2006年5月〜6月

6月30日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを快く提供させてお送りしています>



はぁー。早いものでもう半年経つんだな。

美姫 「しみじみしている所悪いんだけれど」

フィーア 「現実逃避じゃないんですか?」

夕凪 「私もそう思うな」

…………今日も暑いな〜。

美姫 「いい加減に諦めなさいよね」

フィーア 「そうよ! 折角美人三姉妹が揃ったってのに」

おいおい、自分で言うな。

夕凪 「そこは反応するんだ」

えっと、どうして皆さん揃って武器を構えてるのかな?

美姫 「何でかしらね」

えっと、さっきのは、ほら、えーーっと。
そ、そう! 言わなくても分かってる事じゃないか、な、ななっ!

フィーア 「もの凄く必死ね」

夕凪 「本当に」

美姫 「まあ、初っ端だし許してあげるわ」

おお、流石は美姫〜。可愛いよ、綺麗だよ、優しいよ〜。

美姫 「当たり前のことを言われてもね〜」

……。

美姫 「何で黙るのかしら」

い、いや、だから当たり前の事だから?

フィーア 「微妙に疑問系ですね」

こらこら、勝手に決め付けるのはよくないぞ!

夕凪 「じゃあ、本当は?」

勿論、ぎも……コホン、コホン。
あ、あー、美姫。そろそろゲストの紹介をしてあげないと。
かなり飛ばしてここまで来てしまったんじゃないか。

美姫 「誤魔化したわね。まあ、でもその通りね」

まあ、今更紹介も何もいらないような気もするがな。

夕凪 「どうしてよっ!」

え、えっと、この子は…。

夕凪 「この子?」

えっと、こちらの可愛らしいお嬢さんは、夜上さんの所でお馴染み、鉄拳頑丈娘……ぶべらっ!

夕凪 「ちゃんと真面目に紹介してね♪」

お、おう。夜上さんの所から来てくださった、夕凪さんです。
とっても可愛らしいお嬢さんです、はい。

フィーア 「ほら、早く私の紹介も!」

あー、こっちのは…。

フィーア 「こっちの?」

コホン。
あー、こちらの綺麗なお嬢さんは、アハトさんの所でお馴染み、制裁お仕置き娘……ぐばらぁっ!

フィーア 「あら、蚊が」

うぅぅ。蚊か、蚊がいたんじゃ仕方ないよね。あはははは。

フィーア 「紹介をしてくれてる途中なのにごめんね♪」

き、気にしなくて良いよ。
えっと、それでは改めて、こちらの綺麗なお嬢さんはアハトさんの所から来てくださったフィーアさんです。

美姫 「次は私、真打ちの登場ね」

いや、お前の紹介なんかいらな……ぐべぼろみょっ!!
……お、お前のが一番きついんだが……。

美姫 「ごめんね。浩よ、浩がいたの」

あ、ああ、それじゃあ仕方がない……って、んな訳あるかっ!
俺ってどういう事だよ! 俺と分かってて殴ったのか!?

美姫 「うん♪」

うぅぅぅ。せめてフィーアみたいに蚊って言ってくれよ(涙)

美姫 「それよりも、早く紹介してよ」

いや、だからいらんだろう。

美姫 「偶にはやって欲しいのよ」

うぅぅ。何で自分の相棒にこんな事を……。

美姫 「えっ!? 私ってアンタの相棒だったの」

いや、何でそこで驚きやがりますか、あーた。

夕凪 「美姫さんって、浩さんのご主人様じゃなかったんですか!?」

フィーア 「って言うよりも、浩がお姉さまの下僕なのよね、確か」

美姫 「うーん、私もそう思ってたんだけど……」

う、うぅぅぅ(泣)
幾ら何でも酷すぎる…。この三人を相手に、俺一人でどうしろと……。

美姫 「良いから、さっさとしなさいよ!」

分かったよ!
ラスト一人は最早言うまでもなし!
我がPAINWESTが誇る最狂にして最凶、最強。
剣を持たせたら破壊しまくる破壊女王にして、最大のお仕置き魔神、泣く子も更に泣き出し、
悪魔も尻尾を巻いて逃げ出し、神さえも欺く女。刃向えば何が相手だろうと容赦なし!
その名も…ぶべらっ! がっ! ちょっ! ま、まっ…ぼみょにゅっ!
い、い……、だ、だか……っっっ! じょ、じょう……がはぁっ!
は、はな……ぎゅっ! ……ピクピク。……………………。
……………………
………………
…………
……


美姫 「美姫ちゃんのハートフルデイズ〜、はっじまるわよ〜」

フィーア 「ええと、今までのはなかった事になったって事かしら」

夕凪 「た、多分。さ、流石にちょっと可哀想な気も…」

フィーア 「自業自得よ」

夕凪 「まあ、そうなんですけれどね」

美姫 「そんな訳で、今日は浩の代わりに素敵なゲストが二人も来てくれてます〜」

フィーア 「フィーアでーす」

夕凪 「夕凪です」

美姫 「久しぶりね、二人とも」

フィーア 「本当に久しぶりです、お姉さま」

夕凪 「ご無沙汰してました、美姫さん」

美姫 「うんうん。元気そうで何よりだわ」

フィーア 「お姉さまもおかわりないようで」

美姫 「勿論よ。あ、それでフィーアが持ってきてくれたこれ」

夕凪 「なんですか、それ」

フィーア 「ああ。こっそりと取ってきたんですよ。
      ほら、前にも送ったと思いますが」

美姫 「遂に公開する時が来たのね」

フィーア 「うーん、まあ良いんじゃないですか。お姉さまのお心のままに」

美姫 「それなら、勿論、公開よ!」

こらこら、人様のものを勝手に……ぶべらっ!

美姫 「急に現れないでよね! アンタ、今日は休みじゃなかったの」

いや、いつの間にそんな事に。って、勝手に仕切りなおすな!
俺がぶっ倒れる経緯を隠す気か!

夕凪 「えっと、あれを倒れるで済ませるんですか……」

フィーア 「いや、まあ、こういう人だって分かってるし何度も見てるけど…」

夕凪 「幾らなんでも復活するのが早すぎませんか?」

美姫 「最近、やたらと早いのよね」

ふっ。成長しているんだよ。

フィーア 「弱いままなのに、再生力だけが強化…ううん、他が上がらないからそこが上がったって所かしら?」

夕凪 「既にそんなレベルじゃないような…」

美姫 「炭にしておくんだったわ」

物騒なことを…。

美姫 「この隙に! CM!」

し、しまったぁぁぁっ!

夕凪 「言いながら止めようとはしないんですね」

フィーア 「気にしない、気にしない♪」







それは……雄雄しく、気高く、誇りある者の姿……
そのもの、常勝にして不敗……唯の一度も敗北はない……
かの者は護る者……親しい人を、手に届く、全ての人を護る……
類稀なき二つの剣術と、生きる意志を強く宿したその瞳で……立ちふさがるあらゆる者を粉砕する。
人は彼を……いつしかこう呼ぶようになった……





【救世主】





人界・天界・魔界の3世界で最強と数えられし一人の青年は……いつしかこう呼ばれた……
その両の手に、二振りの小太刀を携えて、護るべきものの為に戦う。
天衣無縫のその強さを持って、彼は人々より【救世主】という存在にまで……召し上げられた。





「天界・魔界・人界で最強にして、自身も【救世主】と呼ばれるに相応しい力量を持つ青年……」

「確かに、彼ならば【破滅】に対しての抑止力、あるいは救世主候補達との連携も取れるだろう……けど」

「ああ、あいつはそんな称号なんてもんには興味がねぇからな」

「ですが……彼の協力無しでの【破滅】の撃退は困難です……なんとしても彼を……」

「その打算的なところが駄目なんだよ、学園長……彼は、自分の親しい人や、
手の届く人たちの為にその剣を振るっているんだ……崇められるのは、彼の性分じゃない」

「それによ、やっこさんは第一その【救世主】ってのが嫌いだからな……助けてくれるかどうか……」

「ですから、神王と魔王であるお二人に協力をお願いしたいのです」

「つまり……僕達に彼を説得しろと?」

「そうとってもらって結構です」

「おいおい、冗談じゃねぇだろう……先生はあいつをアヴァターへ連れてくってのか?」

「最悪、そうなりますね……彼にはなんとしてでも、手伝ってもらいたいのです」

「そんなに今回の救世主候補達では頼りないほど【破滅】は巨大なのかい?」

「……………………」

「だんまりか……どうやら目的は別のところにあるっぽいじゃねぇか」

「学園長……僕達もこれでも【救世主】になった者たちの末路は知っているつもりだよ……」

「っ!!?」

「神……まぁ、俺とはまた違った神の一人だが……そいつの課す試練に耐えられずに、
発狂して死んじまうのがおちだな」

「そして、それに耐え切ったものは神から力を与えられ、この世界を作り直す」

「どうして……」

「知ってるかってか? 俺達だって一様は神だからな……知ってんのさ」

「そして、だからこそ……彼ならば、あの神を殺せることだってわかってる」

「ならば、彼をこちらに!」

「おくったとしてみろ、また周りはあいつを【救世主】と呼ぶ……
世界は一人の力で護られるわけじゃねぇんだ……
人々が一致団結して立ち向かっていかねぇと【破滅】はまた来るぜ?」

「ですがっ!!」

「彼一人を戦わせちゃいけない……世界を救うのは、そこにいる人達なのだから……」





「俺以外の……男の救世主候補だとっ!!?」

青年の登場は今まで回っていた歯車に、新たな歯車を継ぎ足す結果となる……

「私は絶対に認めないわよっ!! いくら神王と魔王が認めていたって、私は認めないわ!!!」

そして、それは止まりかけていた歯車を再び動きださせる。





「我が手に在りし剣は誇り高きはらかた同胞と闘った剣!! どんな相手でも必ず―――――斬るっ!!!!!」

青年はその両の腕に小太刀を持って、敵に向かって叫ぶ。

「……恭也……俺の名は、不破恭也だ。
 決して忘れず……お前の体に刻んでおけ……それが、お前を斬る者の名前だ」

まるで、聖者の宣言のような厳粛な声で……そう、高らかに宣言された。





TRIANGLE SAVIOR
〜SHUFFLE〜





【救世主】――――――――人は彼らを……そう呼ぶ





アハト氏が描くもう一つのアヴァターの物語。
神界、魔界、人界をも巻き込んで一人の青年が紡ぎ出す物語。

美姫 「構想、?年」

フィーア 「執筆、?年」

夕凪 「制作費、?ドル」

今、ここに物語の幕が開ける!







って、あーあ、勝手に流しちゃった〜。

美姫 「良いのよ。だって、フィーアが持ってきたお土産だもの」

フィーア 「そうそう。細かい事を気にしない♪」

細かいのか…。

夕凪 「私に聞かれても」

美姫 「そうそう、そんな事よりもアンタ自身の進み具合はどうなのよ」

……えへ。

フィーア 「うわっ! きもっ!」

シクシク。

夕凪 「情緒不安定ですね」

美姫 「ほら、泣いている暇があったら報告しなさいよね」

えっと、とりあえずキリリク執筆中!
後はDUELを書いている途中。
で、リリカル12話も大まかな流れだけはまあそれなりに。

美姫 「ふーん。ようするに何も書けてないと」

あ、あれ。そんな結論になっちゃうの?

夕凪 「でも、実際に書きあがっているのはないんですよね」

ぐっ!

フィーア 「おっしおき♪ おっしおき♪」

いや、そんな美姫を乗せるような歌を歌わないで…。

美姫 「クスクス。お仕置きが必要ね」

ゾクゾク〜。
あ、あれ? 今日の気温は高いはずなのに、何か寒いぞ〜。

美姫 「クスクス。大丈夫よ。すぐに気温なんか気にならなくなるわ」

ど、どういう意味かな〜。

美姫 「知りたい?」

え、えっと〜。ゆ、夕凪ちゃん!

夕凪 「嫌です、助けません。っていうか、当然の報いです」

ぐわぁっ。フィ、フィーアちゃん。

フィーア 「頑張ってお仕置きされてください」

お仕置きされるのをどう頑張れってんだよ!

美姫 「つ〜かまえ〜た♪」

あぎゃぁぁぁぁっ!

美姫 「そんなに喜ばなくても良いじゃない」

どこが喜んでる!

美姫 「……えっ!?」

いや、何で意外そうに驚けるんだ。

美姫 「とりあえず、CMね」

フィーア 「あ、はいはーい。アハトにCMを作らせました〜♪」

美姫 「偉いわね、フィーアは」

フィーア 「えへへへ♪」

ア、アハトさん……(涙)
きっと酷い目にあったであろうアハトさんに……敬礼っ!

美姫 「ほら、バカやってないで、アンタはこっちよ」

や〜め〜て〜、た〜す〜け〜て〜。

フィーア&夕凪 「それじゃあ…」

美姫&フィーア&夕凪 「CM〜」







「はぁ、母さんもなんて事をしてくれたんだ……」

絶世の美女と言われても何ら謙遜のない女性が、溜息をつきながら空を見る。
腰の下まである長くて艶のある黒い髪。
全体的にバランスの整った抜群のプロポーション。
そして、人目見れば誰もが振り返るであろうその容姿。
そんな全てにおいて完璧といっても過言ではない女性が、空を見上げながら立っていた。
女性の名は……高町 恭也。
否、高町 美影。
某クラスメイト、某義理の妹、某小さい頃に知り合った巫女の手料理を食べ、今に至る。
つまるところ、我らが主人公高町 恭也は毎度の騒ぎに巻き込まれて女性化してしまったと言うことである。
物語は、ここから始まる……



母、桃子の出した面白い提案。
それは『全国の女子校巡り』だった……
女性化した恭也に襲い掛かる数々の受難。
待ち受けるのは……



第一楽章
美影がまず入学したのは、東京にあるお嬢様学校……【リリアン女学園】
そこで美影は、3薔薇様と呼ばれる3人に気にいれられ、なし崩し的に山百合会へと……
そして、美影に襲い掛かる数々の姉妹の申し出。
その時、美影の決断はっ!!



第二楽章
次に美影が入学したのは、同じく東京にあるお嬢様学校……【聖鷹女学院】
美影は幼い頃に何度か父の仕事の都合で出会っていた相手、宮小路 瑞穂と再会する。
瑞穂やまりやとの再会の喜びも束の間、美影に大いなる試練が訪れる。
それは、春の太陽が辺りを照らす――――――5月の物語。



第三楽章
梅雨を迎え、美影は次のお嬢様学校……【聖ミアトル女学園】へと。
そこで美影は、エトワールでもある花園 静馬と蒼井渚砂と知り合う。
聖スピカ女学院、聖ル・リム女学校を含めたアストラエアの3校を舞台に、美影の生活が始まる。
美影に忍び寄る(百合の)魔の手!!



第四楽章
新しい境地に強制的に連れて行かれそうになった美影が次に入学したのは……【麻帆良学園】
そこで美影は出会う……今後の己が人生を変えるであろう相手に……
吸血鬼、ロボット、未来人etc…それらとの出会いが、美影の剣士としての本能を思い出させる。
美影は再び、剣を識る。



第五楽章
剣士としての自分を再確認した美影は、今の自分にもっとも適した場所……【天地学園】へと。
学園理事兼学園長兼生徒会長である天地 ひつぎの提案により、天地二刀を許可される。
そして、美影は星奪りの中で……様々な剣士と出会い、戦い、己を磨いていく。
学園史上最速でSランクまで上り詰めた時、美影は剣士の階段を再び駆け上がる。



第六楽章
秋の紅葉を肌で感じつつ、美影は次の学校……に、行こうとして突然異空間へと引きずり込まれる。
目を覚ました美影が見た景色は、現代では中々見る事のできない秘境と言ってさし違いはなかった。
ここ、幻想卿で美影は様々な出会いを果たす。
その出会いと別れの先に待つものは……





女性化した恭也が高町 美影と名乗って全国の女子校を巡る笑いあり、涙ありの、長編ドラマ。
数々の出会いと別れを経て、美影は少しずつ、人として、剣士として成長していく。
果たして、その先に恭也は男に戻る日が来るのか。


お嬢様行脚録


はるか遠い未来に、PAINWESTで公開予定。




――――――――――笑顔を見せて、くれますか?――――――――――







美姫 「とてつもないスケールの長編ね」

フィーア 「いや、本当に」

夕凪 「えっと、浩さんは?」

うん? ここにいるぞ。

夕凪 「きゃっ」

美姫 「なに夕凪を驚かせてるのよ!」

ぶべらっ!

夕凪 「えっと、お仕置きされて伸びてたんじゃ」

美姫 「あのバカがあれぐらいでくたばる訳ないじゃない」

誰のせいだ、誰の。

美姫 「自業自得」

お前は一度、辞書を手にしろ。

美姫 「ああー、その角でアンタの頭を…」

そうそう、こうガツンと、って痛すぎるぞ、それ!

美姫 「それにしても、本当に実現すればもの凄いスケールのお話ね」

おーい。

フィーア 「まあ、あくまでもネタですから」

シクシク。こうなったら…。
CMじゃ〜。







第七楽章
異世界から再び異世界へ。
そこで美影を待っていたのは…。

「ハンター養成学校?」

「はい、ここではハンターに必要な事を教えています」

美影はそこで様々な戦闘技術を学ぶ。
己が今まで振るってきた剣に、新たな技術を取り入れて更なる高みへと。



第八楽章
何とか元の世界へと戻ってきたと思った美影だったが、そこはやはり別の世界だった。
ただし、美影の世界が辿った歴史とかなり似た歴史を辿っていた世界。
そこで美影は不思議な能力があることを気付かされ、そのまま学校へと通うことに。
そこは同じ年頃か少し下の女の子たちばかりが通う『天乃原女学院』だった。
しかし、学校は特務戦艦『天乃原』の中にあり、また天乃原は特別な任務を持って発進する。
その任務とは、旅順要塞に潜む謎の軍団を壊滅することだった。
美影と同じ不思議な能力、礼武を持つ少女たちと共に、恭也は戦いへとその身を投じることとなる。
明治日本、外見乙女防人ス。



第九楽章

今度こそ無事に辿り着いた、いや着きたい美影だったが、運命はまたしても美影を弄ぶ!
美影が辿り着いた場所、そこは不思議な力を持った少女たち――HiMEと呼ばれる力を持つ少女たちと出会う。
行くあてのない美影は、そのまま風華学園へと転入する事となり、またしても巻き込まれていく…。



第十楽章

もう本当に勘弁してくれという願いが届いたのか、美影はようやく元の世界へと戻ってくる事が出来た。
家族や友人たちとの再開を喜び合ったのも束の間、またしても美影は異世界へと旅立つ。
しかも、今度の学園は今までとは比べものにならない事態で…。

「はぁっ!? このままだと全ての世界が滅びる!?」

アヴァターに救世主候補として呼ばれた美影は、その説明を冗談と思いたかったが、
実際に様々な世界を旅した今、ただ笑い飛ばす事はできなかった。
美影は決断を下す。破滅と戦うという決断を。
自分の世界、他の世界問わず、今までに知り合ってきたたくさんの人々を守るために。
その決意を胸に、美影は今度も両の腕に剣を持ち戦う道を選ぶ。
決して負けられない、大事な人たちを守る戦いへと。

ようこそアヴァターへ。
――ようこそ、美影。幾度目の戦慄と凶宴の中へ――







はぁ、はぁー。つ、疲れた。
お仕置き後の身体には堪える…。

美姫 「いや、もう何ていうか、やりたい放題ね。人様のネタSSを利用して」

あ、あははは〜。アハトさんなら、きっと許してくれるさ。

夕凪 「そんなに爽やかに言われましても」

フィーア 「って言うより、勝手にCMコールしたのが許せない〜」

美姫 「確かに、それは許せないわね」

えっ!? えっ!? えぇぇっ!
一番怒るところって、そこなのか!?

夕凪 「すいません、私も許せなかったです」

えぇえっ!

美姫 「どうしようかな〜」

(ビクビク)

フィーア 「やっぱり、串刺しの刑とか」

夕凪 「火炙りぐらいで許してあげれば…」

いや、どっちも変わらないから、それ。

美姫 「二人とも甘いわよ」

甘いのか、それ! って言うか、死ぬから普通!

夕凪 「いや、そんな信憑性のない事を言われても…」

フィーア 「ね〜」

いやいや。

美姫 「うーん、やっぱり大気圏の外に放り出すってのが一番かしら」

お、おーい。

美姫 「でも、ゆっくりと切り刻むのも捨てがたいし…」

こらこら(汗)

美姫 「後は、奥義耐久一時間とか。あ、新しい技の実験台ってのも良いかも。
    お腹をすかしたライオンの隣で昼寝させるとか、腕と足にロープを付けて左右を車で引っ張る。
    後は、私たち三人を相手に決闘。勿論、浩が勝つまで」

……お仕置きのレベルを超えている気がするんですが。

夕凪 「普段から似たようなものだと思うけれど」

フィーア 「確かにね。何処で線引きしているのか聞いてみたいわね」

美姫 「……よし! 浩、どれが良い?」

どれも嫌じゃ!

美姫 「えー」

いや、そんなに不満そうな声を上げられましても。

美姫 「なにが不満なのよ」

全部じゃ! これはただの拷問じゃないか!

美姫 「違うわよ、浩」

な、何だ、突然真面目な顔をして。

美姫 「だって、愛があるもの。だから、決して拷問ではないのよ」

愛があるならするな!
って言うか、そんなもの愛があっても嫌に決まっているだろう!

美姫 「ひ、酷いわ…」

いや、泣かれても。泣きたいのはこっちなんだが。

フィーア 「あー! よくもお姉さまを泣かしたわね」

夕凪 「それ即ち、私たちの敵!」

なんでやねん!

フィーア 「問答無用! 必殺、極炎狂乱舞!!」

って、お前、いつの間にそんな技…ぶぼらっっ!

フィーア 「お姉さま直伝よ♪」

夕凪 「同じく、紫電一蹴」

ぶぼがっ!

フィーア&夕凪 「複合技、炎雷凶刃!!」

ぶばぁぁぁっ!

美姫 「そして、止めの〜〜」

って、全然泣いてねぇし!

美姫 「離空紅流、天鳴鳳雷!!」

びゅびょりょぴょばひゃっぁぁぁぁあああっっ!!

美姫 「浩・速・斬」

フィーア 「浩を速く斬るですね」

夕凪 「安らかなに眠って」

美姫 「さて、いい加減疲れたし、ゆっくりお茶でも飲まない」

フィーア 「勿論です♪」

夕凪 「賛成〜♪ ケーキがあるんですよ」

なにっ!? それはありがたく頂かなければな。

美姫&フィーア&夕凪 「…………」

ん? どうしたんだ、お前たち?
まるでホラー映画で散々追い掛け回された後、クライマックスで何とか怪物を退治したのに、
最後の最後でまた復活した、みたいな顔して。

美姫 「いや、それに近い心境よ」

フィーア 「いい加減、もう少し常識的に行きましょうよ」

夕凪 「非常識にも限界があるかと」

何かよく分からんが、酷い言われようだというのは分かった。

美姫 「はぁ、まあ良いんだけれどね」

フィーア 「良いんですか、お姉さま!?」

美姫 「いや、流石に貴女たちよりも長い付き合いだもの。いい加減に慣れたわ」

夕凪 「流石、美姫さんって言っても良いんでしょうか?」

美姫 「うーん、自分でも微妙だわ、それ」

ほらほら、それよりも早く締めるぞ。

美姫 「はいはい、二人とも良い?」

フィーア&夕凪 「勿論です!」

それじゃあ…。

美姫&フィーア&夕凪 「また来週〜」


6月23日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを逐次乗っ取ってお送り〜>



さて、今回はまたまたゲストのおこしです〜

美姫 「今回は安藤さんの所から、蓉子ちゃんが登場〜」

蓉子 「お久しぶりです、美姫さん」

美姫 「久しぶり〜。うん、元気そうね」

あ、あのー、ファミリアとかは…。

蓉子 「来てないわよ」

くぅぅっ。またしても、俺を苛める奴のみの登場か。
これは何かの陰謀……ぶべらっ!

美姫 「人聞きの悪い事言わないでよね。これは言わば、愛の鞭よ!」

い、言い切りやがった。

蓉子 「まあ、世の中言った者勝ちって所もあるしね」

う、うわぁぁぁ。だ、駄目駄目だよ、こいつら。

美姫 「あ〜、なにぃ!?」

い、いえいえ。ナンデモ。

蓉子 「あ、そうそう。今回もお土産があったんだわ」

美姫 「あ、これね」

それじゃあ、早速…。

美姫&蓉子 「CMよ〜」







『愛憎のファミア』や『天使の羽根の物語』など数々の作品を手掛けてきた、
あの安藤氏が綴る新たな物語――

美姫 「それは終焉を迎える世界の物語…」





 ――半球世界、エクストピア……。

 その大半を占めるのはかつて、オーストラリアと呼ばれた大陸だった。
 世界が滅び掛け、偉大な科学者の努力で生き延びた人間の数は僅かに5000万余り。
 新たな世界は天災に傷ついた大陸とその周囲の海を僅かに人工の空の下に閉じ込めた閉鎖的なものだった。
 それでも辛うじて滅びを免れた人類には十分で、人々は団結して文明再興の道を歩み出す。
 復興期にありがちな問題も比較的少なく、新世界は概ね順調なスタートを切っていた。
 しかし、世界がある程度の安定を見せ始めた頃、唐突にそれは訪れた。

 ――破滅は止まらない。世界は終焉を迎えるのだ。

 それは遺言だった。
 前世界の破滅を知り、救おうとした一人の科学者の最後の言葉。
 だが、それを受けた人々はただ絶望するばかりではなかった。
 かつてその科学者がやったように、今度は自分たちが世界を救ってみせる。
 そんな使命感を抱くものは少なからず存在したのだ。
 彼らは調査し、研究を重ね、そして、科学者の遺産の中にそれを見つける。
 世界の真実がそこにはあった。

「バカな、この世界が誰かの夢だと言うのか」

 科学者のノートを見たその人物はあまりの内容に思わず声を上げた。

 ――そう、これは夢。

 それももうすぐ終わる。そして、そこに住まうものたちは新たな夢へと転生するのだ!
 転生の鍵を握るものの一人、代行者を名乗る少女は声高らかに宣言する。

「勝手に終わらされてたまるかよ。世界はそこに生きている俺たちのものだ」

 数奇な運命の元、終わりの意志へと立ち向かうことになった少年。
 そして、その少年を助ける若き科学者の女性。
 二人は世界の崩壊を防ぐべく、三つの鍵の世界へと旅立つ。

 ――果たして彼らは破滅を止めることが出来るのか!?

  twilight memories

 近日…………。





美姫 「当然、私の出番も…」

ないない。そんなもの。
安藤氏により綴られる新ストーリー。

美姫 「公開予定!」

全国のPAINWESTで一斉公開!
PAINWESTで待っているぜ!

美姫 「いや、全国って一つしかないんだけれど…」







…………おいおい。前後におかしなものが挿入されているんだが。

美姫 「いや、アンタも一緒にやってるじゃない」

まあ、この方が予告っぽいかな〜と。

美姫 「怒られてもし〜らない」

蓉子 「その時は浩さんにお仕置きね」

なして俺だけ!?

蓉子 「あら、当然じゃない」

美姫 「よね〜」

シクシク。

美姫 「にしても、どんな物語なのかしら」

世界が廃れているっぽい感じはするんだが。

美姫 「まだ分からないわよ。栄華を極めているのかもしれないし」

そこから滅びへと、って訳か。
どっちにせよ、待つのみだな。

蓉子 「そういう事だから、大人しく待ってなさい」

美姫 「本当に楽しみだわ」

蓉子 「美姫さんも申し訳ないですが、もう少し待ってくださいね」

美姫 「勿論よ」

俺と美姫とで扱いにかなり差があるんですが…」

蓉子 「当たり前でしょう」

美姫 「当然よね」

うぅぅ。涙で前が見えないというのに、何故か納得してしまう自分が…。

美姫 「はいはい。さ〜て、それじゃあ、そろそろ行くわよ、蓉子ちゃん」

蓉子 「はい!」

美姫&蓉子 「CMよ〜」







「それで俺に護衛を、と。そういう事ですか、楓さん

「ええ、その通りです」

応接室のような一室で恭也と向かい合って座る女性、楓と呼ばれた女性はそう頷く。
その姿は属に言うメイド服と呼ばれるものに身を包み、
けれども事務的ではなく優しい口調で恭也と向かい合って話をする。

「つい先日、学院内に入り込んだ男によって女子学生が攫われそうになったのです。
 偶々、瑞穂様が傍に居て対応をしている間に警備員がやって来て事なきを得たのですが…」

何やら困った表情を見せる楓へと、恭也は黙って続きを促す。
それを受けて、楓もまた静かに語り始める。

「一人だけ逃してしまったみたいで…」

「それで、そいつが再び来るかもしれないと」

「分かりません。普通に考えれば、あれ以来学院の警備は更に厳重になりましらから。
 ただ、少々事情がありまして…」

「まあ、自分を撃退したのが天下の鏑木財閥の御曹司と知れば、
 多少の危険は承知で再び来るかも知れませんね」

「ええ。瑞穂様なら上手くやり過ごせるかもしれませんが、万が一という事もありますし、
 それに、お一人ではない時に襲われますと…」

「自分の身は守れたとしても、ですね」

「ええ。だから、恭也さんにお願いをしたいのです。
 勿論、無茶なお願いだとは承知しています。
 瑞穂様同様、受験を控えた恭也さんにこのような事を…」

「いや、俺は受験の方はもう済んだので」

「まあ、そうなのですか。なら、何も問題はありませんね」

「いや、まあ卒業式まで休んだとしても出席日数も大丈夫ですが…」

「ならば、お願いです」

「いえ、まだ学校の方の定期試験が…」

「それならお任せください。試験免除を取り付けますから。
 瑞穂様の学院へと一時的に転入して頂くという形になりますから、試験はそちらで受けたという事で」

「そっちで受けるんではなくて、免除なんですか」

「はい、免除です。これは恭也さんにとっては、いいお話だと思いますよ〜。
 折角受かった大学を、試験が赤点で卒業できなくて泣く泣く……。
 なんて事はなくなりますからね。どうですか〜。ほらほら〜」

「楓さん、地が出てますよ」

「あら、これはこれは失礼を致しました。それで、如何でしょうか」

恭也に言われ、すぐさまきりりとした顔付きに戻ると、口調までが一変する。
そんな楓に苦笑しつつ、恭也は応える代わりに違う事を口にする。

「別に構いませんよ。ここには俺と楓さんしか居ないんですから」

「そうですか? では、お言葉に甘えて。
 えっと、それでどうでしょうか」

楓は改めて恭也へとお願いをするようにじっと見詰める。
その目からは瑞穂の身を案じている事がありありと伺える。
杞憂で済めば良いのだが、やはり万が一のために何か手を打っておきたいのだろう。
暫し考えた後、恭也は引き受けることにする。
決して、試験免除が目的ではなく、単に友人として瑞穂の身を案じてだ。
恭也の言葉を聞き、楓は嬉しそうに、ほっと胸を撫で下ろしながら礼を言う。

「それでは早速、聖應女学院の転入手続きを…」

「楓さん! ちょっと待ってください!」

今聞こえてきたおかしな単語に、恭也は今しも立ち上がろうとしていた楓を呼び止める。

「はい? どうかなさいましたか?」

「いや、どうもこうも。今、何と仰いましたか?」

「転入手続きを…」

「いえ、その前です」

「それでは早速…」

「いや、その後ってわざと言っているでしょう」

「あ、ばれました?」

「良いですから、転入先の学校名をもう一度お願いします」

真剣に訴えるように聞いてくる恭也に、楓はゆっくりと学院の名前を口にする。
聖應女学院、と。

「俺の記憶に間違いがなければ、そこはお嬢さま学校として有名な女子高ですよね」

「ええ、そうですね」

「俺がそこへ転入するんですか」

「はい」

「瑞穂がそこに通っているよ」

「はい、通われてますよ」

恭也の言葉にも、楓は慌てる事無く笑みさえ見せながら答えていく。

「いつから共学になったんですか。知りませんでした」

「いえ、女子校のままですよ」

「……瑞穂は通っているんですよね」

「ええ」

「女子校に?」

「はい。女装をなさって。それはもう、大変美しいお姿ですよ」

「いや、まあ、あまり違和感はないだろうが。
 って、そうじゃなくてですね。何でそんな事をしてまで」

「瑞穂様の祖父である先代様のご遺言で」

「……また何ていうか」

呆れつつもあり得ると思ってしまう恭也だったが、こうなってくると話は別だ。

「瑞穂は上手くいったかもしれませんが、俺は無理ですって」

「そうでしょうね。個人的には見てみたいのですが」

「お断りします」

「まあ、それは置いておいて、今回は普通に転入していただきますから。
 正確には、瑞穂様の護衛付きとして傍に居る為、学院内に入る許可をもらうという形ですね。
 犯人の一人が逃げたため、顔を見られた瑞穂様に再度、危険が及ぶ可能性があるという理由で」

「それならそうと、初めから言ってください」

ぐったりと疲れた様子を見せる恭也へと、楓は一つ笑って見せると人差し指を自分の顎に当ててウインク一つ。

「それだと、面白くないじゃないですか」

「……」

呆れてものも言えない恭也へと、楓は急に顔付きを変える。
同時に纏う雰囲気も一変する。
つられるように恭也の顔付きも、知人たちと話す時のソレとは変わる。

「問題は、瑞穂様が男だと知られてはいけないということです。
 学院では宮小路瑞穂という名前で通っていますが、もし何かの間違いで男だとばれれば…。
 ましてや、鏑木の嫡子であると知られれば…」

「マスコミの絶好のネタですね。その上、瑞穂の人生そのものに関わって…」

「その通りです。だからこそ、恭也さんに護衛をお願いしたのです。
 その逃げた男は、瑞穂様の服を切り裂いたようで、瑞穂様が男であると知ってしまったかもしれません」

「かもという事は、違う可能性も」

「ええ。単に胸にパットを入れていただけと思われていれば良いのですが。
 状況が状況だったので、はっきりと胸を見られた訳ではないと思うのですが」

「そればっかりは、俺たちには分からないって事ですね」

恭也の言葉に楓は頷く。

「卒業まで後二ヶ月ちょっと。どうかお願いします」

「はい、分かりました」

頭を下げる楓に、恭也はしっかりと答える。
その言葉を聞き、楓は嬉しそうに頬を綻ばすのだった。





 ちょっ、どうして恭也がここにいるの!?

 あれ、瑞穂ちゃん聞いてないの?

 聞いてないって、何が? まりや

 いや、護衛の件なんだけれど…。

 聞いてないよ、そんなの。

 だって、昨日電話で……。あ、ごめーん。
 伝えるの忘れてたわ。

 お願いだから、忘れないでまりや。

 あらあら、何やら楽しくなりそうな予感ですわね。

 し、紫苑さま、何かとっても楽しそうなのですよ〜。

 ええ、もちろんですわ。

 それにしても、まりやお姉さまにも困ったものです。
 そんな大事な事をお姉さまに伝え忘れるだなんて。

 由佳里〜。言うようになったじゃない。
 でもね、勘違いしないでよ。忘れたんじゃなくて、わざとだから。

 それって、余計に酷いんじゃ…。

 だって、その方が面白いでしょう。

 おはようございます、お姉さま……って、お、おと、おと、男ー!!
 ど、どうして、何でですの。こ、ここは女学院ですのよ。な、なのに、どうしてですの!

 ほらね、面白いでしょう。

 いや、まりや。私でからかって楽しむのなら、本当は嫌だけれどこの際良いわ。
 でも、無関係な人を巻き込むは……。

 で、結局、俺はどうすれば良いんだ…。



次回、剣士はお姉さまを護衛する
   第一話 「女学院にやって来た男!?」

それは、静かに降り積もる雪のように、いつかは消え行く一月の物語







何か、最近おとボクばかり書いているような……。

美姫 「まあ、気のせいではないわね」

だよな。

蓉子 「でも、どうして急に?」

うーん、やはりDVD版で再プレイしたせいかも。
そうそう、聞いてくれ。
DVD版だと、本編中にCD版ではなかったシナリオがあるんだぞ。
まあ、回想とかには出てこないシーンなんだが。

美姫 「やるきばこにあった二つのおまけシナリオね」

おう。紫苑と貴子の。
いやいや、お陰ですんなり読めたな、うん。

美姫 「いや、アンタの感想は良いのよ。私としては、書いてくれればね」

蓉子 「でも、長編の方が最近は疎かですね」

うっ! い、痛いところを。

美姫 「でも、事実よね。どうなのよ、その辺は」

うーん、多分だが次の更新はリリカルかDUELになると思うが。

美姫 「本当に?」

蓉子 「信用できないわね」

うぅぅ。

美姫 「まあ、その時はねぇ」

蓉子 「ええ、そうですね。うふふふふ」

ゾクゾク。な、何か滅茶苦茶寒いな、おい。
もうすぐ夏だというのに、寒気が止まらないぞ。

美姫 「クスクス。さて、それじゃあ今回はこの辺りにしてあげるわ」

いや、してあげるって、あーた。

蓉子 「あら? もっと弄って欲しいの」

遠慮します。

蓉子 「そう、残念だわ」

と、とりあえず、今週はこの辺で。

美姫&蓉子 「また来週〜」


6月16日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーよりお送りします>



美姫 「という訳で、放送室もおニュ〜」

いや、まあ、サーバー移転したから当然の事だがな。

美姫 「もう、折角人が良い気分でいるのに、水を差さないでよね」

へいへい、悪かったな。

美姫 「でも、これでようやく遠慮なくアンタにSSを強要できるわね」

いやいやいや、今まで遠慮してたのかお前。

美姫 「当たり前じゃない」

あれでかよ。

美姫 「ん? なに?」

いーや、なんにもないよ。
さて、ようやく落ち着いた事だし。

美姫 「おっ。ひょっとして書く気になってるの?」

のんびりとするか〜。

美姫 「って、やっぱり!」

ぶべらっ!

美姫 「このバカの根性を叩き直している間に、CMよっ!」







「はぁ〜。まったくお前はなにをやっているんだ」

呆れたようにあ溜め息を吐きつつ、俺こと高町恭也は目の前で何か言いたげに睨みつけてくる少女を見下ろす。
傍にしゃがみ込むと、転んでいたそいつを引っ張り起こし、軽くスカートに付いた埃を払い落としてやる。

「あ、ありがとう。一応、礼だけは言っておいてあげる」

何故かちっとも礼を言われている気分にならないのは何故だ。
まあ、いい加減慣れてしまったからいいのだが。
にしても、慣れというのは恐ろしいもので、こいつと一緒にいる事にも既に順応していしまっているな。
思い返せば、あれがこいつとの出会いであり、今のような状況が出来上がる切っ掛けでもあったんだな。
しみじみと俺はその時を思い出す。
そう、あれは二年へと進級した最初の始業式の日だった。



「2−Bか」

「ん? 高町もBか」

「という事はお前もか」

「ああ。正に腐れ縁ってやつだな」

自分のクラスを確認していた俺に話し掛けてきたのは、そいつの言う通り腐れ縁となった友、
赤星勇吾だった。
赤星はその女子生徒の人気を集めている甘いマスクに爽やかな笑みを浮かべると、俺の肩を叩く。
こいつは気さくな奴で誰とでも仲良くなれるが、
如何せん自分の容姿が異姓にどう見られているのかを分かっていない。
その気になれば、彼女の一人や二人簡単に作れるだろうに、いや、彼女は本来一人なんだが、
まあ、その辺りは言葉の綾だ。
ともあれ、また赤星と同じクラスというのは、そんなに悪くない。
俺は赤星と違って、交友関係が狭いからな。
別に怖がらせているつもりはないのだが、やはり無表情なのが悪いのだろうか。
特に女性などは俺がちょっとでも近づくと距離を開けるし、クラスの用事で二三言言葉を交わすだけで、
顔を赤くして固まってしまう。
別にとって食おうという訳ではないのにな。
その事を妹たちに話すと、一様に呆れたような顔をして苦笑を浮かべるのだが。
はて、何故だ。

「おい高町。クラスも分かったんだから、さっさと教室に行こうぜ」

「ああ、そうだな」

思わず考え込みそうになった俺を赤星の声が引き戻す。
俺は赤星へと返事をしつつ、春休みの近況などを話しながら新しく自分のクラスとなった教室へと向かった。



何やら教室がざわめいているような気がするな。
運良く一番後ろの席を確保した俺は、ざわめく教室を見渡す。
ふむ、新学期だからか。にしては、何人かは悲痛な表情だが。
まあ、考えた所で分かるはずもなく、また俺には関係のない事だろう。
HRまで時間はまだあるようだし、トイレにでも行くか。
そう思い席を立つと、教室の幾つから視線が飛んでくる。

「高町くんと同じクラスだなんて、ラッキーよね」

「うんうん。春から縁起がいいわね」

「おまけに、赤星君まで一緒なんて」

何処か遠慮するような、遠巻きに見詰めてくる視線に混じり、ひそひそと話す声が聞こえてくる。
恐らく、俺を怖がっているのだろうが、そうもあからさまに態度に出さなくても良いのではないか?
流石に少し傷付くぞ。
やや鬱になりつつ教室の後ろの扉を開けて廊下に出ようとして、俺は何かにぶつかる。

「あ、すいません」

咄嗟に謝るものの、前にも左右にも見当たらない。
はて、どういう事だ。
俺がそんな事を考えていると、またしても教室からざわめきに混じって小さな声が。

「おいおい、高町の奴、やばいんじゃないのか」

「よりによって、早々に目を付けられるんじゃないのか」

「誰か助けてやれよ」

「嫌だよ。そう言うお前が…」

よく聞き取れないが、もしかして俺がぶつかった子が倒れでもしたのか。
つまり、俺が故意にしたのではと恐れられているといった所か。
勘違いなんだが、まあ仕方がないか。
そう思い下を見れば、そこには一人の女の子が。
別段、倒れている風もなく、逆に俺を睨みつけてきている。
なるほど、俺の胸ぐらいしかない身長のため、すぐには分からなかったのか。
一人納得しつつ、ぶつかったのは事実なのでもう一度謝罪しようと口を開きかけたのだが、
それよりも少女の口の方が先に開いた。

「邪魔よ!」

たったその一言だけにも関わらず、辺りの空気が少女を中心に震える。
殺気、いや闘気かこの場合。ともあれ、そんな感じのモノが視線に込められて俺を貫く。
入り口付近の生徒など、自分に向けられたものではないソレに当てられて、
音を立てて椅子から落ちている。
尤も、俺の方はそういったモノには慣れているお陰で、ソレをそのまま受け流す。
少女はそれが気にくわなかったのか、更に眦を上げて俺を睨みつけてくる。
ふと見れば、教室中の視線が俺とその少女へと集まっていくのが分かる。

「す、すっげーよ、高町のやつ」

「あの逢坂相手に引きもしねえ」

「ひょっとして只者じゃないんじゃないのか」

「って、事は何か。このクラスはとんでもない奴らが集まったということか!?」

「これから一年、どうなるんだよ〜」

またしてもざわめく教室を無視し、目の前の少女を見る。
風校の制服を着て、この教室に入ってこようとしているという事は、この少女はクラスメイトな訳か。
しかも、どうやら有名な少女らしいな。
まあ凄まじいプレッシャーを放ってはいるが、確かに見た目は可愛らしいからな。
有名でもおかしくはないのだろう。
そういった噂にトンと縁のない俺は、目の前の少女が誰かも分からず、ただじっと見詰め返していた。
別に意識しての事ではなく、ただ考え事をしていたためにそうなったのだが、
少女はそれを自分への挑戦とでも受け取ってしまったのか、更にこちらを睨みつけてくる。
朝のHRが始まるまでの短い時間に、
俺は何故か謎の少女と教室後方の扉を挟んでの睨み合いをする事となってしまった。
まあ、単に視線を外せばいいだけなんだがな。
そう思い、それを実行しようとした時、不意に耳に意味ある単語が届く。
さっきまでの喧喧囂囂としたざわめきではなく、はっきりとした一つの単語が。
その所為なのか、俺は思わずそれを疑問と共に口にしてしまう。

「手乗りタイガー?」

「……だ、だ、誰が」

俺の呟きが聞こえたのか、俺の顔を睨みつけていた少女は顔を伏せると、肩をブルブルと振るわせる。
同時に、教室にいたものたちにも聞こえたのか、一斉に俺たちから距離を開ける。
先程椅子から落ちた入り口近くの生徒など、既に教室の前方へと避難していた。
中々素早いじゃないか。
ともあれ、さっき俺が口にした言葉は目の前の少女を指すらしく、
少女はそれを良く思っていないのだろう。
まあ、女の子が自分の事を虎呼ばわりされれば、それは嬉しくもないのかもしれないが。
とりあえず謝った方が良いのかなと思った矢先、少女は顔を上げ、
まさにクワッ、と表現するかの如く目を吊り上げて口を開く。

「誰がタイガーじゃぁぁぁーー!!」

その声に思わず一歩ほど後退るが、俺はまだ良い方だったのだろう。
俺の後方、教室の中ではドタバタと机の倒れる音などが届いてくる。
どうやら今の言葉は禁句だったらしく、俺を見る目が哀れみを多分に含んでいた。
その意味を理解するよりも早く、目の前の少女の拳が鳩尾目掛けて繰り出される。
それを無意識のうちに躱した俺を、忌々しい、まるで親の仇でも見るような目で睨みつけると、
その少女は鼻を一つ鳴らして自分の席へと大股で向かうのだった。
これが、身長145cm、フランス人形のごとき美少女にして、
その凶暴さ故に『手乗りタイガー』のあだ名を持つ、逢坂大河との最初の出会いだった。
尤も、この時点でお互いに相手の名前など知らず、単に変な奴という認識しかなかったのだが。
それが色々とあり、いつの間にか俺は大河の世話をするようになり、
大河も当然のように家に来て夕飯を食べるようになるとは。
本当に人生というのは分からないものである、うん。

とらドラハ〜ト! プロローグ 「そのトラ狂暴につき」 近日……?

 それは、高校二年の新学期に出会ってしまった剣士と虎の物語。







ボクハトッテモトッテモココロヲイレカエタヨ。
ダカラコレカラハトッテモガンバルヨ。
テハジメニサッソクカクアルヨ。
ソレハソレハトオイソラノモノガタリ。
ツバサハカゼニノリタビスルケンシハヒトリノショウジョトデアウ。

美姫 「…うーん、やりすぎたかしら。何か遠い世界にいっちゃったわね。
    しかも、文面が滅茶苦茶になってるし。って、何で行き成り宇宙人が出てきているのよ!
    って、今度は地底人!? って、本当に滅茶苦茶過ぎるわよ、アンタ!
    こらこらこら、チルチルって誰よ、誰!」

アハハハハ。クラエヒッサツチルチルビーム。
セツメイシヨウチルチルビームトハミカミノオウギデビームヲダストミセカケテタンナルパンチヲダストイウ…。

美姫 「ああぁー。ただでさえバカなのに、余計おバカさんになってどうするのよ!
    目を覚ましなさい!」

げげらぁっぼぇべっ!!
……ピクピク。

美姫 「え、えっと。だ、大丈夫よね、うん。
    次に目が覚めれば、いつもの浩に戻っていると信じているわ、うん。
    という訳で、また来週ね♪ それじゃ〜ね〜」

……………………。

美姫 「ほ、本当に大丈夫よね。…う、うん、大丈夫。たった今、私が決めた!
    駄目だったら、浩自身が悪いって事で。うん、万事解決♪」


6月12日(月)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを…>

って、何でやねん!
ちがう、ちがう! 今日は違うで〜。

美姫 「え〜。移設記念でやろうよ〜」

いやいやいや。
記念なら、作業をした俺に何かくれ。

美姫 「いやよ」

……えっと、気を取り直して連絡事項を。

美姫 「先週の6月5日、というよりも、今月に入ってからの方が良いかしら」

念のためにな。
今月6月に入ってからメールをくれた方の中で、返事がなかった方はメールが届いていない可能性があります。

美姫 「特に、5日〜10日に掛けてくれた方はね」

これは、サーバーを移設していた期間でもあり、前のサーバーへとメールが行っている可能性がある所為です。
多分。

美姫 「多分って何よ」

いや、だって、詳しくないし。
ともあれ、メールしたのに返事がないよ〜、という方は、この可能性があります。

美姫 「お手数ですけれど、再度送ってください」

これは投稿してくださっている方も同様です。

美姫 「送ったのに、まだアップされていないという事があれば、お手数ですけれどもう一度お願いします」

お願いします。

美姫 「それじゃあ、CMで〜す」







龍の爪痕。そう呼ばれる大陸北東に位置する巨大な亀裂。
その向こうには、ハイ・ペリアと呼ばれる楽園があると言われていた。
だが、その底には地獄があるとも言われ、長い間越えられる者も超える方法を知る者もいなかった。
だが、大きな戦争を終えた時、一人の天才がこう呟いた。

「早い話、空飛ぶ船があれば良いんだろう」

普通ならば一笑にふすような話も、大陸の賢者としてその名を轟かす者の口から出れば話が変わる。
実際、彼女は空飛ぶ船を作ってしまったのだから。
そして、同時に探検隊も組織され、その隊長として異世界より迷い込み、先の大戦で活躍した人物の名が上がった。
その男の名を、高町恭也と言った。
恭也はミュラーと光陰が推すロティを副隊長にして、探検隊を組織する。
そのメンバーは、先の大戦において恭也の元で共に戦ったスピリット隊の面々だった。

いざ行かん、龍の爪痕の向こう、ハイ・ペリアがあると言われるその先へ。

勿論、この探検には裏の事情が……

って、何やってんじゃー!

美姫 「何って、いつものCMじゃない」

って、今日はただの連絡であってハートフルデイズはしてないっての!

美姫 「あ、忘れてたわ」

忘れてたじゃないよ〜。
これ、次回用のネタなのに〜〜(泣)

美姫 「あーあ、もう使えないわね」

誰の所為だ! 誰のっ!

美姫 「ごめんね♪」

可愛らしく謝ったからって、許せるかー!

美姫 「うるうる。許してくれないの?」

ぐっ。だ、だまされません。

美姫 「記憶を無くせー!」

ぶべろみょっ!!

美姫 「これでよし!」

……ピクピク

美姫 「それじゃあ、連絡事項は以上だから。まったね〜」

……。


6月9日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はじまるわよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを奪い取ってお送りします>



うーん、うーん。

美姫 「何をうねっているのよ」

いや、例のサーバーの件なんだがな。

美姫 「あ、終わったの?」

終わったというか、何というか。
データはアップできる状態なんだが、まだ使えない?

美姫 「なぜ、疑問系なの」

いや、試しに一ページだけアップしたんだが、表示されないんだよな。
どうも、何かしている最中らしいんだが。

美姫 「で、いつ使えるようになるの?」

知らん。まあ、その間にHPの方も見やすくしようとは思っているんだが…。
まあ、思っているだけで中々出来ないんだがな。

美姫 「駄目じゃない、それ」

あ、あははは。まあ、ぼちぼちと。

美姫 「アンタのぼちぼちって数年単位のようで怖いわね」

い、幾らなんでもそれは…。

美姫 「あー、はいはい。御託は良いから、さっさとしなさいよ」

う、うぅ。

美姫 「ともあれ、今週も元気にCMいってみよ〜♪」







ある日、突然に滅び始めた世界。
そこには天使と呼ばれる、人々の思い描く神々しさとは正反対の禍々しい存在が出現し始める。
それにより、日常が崩れていく。
奴らは天よりやって来ては、人を建物を崩壊させては天へと運んでいく。
出現場所も、出現する時間もバラバラ。
軍隊を投入するも、それは破滅を僅かに遅らせる程度であった。
何故、こんな事になったのか。
それを知る者はいない。
奴らは何者なのか。
それを知る者もいない。
ただ、世界中の人々がこれだけは理解していた。

セカイは滅びるのだという事は…。



ゆっくりと、だが確実に滅びの道へと進む世界で、
秘密を秘めた少年と、使命を帯びた少女が出会う…。



最後の人類オメガとして運命づけられた故に、何があっても死ねない少年は、
同時に世界を滅ぼしている存在でもあった。

「無駄だ。何をしても死なないんだ。
 俺を殺せる方法はただ一つ……」

――相思相愛になった者にしか殺せない世界の命運を握る不死者 高町恭也

彼は待ち続ける。自分を殺すと約束した女性が再び現れる事を。
それまでの間、その手で守れるモノだけは守ろうと二振りの刀を手にする。

「お前を殺す。その為に、私はお前を愛すると決めた。
 だから、お前も私を愛せ!」

――世界を救うために恭也を殺そうとする対天使兵器の少女 サクヤ

対天使兵器として教育されてきた少女と共に、恭也は天使を滅ぼしていく。
同時に、少女は恭也と共に戦いながら、恋愛に一生懸命に取り組む。
殺すために恋愛を知ろうと。

「世界が滅びるんだとしても、私は恭ちゃんの傍に居たい。
 滅びがくるその時まで」

――恭也の義妹 高町美由希

行き成り現れた少女の登場に、美由希は戸惑いを覚える。
滅び行く世界で、少年少女はあがき苦しみながらも、今を精一杯生き抜いていく。

殺X恋 ―きるはーと― ゼロ 近日、無限の彼方で公開







美姫 「あ、ところでさ。メールアドレスはどうなるの?」

うーん。いらんメールが多いから変更するかも。

美姫 「するの?」

多分。まあ、そのあたりも正式に決まってからだな。

美姫 「そう言えば、今週中に決まるはずだったんじゃ…」

いやいや、俺の所為じゃないぞ。
ちゃんとやるべき事はやったんだから、俺は。

美姫 「じー」

いや、本当に本当。
今回は胸を張って言い張るぞ!

美姫 「SSの方は?」

顔を背けながら言い張るぞ!
出来てません!

美姫 「言い張るな!」

ぐげっ。……中々鋭い右だ。

美姫 「当たり前よ、って、そうじゃなくて」

悪かったってば。

美姫 「罰として、来週中に五十本ね」

……はい!?

美姫 「聞こえなかった?」

いやいやいや、無理無理無理。

美姫 「根性よ、根性」

ここで根性論を出すか?
って言うか、おま、それ一日七本でも足りねえ!

美姫 「文句あるの!」

文句云々じゃなくてですね…。
どうかご勘弁を〜(大泣)

美姫 「ちっ。根性なしね」

いやいやいや。

美姫 「とりあえず、その辺は後で聞いてあげるわ」

聞くだけというのは、なしでお願いします。

美姫 「浩のくせに妙に鋭いわね。さては、偽者ね」

こらこら。

美姫 「冗談よ、冗談」

目が本気だったぞ。

美姫 「酷いわ、疑うのね」

あ…………えっと、そんな事ないぞ、うん。

美姫 「今の間が気になるわね」

き、気のせいだよ。
そ、それよりも、そろそろ時間ですよ、姫。

美姫 「そうみたいね。じゃあ、爺や。今日はこの辺りにしておきましょうか」

ははっ。

美姫 「それでは皆の衆、また来週〜」

ではでは。


6月2日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを私物化してお送りしています>



はぁ〜。疲れたよ〜。しんどいよ〜。

美姫 「って、ここのところ何もしてないのに、何で疲れてるのよ」

いや、何もしてない訳じゃないぞ。
サーバーの移行で色々と、そう本当に色々と…。
うぅぅぅ。本当に疲れたよ。

美姫 「あー、そういえばやってたわね。で、終わったの?」

まだ。何かね〜、色々と難しい事が。
もう疲れたよ〜。SS書きたいよ〜。って言うか、そっちだけしたい。

美姫 「あ、アンタからそんな言葉が出るなんて…。
    本当に疲れてるのね」

どういう意味だ、それ。

美姫 「うん? 本当に聞きたいの?」

えっと、あ、あははは、遠慮しようかな。

美姫 「まあ、その方が無難よ。でも、疲れているみたいだし、それなら」

おお、肩でも揉んでくれるのか?

美姫 「はい、これ」

これは?

美姫 「いや、SS書きたいって言うから、紙とペン」

…………何だろう、目が滲んで。
あ、紙が濡れたよ。

美姫 「いやー、そんなに喜んでもらえると私も嬉しいわ」

あはははは。

美姫 「うふふふふ」

あはははは。

美姫 「うふふふ。…いいから、さっさと書きなさい!
    書きたいって言ったのはアンタでしょう」

そ、そうだが…。ほら、強制されると、その途端にやる気がこうしゅるるるぅぅぅ〜って。

美姫 「なるな! 根性で維持させなさい!」

んな無茶な。

美姫 「浩。やってってお願いしているんじゃないのよ。
    やれって言ってるの。この私が、やれって。分かる?」

充分すぎるぐらいにな。

美姫 「うふ♪ それは良かったわ」

シクシク。

美姫 「とりあえず、CMよ〜」







三月に入って数日。
大分温かくなって来た街の中を疾走する五つの影があった。

「はぁ〜、はぁ〜、はぁ〜。っく、あいつら、相変わらず早すぎるっての」

「雄二、喋っている暇があったら、足を動かせ。
 じゃなと、置いてかれるぞ」

「って言うか、お前も喋ってるじゃねぇかよ」

「くっ、だ、だから、喋らせるな。
 というか、俺が走らなければならないのは、納得がいかんぞ」

やや息を切らせながら走る二人の前では、息を切らせる事無く走る三人がいた。

「隊長、タカくんとユウくんが遅れているでありますよ」

「捨てておけ。今は自分が助かる事が大事だ」

「恭ちゃん、冷徹だね」

「なら、お前は残れ」

「いや」

「みゆっちも人の事を言えないのであります」

「なら、このみが残れば?」

「え〜。恭お兄ちゃん、みゆっちが苛めるのですよ〜」

「って、私は苛めてないでしょう」

「ほら、バカやってないで急ぐぞ」

言って速度を上げる恭也に、二人はしっかりと付いていく。
そして、しっかりと遅れる後方の二人であった。

「ぜ〜は〜、ぜ〜は〜。きょ、恭兄の、は、薄情者〜」

「何を言う貴明。こうして、ちゃんと待ってやってるだろう」

「はぁーはぁー。でも、ちゃっかりと門の内側で、だけどな」

「お疲れさま、タカくん、ユウくん」

「このみ、それはちょっと」

「なんで?」

「だって、どうせ遅くなったのって、また…」

「ああ、美由希の言う通り、このみが中々起きなくて…。
 って、二人とも学校が違うぞ」

「ああっ! こ、このみ、早く学校に行かないと!」

「しまったのであります! というわけで、またね〜」

言って駆け出す二人を眺めながら、貴明は朝から元気なこってと零すのだった。



「小牧さん、手伝おうか」

「やっ、や、や、や。河野くん。
 これぐらいなら大丈夫だから」

「でも…」

「ややや、本当にお構いなく」

――徐々に温かくなっていく日々

「るー」

「る、るー?」

「…貴明、何をやっているんだ?」

「あ、恭兄。いや、何と言われても…。
 俺にもちっとも…」

――近づいてくる春の音色

「はぁ。何か御用ですか、朝霧先輩」

「むぅ。きょうりゃんは全然面白くないのだ」

「いや、ないのだと言われましても」

「こんな美少女が後ろから抱き付いてあげようとしているのに、その前に声を掛けるなんて……。
 はっ、やっぱりきょうりゃんってそっちの人…」

「違います! というか、やっぱりって何ですか、やっぱりって!」

――恭也にとっては最後の高校生活が

「えっと、決してわざとではないですよ」

「〜〜〜〜っ! これで勝ったと思うなよーー!」

「いや、思ってないし、金輪際関わりたくもないって、もういないし…」

――貴明にとっては一区切り付いた高校生生活

「で、だ。二人に集まってもらったのは他でもない」

「御託は良いから、さっさと用件を話せ雄二」

「そんな事を言っても良いのか、貴明。
 この情報はお前にとっても他人事じゃないんだぜ?」

「ほら、二人ともそこまでにして。で、雄二。
 俺も呼んだということは、俺にも関係ある事なんだろう」

「ああ、そうだった。実はな……。
 あの悪魔が帰ってくることになった」

「「悪魔?」」

「姉貴だよ、姉貴! 姉貴の奴が寺女に通うとかで近々帰ってくる事になったんだよ!
 ああー、俺の平穏が、俺の平和が〜〜!」

「……タマ姉が帰ってくるのか」

「そうか、環が」

――懐かしい再会に新たな出会い

「という訳で、タカちゃんを名誉会員にしてあげるよ」

「何がという訳なのかも分からないし、別にしてほしくない」

「まあまあ、そんな事言わんと。今なら、色々と特典もついてくるんよ」

「学校の同好会活動で特典って何だ、特典って!」

――変わらないと思っていた日々が変化する
  もうすぐ春がやってくる
  今までとは違う春が

とぅらいあんぐるハ〜ト 近日大々公開?







さてさて、サーバーの移行は多分、来週中には完了するはず。

美姫 「つまり、来週中には新しいアドレスに変わるのね」

多分な。もしかしたら、前のアドレスのままだったりも。

美姫 「それって、大丈夫なの」

全く分からん!
って、怒るなよ! だって、実際にやってみないと分からないじゃないか。

美姫 「まあ、それはそうだけれど…」

だろだろ!
とまあ、そういう訳だ。

美姫 「本当に決まれば、当然の事ながら公開するしね」

そういう事。そんなこんなで今週はここまでかな。

美姫 「そうね。それじゃあ、今日は頑張ったご褒美をあげましょう」

わーい、やたー。やったのであります、隊長。

美姫 「という訳で、はい、書きかけのSS♪」

……いや、まあ、そんな事だとは思ってたよ(涙)

美姫 「まあ、少しなら本当にご褒美をあげても良いかな?」

…………。

美姫 「そこまで疑う?」

いや、今での事を考えれば当然かと。

美姫 「ほらほら、頑張ってねご主人様〜」

ぐぅっ! が、頑張ります。

美姫 「くすくす。単純〜」

シクシク。自分でもそう思うよ…。

美姫 「さーて、それじゃあ、今回はこの辺りで」

それじゃあ…。

美姫 「また来週〜♪」


5月26日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーよりお送りしています>



403エラーに続き、カウンタ同時取得というエラーが。

美姫 「カウンタが変わったもんね」

だって、今のところCGI置けないし。
提供されているのを使っただけだぞ〜。
なのに、あんなエラーがでるだなんて。

美姫 「まあ、運がなかったと諦めなさい」

仕方ないな。
という訳で、現時点で報告のあった方全員のリクエスト受け付けます。

美姫 「頑張れ〜」

か、書き上がるのに時間が掛かるのは許してね。

美姫 「い・や!」

シクシク。

美姫 「さて、バカを泣かした所で、少し早いけれどCMよ♪」







海鳴市にある風芽丘学園。
この学園の3階の端にある空き教室。
昔は不良たちの溜まり場として有名だったこの教室も、いつの頃からか別の意味で有名となっていた。



薄暗い部屋の中、ブラインドから差し込む僅かな光が部屋の中を薄っすらと浮かび上がらせる。
部屋の中央に置かれた古びたソファーに座り、足をテーブルへと投げ出しながら手にしたグラスをそっと傾ける。
部屋の中だというのに、着古したアクアスキュータムのコートを着て、よれよれの帽子を被っている男が一人。
手にしたグラスの中で、ロックアイスが擦れ合って小さな音を立てる。
部屋には、これまた年代物と思わせる古びたラジオから静かにジャズが流れる。

「大都会という砂漠の荒野を一人歩く、現代に蘇った騎士。それが探偵…」

男はグラスを目の前に持ち上げると、中の薄茶色の液体を通して天井を眺めながらポツリと漏らす。
と、不意に扉がノックされ、男はやや気だるさを感じさせる声で答える。

「どうぞ」

「邪魔するぞ、探偵」

言って部屋の中に入ってきたのは、
その顔立ちの良さと優しい人柄で、校内に本人非公認のファンクラブまで持つ男、高町恭也だった。

「これはこれは高町さんじゃないか。
 今日はどういった御用で、このうらぶれた裏道街道を進むしか能のない私の所へ。
 生憎だが、今は貴方向きの仕事の依頼はないけれど」

「ああ、今日はちょっと頼みがあってな」

「頼み? 凄腕のボディガードである貴方が、何の撮り得もないこの一介のしがない探偵に?」

恭也は男の言葉に地小さく笑うと男の前の席に腰を下ろす。
男はテーブルに投げ出していた足を下ろすと立ち上がり、部屋に端にあった棚からグラスを、
サイドボードからは ウィスキーの瓶を取り出す。

「やるかい?」

「ああ、もらおうかな」

「ロックで良いな」

「…烏龍茶にそれとストレート以外で、他にどんな飲み方があるんだ」

恭也の疑問をスルーすると、探偵はロックアイスをグラスに二つ放り込み、
そこへ琥珀色の液体を注ぐ。
それを受け取って一口飲み終えるとグラスを置く。
探偵も同じように一口だけ自分の分を飲むと、恭也へと顔を向ける。

「それで、頼みというのは?
 高町さんには色々とお世話になっているから、大抵の事なら引き受けるが」

探偵の言葉に一つ頷くと、恭也はやや声を落として話し始める。
いや、始めようとした。
その時、探偵事務所の扉が勢い良く開け放たれる。

「ちょっと山田君! 朝のホームルームにも出ないで何をやっているのよ!」

「ええい、名前で呼ぶな。俺の事は、大都会と言う荒野を一人生きる孤高の騎士。
 現代のアスファルトジャングルのうらぶれた裏の道で生きる男、探偵と呼べ!
 あ、いや、呼んで下さい。呼んで頂けると嬉しいかと…」

さっきまでの雰囲気はどこへやら、探偵は現れた少女へと腰も低く訴える。
それを一刀の元に切って捨てようとした少女だったが、
そこに探偵以外の人物が居るのを知って口を噤む。

「えっと。高町先輩、ですか?」

「ああ。君は確か、風紀委員長の」

「成田美沙です。高町先輩、こんな所に居たらバカが移りますよ。
 それに、もうすぐ授業が始まりますし」

「そうか、分かった。探偵、話はまた後でな」

「あ、ああ。って、お、置いていかないで…」

「うん?」

「い、いや、何でもない」

何か言いかけたものの、踏み止まると探偵は恭也を送り出す。
恭也の後ろで閉まった扉の向こうでは、成田と探偵の言い争い、もとい、一方的に探偵が捲くし立てられている。

「ふー。幼馴染とはいえ、探偵も大変だな」

軽く肩をほぐしつつ、恭也は自分の教室へと戻って行く。
そう、教室である。
この探偵事務所は、風芽丘学園の空き教室にある、いや、正確には勝手に探偵事務所にしているだが。
ともあれ、風芽丘学園の三階端に、その探偵事務所はあった。
部や同好会などではなく、探偵事務所が。
所員は、探偵(本名、山田太一郎)と、助手の少女、小林由理奈だけの小さな探偵事務所が。
この物語は、探偵とその探偵から外部協力者としていつの間にか登録されてしまっていた高町恭也の物語。

無茶は承知で探偵(ハードボイルド)と護衛者(ボディーガード) 近日後悔!







ふー。

美姫 「また、懐かしいというか、何というか」

面白いんだけどな、この作品。

美姫 「でも、恭也は何の依頼に来たのかしら」

……いや、ほら、ネタSSだし。

美姫 「ああ、そこまでは考えてないのね」

…えっと、なのはの様子がここの所可笑しいから、それの調査依頼。

美姫 「って、考えてたの!?」

…………。

美姫 「アンタね〜。今、思いついたでしょう、それ」

違うぞ。一応、オチまでは考えていたんだ。
恭也の誕生日プレゼントを何にしようか悩んでいたっていう。
お店の手伝いをして、桃子からお小遣いを貰ってそれで何を買おうか悩むという。

美姫 「ふんふん。それで?」

それを知った探偵に、なのはが黙っていてくれるように頼んだ上に、
恭也が今欲しいものを調べてくれるように逆に頼まれる。
当初は依頼主を裏切れないとか言うんだが、純粋ななのはの瞳と助手の言葉に負ける。

美姫 「結局、なのはの方の依頼を引き受けると」

そういう事だ。で、当日になって恭也はなのはからプレゼントを貰い、探偵から事情を聞くと。
そんな感じ〜。

美姫 「で、どうしてそこまで書かないの?」

いや、大まかはそんな感じだが、細部を考えてないから…。

美姫 「はぁぁ」

そんな呆れた溜め息を吐かれても!?

美姫 「最近、SSがあまり更新されてませんね、って言われてるのに」

いや、このネタSSってSSの数に入れないだろう、お前。
それに、更新履歴に乗ってなくてもSSは書き上げてたりすんだぞ。
プレゼント用だったり、まあ、色々と。

美姫 「はいはい」

信じてないな、その目は。

美姫 「そんな事ないわよ。信じるって素敵」

うわぁぁ、嘘くせぇ〜。

美姫 「くす♪ 天国ってあるのかしらね」

…………。

美姫 「何か言い残す事ある?」

口は災いの元、とかか。

美姫 「それじゃあ、ちょっと生身で大気圏突入とかしてみようね〜」

激しく遠慮しとく。

美姫 「遠慮はいらないわよ。私とアンタの仲でしょう。
    という訳で……、ぶっ飛びなさいぃぃぃっ!!」

ぶべらぼにょみょみゅぅぅぅっ〜〜!!

美姫 「ふ〜。それじゃあ、また来週ね〜」


5月19日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを私物化して、公共の波に乗せてお送りしています>



どうやら、403エラーも落ち着いた感じかな。

美姫 「じゃあ、前のトップページは削除しないとね」

だな。それで、ミラーじゃない方のサーバーが403エラー出なくなれば、
トップアドレスを変えるだけで良いし。

美姫 「でも、Kは違うサーバーを探しているんでしょう」

みたいだな。
その辺り、今月中に何かしらやるとは言ってたが。
はっきり言って、難しい事は分かりません。

美姫 「良いの、それで」

ま、まあ、そこらはKや式が何とかするって事で。

美姫 「アンタは馬車馬のように書くだけね」

出来れば普通に書きたいです、はい。

美姫 「詳しい事が決まれば、また連絡しますので」

リンクして頂いている方への連絡も、その時にします。

美姫 「それまでは、今のままで暫く置いておいてください」

ってな感じで、今週の報告は終わり〜。

美姫 「それじゃあ、CM〜♪」







赤、赤、赤。紅、紅、紅。
幾ら見渡しても、目の前の光景は何処までも紅い海だけ。
気持ち悪いという一言を残し、金髪の少女が消えた今、ここには、
いや、この世界で動くものは少年ただ一人だけだった。

「…どうして」

弱々しく呟く少年はしかし、何故こうなったのかという事を全て知っていた。
誰に教えられたわけでもなく、自然といつの間にか知っていたのだ。
しかし、今更分かったところで起こってしまった事は戻す事が出来ない。
少年はただ悔いを胸に抱き、足を抱えて広がる紅い海を見る。
動く気力さえ無くしてじっと座り込み、どれぐらいの時間が流れたのか。
今まで何も変化のなかった紅い海に、変化が見える。
少年、碇シンジは自分以外の人に会えるかもと期待して気泡が生まれる水面をじっと息を潜めて見詰める。
やがて、そこから一人のこれまた少年が姿を見せる。
素っ裸のまま浜辺へと上がってくると、そこに立ち尽くすシンジを見つける。

「シンジじゃないか。どうしたんだ、こんな所で」

「恭也。恭也こそ、どうして…」

呆然と呟いたシンジに、恭也はまずは着る物を頼む。
とはいえ、周りの惨状から着るものが見付かるかは怪しく、シンジは困ったような顔を見せる。
恭也も辺りを探り、自分たち以外に人が居ないと分かると、街があったと思しき方へと歩き出す。
歩きながら、恭也は簡単に事の起こりを話し始める。

「よく分からないが、シンジと分かれた後も各地を転々と旅した後、家に帰ったんだ。
 それから数日は普通に過ごしていたんだが、さっき、いきなり綾波さんに似た女の子がたくさん現れて…。
 なのはやかーさんが……」

目の前で紅い液体――LCLとなった家族を思い返し、恭也は強く拳を握る。
小太刀を振るうも、まるで幻影のように擦り抜けてしまし、全く歯が立たなかった。
そして、とうとう恭也もLCLへとその身を変えてしまった。
それでも、恭也の強い意志は思いは残り、自分を呼ぶシンジの声が聞こえてそちらへ向かおうと思い、
必死で無くした身体を動かそうと試していたら、気が付くと再び人の形になっていたと言う。
恭也の話を聞き終えたシンジは、最初に謝る。
それから、どうしてこうなったかを話し始めた。
シンジがこの第三新東京市に来てからの事を。

「…本当にごめん」

ようやく見つけた服に腕を通しながら、恭也は静かに首を振る。

「シンジの所為じゃない。シンジも被害者なんだ」

「でも、僕がっ! 僕がしっかりしてれば…」

「その時は、また違う方法でお前を壊そうとしていただろうな。
 聞いている限り、ゼーレとかいう連中の目的はその補完計画にあるみたいだしな…。
 それにしても、シンジと会ってから一年も経たないうちにこんな事になるとはな」

恭也とシンジの出会いは、シンジが第五使徒と戦った直後だった。
全国を武者修行の旅で周っていると言う恭也と会い、話すようになったのが切っ掛けだった。
そこから約一ヶ月ほど恭也は第三新東京市で過ごし、また旅に出たのである。
付き合いはそんなに長くないが、シンジは同い年とは思えないほど落ち着いた感じの恭也を尊敬し、
自分をただのシンジとして見てくれる恭也に喜びを感じていた。
そして恭也もまた、シンジの人柄に惹かれていた。
こうして親友と呼べるぐらいになった二人は、次の再会を約束して別れたのだが、
その再会がまさかこんな形で行われるとは思ってもいなかった。

「そんなに落ち込むな。それにまだ、俺たち以外に誰もいないと決まった訳じゃないだろう。
 現に俺はこうして戻ってきたんだから」

恭也に励まされてシンジは一つ頷くと、瓦礫と化した街を見渡す。
と、不意に背後から声が聞こえる。
慌てて振り返る二人の先に。蒼い髪、紅い瞳の一糸まとわずの少女が居た。
二人は揃って顔を逸らす。

「あ、綾波、何て格好をしてるんだよ!」

「綾波さん、何か着てくれると助かる。
 服ならそこにあるから」

二人の反応に小さく頷くと、綾波レイはいそいそと服を身に付ける。

「もう良いわ」

レイの言葉に揃って胸を撫で下ろす二人に向かって、レイが告げる。

「補完計画は失敗したわ。この世界からはもう何も生まれてこない」

「そ、そんな…」

レイの言葉にシンジがショックを受けるのを見ながら、レイは安心してと続ける。

「リリスとなった私の力で、あなたたちを過去へと戻してあげる」

「そんな事が出来るのか」

「今ならまだ、出来るわ。でも、早くしないとその力も消える」

「でも、それじゃあ綾波は?」

「消えるだけ。でも、大丈夫。
 碇くんたちが過去に戻って、ちゃんとやり直してくれれば。
 どうする? 決めるのはあなたたち」

二人は顔を見合わせると頷く。

「過去に戻して、綾波! そして、今度こそサードインパクトを防ぐんだ!」

「……どのぐらい過去まで戻せる?
 出来れば、かなり昔からやり直せる方が、色々と準備も出来ると思うんだが」

「……私の力だと十年程度」

「僕が父さんに捨てられた頃だね」

「…シンジをその日に戻し、俺をそこから更に一週間ほど前に戻すという事は出来るか?」

「多分、大丈夫」

「なら、それで頼む」

「どうして、恭也」

綾波へと具体的な年数を提示する恭也へと疑問をぶつけるシンジに、恭也は自身の考えを語る。

「最後の戦いで戦自が攻めて来たと行っていただろう。
 それに対する策を思いついただけだ。その他にもちょっとな。
 シンジ、お前が父親に捨てられた場所は分かるか」

少し聞きづらそうにしながらも、恭也は尋ねる。
恭也の性格を理解しているシンジは、こういう事を聞いてくるのは何かあると素直に答える。

「そうか。なら、ここへ行ってくれ。
 そこからそう遠くないから、子供の足でも行ける。
 俺が父さんを連れて迎えに行く」

恭也の言葉に頷くシンジ。
意見の纏まったらしい二人を改めて見ると、レイは二人へと手を翳す。
途端、目を開けていられないほどの光が溢れる。
光が収まった頃には、恭也とシンジの姿はなかった。



「…………ここは。本当に過去に戻ってきたのか」

「お、起きたか、恭也。すまん、すまん。
 ちょっと強く入りすぎたか」

「父さん、今は何年?」

「はぁ? いきなり何を言っているんだ恭也。
 まさか、何処か打ち所が悪かったのか!?」

「失礼な」

「……本当に恭也、だよな」

恭也の態度や雰囲気に何かを感じたのか、やや怪訝そうに見詰めてくる士郎へ恭也は真剣な顔を見せる。
そして、簡単に説明をする。

「はぁ!? 未来から?
 それを信じろってか?」

「まあ、そう簡単に信じてもらえるとは思ってはいなかったが」

「だが、お前がそんな嘘を吐くとは思えないしな。
 急に雰囲気が変わったのも確か…。よし、信じてやる」

「……いや、本当に今の突拍子もない話を信じたのか」

「何だ、信じろと言っておいて、その言い草は」

「い、いや。信じてくれるのなら良いんだが」

そう言えば、いい意味でも悪い意味でもこういう人だったと改めて自分の父親を思い出しつつ、
恭也はもう一度念を押す。

「本当に信じてくれたんだよな」

「しつこいぞ。まあ、そうだな。未来から来たってんなら、幾つかの御神の技を使えるようになってるんだろう。
 それの一つでも見せてみろ。そうすれば、完全に信じられるぜ」

既に信じきっている目で言われても苦笑しか浮かばないが、
恭也は今の士郎の言葉の意味を正確に読み取っていた。
自分が居なくなった後、独学で何処までやったのかを見せろと。
恭也は静かに立ち上がると、この当時腰に吊るしていた模造刀の柄に軽く触れる。
だが、抜く事はせずに士郎を見据える。
士郎も瞬時に剣士の顔になると、恭也と対峙する。
その顔には、小さな笑みが浮かんでおり、これから繰り出してくる恭也の技を楽しみにしている。
恐らくは薙旋。そこまで読みながら、士郎は恭也が向かって来るのを待つ。
その思いを悟ったのか、恭也は地面を蹴って士郎へと向かう。
三歩目で神速を発動。
これにはさしもの士郎も驚きに僅かばかり目を見張る。
だが、慌てずに自身も神速へと入る。
モノクロの世界の中、恭也の腕が小太刀の柄へと伸び、抜き放つ。
抜刀からの四連撃、薙旋。
士郎もまた得意とした技を息子が繰り出す事に知らず笑みを深めつつ、士郎も同じ技で返す。
恭也のソレよりも早く鋭い斬撃が恭也の斬撃を弾き返す。
完全に競り負けた恭也が後方へと吹き飛ぶのを見ながら、士郎は満足そうに笑う。

「未来から来たってのは、本当みたいだな」

やや憮然としながらも、久しぶりの父の斬撃に地面に倒れたまま恭也も笑みを浮かべるのだった。



その後、恭也と士郎はシンジを迎えに行くと、そのまま全国を旅して周る。
恭也とシンジから未来から来たという事を知っているのは、士郎とその母である美影だけである。
だが、美影の発言力は大きく、美影の言葉により、琴絵の結婚式も無事に済み、御神不破ともに健在であった。
更に、シンジは琴絵の養子となり、そこで親の愛情を注がれる。
琴絵に実子が生まれても、変わらずに接してくれる琴絵とその夫にシンジは本当の親子の絆を感じていた。
基本とはいえ、御神の剣を習いながらシンジはその時が来るのを静かに待つ。
今の自分の周りの人たちを守るためにも、絶対にゼーレやゲンドウの野望を阻止する事を誓い。
そして、遂にその日が訪れる。
御神家へと届けられた、一通の手紙が。
シンジが出掛ける直前まで、琴絵はシンジを心配していたが、それに笑顔でいってきますと告げると、
シンジと恭也は全ての始まりである地、第三新東京市へと向かうのだった。



「乗るのは構わないけれど、その前に一つ言っておくよ。
 僕の名前は御神シンジ。戸籍もそうなっているはずだよ。
 父さんにはもう親権がないんだよ」

――サードチルドレンとして登録されし子供、御神シンジ



「部外者ではない。俺の名は不破恭也。御神を守る不破の者だ。
 今まで何の連絡もよこさず、親権さえ既に無くした奴の呼び出しだ。
 用心するに越した事はないからな。
 俺を同行させないというのなら、シンジを連れて行かせるわけにはいかない。
 シンジは御神直系の人間なんだから」

――シンジの護衛として常に傍に控える少年、不破恭也



二人の少年が約束の地に降り立つ時、運命の幕が再び開かれる。

EVANHEART プロローグ 近日〜〜







ふ〜、疲れた。

美姫 「何で疲れてるのよ」

いや、それがさっぱり分からん。
と、それよりも、サーバーの変更に伴い、トップをちょこちょこと改装しようかと思うんだが。

美姫 「隠しページをどうするかね」

うん。違う所に入り口を作るか。

美姫 「また探さないといけないの?」

だよな。それが問題なんだ。
まあ、その辺はおいおい考え等。

美姫 「面倒くさくなって、今の状態で移行するに一票!」

俺も!

美姫 「って、アンタが入れるな!」

ぶべらぁっ!

美姫 「さて、バカなおしゃべりもここまでみたいね」

うぅぅ。毎回、毎回、生傷が絶えないよ、この放送……。

美姫 「自業自得でしょう」

いや、何やかやと理由を付ける誰かさんのせいかと」

美姫 「酷い人がいたもんね〜」

いや、まあ、予想していた通りの答えだけれどね。

美姫 「さてさて、それじゃあまた来週〜」

ではでは。


5月12日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフル

フィーア「デイズ〜」

美姫&フィーア 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーからお送りしています>



うぅ〜、疲れた。
全然、SSが書けてないぃぃ。

フィーア 「お姉さま、あれは?」

美姫 「まあ、昨日の作業でばてたバカって所ね」

うぅぅ。今日も今日とて、チェック。
カウンターだけは、元のサーバーに置いたままだから、あっちが403になると動かないし…。

美姫 「あんな感じでずっと色々とやってたみたいよ」

フィーア 「普段はサボって書こうとしないのに、そうなると逆に書きたくなるのね」

美姫 「ちょっと違うわよ、フィーア。
    あいつは常に書きたいのよ。
    ただ、あちこちに目移りしたり、書くのが人よりもかなり遅かったりするのよ」

フィーア 「どっちにせよ、褒めれた事ではないですね」

美姫 「まあね。早い話が、ただのバカなのよ」

フィーア 「馬鹿なんですね」

美姫 「バカなのよ」

フィーア 「じゃあ、仕方ないですね」

って、さっきから言いたい放題だな、君たち。

美姫 「あ、もう終わったの?」

いや、カウンターをどうするか悩んでいるところだ。
どうしたもんかな〜。

美姫 「向こうが提供している奴を素直に使えば」

だが、そうするとカウンタ数が狂うし。

フィーア 「でも、403でカウンタが動作しなければ同じでは?」

むむむ。よし、明日までに何か考えよう。
それよりも、アハトさんからネタSSが届いているはずなんだけれど。

美姫 「もう準備はOKよ」

フィーア 「後はコールするのみ」

美姫 「行くわよ、フィーア」

フィーア 「はい、お姉さま♪」

ってな訳で、シ〜。

美姫 「風絶封王斬!」

ぶべらぁっ! ……そ、それは『DUEL TRIANGLE』の恭也の技……。
なにゆえに…。

美姫 「見よう見真似よ」

って、まだ本編で出てないのに……。

フィーア 「私たちの邪魔をするから、こうなるのよ」

美姫 「さて、邪魔者も消えたし、今度こそ行くわよフィーア」

フィーア 「はい♪」

美姫&フィーア 「それじゃあ、C〜M〜」







天地学園……
そこには、剣技特待生……通称【剣待生】と呼ばれる生徒達が存在している。
元来、【刃友】と呼ばれる者と共に二人一組であり、剣待生とは皆が【星奪り】と呼ばれる行事に参加している。
しかし、新たに3人目を導入し、3人一組のグループ戦へと、姿を変えた。
【星奪り】とは、剣待生達がお互いの星を賭け戦いあい、勝てば富や名声が得られるというものである。
そしてまた、一つの物語が始まる。









「私と綾那と美由希で、私達最強?」
「んなわけあるかぁぁぁぁっ!!!!」
「あは、あはははは……」
半年遅れで入学してきたにも拘らず、今ではBランクに名を連ねる黒鉄 はやてと、
その刃友である中等部ではかなりの実力者、無道 綾那、そして……

「御神流正統 御神 美由希、行くよ」
高等部1学年の中ではかなりの強さを持つ、御神 美由希の3人が新たな物語を作り始める。




「早く戦いたいわね、上を目指す者達全てと……」
「はいっ」
「そうだな」
全ての剣待生の頂点に立つ天地学園の学園理事兼学園長兼生徒会長 天地ひつぎと、その刃友である宮本静久。
そして剣待生が3人組になってから新たにひつぎの隣を護る青年、不破 恭也。

「ひつぎと静久、二人がいれば俺の出番はないからな」
滅多に星奪りには参加しない恭也、その意図とは……





「嘘、だよね……恭ちゃんが……最後?」
ついに合間見える恭也と美由希。
「そうだ、美由希……俺が、俺とひつぎと静久がお前達の夢の頂点だ」
2本の小太刀を構えて、恭也は言った。







はやて×とらいあんぐるブレード。







はやてXブレードとのクロスだ〜。

美姫 「アンタのとは、違って面白そうね」

ぐっ。だ、だが、確かにこっちの方が面白そうだぞ。

フィーア 「……あ、あまりの復活の早さに言葉もなかったです」

美姫 「まあ、すぐに慣れるわよ。って、フィーアは初めてじゃないわよね?」

フィーア 「何ていうか、前よりもパワーアップ? しているので」

ふっふっふ。人は常に成長しているのだよ。

美姫 「倒されないっていう風には、成長できないのにね♪」

お、お前は笑顔でなんて事を…。

美姫 「はい、はい。バカ言ってないで、一応、ここでも新アドレスを言うんでしょう」

おう! 既に知っている人もいるとは思いますが、念のために。

フィーア 「最近起こっている403エラーの対応をしたんだよね」

おう。

美姫 「まあ、アンタにしては良い心がけね」

ほっとけ。ともあれ、当分はこれでエラーが出るかどうかを見ます。
なので、いつものページで見れなかったら…。

美姫 「www.geocities.jp/painwestsec/index.htmまでアクセス♪」

フィーア 「すぐに行かなきゃ」

で、本格的にサーバーを移るかどうかは、Kが考え中らしい。

美姫 「そう言えば、最近見てないわね」

忙しいらしいぞ。ともあれ、他のサーバーを探してみると言ってたからな。
今後はそれ次第かな。

美姫 「どうなるのか待ちましょう」

という訳です。

フィーア 「そんな訳だから、心して待て!」

って、何故にフィーアが言うんだ?
しかも、何気に命令口調だし。

美姫&フィーア 「勿論、アンタに言ったからよ」

シクシク。相変わらず、俺の立場って。

美姫 「私の下僕♪」

頼みますから、笑顔で言わないで。

フィーア 「何よ、文句でもあるの?」

普通、下僕扱いされれば文句ぐらいあるだろう。

美姫 「ふーん、あるんだ〜」

めめめめめ、滅相もない!

美姫 「じゃあ、良いわね」

うぅぅぅ(大泣)

フィーア 「それじゃあ、浩さんは放っておいて…」

美姫 「そうね」

美姫&フィーア 「CMよ♪」







三人一組の星獲りへと姿を変えた天地学園。
その学園の一角、オープンカフェの一つの席に彼らの姿はあった…。

「特別ルールとして、教職員からの参加も募集中って事だから参加決定ね。
 これで賞金が入れば、ご馳走が食べれる。唯子も俄然、やる気が出てきたよ!」

「やる気を出すのは良いけれど、一人で突っ走らないでよ鷹城さん」

「千堂先輩に唯子。そこにこの私が加われば、敵はないだろう」

「いづみちゃんも燃えてるね〜」

中等部、高等部の体育教師チームが参戦をする。
力の唯子、技の瞳、速さのいづみ。
彼女たちに太刀打ちできる生徒がいるのか!?



「という事ですので、皆さんにも協力して頂きたいのです」

「忍ちゃんからもお願い。ノエルと組んで。
 私だと、ノエルの足を引っ張っちゃうし」

「ソウハ言ワレマシテモ…」

「私たちは教師では…」

「あ、そこは大丈夫ですよ。お二人は昨日付けで非常勤講師になってますから。
 お願いします〜」

「ドウシマスカ、美沙斗」

「まあ、面白そうだし良いんじゃないか。
 それに、恭也と美由希がどれほど成長したのかも見てみたいし」

「確かに、ソレは楽しみデスネ」

「それじゃあ…」

「ああ、参戦しよう。ただし、やるからには全力でやるよ」

「私モデス」

忍の元に集いし最凶の三人組。
ノエル、美沙斗、弓華の異色チーム。
その実力は折り紙付き!



「まあ、そんな訳だ耕介!
 あたしたちも参加するぞ。賞金で高い酒を買うんだ!」

「って、無理ですって真雪さん。俺たち、天地学園と全く関係ないじゃないですか!」

「ちっ! ……待てよ。つまり、関係あるのなら良いと…。
 確か、あそこの理事長と神咲姉は顔見知りだったよな。
 しかも、面白い事が意外と好きな人物だったよな」

「真雪さん、何か悪巧みしてませんか?」

「ふっふっふ。電話だ、電話」

こうして、真雪に集められた三人の飛び入り参加が!
神咲薫、楓、葉弓の神咲三流派当代チーム。

「なして、うちがこげんことを。
 確かに、恭也くんや美由希ちゃんとは仕合たいとは言ったけれど…」

「うちは完全なとばっちりじゃないんか?」

「楓ちゃん、それを言うのなら私だって。
 特に私は剣なんて使えないのに…」

「それよりも何よりも、言い出した本人がしんどい、って参加しないとは何事ですか!」

「お、落ち着いて薫! ここに真雪さんがいないんだから、言っても仕方ないよ!」

「薫ちゃん、こうなったらやるしかないですよ」

葉弓という剣においては未知数の存在がありつつも、その実力はトップレベル。
果たして、どうなる!?



「おい、カメ。俺の足を引っ張るなよ」

「それはうちの台詞や、このおサルがっ!」

「んだと、このやろう!」

「やるか!」

「ふ、二人とも止めてください。
 って、どうして私まで参加してるの」

「すんません、那美さん。このサルが無理矢理…」

「なんだと! てめぇーだって賛成したじゃねーか。
 三人じゃないと参加できないから、まだ参加してない那美さんを誘うおうって」

「せやけど、最初に言い出したんはお前やろうが!
 こういうもんは、言い出しっぺが責任を持つんじゃ!」

「っこの、こいつ口だけは」

「ほっほ〜。口以外でもうちがアンタに負けたか?」

「ぶっ飛ばす!」

「おもろい、やってみい!」

「あ、あああ〜。や、やめてください〜。
 こんな事で、勝てるんでしょうか……」

この星獲りにおけるダークホースとなるか。
チームワークに不安を抱えるものの、何かしでかすかも…。



多々の思惑が交差する中、今日も天地学園では星獲りが行われる。

はやてXとらいあんぐるブレード







今回は、アハトさんに便乗〜。

美姫 「このバカ! 人様のを勝手に」

ご、ごめん、ごめんなさいっ! や、やめっ!

フィーア 「まあ、却下が来たら削除させれば良いんじゃないですか?」

美姫 「甘やかしたら駄目よ!」

だ、だって、アハトさんのが面白そうだったからつい。

美姫 「それが、バカって言うのよ!」

ごめんなさいぃぃぃぃっ!

フィーア 「あ、お姉さま、そろそろ」

美姫 「あ、もう時間ね」

それじゃあ、また。

フィーア 「幾らなんでも早すぎませんか?」

美姫 「気にしたら負けよ」

フィーア 「分かりました」

何気に酷い事言ってる?

美姫 「ううん、そんな事ないわよ」

そうか、なら良いけど。

美姫 「それじゃあ…」

美姫&フィーア 「まったね〜」

ではでは。


5月5日(金)
美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより笑顔と流血をお共にお送りしています>



連休最終日。

美姫 「でも、実際は明日は土日だからまだ終わりじゃない人もいるわよ」

だな。

美姫 「殆どの人がそうじゃないかしら」

ほうほう。なら、俺もゆっくりと……。

美姫 「ふふふ。何か寝言が聞こえたみたいだけれど?」

ア、アハハハハ。

美姫 「そ・れ・よ・り・も〜。どんな感じなのかしら」

え、えっとですね。止まっているとらハ学園を書いている途中なのですが、
これがまた、何故かDUELが先に上がりそうな感じでして。

美姫 「ほうほう」

それで、ふと気が付くとリリカルと書いていたり。

美姫 「へ〜」

ふと気付くと、短編のなのはXフェイトに手を出そうとしてたり…。
という訳で、あちこちに手が出て何一つ書けてなかったり、たり、たりたりたり〜。

美姫 「GW最後の日を人生最後の日にしてみる?」

…激しく遠慮します。

美姫 「だったら、さっさと書きなさいよね!」

わ、分かってるであります!

美姫 「まったく、あいもかわず進歩のない」

いや〜、それほどでも。

美姫 「いちいち、突っ込まないわよ」

うぅぅ…(シクシク)

美姫 「それじゃあ、CM〜」

って、本当に突っ込みなしですかっ!







ある晴れた休日。
海鳴市にほど近い場所に出来たテーマパークへとやって来た高町ご一向。
桃子が仕事で来れなかったものの、兄と姉に挟まれてご機嫌ななのはを連れて少し休憩していた。

「流石に疲れる」

「恭ちゃん、年寄りくさいよその台詞」

「ほっとけ。なのは、口元にクリームがついてる」

美由希の言葉に力なく答えながら、
恭也は二人に挟まれてソフトクリームを食べていたなのはの口元をハンカチで拭う。
それに礼を述べつつ、なのはは不思議そうに首を傾げる。

「でも、お兄ちゃんもお姉ちゃんもいつもずっと鍛錬で動いているじゃない。
 あれに比べたら、全然たいした事ないと思うんだけれど」

そんななのはの疑問に二人は苦笑を浮かべるだけで何も言わず、なのはもまた答えを期待していないのか、
すぐに解け始めているソフトクリームへと集中する。
そんななのはを二人して見た後、同時に二人の視線は前方やや上空へと向かう。
ここから少し離れた場所に浮かぶ、レールの上を今丁度、四角く長細い物体が走り抜けていく。

「晶とレンもよくやるね」

「あれで、四、いや五回目か?」

「えっと……。うん、五回目だね」

二人が見詰める先では、さっきの物体――ジェットコスーターが音を立てて、
ぐるぐると輪になったレールを走り抜けていく。

「あの二人は何処にいても勝負したがるからな」

「あははは。でも、ジェットコースター耐久勝負って……」

「どっちが先にギブアップするからしいが…。あの行列に並んでいる間に回復しそうだがな」

苦笑して見詰める二人の間で、なのはもまた何とも言えない顔をするのだった。



結局、晶とレンの勝負は付かないまま、恭也たちは次のアトラクションへと向かい、
久しぶりに兄や姉と過ごす休日をなのはは堪能するのだった。
既に日も傾き始め、最後に観覧車に乗りたいといったなのはに付き合う恭也たちだったが、
そこへ向かう途中、恭也は怪しげな人物を見咎める。
全身を真っ黒な服で包み、これに関しては恭也もとやかく言えるようなものではないが、
だが、それなりに暑さも感じるというのに、黒のロングコートにサングラス。
おまけに顔を隠すように襟を立て、帽子を深く被った男二人連れというのは可笑しすぎた。
男たちは手に銀色のアタッシュケースを持っており、腕時計で時間を確認すると歩き始める。
その様子を訝しんだ恭也は、なのはを美由希たちに任せて男の後を付けるのだった。



物陰から男の様子を窺うと、新たに現れた男へとアタッシュケースを開いて見せていた。
そこには、ぎっしりと札束が詰まっており、恭也は声を潜める。

(何かの取引か…)

黒尽くめの男へと何かが渡される。
それを見ようと僅かに身を乗り出した恭也は、背後の気配に気付いて振り返る。

「ほう、気付いたか。だが、遅い」

前に注意を払いすぎており、周囲の警戒が薄くなっていた隙を付かれた恭也は組み伏せられる。
だが、力では恭也の方が上らしく、抜け出せそうであった。
それを相手も気付いたのか、すぐさま内ポケットへと手を入れると、一本の注射器を取り出し、
恭也の首筋に当てて針を刺す。
何かの薬品だろうか、それが恭也の体内へと入り、恭也は息苦しくなり喉を押さえる。
その音を聞きつけたのか、取引をしていた男もこっちへとやって来る。

「兄貴、こいつは」

「どうやら、付けられていたみたいだな。
 捉えようとしたんだが、予想以上に鍛えられていてな。ついでだから、例の新薬を使った」

二人が見下ろす先で、恭也は身体を痙攣させやがて動きを止める。
呼吸が停止した事を確認すると、男二人はその場を立ち去るのだった。



どのぐらいの時間が経過しただろうか、恭也はだるい身体をゆっくりと起こす。

(くっ、油断した。しかし、何故殺さなかったんだ。
 それに、例の新薬とは何だ)

まだ霞が掛かる頭で必死で考える恭也へと、この遊園地の警備員だろうか、一人の男が声を掛けてくる。

「ぼく、大丈夫かい? お父さんかお母さんは?」

「……俺に言っているのか?」

「そうだよ。それにしても、どうしてそんなにだぼだぼの服を着て」

男の言葉に首を傾げつつ立ち上がろうとした恭也だったが、何かに足を取られて躓く。
下を見れば、自身のズボンの裾が伸びていて、どうやらそれに足を取られたらしい。

(違う! ズボンが伸びるわけないだろう。つまり、これは……」

改めて恭也は自身の身体を確かめるように触り、立ち上がった視線の高さを確認する。
それは、いつも見慣れたものではなく、それよりも低い位置にあった。

(俺が縮んだ!?)

信じられない出来事に驚きつつ、恭也は未だに声を掛けつづける警備員に気付かずに走り出す。
園内をくまなく走り回り、ようやく恭也は目当ての人物を見つける。

「美由希!」

「え、恭ちゃん? もう、どこに行ってたのよ。皆心配して……って、あれ?
 恭ちゃん、どこ?」

「ここだ、下だ!」

そう言われて下を見た美由希は、そこに小さな男の子を見つける。
じっと見上げてくる男の子の目線に合わせるように屈み込む。

「ぼく、どうかしたの? ひょっとして、お父さんやお母さんとはぐれちゃったのかな?」

「まあ、その反応が普通なんだろうが。
 美由希、お前から見て俺は何歳ぐらいに見える?」

「ん〜。九、十歳って所かな。って、駄目だよ、目上の人にそんな口の聞き方しちゃあ。
 ちゃんと美由希お姉ちゃんとか、美由希さんって言わないと……。
 って、どうして私の名前を知ってるの?」

「はぁ。どう説明したもんかな。とりあえず、落ち着いて聞けよ。
 俺の名前は高町恭也だ」

「私の兄と同じ名前だね。でもね…」

「同じ名前なのではなく、同一人物だ!」

「へっ?」

「信じられんのも無理ないが…」

言って恭也は自分が恭也だと証明するために幾つかの事を話し出す。
元々は不破という姓を名乗っていたこと。
御神流という剣術のこと。美由希とは本当は従姉妹だということ。
他にも、なのはや晶、レン、今は海鳴にいないフィアッセに関する事なども。
それこそ、恭也自身じゃないと知らないような事まで。

「後は…、そうだな。美由希がおねしょをしていたのは…」

「わーわーわー! そんな事まで言わなくてもいいよ!
 うぅぅ。この意地悪さは恭ちゃんだよ…」

「信じてくれたか。…まあ、信用のされ方がちょっと不満だが」

ぶつくさ言う恭也へ、美由希は真剣な顔を見せる。

「でも、どうしてこんな事に?」

「ああ、実は…」

そして恭也は自分が見た事を全て話す。

「だとしたら、その人たちを捕まえて解毒剤を作らせれば」

「ああ。
 だが、こんな薬を作り、ましてや何かの取引をしていた事を考えると、何らかの組織という可能性もあるな」

「しかも、平気で人を…」

「ああ。だから、当分俺は身を潜める事にする。
 奴らは俺が死んだと思っているみたいだったからな。
 俺が小さくなるとは思っていないみたいだったし。
 下手に本人だと認識されると、周りに被害が及びかねん」

「そうだね。私は兎も角、おかーさんたちを巻き込めないし」

「ああ。そういう訳だから、俺は暫くは留守という事にしてくれ」

「うん、分かったよ。でも、これからどうするの?」

「問題はそこなんだが…」

恭也は少し考え込むと、美沙斗へと助けを求める。
電話で事情を説明すると、美沙斗は少し考えた後、

「元々、その薬の効果が小さくなる事ではなく人を毒殺だと分からずに殺す事にあるんだとしても、
 そんな薬を開発している組織に心当たりはないね。
 勿論、我々としても全力で探ってみるけれど…」

「お願いします。勿論、そちらのお仕事もあるでしょうから、率先してとは言いませんから」

「ああ。それじゃあ、こっちは任せて。恭也も頑張ってね」

幼い頃の恭也を思い出してやや口元を緩める美沙斗だが、それは電話で話している恭也たちには分からない。
連絡を終えて電話を切った恭也は、これからどうするかを考える。

「俺自身でも探すつもりだが。さて、どうしたもんか」

「やっぱり情報を集めるとなると、リスティさん辺りに協力してもらうしかないんじゃないかな」

「出来れば、あまりこの格好で会いたくはないな。
 何となくだが、玩具にされそうだ。それに、俺が恭也だと知っている人間ほど危険になる」

それでも、結局はリスティに頼る他はなく秘密厳守で明日会う約束を取り付ける。

「さて、それじゃあ俺は近くのホテルで暮らす事にするが…」

「って、子供一人で泊まれるものなの?」

美由希の当然のような疑問に、恭也も動きを止める。

「……さて、どうしたもんか」

「えっと、それじゃあ親戚の子としてうちに住めば。
 それなら、正体をばらさないですむし…」

「…………それでいくか。だが、親戚の子は無理だろう。
 俺たちの一族は既に誰も居ないのだから」

「あっ! どうしようか」

「父さんの隠し子…。年齢的になのはとおなじぐらいだから、俺のような子供が居ても問題ないだろうし。
 それで、最近母親を無くし、父を尋ねてきた。うん、これでどうだ」

「いや、流石にそれは士郎とーさんとかーさんが可哀想かな」

「やはり駄目か」

「もっと現実的に考えようよ。
 例えば、未来から来た恭ちゃんと私の子供とか」

「お前の方が現実的に考えろ! どうやって未来から過去へと来るんだ!
 第一、俺とお前の子供ってのはなんだ」

「いいじゃない、別に。未来って設定なんだし」

「どっちにしろ、現実的ではないだろうが」

「分からないじゃない。忍さん辺りがタイムマシーンを作ったとか言えば…」

「アホか。幾ら忍でもそんな物をつくれるはずがな……」

「「…………」」

言いかけて口を噤む恭也と、思わず沈黙した美由希の目が合う。
二人はそのまま無言のままお互いを見詰め合っていたかと思うと、わざとらしいぐらいに同時に視線を逸らす。

「ま、まあ、冗談はさておき…」

「うん、そうだね。えっと、無難な所で一臣おじさん辺りの子供って所かな」

「もしくは、美沙斗さんの知り合いの子供って所だろうな」

「知り合いの子供にしては、恭ちゃんの小さい頃にそっくりなんだよね」

「当たり前だ。本人なんだから」

「そうじゃなくて」

「言いたい事は分かる。そうだな、美沙斗さんの遠い親戚の子供にしておこう。
 御神や不破とは関係のない親戚のな」

こうして、恭也の対応も決まり、美由希はなのはたちと合流する。
しかし、恭也も美由希も二つばかり見逃していた事があった。
それは……。

「美由希ちゃん、師匠が見付かったんですか」

「うん。今電話があって、急な仕事が入ったんだって。
 なのはに謝っておいてって言ってたよ」

「そう。それじゃあ、仕方ないね。でも、いっぱい遊んだから」

言って笑うなのはの横で、レンが恭也に気付く。

「美由希ちゃん、その子は?」

「ああ。この子ね。この子は母さんの遠い親戚の子で、さっき預かったの」

「美沙斗さんの? じゃあ、思想の仕事って美沙斗さんから?」

「うん。本当はゆっくりしたいとか言ってたけれど、仕事だからってすぐに行っちゃったんだ」

美由希の言葉に納得する三人に、ほっと胸を撫で下ろす恭也と美由希。
そこへ、レンが尋ねてくる。

「それはそうと、何でその子はそない大きな服を…」

「あ、こ、これは。そう! 他に服がなかったんだよ」

美由希の言い分に恭也は思わず頭を抱える。
他に言い様はないのか、と。

「ここへ来るときに来ていた服が汚れてしまったので、代わりに美沙斗さんのを借りたんです」

「そ、そうそう。それだよ、それ!」

やや怪しい感じもあるが、とりあえずは納得する一同の中、今度はなのはが恭也へと近づいてくる。

「私は高町なのは。あなたの名前は?」

「名前?」

「うん。良かったら、教えて」

恭也は困ったように美由希を見上げるが、美由希も困ったように恭也を見下ろす。

「えっと、名前、名前は…。俺の名前は……」

こうして高町家に新たな居候が増える事となったのだ。
ただし、実際は増えたわけではないのだが。
だが、それを知る者はごく一部の者だけだった。

見た目は子供、中身は老成したかのような青年剣士。

  「それって、今までの恭ちゃんと違わないような…って、痛いよ、恭ちゃん……」



少年剣士 恭 近日…………消え去るのみ







美姫 「よくよく考えてみれば、もう五月なのよね」

おおう、そう言えば。

美姫 「暑かったり寒かったりでややこしい気温が続いたけれど」

ここ数日は温かいというか、むしろ暑い。

美姫 「でも、朝夕は過ごしやすいわね」

うんうん。思わず午睡をむさぼりたく…。

美姫 「寝るなー!」

ぶべらぁっ!

美姫 「寝る間も惜しんでキリキリと手を、手を、手を動かすのよー!」

ひぃぃぃっ!

美姫 「ほらほらほら〜!」

わ、分かったから、止めてくれ〜。

美姫 「今からどれぐらい書けるのか限界に挑戦よ」

いや、もう限界ですが。

美姫 「このバカー!」

ぐげろうっ!

美姫 「やる前から何を言ってるのよ!」

う、うぅぅ。ガク。

美姫 「だから、寝るなー!」

気を失っとるんじゃ!

美姫 「失ってないじゃない」

くっ、しまった。

美姫 「ふふふ。私を謀ろうとするなんてね。まだまだ調き…もとい、教育がなってなかったわね」

今、不穏な単語が聞こえたぞおい!

美姫 「気にしなくても良いのよ」

いや、なるって!

美姫 「くすくす。ああ、その前にこのコーナーを終わらせないとね」

いやいや、もうちょっと続けても良いと思うぞ、うん。

美姫 「だ〜め♪ だって、これからする事の予定ができちゃったんだもん」

あ、あははははは……。

美姫 「それじゃあ、また来週ね〜」

へ、ヘルプ〜〜〜〜!!

美姫 「くすくす♪」










          



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