『とらハ3キャラによるマリみて』
「美由希、何を読んでいるんだ?」
「うん?マリアさまがみてるっていう小説だよ」
「そうか。あまり根を詰めるなよ」
「分かってるよ。でも、これは早めに読まないといけないから」
「何故だ?」
「今度、商店街の企画でやる事になったお芝居がこれだから」
「ほう。ちなみにどんな話だ?」
美由希は恭也に簡単にストーリーを聞かせる。
「……翠屋の出し物がそれという事は、かーさんたちも出るんだよな」
「そうだよ。後、忍さんや那美さんにも手伝ってもらうんだよ」
「そうか」
「あ、配役ももう決まってるんだ」
福沢 祐巳役:神咲 那美
小笠原 祥子役:フィアッセ
水野 蓉子役:鳳 蓮飛
島津 由乃役:高町 美由希
支倉 令役:高町 桃子
鳥居 江利子役:松尾 景子
藤堂 志摩子役:城島 晶
佐藤 聖役:月村 忍
「こうなってるの」
「どうやって決めたんだ、この配役は」
「那美さんと忍さん以外はくじで」
「なるほどな。まあ、頑張れ」
「うん」
そんな二人の耳に、二階から晶のものと思われる絶叫が上がる。
「こんな言葉、使えるかぁ!」
「「……………………」」
「まあ、頑張れ」
「う、うん」
二人して苦笑しつつ、何事もなかったかのように振舞う。
が結局、練習の時になっても姿を見せない晶を探して、一枚の書置き見つけるのだった。
『俺には無理です。しばらくは探さないで下さい。 晶』
終わり