。後は書くだけ。それも、半分近くまでは終ってる。

美姫 「だったら、そっちを先に書け!」

ぐげっ! ち、違うんだ! こ、これには訳が……。

美姫 「どんな訳よ!」

何となくだ!

美姫 「さーて、剣と銃と槍と拳、どれが好き?」

ごめんなさい。どうしても、カエデのエピソードを先に書き終えたいんです。

美姫 「初めからそう言いなさいよね」

ほっ。

美姫 「でも、それはそれ、これはこれ」

う、うぅぅぅ。やっぱりですか。山は死にますか、海は死にますか。

美姫 「大丈夫、アンタは死なないから」

うぅぅぅ。

美姫 「さて、かる〜いお仕置きの間に…」

CMへ〜。

美姫 「結構、余裕あるじゃない」

あるかー!







「恭也くん♪」

ある日、恭也の前に突然現われたツインテールの少女。
それが後に恭也の人生を大きく変える事となるとは、この時はまだ、この少女自身でさえも知らなかった。



「恭也、アンタはすぐにそうやって女性に愛想を振り撒く!」

突然キャンパスに響いたその声に、恭也と世間話をしていた女性たちは慌てたようにその場を去って行く。
それらを見送りつつ、唯一その場に留まっている忍へと視線を向けると、

「愛想? なあ、忍、俺にとって、最も縁遠いような言葉を聞いた気がするんだが」

「多分、気のせいじゃないって。どういう訳か、美貴ってば、恭也にはきついわよね」

「ああ」

「恭也、何か恨まれるような事でもしたんじゃないの」

「……全く見に覚えがないとは言えないのが辛いな」

「えっ!? 本当に何かしたの!? 一体、何を」

「いや、単に昔の知っている人に似てたから声を掛けたぐらいなんだが…」

「それで、人違いだった訳?」

「ああ。まあ、でも、それで知り合えた訳だしな」

「ふーん。恭也がそこまで嬉しそうなのは、結構、珍しいかもね」

「そうか?」

「ええ」

二人が話している間に、件の女性、麻当美貴が恭也たちの元へとやって来る。

「全く、忍も女性に囲まれてデレデレしている恭也の目を覚まさせる為に、軽く叩くぐらいしなさいよね」

「いや、デレデレも何も…」

「恭也は黙ってる!」

「…はぁ〜」

黙っているように言われた恭也は、律儀に口を閉ざし、代わりに説明するように忍に目で頼む。
それを受けた忍は、これ見よがしに溜息を吐き出しながら、美貴へと説明をする。

「今の子たちは、単にさっきの講義を一緒に受けた子たちだって。
 それで、分からないところがあったからって聞いてきたのよ」

「だったら、恭也じゃなくて、教授に聞けばいいだろう」

「だから、恭也じゃなくて、私に聞きに来てたの」

「えっ!? って事は、恭也の客じゃなくて…」

「そう、私の。でも、まあ、いい加減に解放して欲しかったから、丁度良かったかも」

「で、でしょう。忍が困ったような顔をしてたから、助けてあげたのよ」

「そうだったのか。さすが美貴さん、友達思いだな」

「まあね」

「嘘ばっかり。私の方は全然、見てなかったくせに…」

「うっ」

恭也の方へと偉そうに胸を貼る美貴の耳元で、忍が恭也には聞こえないぐらいの小声で囁く。
その言葉に、美貴は思わず声を詰まらせ、次いで、これまた小声で忍へと話し掛ける。

「翠屋のシュークリーム」

「駄目。ケーキセット」

「くっ、この、人の足元を」

「嫌ならいいのよ〜」

「わ、分かったわよ」

「毎度あり〜」

そんな女二人の会話を知ることもなく、恭也はただ目の前の二人の様子に首を傾げていた。



「酷い! 本当に覚えてないの! これじゃあ、お母さんが可哀相だよ」

「お母さんって、さっきから何を言っているんだい?」

「だから、私は娘なの!」

「いや、改めて言われなくても、女の子だっていうのは分かっているが…」

「そうじゃなくて、私はあなた、高町恭也の実の娘なの!」

「…………はいぃ!?」

突然現われた少女は、自分が恭也の娘だと名乗る。
当惑する恭也の脳裏に、一人の少女の姿が浮び、目の前の少女とその面影が重なる。

「ま、まさか……、ゆうちゃんの…」

「あはっ♪ やっぱり、ちゃんと覚えてたんだね。うんうん、やっぱり愛の力は偉大ね♪
 …では、改めて。結城美沙、それが私の名前よ。これから宜しくね、お父さん」

「…………って、こ、これから?」

「そうよ。それとも、迷惑」

「いや、そんな事はないが…」

「良かった♪ 私、前からお父さんと一緒に暮らしたかったのよ♪」

茫然としつつも、本当に嬉しそうな笑みを浮かべる美沙を見て、恭也は思わず微笑を零すのだった。



「随分と探しましたよ、ダーティフェイス。さて、商談と行きましょうか。
 ここに10億の手形があります。これで、この件からは手を引いてもらえませんか?」

「…この件?」

「まだとぼけますか。言わずと知れた、かぐや伝説の件ですよ」

「あの、一体、何の事を言っているのか」

「いい加減にしろ!」

「待ちなさい!」

交渉している男の手下を思われる男が、静止の声も聞かずに発砲する。
同時に恭也は隣にいた美貴を抱え、机の下へと避難する。
それを短く感嘆の声を零しながら、楽しそうに見詰めると、男はそっと手を上げる

「今のを避けるとは、流石はフェイスと言った所ですか。
 ですが、次もそう上手く行きますかね」

そう言って男の手が振り下ろされ様とした正にその瞬間、壁をぶち破って一台の車が滑り込んでくる。

「恭也くん、早く乗って」

「み、美沙ちゃん!?」

「驚くのは後!」

「あ、ああ」

美沙の言葉に、恭也はすぐさま美貴を抱いて車へと押し込むと、自分もすぐさま乗り込むのだった。



「高町恭也。家族構成は、父親は既になく、母親と妹二人。
 そして、あの御神流の使い手……。ふっふふふ、なるほど、あの御神流の使い手でしたか。
 どうりでアレだけの銃に囲まれても尚、あの余裕。…貴方、この情報はかなり有益ですよ」

「はっ、ありがとうございます。ただ単に、高町恭也と言う名前から辿れたのが、それだけという事ですが。
 しかし、そんなに恐ろしいのでしょうか、御神流というのは」

「貴方はまだこの世界が浅いから知らないでしょうが、我々の世界ではとても有名な流派ですよ。
 特に障害物などのある場所や、閉鎖された空間において、その使い手一人を倒そうと思えば、小隊ではまず無理でしょうね…」

「そんな…」

「いえ、事実ですよ。私も直には見たことはありませんが、館長の持っていたテープで一度だけ見た事があります。
 銃弾を避ける姿を。彼らには、銃は通じません。避けられるか、手にした刀で弾かれるかです。
 しかし、まさか生き残りが居たとは……」

暗闇の中、二人の男の間で交わされる謎の言葉。
その意味するところとは…。



自称、平凡な学生高町恭也。
実の娘との出会いにより、その人生が一転してしまう。
後に、彼は世界一のトレジャー・ハンターとなるのだが、それはまだまだ先の事。

TRIANGLE FACE 近日…………あははは〜。







ピクピク……。

美姫 「おーい、浩〜」

…………。

美姫 「返事がない、ただ眠っているだけのようだ」

違うわ! 気絶してたんだよ!

美姫 「って、意識あるじゃない」

たった今、戻ったんだよ。
そしたら、お前の訳の分からない独り言だろう…。

美姫 「全く、しぶといわね」

しぶといってアンタ……。

美姫 「それよりも、さっさと『DUEL TRIANGLE』書き上げなさいよね」

が、頑張ってるよ〜。

美姫 「じゃあ、今日中に」

きょ、今日中!?

美姫 「そうよ」

無理無理無理! 無茶苦茶短くても良いのか。
全部読むのに、一分でも良いのか。そんな短さでも良いのか!?

美姫 「普段も、そんなに長くないわよ?」

グサグサグサッ!

美姫 「……あ、あはは。えっと、じゃあ明日中」

明日中!? 無理無理無理! 絶対に無理!

美姫 「じゃあ、いつだったら…」

月曜日中とか。

美姫 「さて、紅蓮、蒼焔、待たせたわね。久し振りに、大技でも出そうかしらね」

ご、ごめんなさい。出来る限り早く上げます。

美姫 「ふん、初めからそう言っておけばいいものを」

うぅぅ……(涙)

美姫 「と、そろそろ時間だわ」

そ、それじゃあ、また来週(泣)

美姫 「さて、浩にはこれから頑張ってもらわないとね〜」

うぅぅぅ……。

美姫 「それじゃあ、また次回で〜」

……ではでは。


7月1日(金)

美姫 「美姫ちゃんの」

ハートフルデイズ〜。
果たして、いつまで続くんだろう…。

<この番組は、おはようからお休みまでメイドが見ていた でお送りします>



美姫 「もう七月ね」

ああ、本当に早いもんだな。
もう今年も半分か。

美姫 「本当にね。私としては、今年はもっとSSを書いてもらわないとね。
     という訳で、下半期は今まで以上にビシバシ行くわよ!」

い、今以上って、お前……。

美姫 「さて、それじゃあ…」

おいおい、さらっと流すなよ〜(涙)

美姫 「CMよ〜」







世界には、ひとつの伝説がある。
それは、かつて地上に存在したと言われる古代文明の伝説……。
魔法と呼ばれる巨大な力によって人々が築き上げた文明の伝説。
旧世界と呼ばれる、今はなき精霊の加護による豊かな暮らしを送っていた世界。
精霊の加護を失い、衰えて失われてしまい、永い永い時が流れた……。

今では既に伝説ともなり、その存在さえ疑われる古代文明。
そんなものに、殆どの人々は興味を示さなかった。
しかし、逆に言えば、極一部の人々はそれを求めたのだ。
酔狂な連中の道楽だったのか、それとも、他の理由があったのか。
それは本人しか分からぬ事。
しかし、そういった連中が居たのは確かで、彼らは自らソレを探し求める者も居れば、
人を雇って探させる者など、人それぞれの方法で。
いつからか、旧世界の遺産を探し求める者たちは、冒険者と言われるようになる。

数多くの冒険者たちが探し求めた古代文明の財宝『旧世界の遺産』も、発見されることは無かった。
それ故に、冒険者たちも次第に姿を消していったのは、仕方のない事だろう。
しかし、ここにも一人、そんな冒険者がいた。
青年の名は恭也。
冒険者となって数年、大陸中の遺跡を旅して回っていた。
それもこれも、全ては失われた『旧世界の遺産』を見つけるために。
しかし、未だに何の成果もなかったが。

そんな中、恭也は『アーヴィル』と言う街を訪れていた。
大陸でも、辺境に位置する小さな街アーヴィルには、古くから一つの洞窟がある。
街の人たちは、モンスターの棲みつくこの洞窟を恐れ、決して近付こうとはしなかった。
が、最近になって、この洞窟の中から古代の遺跡らしきものが見つかったと言う。
そうして恭也は、アーヴィルの洞窟へと足を踏み入れる事となった。
しかし、恭也がそこで見たものとは、財宝でも何でもなかった…。

止まっていた『旧世界』の時間が、今、ゆっくりと動き始める……。



「本当に旧世界の遺産が見つかれば、元の世界に戻れるんだろうか。
 それ以前に、本当に旧世界の遺産なんてあるのか」

冒険者となり、各地を周るも旧世界の遺産が見つからない事に微かな焦りを覚えて、思わずそんな呟きが零れる。
それから数日後、恭也は一つの噂を耳にする。
アーヴィルという街の洞窟から、遺跡らしきものが見つかったという噂を。
その噂を聞き、恭也はすぐさまアーヴィルへと向かうのだった。



「ちょっと、もう少しゆっくり歩いてよ。
 そりゃあ、恭也の逸る気持ちも分かるけれど…」

恭也が迷い込んできてからずっと恭也の身の回りの世話をしていた少女、サクラ。
彼女は冒険者となった恭也と共に旅へと出て、以来ずっと一緒に行動を共にしてきた。
サクラは前を歩く恭也が立ち止まったのを見て、少し早足で追いつくと横に並ぶ。
恭也は何も言わずに、サクラの持っていた小さな荷物を手にすると、さっきよりもゆっくりと歩き始める。
横に並んで歩きながら、サクラは少し複雑そうな顔を見せるのだった。



「そう、わたしは……ユウラ。わたしの、名前……」

洞窟の中で見つけた不思議なもの。
その中に眠るように佇む一人の少女、ユウラ。
しかし、彼女は名前以外の事は何も覚えていなかった。
とりあえず、恭也は少女を一人、こんな場所に置いておけるはずもなく、急いで少女を連れて街へと戻るのだった。



「そんなに元の世界に戻りたいの?」

「まあ、出来るなら、な」

「……うぅ、もう良いわよ! 好きにしたら良いのよ、恭也の馬鹿!」

「お、おい、サクラ。……一体、何を怒っているんだ?」

遂に旧世界の遺産が見つかるかもしれないと、日々遺跡へと潜る恭也。
複雑な気持ちを抱きつつ、恭也の無事を祈って待つ事しか出来ないサクラ。
親身になってくれる恭也へと、徐々に心を開いていく記憶喪失の少女、ユウラ。

様々な思惑が絡み合う中、恭也は無事に旧世界の遺産を見つける事が出来るのか…。

TRIANGLE[LUV] トライアングル ラヴ







美姫 「さて、SSの進捗状況は〜」

とりあえず、さっきマリとら2ndの57話が書き終わった!

美姫 「ほうほう。で、他は?」

えっと、今の所は、『DUEL TRIANGLE』が少しかな。

美姫 「じゃあ、次はソレ?」

うーん、どうかな。
ただ、これもそう遅くないうちにアップできるかと…。

美姫 「さて、それじゃあ、早速今から書いてもらおうかしらね」

い、今から!?

美姫 「何か文句でも?」

い、いえ、ありませんです、はい(泣)

美姫 「さて、それじゃあ、もう一度CM〜」

お、おい、まさかとは思うが、その間に書き上げろとか言わないな(汗)

美姫 (ニッコリ)

む、無理じゃ〜〜!

美姫 「それじゃあ、CM〜」







エリート魔術師養成学校・葵学園に通っている式森和樹。
成績は下から数えた方が早く、生涯で使える魔法の回数はたったの8回という少なさ。
そんな和樹の元に、一人の少女が現われる。

「和樹さん、今日から私たちは夫婦です!」

──魔法能力が高く、西洋式の精霊術を得意とする美少女、宮間夕菜

「和樹〜、ねぇ、遺伝子ちょ〜だい♪」

──風椿財閥の娘にして、霊符を使用する先輩、風椿玖里子

「私には関係ない。本家の言う事を聞かなければならない道理はないからな」

──悪霊退治を生業とする神城家分家の少女、神城凛

「毎日、大変そうだな、和樹」

──和樹のクラスメイトで、親友である少年、高町恭也



和樹の遺伝子を巡り、様々な事件が巻き起こる!

「ちょ、誤解だってば、夕菜。は、話を聞い……」

「和樹さんの、浮気者ーー!!」

ジェラシーの炎を燃やす、自称和樹の妻。

「あら、これ以上、私の口から言わせる気? 意外と和樹も好きねぇ」

「や、止めてください、玖里子さん!」

二人きりになると迫ってくる先輩。

「恭也さん、行きましょう。ここに居ては、あの二人の騒動に巻き込まれます」

「ああ、そうだな」

本家の指令を何故か頑なに拒否する少女。

「…生きてるか、和樹」

「な、何とかね……」

「それにしても、毎日、毎日、よく飽きないな」

「別に、僕は好きでやってる訳じゃないんだけどね…。
 はぁ〜、遺伝子、遺伝子って、もう嫌になるよ」

「和樹、お前、鈍感だな。このクラスの連中は兎も角、夕菜さんや玖里子さんさんは、それだけじゃないと思うが?」

「それって、どういう意味だよ。その前に、恭也にだけは、鈍感とは言われたくないよ」

「む、それこそ、どういう意味だ」

「まんまだよ。あーあ、凛ちゃんも可哀相に…」

「どうして、そこで凛の名前が出てくるんだ?」

「……これだもんな」

周りから見れば、どっちもどっちな感じの二人。

毎日何処かで巻き起こる爆発に、轟く爆音。
既に日常と化しつつあるこの騒動に、だからといって慣れるはずもなく。

「はっはっは。夕菜が落ち着くまで、逃げなきゃ」

「…どうして俺まで」

「あ、あははは。ああなると、こっちの話を殆ど聞いてくれない上に、殆ど周りも見えてないからね」

「……はぁ〜」

彼、彼女らの日常は波乱ばかり。
果たして、どんな物語が繰り広げられるのか!?

まぶらほハート 近日…………。







美姫 「で、書けた?」

書けるか!

美姫 「何やってるのよ!」

何って、CMSS書いてたわい!

美姫 「ぶ〜」

こらこら。

美姫 「仕方ないわね。この後、たっぷりと書かせてあげる♪」

いらんわ!

美姫 「遠慮はいらないわよ」

遠慮してませんから、いや、本当に。

美姫 「ふふふ〜♪」

だ、誰か助け……フゴフゴ。

美姫 「さて、それじゃあ、時間だから、また来週ね♪」

フゴフゴ。

美姫 「それじゃあ、まったね〜」



<この番組は、PAINWESTの戯言/雑記を乗っ取ってお送りしました>










          



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