2005年5月〜6月

6月24日(金)

美姫 「美姫ちゃんの」

ハートフルデイズ〜。

美姫 「はっじまるよ〜」

この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを分捕ってお送りしております。



さて、今日も今日とて始まってしまった……。

美姫 「何か、ものを含んだ言い方よね」

ふっ。別に何でもないよ。

美姫 「あ、そう。さて、それじゃあ、今日は何のお話をしようかしら」

……少しは気にしろよ〜(涙)

美姫 「(無視)そうそう、そう言えば、Kがまた変な動きをしてるって聞いたけど?」

ああ、それは俺も聞いた。
最近、時間が合わなくてフリートークも全然してないだろう」

美姫 「やっと見つけた時間はウィルス騒動でそれ所じゃなかったしね」

うんうん。あ、で、Kの動きというのは、多分、俺には影響はないと思うんだけどな。

美姫 「あ、そうなの。別にまた何か企んでいるとかじゃないんだ」

多分な。そう言えば、この間テレビいるかって聞かれたな。

美姫 「テレビ?」

ああ。多分、買い換えるつもりかもな。

美姫 「へ〜。じゃあ、変な動きって、それの事ね」

恐らく。

美姫 「なんだ、Kの事だから、また何か企んでいるのかと思ったわよ」

昔やった、紺袴関係とかか?

美姫 「そうそう。等身大でプリントしたという偉業は今も忘れてないわ」

ははは。因みに、まだちゃんとそのタペストリーはある。

美姫 「あ、あるんだ」

当たり前だっての。

美姫 「ふ〜ん、そうなんだ」

ああ。出来れば、メイドで作って欲しいな。

美姫 「その前に、抱き枕カバーとか作るかもね」

ははは、幾ら何でもそこまでは……。

美姫 「だって、Kよ、K」

Kだよな……。

美姫 「ええ、Kなのよ…」

…………と、とりあえず、

美姫 「し、CM〜」







「こぉぉぉんのぉぉぉぉぉぉ〜〜〜、馬鹿たれーーーー!!」

スパーンと今日もハリセンのいい音が木霊するここ風芽丘学園。
既にお馴染みとなったこのやり取りに、他の生徒たちもまたかといった感じで通り過ぎる。
自分へとその被害が及ばない限り、近づかない、関わらないというのがいつの間にか暗黙の了解として広まっていた。
そして、その原因となった少年はハリセンで叩かれ地面へと倒れ伏していたが、ゆっくりと起き上がると、
自分を地面へと倒した相手へと顔を向ける。

「む、中々痛いぞ、高町」

「当たり前よ、叩いているんだから。これで痛くないなんて言われた日には、次からは徹を込めてぶっ叩くわよ!」

少年の言葉に、ハリセンを肩に担ぎながら眼鏡におさげの少女──高町美由希がそう言うと、続けて言葉を投げる。

「大体、何で下駄箱を爆破するの、下駄箱を!」

「そうは言うが、すぐに処理を止めろと言ったのは君ではないか」

「あー、はいはい。確かに言いましたよ。ええ、言いましたとも。
 でもね、誰も爆破しろなんて一言も言ってないわよ!」

美由希の叫びが玄関に響く。
それに対して少年──相良宗助は至って平静に答える。

「確かに爆破しろとは言ってないな。この場合、不審物があるやもしれぬ対象は、慎重に人の居ない場所へと移す方が良いだろう。
 しかし、この下駄箱は持ち運ぶには大き過ぎる。ましてや、中に何があるのか分からん以上、下手な刺激を与える事もできない。
 そして、中身を調べている最中に、君がその処理を中止しろと言ってきた。
 よって、こちらの判断で不審物諸共吹き飛ばすといおう手段に出たのだ。
 分かってもらえたえだろう」

まるで、自分の判断が正しく、それを褒めてと言う犬のように美由希を見る宗助に、美由希は盛大な溜息を零す。

「何で、私がこんな目に……」

美由希は悲しげに目を伏せると、小さく呟くのだった。

その昼休み、美由希と宗助は生徒会室へと呼び出されていた。
呼び出したのは、生徒会長である高町恭也だった。
元々、恭也は生徒会長ではなかったのだが、宗助が学校で起こす問題の後処理を色々としている間に、
当時の生徒会全員と教師陣からのお願いにより、例外的に生徒会が入れ替わるといった事態になっていた。
恭也は生徒会室へと現われた二人を見ながら、席に肘を着いて両手を合わせると、目の前に立つ二人に視線を向ける。

「さて、何で呼んだかは分かってるな」

その顔からは何処か疲れたような感じを受け、美由希は内心でほくそ笑んでいた。

(ふふふふ。あの恭ちゃんの顔からすると、きっと朝の事で何か言われて疲れているんだ。
 って事は、恭ちゃんから注意があるはず)

宗助は、何故か恭也には全幅の信頼を置いており、ましてや今や生徒会長という立場にいる恭也を上官のように思っている。
その恭也から注意があれば、宗助の行動も大人しくなり、自分の苦労も減るだろうと考えていた。
そんな美由希の考えなど気にもせず、恭也は静かに口を開く。

「さて、俺のところには教師からの苦情しか着てないので、実際の当事者である君たちを呼んだ訳だが…。
 美由希、宗助くん、どちらでも良いから説明してくれ」

「恭也会長閣下、自分が説明致します」

宗助はそう言うと、一歩だけ前へと進み出て腕を後ろに組んだまま話し始める。

「0815、自分が登校して来ますと、自分の下駄箱に何やら細工された後がありました。
 爆弾の可能性もあった為、他の生徒を遠ざけ、小さく穴を開けた後に、そこからスコープを用いて中を調査を開始しました。
 0820、自分が調査中の所を高町がやって来て、調査の中止を言ってきました。
 状況や対象物の大きさなどを考え、これを爆破した次第であります」

「……爆破か」

「はい!」

宗助の説明を聞き、恭也が重々しく言葉を発したのに対して、宗助は元気に返事を返す。
そんな二人を一歩離れて見ながら、美由希は内心で笑い声を上げる。
しかし、そんな美由希の思いは続く恭也の言葉によって壊された。

「ふむ、なら仕方がないな。教師陣たちには俺から上手く言っておこう」

「ありがとうございます」

「いや、気にするな。いつもながら、君の判断は素晴らしい」

「はっ! 恐縮です」

「……って違う! そうじゃないでしょう、恭ちゃん! 爆破だよ、爆破!
 何で、どうして、そんな結論になるの?!」

「全く、五月蝿い奴だな。今の説明を聞く限り、おかしな所などないじゃないか」

「いや、ありすぎるでしょう! ねえ、おかしなところがあったでしょう」

美由希の叫び声に、恭也と宗助は顔を見合わせると、こいつ大丈夫かみたいな視線を向ける。
それを受けた美由希は、更にヒートアップする。

「何でよ! 何で、私がおかしいみたいな目で見られるの!?
 逆でしょう。この場合、恭ちゃんたちの方がおかしいんだよ!」

「…宗助くん。こんな妹だが、これからもよろしく頼む」

「はっ! 任せてください。自分に出来る限りの事を致します」

「もう嫌だーー!! 私の平穏な生活を返して〜〜〜〜!!」



とらいあんぐる・パニック? ふもっふ  近日……ふもっふ!







美姫 「さて、SSはどこまで進んでいるのかしらね」

うーん、マリとら2ndがちょっととAn unexpected excuseが途中。
An unexpected excuseの方は、今日か明日中にアップできるかな。

美姫 「長編の方は?」

いや、そろそろKanonの長編を更新したいなと思いつつ、マリとら2ndが終盤に差し掛かったから、こっちを重点的にしたいし。
DUEL TRIANGLEとマリとら2ndを重点的に更新していく予定なんだけどね。

美姫 「まあ、予定は未定だしね」

そういう事。
あ、後は、この雑記で色々とやったネタSSでアンケートを取るかどうかだな。

美姫 「で、それで一位担った奴は長編化?」

の予定だけど、まくまでもどれか長編を終らせてからな。

美姫 「随分、先の話よね」

そ、そんな事はないぞ。年内には……。

美姫 「いや、まだ半年もあるわよ」

……その前に、ちゃんと終らせれるかな。

美姫 「あんたね〜」

あ、あははは。
とりあえず、頑張ります。

美姫 「で、アンケートはどうするの?」

どうしようか?
やってくれっていう人が数人は居たんだけど。
長編化できるやつだけを項目にしてやっても良いし、そのままネタで眠らせるのでも良いし。

美姫 「反響しだいね」

そういう事だ。
とりあえず、まだまだ先の予定だからな。

美姫 「でも、アンケートだけでも先にやったら?」

いや、そうしたら、他のネタが出来たときに困るし。

美姫 「うーん、難しいわね」

後、どんな形にするかも決めないと。

美姫 「一人一票?」

そうするか。
もしくは、キャラアンケートみたいに、一人一日一票とか。

美姫 「その辺も考えないといけないのよね、やるとすると」

うん。まあ、とりあえずは、保留だな。

美姫 「そうね。…っと、そろそろ時間みたいね」

そうか。
それじゃあ、今回はこの辺で。

美姫 「また来週〜」


6月17日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

…キョロキョロ。サッサッサ。

美姫 「浩〜、アンタ何やってるのよ。もう始まってるのよ」

いや、ちょっとな。……サササ。
キョロキョロ。

美姫 「何、机の下なんか潜って探してるのよ。ほら、さっさと準備しなさいよ」

いや、もうちょっと待って。
……よし! じゃあ、いくぞ〜。

美姫 「まったく…。さて、それじゃあ、気を取り直して……」



美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハー…。
ドガッ!

?? 「はい、ちょっと待った! え〜い、二重の極み♪」

ぐげろっぱぁ!
う、腕ぇぇぇ! 腕がぁぁ!

美姫 「あら、夕凪ちゃん、遅かったわね」

夕凪 「美姫さん、来ちゃいました」

美姫 「待ってたわよ〜」

夕凪 「えへへへ〜」

美姫 「でも、腕は潰しちゃ駄目よ。まあ、左腕だけだから、今回は良いか」

よ、よくねえよ!

夕凪 「はーい。次からは気をつけます」

美姫 「さて、それじゃあ、もう一度気を取り直して…」

夕凪 「わくわく」

ピクピク……。



美姫 「美姫ちゃんの〜」

夕凪 「ハートフルデイズ〜」

美姫&夕凪 「はっじまるよ〜」

この番組は、より良い生活を提供するメイド育成スクールの提供と、
PAINWESTの雑記コーナーを奪い取ってお送りしてます。



美姫 「さて、今回も素敵なゲストが、夜上さんの所から来てくれてます」

夕凪 「相楽夕凪です」

美姫 「さて、早速ですが…」

トントン。
あの〜、美姫〜。

美姫 「もう、何よ」

いや、とりあえず、今の状態なら、これをやっておかないと、と思ってな。

夕凪 「何をやるんですか?」

うむ。見ろ!
ここ、曲がる〜。

夕凪 「って、う、腕が逆に曲がってますよ。き、気持ち悪い〜」

って、アンタの所為でしょうが!

美姫 「五月蝿いわね! ゲストを怖がらせないの!」

ぐがぁっ!
……く、首も曲がる〜。さ、さらに、回る〜。

夕凪 「……えっと、流石に大丈夫か心配になってきました」

美姫 「ああ、大丈夫、大丈夫。どうせ、すぐに戻るって」

……お前が一番、酷いよな。

美姫 「さて、仕方がないから先にCM〜」

夕凪 「どうぞ〜」







科学の発展と共に、闇を追い払って行く人間たち。
しかし、光があれば闇があるように、悪が完全に無くならないように、
人間たちの発展の裏では、現在の科学でも解明できない闇の者たちもまた力を付けていた。
ここ、黒巣市でもそれは例外ではなく、いや、ここ黒巣市ではどちらかというと、多くの闇の者の姿が見られた。
しかし、闇があれば、それを打ち払う者たちも存在する訳で……。

黒巣市にある一つの古い建物。
西洋風の建築物にある程度の広さを持った庭には、色とりどりの花が咲き誇っている。
この屋敷に住むのは、見目麗しい三人の女性だった。

「ったく、本当につまらない仕事だったわね。ただの雑魚じゃないの」

「まあまあ、美姫お姉さま。例え、私たちには雑魚だとしても、一般の方々には脅威なんですから」

「フィーア姉の言う通りだね」

「ああー、二人して私を虐めるのね。よよよ」

「べ、別に虐めてる訳じゃ…」

「そ、そうだよ。美姫姉、ほら、帰りに買ってきたケーキがあるから、お茶にしようよ。ね、ね」

「……そうね、そうしましょうか。それじゃあ、お茶を用意してくるわ」

さっきまで泣き真似していたかと思ったら、急に笑みを見せて立ち上がる美姫に、二人は顔を見合わせて苦笑するのだった。



「ったく、協会も協会よね」

「確かに、もっとしっかりと調査をして頂きたいですね」

「美姫姉、フィーア姉、今はそんな事を言ってる場合じゃないよ。ほら、来るよ」

夕凪の言葉を合図とするかのように、三人の見詰める先で、闇が形を成していく。
球形状の一箇所から尾のように長細いものが伸び、それを中心として両側に手らしきものが生えてくる。
最後に、球形が二つに大きく割れる、いや開くと、そこに赤い一つ目が浮かび上がる。
その下には、大きく裂けた口に、鋭い牙が並ぶ。
それらは一斉に甲高い声を出すと、三人へと向かって来る。

「……あ〜、折角、お風呂に入ったばかりだったのにぃぃ」

「美姫お姉さま、先に行きます」

「同じく」

「それじゃあ、ここは二人に任せるわ。
 私は、ここでゆっくりと二人の活躍を見てるから。
 そんな雑魚、二人なら大丈夫でしょう」

先行する二人の背中へと軽く掌をヒラヒラと振りつつ、美姫はそう言うと本当にその場に留まる。
しかし、それを気にすることもなく、先行した二人はそれぞれの得物を手にする。
フィーアは杖を振りかざすと、何かをぼそぼそと呟き、振り下ろすと同時に声高らかに叫ぶ。

「燃えろ!」

その言葉通り、フィーアへと迫っていた赤目が三体燃え上がり、その後には何も残らない。
一方、夕凪は両手に手甲を嵌め、その手甲がほのかに蒼白い光に包まれると、そのまま赤目を殴る。
吹き飛ばされた赤目は、何度か地面をバウンドした後、痙攣を繰り返して消えていく。
そんな赤目に目もくれず、夕凪は次の得物に狙いを定めると、群れの中へと飛び込んでいく。
その後ろから、フィーアが杖を振りかざして援護する。
辺りにいた赤目が全て消えるのに、10分と掛からなかった。
そこへ、大きな拍手が響く。

「いや〜、流石ね〜、二人共。お疲れさま〜。
 それじゃあ、今日は帰りましょうか」

何もやっていないのにも関わらず、この場を仕切る美姫に、しかし、二人は何も言わずに頷くのだった。
その帰り道、フィーアが話し出す。

「何か、ここ最近、闇の者の活動が活発になってきているような気がするんだけど…」

「そう? 私は特に気付かなかったけど」

フィーアの言葉に首を傾げる夕凪と、少し考え込む美姫。
それぞれの違う態度を眺めつつ、フィーアはただ静かに美姫が口を開くのを待つ。
やがて、美姫はゆっくりとその口を開く。

「確かに、活発になっているような気がするわね。
 でも、偶々という事もあるわね。今の段階では、何とも言えないわ。
 ただ……。嫌な予感がするのは確かなのよね」

「嫌な予感…ですか」

美姫の言葉に、フィーアが真剣な面持ちでそう返す。
それにつられるように、夕凪も真剣な顔付きになると、美姫の言葉を待つ。
微かな静寂を挟んで、美姫が再び口を開く。

「まあ、さっきも言ったように、今の段階では何も分からないわ。
 ただの勘違いという事もあるしね。とりあえず、今はうちに帰ってお風呂よ、お風呂♪」

さっきまでの真剣な顔は何処へ行ったのか、脳天気な笑みを浮かべると、鼻歌まで口ずさみながら、美姫は歩く。
そんな美姫の態度に呆気に取られるも、慣れたもので二人は軽く肩を竦めただけでその後に続くのだった。



「ふっふっふ。もうすぐだ。もうすぐ復活の時が……」

史上最弱の魔王 浩

「アンタ、本気出してる?」

「あ、当たり前だ」

「……弱すぎるわよ、アンタ。魔力だけは馬鹿みたいに感じられるのに」

「美姫お姉さま、でもでも、全然、死にませんよ」

「あーはっはっは。笑止! 魔王故に、死などないわ!」

「「なっ!」」

「…でも、美姫姉、フィーア姉。こいつってば、力も全くないわよ」

「ぐぬっ! 全くもってその通り…」

「美姫お姉さま、ひょっとして放っておいても害はないんじゃ…」

「私もフィーア姉と同じ意見」

「確かに、何も出来ないわよね、こいつ。別に、手下がいるわけでもないし」

「う、うぅぅぅ」

怯む魔王を見下ろしつつ、美姫はにやりと笑みを見せると、因みに、魔王は今、美姫に足蹴にされていたりするのだが、
足をグリグリと踏みつけつつ、楽しそうな声を上げる。

「一層の事、岩の下敷きにでもしてみようかしら?
 死なないのは分かったけれど、それだと永久に岩の下よね〜。
 だって、力ないもんね〜」

「う、うぅぅぅ、そ、それだけは勘弁して下さい」

「じゃあ、穴を掘って埋めるとか? 大体、20メートルぐらいの深さの」

「そ、それもご勘弁を……」

「何よ、さっき、岩の下敷きにするのだけは勘弁って言っておいて、こっちも勘弁なの。
 だったら、周りをコンクリートで囲むっていうのはどう?」

「で、出来ましたら、それも許してください」

「じゃあ、海に沈めるとか」

「い、いや、それも…」

「あーもう! あれも嫌、これも嫌って、何、我が侭言ってるのよ!
 アンタ、自分の置かれている立場が分かってるの?」

「あ、ああぁぁぁっ! わ、分かってます! 分かってますから、お、お願いですから、け、蹴らないで〜(涙)」

思いっきり力を込めて足を振り下ろす美姫に、魔王は懇願する。
そんな二人のやり取りを、少し離れた所で見ていたフィーアと夕凪は、美姫に聞こえないように話し合う。

「あれじゃあ、美姫姉の方が魔王みたいだよ…」

「でも、あの光景が当然のもののように見えるのは、何故なんでしょうね」

「それは、私も思った」

などと話し合っている間に、美姫と魔王との交渉(?)らしきものも終わりを迎えつつあった。

「仕方がないわね。それじゃあ、アンタは私の使い魔として一生仕えるのよ」

「い、一生ですか!?」

「何よ、文句でもあるの?」

「い、いえ、そんな滅相もない。あ、あまりの嬉しさに、涙で前が見えないぐらいです」

「分かれば良いのよ。もし、逆らえば、言わなくても分かってるわよね」

「も、勿論でございます。この命に掛けまして」

「いや、アンタ死なないし。大丈夫よ、もし、裏切ったり、私の不利になるような事をしたら……。
 ふふふふふふ♪」

「し、しません、絶対にしません。神に誓って」

「いや、神ってアンタ、魔王でしょうに。でも、まあ良いわ。
 じゃあ、契約よ。アンタ、魔力だけは馬鹿みたいにあるからね。
 契約もアンタの魔力を使って……。ふふふ、これはかなり強力な契約だわ♪」

「う、うぅぅぅぅ。大人しく、封印されたままの方が良かったよ……。
 何も悪い事なんかしてないのに……」

離れた所でこの一連のやり取りを黙って見ていた二人は、またしても聞こえないように言葉を交わす。

「何か、私、あの魔王が哀れになってきたよ、フィーア姉」

「私も。多分、本当に何も悪さしてないんだろうね」

「そうよね。だって、そんな事する程の力もないもの」

「何か、単に魔力が、ばかでかいというだけで封印されたようなものよね」

「うんうん。しかも、その魔力を一切使いこなせないとなると、哀れを通り越して、一層、痛快よね」

「ゆ、夕凪ちゃん、笑ったら駄目よ」

「っくっく、い、嫌、でもさ。フィーア姉こそ、言いながら、顔が笑ってるって」

そんなこんなで魔王を手下に加えた三人の物語は、まだまだこれからだった。

 (※フィーア・夕凪、共に友情出演)







シクシク……。
お、俺の扱いって……。

美姫 「で、この後はどうなるの?」

夕凪 「気になりますね」

俺は、これ以上、先はいらん。どうせ、どうせ、お前らにこき使われて……。

美姫 「何を言ってるのよ。これは、あくまでもお話の中での事でしょう。
    実際に、アンタに使用人みたいな事させれる訳ないでしょう」

お、おお〜、美姫〜。

美姫 「そんな事したら、三日と待たずに私が死ぬわよ。家事を一切出来ない男に、使用人はできないって」

夕凪 「そんなに酷いんですか?」

美姫 「ええ、残念ながら」

エッヘン!

美姫 「褒めてないわよ!」

夕凪 「あ、それよりも、美姫姉じゃなかった、美姫さん…」

美姫 「ああ、そうだったわ。で、SSの状況は?」

あ、ああ。えっと、マリとらが前半までと、きりリクに取り掛かっているところだな。

美姫 「そういえば、今回のきりリクは何だったの?」

それは、出来てからのお楽しみ〜♪

美姫 「何か、怪しいわね」

な、ななな、何が?

夕凪 「浩さん、それって却って怪しすぎますよ」

美姫 「何か隠してるでしょう」

め、めめめ、滅相もない。

美姫 「まあ、出来上がれば分かる事だから、ここではこれ以上は問い詰めないけどね」

夕凪 「で、いつ出来るんですか?」

ぐはっ!

美姫 「あ〜、夕凪ちゃん、それは結構、クリティカルだわ。ナイスよ!」

夕凪 「???」

う、うぅぅぅ。美姫、僕はもう駄目だよ。
でも、最後に見たかったナスカの地上絵が。
ほら、ご覧、これがナスカの地上絵だよ。

美姫 「って、アンタは何処で倒れてる設定なのよ。地上絵が見渡せる所で、どうやって倒れてるのよ!」

ふっ。それは、ほら、こうやって目を閉じて、心の目で…。

美姫 「それって、妄想じゃない。そんなんで満足するなら、はい、バイバイ」

あ、待て待て! う、嘘だ、冗談だよ。

夕凪 「浩さんって、馬鹿ですね〜」

え、笑顔でそんな……。

美姫 「でも、事実♪」

ぐはっ!

美姫 「さて、それじゃあ、夕凪ちゃん」

夕凪 「あ、はい。それじゃあ、CMです〜」







12月24日──クリスマス・イヴ

雪の降る静かな公園を、一人の少年が歩いていた。
少年の名前は、高町恭也といった。

「しかし、父さんも無茶を言う。確かに、16だから、バイトも出来るが…。
 いや、そもそも、武者修行時代に、年齢を偽って、路銀を稼いでいたから問題はないんだが…」

ブツブツと呟きつつ、恭也は朝の出来事を思い出していた。

「恭也、すまん!」

「いきなり何だ」

「いやー、家や店を改装する事にしたのは、前に話しただろう」

「ああ、聞いたな」

「うむ、実はな、その時、ちょっと色々と増やしたんだ」

「ほう、何をだ?」

「主に、地下だな。家にも店にも倉を作った。しかも、ワインセラーもあるぞ。
 凄いだろう。他にも、いざという時の為の、脱出路とかな。それだけじゃないぞ。
 他にも、セキュリティーなども凝ったし…」

「いや、まあ、好きにしてくれ」

「いや、もう好きにしたんだ。現在、工事に入っているだろうが」

「まあ、確かにな。だから、今、俺たちはマンションに借り住まいしている訳だしな」

「ああ。しかし、ここで大きな問題が起こってな」

「問題?」

「ああ。資金が当初の予定よりも大幅に上回ってしまった」

「……因みに、幾らぐらいだ」

「ざっと、これだけ」

そう言うと、士郎は指を二本立ててみせる。

「200万か」

それに首を振る士郎に、恭也は嫌な予感を覚えつつ、言う。

「20万ということはないよな。……つまり、2000万」

覚悟したように言った恭也の言葉に対し、しかし、またしても士郎は首を横へと降る。

「もう少し」

「……まさかとは思うが、2億とか言わないよな」

「あははは〜、正解〜」

「アホか! 2億も上回って、何が当初の予定だ!」

「だから、大幅に上回ったと言ってるだろうが」

「もはや、上回ったとも言わん! 第一、予定していた改装費の何十倍も膨れ上がってるじゃないか!」

「だから、すまんと言ってるだろう。そこでだ、俺はこれから仕事に出る」

「あ、ああ」

急に静かに語る士郎に、恭也も慣れているのか、すぐに元の状態へと戻ると、続きを待つ。

「で、だ。この家には、俺と桃子以外にも働ける奴がいるだろう」

「…俺か」

「そうだ。桃子の仕事はそのまま、日々の生活費となる。
 だから、俺とお前とで2億だ」

「とてつもない金額だな」

「ああ、だが、やらなければならん。
 というわけで、俺はすぐにでも行く」

「分かった。俺も何か探すとしよう」

「助かる。因みに、退学届は無事に受理されたからな」

「ちょっと待て!」

「気にするな。これぐらいしか、お前にはしてやれないからな」

「全然、ありがたくないわ!」

「あ、そうそう。言い忘れていたが…」

恭也の叫びを無視して、士郎は付け加えるように言う。

「俺は5000万、お前が残りの1億5000万な」

「ちょっと待て、逆だろう、普通!」

「何を言う。お前、そんな大金を稼ごうと思ったら、どれぐらい桃子やなのはに美由希と離れないといけないと思ってる。
 ちょくちょく戻ってくるつもりだから、その休暇とかも考えれば、妥当な所だろう」

「何処がだ。その計算には、俺の都合が一切、入ってないだろうが」

「そう喚くな。もう手遅れだ。俺の名前で5000万。
 お前の名前で1億5000万で既に契約書は作られた後だ」

「……一度、ゆっくりと話し合う必要がありそうだな」

恭也はそう言うと、静かに手を腰へと回す。
そして、そのまま抜刀すると、士郎へと斬り掛かる。
しかし、士郎はいち早くその場を跳び退くと、そのまま玄関へと向かう。
見ると、玄関には既に荷造りされた荷物があり、これも予測済みだった事を暗に言っていた。
士郎は荷物を掴むと、玄関の扉を開け、一気に捲くし立てる。

「そういう訳だ、恭也。さらば!」

「…………」

既に閉まった扉を見つめる事、数分。
恭也はやがて盛大な溜息を吐き出すと、とりあえず、今後の事を考え始めるのだった。



そんな事を考えつつ、恭也が公園を歩いていると、何処からか男二人と女の言い合う声が聞こえてきた。
恭也は何とはなしにそちらへと足を向けると、手頃な木の陰に隠れて声のした方を窺う。
どうやら、男二人が女性へと声を掛けたようで、女性の方がそれを断わったらしい。
女性、というよりも、恭也よりもしたであろう少女は、恭也よりも上であろう男たち相手に一歩も引かず、強気に返す。

「えーい、しつこい」

少女が癇癪を起こしたように捲くし立てる言葉に、男たちの顔に怒りの色が浮ぶ。
そして、すぐさま男たちはその怒りを、目の前の本人へとぶつけるべく、手を上げる。
それに気付いた少女は、気丈にも逃げようとはせず、それでも恐怖からか目を閉じる。
しかし、少女が予想したような痛みは一向に襲ってこず、恐る恐る目を開けると、殴り掛かろうとしていた男の手首を、
恭也が押さえ込んでいた。
恭也はそのまま男を地面へと放り投げると、特に睨むでもなく、静かに男二人を見る。
その目に何を感じたのか、男たちはそのままこの場を立ち去って行く。
それを見送ると、恭也は背後へと振り返り、ぎこちないながらも笑みを浮かべる。

「大丈夫だった?」

「あ、ああ。余計な事を。別に、お前が割って入らずとも、あれぐらいどうとでもなったわ」

「そう? それはすまない事をしたね。じゃあ、これはお詫びに」

恭也はそう言うと、少女の後ろにあった自販機にお金を入れ、ホットココアを取り出すと、少女へと渡す。
少女は最初、呆気に取られていたが、大人しくそれを受け取ると、小さく照れたようにソッポを向きつつも礼を述べる。
と、少女は突然、くしゃみをする。
よく見ると、少女の格好はこの寒空の下には相応しいとは言えないような格好だった。
肩を大きく露出したその服は、何処かのパーティーから抜け出してきたような感じさえある。
恭也は自分のコートを脱ぐと、少女へと被せる。

「何もないよりは、少しはましだろう」

「あ、ありがとう。しかし、かなり安物じゃな」

「ま、まあ、そんなに良いものじゃないのは確かだけどね」

「じゃが、気に入った」

そう言って微笑む少女を見ながら、恭也は何処かのお嬢さんだろうかと考えていた。
だとしたら、早く連絡して、迎えに来てもらうか、連れて行くかした方が良いだろうと。
そう思い、連絡先を聞こうとするが、しかし、自分に素直に話してくれるかどうか不安もある。
下手をして、誘拐犯にでも間違われたら、と。
どうしようか悩みつつ、このままでは埒が明かないと、
思い切って尋ねようと口を開きかけた恭也よりも先に、少女が話し掛けてきた。

「さっきも助けてくれてありがとう。
 こういう事は、ちゃんと礼を言わないとな」

少女の言葉を聞き、恭也はこの子ならちゃんと話せば分かってくれるだろうと思い、少女の話が終ったら切り出そうと考える。
そんな恭也の考えなど露知らず、少女は続ける。

「よし、お礼に何でも言ってみよ」

「いや、別に礼なんか…」

「良いから、言え」

義理堅い少女に苦笑しつつ、丁度良いと思い、連絡先を聞く事にする。

「それじゃあ、お願いしようかな」

「ああ、何だ」

「君の全てが知りたい(名前や住所、連絡先が)」

恭也の言葉に、少女は動きを止めると、すぐさま顔を真っ赤にして俯く。

「い、いきなりそんな事を言われても……。
 そ、そりゃあ……、か、顔はそんなに悪くないな。うん。
 そ、それに強いようだし。で、でも、会ったばかりで、お互いに何も知らないのに…」

「だから、知りたいんだ」

「そ、そんなに知りたいのか?」

「ああ」

少女の再度に渡る問い掛けに、恭也は神妙な顔で頷く。
少女はそんな恭也の顔をじっと見詰めつつ、そっと胸元に手を置き、ぎゅっと握り締めると、

「そ、それは、わ、私が欲しいという事なんだな」

「?? ああ、欲しい(少なくとも連絡先が)」

「……わ、分かった。そ、そこまで真剣に言うのなら……」

「そう。じゃあ、早速、連絡先と名前を教えてもらえるかな」

恭也は自分が名乗ってから、少女から電話番号を聞いてメモる。
それを見ながら、少女は次いで名前を教える。

「名は、ナギ」

「ナギだね」

「ああ。所で恭也。お前は、その、私が呼べば来てくれるんだな。私の傍に…」

(ああ、一人で心細いのか)

「ああ、ナギが呼べば、戻ってくるよ。(まあ、そんなに遠くじゃないしな)
 じゃあ、ちょっとここで待ってて」

恭也はそう言うと、近くの電話ボックスへと掛けて行く。
電話ボックスから聞いた番号へと電話を掛け、相手が出た所で、
ナギの声が聞こえたような気がした恭也は、ボックスの外へと出る。

「…気の所為か?」

そう呟くも、嫌な予感を感じ、恭也は受話器を置くと、すぐさまさっきの場所へと向かう。
しかし、そこにはナギの姿はなく、公園の外、今まさに車へと押し込められるナギの姿があった。
恭也が気付いてそちらへと向かうも、車は既に発車する。
何か後を追うものはないかと辺りを見渡す恭也の目に、自転車が映る。
その自転車はぐんぐん恭也へと近づいて来る。
恭也はこれ幸いと、その自転車を借りようと前へと飛び出すが、自転車はスピードを緩めず、そのまま恭也とぶつかる。

「痛っ」

「ああ、すいません、急いでいたので。ですが、急に飛び出してこられては…」

「すいません。ただ、ちょっと事情がありまして…」

そこまで言うと、恭也は思わず目の前の人物をまじまじと見詰める。
美しいのは確かだが、恭也が思わず見詰めた原因は、その格好に会った。
少女は、メイド服と呼ばれるものに身を包んでいたのだ。
唖然と見詰める恭也を気にするでもなく、メイドの女性はのほほんとした感じで言う。

「はぁ、そうですか。あ、所で、この辺でこれぐらいの少女を見ませんでしたか。
 多少、口が悪くて、態度が偉そうな女の子なんですけど」

その特徴を聞き、恭也は思わず自転車のハンドルに手を置き、身を乗り出すように詰め寄る。

「ナギの知り合いの方ですか」

「ナギ…、いえ、お嬢様を知っているのですか」

「ええ。今さっき、誘拐されて…。
 それで、追いかける手段を探していたんです」

「そ、そんな…。急いで屋敷に連絡を」

メイドは自転車を降りると、携帯電話を取り出し、何処かへと連絡を取り始める。
その横で、恭也は自転車に跨ると、メイドの女性へと声を掛ける。

「これ、借ります」

言うと同時に、恭也は自転車を漕ぎ出す。

「それは別に構いませんけれど、自転車でどうやって車に追いつ……」

直後、メイドの女性は言葉をなくし、恭也の乗る自転車を見送った。
しかし、携帯電話から聞こえてきた声に、我に返ると、すぐさま幾つかの指示を出す。

一方、車内では。

「こ、これで身代金さえ手に入れば……」

「あ、ああ、な、何とか助かる…」

誘拐犯二人を前にし、ナギは平然とした態度で後部座席に座る。
それどころか、隣に座る男と運転している男へと向かって話し掛ける。

「おい、お前ら、喋るな。空気がまったいない」

この言葉に、男たちの顔が怒りに歪む。
後部座席にいた男は、怪しげな鼻息と共に、ゆっくりとナギへと手を伸ばして行く。

「どうやら、自分の置かれた立場というのが分かっていないようだな……」

流石のナギも、微かに身を引きつつ、それでも気丈に睨みつけると…。

「それ以上、私に近づくな。私に近づいたら、恭也が黙っていないぞ」

「はぁ? その恭也という奴は、何処にいるんだ?」

「きょ、恭也は、呼べば来ると言ったんだ」

「じゃあ、呼んでみろよ〜、はははは」

そう言いながら、男は手をナギへと伸ばして行く。
ナギは目を硬く瞑ると、必死に恭也の名を呼ぶ。

(恭也!)

「ナギ!」

その声に横へと視線を向ければ、自転車に乗った恭也がそこには居た。

「恭也!」

「……おいおい、嘘だろう。この車、何キロ出してると思ってるんだ……」

驚く運転席の男の呟きは、しかし、ナギにも、当然ながら外にいる恭也にも聞こえなかった。
恭也はそのまま車を追い抜くと、前へと出て、自転車を止める。

「止まれ!」

「馬鹿、急に止まれるか!」

流石に人を殺す気はないのか、急ブレーキを掛けるが、すぐには止まらず、そのまま恭也へと車は突っ込んで行く。
ドンという重たい音が響き、男たちは思わず目を閉じる。
しかし、コンコンとフロントガラスをノックする男に、恐る恐る目を開けると、
そこには車のボンネットへと飛び乗った恭也が座っていた。

「さて、言い訳は警察でしてくれ。とりあえず、誘拐の現行犯だからな」

言うなり、恭也は右腕を後ろへと引き、フロントガラスへと突き出す。
その手には、いつの間にか鈍く光るものが握られており、一撃で粉々に砕け散る。
そこから恭也は中へと入ると、あっという間に男二人を無力化し、車の外へと放り出す。
それからナギを連れ出すと、優しく微笑む。

「大丈夫だった?」

「あ、ああ。また、助けられたな。
 お礼に、何か、私に出来ることはないか?」

「だったら……、とりあえず、バイトでも紹介してくれ」

そう言いながら、恭也は地面へと倒れるのだった。

「恭也! 恭也!」

慌てて駆け寄るナギの上空にヘリが現われ、そこから、さっきのメイドが現われる。

「ナギ、大丈夫でしたか」

「あ、ああ。しかし、恭也が」

「ちょっと失礼」

メイドは恭也の傍にしゃがみ込むと、簡単に検査をしていく。

「問題ありませんね。どうやら、ただの疲労のようです」

「そうか…。よし、決めた。マリア、恭也を私の執事にする。
 屋敷に連れて行くぞ」

「ちょ、何を言ってるんですか。そんなに急に…」

「私は、恭也に仕事を探してくれと頼まれた。
 だから、紹介してやるのだ」

「しかし……」

言いながら、マリアと呼ばれたメイドは倒れて眠っている恭也を見詰める。
そんなに悪い人ではなさそうだし、とりあえずは、連れて行っても問題はないだろうと判断する。
何より、ナギが言い出したら聞かないのは、長い付き合いで分かっている事だし。
こうして、恭也はマリアの乗ってきたヘリにそのまま乗せられて、何処かへと連れて行かれるのだった。



「きょ、恭也に、始めた会った時にプロポーズされたんだ」

──勘違いお嬢さま  三千院ナギ

「捨てる神あれば、拾う神ありだな。本当に助かった」

──鈍感な男 高町恭也

「どうしましょう。二人に真実をお伝えするべきか……」

──唯一、全ての事情をしるナギ付きのメイド マリア

「姫神の後任と仰るのでしたら、その適正を見せてもらいましょう」

──三千院家の執事長 クラウス



「で、その後任として来たという男は、どんな奴なのかねマリア」

「そうですね。簡単に申し上げれば、自転車で車に追いついて、
 ブレーキを掛けていたとは言え、物凄い速さで走る車のボンネットに軽く飛び乗り、
 フロントガラスをぶち破るような人ですね」

「……それは、人間か?」



「恭也は、私の事をどう思っている?」

「勿論、とても大事な人ですよ。何があっても、守りますから。
 (助けてくれた恩は、必ず返します)」

「……うん」

二人の間にある勘違いは、どんどん広がって行く。
果たして、この二人の行くつく先は何処なのか……。

恭也のごとく 近日……。







…なあ。

美姫 「何?」

いや、本当に、このCMSS書いている時間で、SS書けるよな。

夕凪 「まあ、否定できないかもね〜」

美姫 「違うわよ。浩がちゃんとやる気になれば、両方出来るのよ。って言うか、書け!」

……シクシク。

夕凪 「流石、美姫さん。私も見習わないと」

うぅぅぅ。
とりあえず、今回は、この辺で(涙)

美姫 「鬱陶しいから、泣き止んでよね」

夕凪 「はいはい、泣かない、泣かない」

うぅぅ、いい子や〜。

美姫 「ほら、そんなに甘やかしたら、調子に乗るわよ」

夕凪 「じゃあ、止めておきますね」

うぅぅ、酷い。

夕凪 「だって、美姫さんがそう言ったんだもん」

うぅ、美姫に負けた。

美姫 「いや、それっていつもの事じゃない」

……あ、それもそっか。

夕凪 「再生も早ければ、立ち直りも早いんですね」

美姫 「馬鹿だからね。って、本当にそろそろ時間ね」

夕凪 「あ、はい」

さて、それじゃあ……ぐげっ!

美姫&夕凪 「また来週〜♪」

う、うぅぅ、さ、最後の最後まで……。


6月10日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを奪い取られてお送りしてます。



美姫 「さて、早速だけど、SSの進行具合はどうなのかしら」

ふふ。マリとら2ndが出来た!
今日、アップするぞ!

美姫 「他は?」

……ふ。

美姫 「何よ、それは!」

ば、ちょ、待て待て。

美姫 「何よ」

ほら、他のはこれから書くし…。

美姫 「出来てないのよね」

うん。

美姫 「進んでないのよね」

うん。あ、でも、天星は少し進んだかな。

美姫 「へ〜。じゃあ、来週ぐらいにはアップできる?

……ふっ。

美姫 「アンタ、私をおちょくってるでしょう」

あ、あはは。そんな事ないって。
と、とりあえず、C〜M〜。







「耕介ちゃん〜。神奈さんのお願い聞いて〜」

「またですか」

「そんな事、言わないで〜」

久し振りに寮へと電話を掛けてきた神奈の第一声がこれだった。
さしもの耕介も呆れ気味にそう返答するものの、やはり頭が上がらない人物の一人だけあり、無下にも出来ない。
仕方なく、神奈の話を聞くことにした耕介だったが…。

「実は、私の知り合いがやっている寮があるんだけれど、そこに一週間で良いから、行って欲しいのよ」

「内容まで、前と同じですか」

「そうなのよ。
 娘さんがね、いつも働いてくれているお母さんにって、寮の皆と相談して、一週間の温泉旅行をプレゼントしたんだって」

「良い話ですね」

「でしょ、でしょう。でもね〜、寮の皆を置いて行けないって言っているらしくて。
 その娘さんや、寮生の子たちも家事全般は得意なんだけどね。
 それでも、一週間も留守にする事に対して、抵抗があるみたいなのよね。
 それで、代わりの管理人さえいればって事になったのよ」

「…はぁー、分かりましたよ。一週間ですね」

「ありがと〜、耕介ちゃん。愛ちゃんには、ちゃんと私から言っておくから」

「はいはい」

こうして、耕介は一週間だけ代理の管理人をするために、北の国へと向かったのだった。



「ジャム寮?」

耕介は貰った地図と現在の住所を確認する。
間違いはないようだ。現に、目の前には寮もある。
しかし、その名前に耕介は微かに頬を引き攣らせていた。

「あら、貴方が神奈さんが仰っていた耕介さんですね。
 ようこそ、いらっしゃいませ」

「あ、どうも、槙原耕介です。えっと、寮生の方でしょうか」

耕介の言葉に、20代半ばに見える女性は頬に手を当てて笑みを浮かべる。

「いえ、私がこの寮の管理人の水瀬秋子ですよ」

「あ、し、失礼しました」

神奈の知り合いという事で、もう少し年配を想像していた耕介は慌てて頭を下げる。
そんな耕介に優しい笑みを見せる秋子の後ろから、高校生か大学生ぐらいの女の子が現われる。

「お母さん、代理の管理人さん来たの」

「ええ、そうよ名雪。耕介さん、こちらは私の娘の水瀬名雪です。
 名雪、この方が管理人を引き受けてくださった槙原耕介さんよ」

「よろしくお願いします」

「ああ、こちらこそ宜しく。……って、娘!?
 え、え、でも、え、小学生って事はない……よね。
 いや、それはありえないよな、うん。どう見ても、高校生ぐらいだし…」

「あ、はい。高三です」

耕介の言葉に、名雪は頷いてそう答える。
それも聞こえていないのか、耕介は名雪と秋子を何度も交互に見比べては、自分の目を執拗に擦ったりする。

「いや、確かに似ているけど…。本当に、親子……?」

その言葉に、名雪は慣れたように頷くのだった。

初日

秋子を見送った耕介は、早速、朝食作りに取り掛かる。
昨日の時点で、秋子からするべき仕事を聞いていた。
どうやら、ここに住んでいるのは女の子たちばかりで、男は秋子の甥っ子の祐一という少年だけらしい。
その為、耕介の仕事は掃除と食事だけで良いらしい。
そんな事を思い出しつつ、耕介の手はテキパキと動いて行く。
耕介の最初の仕事となった朝食は、全員に賞賛される事となった。



舞の不思議な力を目撃した耕介に、祐一は必死で誤魔化そうとするが、
大して驚いていない様子の耕介に、逆に祐一が驚く。

「耕介さん、あまり驚いてませんね」

「あ、ああ、いや、お、驚いたな。あまりにも驚いて、言葉が出なかったんだよ」

「耕介さん、何故、棒読みなんですか」

「あ、あはははは。そんな事はないよ」

「まあ、驚かないでいてくれた方が、嬉しいですけどね」

「んー。実は、俺、不思議な出来事には慣れているんだよね」



「いやー、驚いたな〜」

「耕介さん、どうかしたんですか」

「ああ、名雪ちゃんかい。いや、調味料とかが色々あるから、その辺を調べていたんだけどね…。
 この寮って、一切、インスタントがないんだなー、って思って…」

耕介の言葉に、呼んでいた雑誌から顔を上げて祐一が尋ねる。

「耕介さん、インスタントが欲しいんですか」

「いや、そうじゃないよ。ただ、秋子さんって凄いなって思って」

「お母さん、そういうの使わないから」

「はは、そうみたいだね。いやー、凄いね」

耕介の言葉に、祐一が答える。

「でも、一応、万が一のために、インスタントも置いてますよ」

「あ、そうなんだ」

「ええ。この辺は大雪が降ることもありますから。外出が出来なくなった時とかのために」

「備えあれば、ってやつか」

「ええ。確か、キッチンの床下にある格納スペースに」

「へー、そんなのまであったんだ」

「ちょっと見てみますか」

言いながら立ち上がると、祐一はキッチンへと歩いて行く。
その後を、耕介と名雪も付いて行く。

「よっと」

一声上げながら、祐一は取っ手を握った手に力を込めて開ける。
中からは、カップ麺やレトルトのカレーなどが出て来る。

「へ〜、備えもしっかりしてるね。……所で、祐一くん」

「はい、何ですか」

「全てのインスタント食品のラベルが非常にシンプルな上に、この○秋っていうマークは…」

「ああ、秋子さん印ですか」

「秋子さん印? まさか…」

「ええ。まあ、想像通りかと。簡単に言うと、ここにあるインスタント全てが…」

「秋子さん作なわけね…」



深夜鳴り響いた爆発音に、耕介はすぐさま目を覚ますと、音源である廊下へと飛び出す。
そこでは、今の音を間近に聞いたのか、耳を押さえた真琴がいた。
それからすぐさま近くのドアが開き、祐一が姿を見せる。

「真琴〜。お前な〜、こんな夜中に何をしてるんだ〜」

「え、えっと、その、は、花火をしようかと思って」

「花火〜。ほう、すると、あの爆竹のような音は花火だったっと」

「あう〜。そ、そうよ。ちょっと、爆竹と間違って火をつけちゃったのよ」

「で、何で廊下でそんな事をしてるんだ」

「何、言ってるのよ! 祐一が、真琴のいる廊下へと放り投げたんでしょう」

「ほう、俺がか。しかし、俺の部屋には爆竹なんて無いんだがな。
 ましてや、こんな夜中に火をつけたりはしないぞ」

「あ、あう〜」

そんな二人の間に苦笑いを浮かべ、耕介は割って入る。

「ほらほら、二人共落ち着いて。
 ほら、真琴ちゃんも、花火だったら、明日皆と一緒にやろうな」

「うん」

「そうだな〜、目も冴えてしまったし、肉まんでも作るか」

「本当に!?」

「ああ。と言っても、秋子さんが作りおきして冷凍していったやつだけどな」

「肉まん〜♪ にっくまん〜♪」

そんな耕介の言葉も聞こえていないのか、真琴はご機嫌で耕介の後を付いて行く。

「その代わり、寝る前だから一個だけな。それと、食べたら、今日は大人しく寝るんだよ」

「分かってるって〜。耕介、早く、早く〜」

「はいはい。祐一くんはどうする」

「あー、俺も目が冴えたんで、一つお願いします」

「了解」



こうして、ドタバタとした一週間を過ごす事になる耕介だった。



槙原耕介の全国管理人の旅 〜北国編〜 近日……、旅に出ます……。







美姫 「さて、たっぷりと浩にお仕置きもした事だし…」

身体中が悲鳴を上げています……。

美姫 「そろそろ、時間よね」

最近、殴られたばっかりのような気が…。

美姫 「気のせいよ」

そうなんだろうか。

美姫 「そうよ。私はいつだって優しいじゃない」

……えっ!?

美姫 「や・さ・し・い・わ・よ・ね〜」

ウン、トッテモ。

美姫 「分かってるじゃない」

シクシク。それじゃあ、また来週。

美姫 「それじゃ〜ね〜」


6月3日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハート…ぶべらぁはぁっ!

?? 「ハートフルデイズ〜」

この番組は、PAINWESTの雑記コーナーを奪い取ってお送りしてます。



美姫 「さて、いきなりですが、今日は素敵なゲストが、アハトさんの所から来てくれてます」

フィーア 「フィーアです〜。宜しくね〜」

美姫 「フィーア、いらっしゃい」

フィーア 「お姉さま、ありがとうございます。呼んで頂いた上に、タイトルコールまで」

美姫 「良いの、良いの。可愛いフィーアの為だもの」

フィーア 「凄く嬉しいです♪」

…そして、俺は凄く痛いです。
あ、あんまりだ……。

美姫 「ほら、いつまで寝てるのよ。さっさと起きてよね」

フィーア 「本当に、お姉さまに迷惑ばっかり掛けて」

シクシク。俺か、俺が悪いのか。

美姫 「何なら、多数決でも取ってみる?」

フィーア 「私もそれでも構いませんよ」

良いです。結果が分かりきってるし。

美姫 「懸命な判断ね」

フィーア 「それじゃあ、CM〜♪」





風芽丘学園。
ここには、少し変わった生徒による自治集団がある。
一般の学校で言う所の生徒会ではあるのだが、その方針が変わっていた。
何故なら、彼女たちの方針は、『敵・即・攻』だったからだ。
そして、この生徒会の事を、一般の生徒たちはこう呼んだ。
速攻生徒会と。



「先手必勝! 先にやった者勝ちですよ!」

──速攻生徒会副会長 高町美由希



「あまり闘いたくはないですけれど、美由希さんの敵ならば、仕方がないですね。美由希さんの敵は、私の敵です」

──速攻生徒会会計 神咲那美



「戦局的には不利と言わざるをえませんな。しかし、それはうちらの戦力を計算に入れず、ですから」

──速攻生徒会書記 鳳蓮飛



「ごちゃごちゃ考えるよりも、まずは実行あるのみ!」

──速攻生徒会書記 城島晶



「何よりも情報よ、情報。己を知り、敵を知れば、百戦危うからずってね」

──速攻生徒会会長 月村忍



「全く、美由希といい、晶といい、何にも考えずにすぐに戦いを始めるんだから」

「くすくす。そんな事を言って、本当は忍さんも戦いたくてウズウズしてるんですよね。
 ただ、会長という立場から、どうすれば上手くいくのかも考えないといけない」

「会長さんという立場も、楽なもんじゃないという訳ですな。
 でも、せやからこそ、晶や美由希ちゃんが何も考えずに戦えるんです。
 会長さんが居ればこそ、ですわ」

「はいはい。二人の口車に乗せられてあげるわよ。
 あんたたちも戦いたいのを我慢してるだろうしね。
 何せ、うちのモットーは、速攻なんだから」

「ですね。今回のような搦め手は苦手ですもんね」

「力で真っ向からねじ伏せるっちゅうんが、うちらのやり方ですからな。
 特に、あのおサルは」



「だぁー。ちまちまちまちまと、せこい手ばっかり使いやがって。
 俺たちが狙いなら、初めから勝負しに来いってんだよ!」

「落ち着きなよ、晶。もう少し冷静にならないと」

「分かっているけどさ、美由希ちゃん」

「まあ、確かに、回りくどいやり方だけどね。
 それでも、私たちは真っ向から力勝負するしかないんだから」

「だな。その辺の細かい事は、会長たちに任せて、俺たちは…」

「うん、私たちは、最も生徒会に相応しいやり方でね。そう…」

「「速攻!!」」



速攻生徒会と競うように作られたもう一つの生徒会があった。
その名を、閃光生徒会と言った。



「目で追えぬからこそ、閃光。美由希、まだまだ修行が足りないな」

──閃光生徒会会長 高町恭也



「じゃあ、俺の相手は晶かな」

──閃光生徒会副会長 赤星勇吾



「忍、貴女の相手はこの私よ!」

──閃光生徒会書記 藤代彩



「はっはっは、すいません、会長。偵察がばれて捕まってしまいました」

──閃光生徒会役員 長瀬



「長瀬の馬鹿! お前の所為だぞ! 会長、助けて〜。って、俺たちの事は、短編『風芽丘学園史 文化祭編』で!」

──閃光生徒会役員 久保




「会長、どうやら速攻生徒会が動き出したようです」

「そうか。なら、俺たちも彼女たちを影から助けるとするか」

「だね。速攻生徒会を倒すのは、私たち閃光生徒会だからね♪」

「それを突然、横から現われた奴らに横取りされてたまるかっての」

「それじゃあ、皆、行くぞ!」



風芽丘速攻生徒会、近日……、速攻!






美姫 「さて、浩〜。お楽しみのコーナーよ〜」

あ、あはははは〜。

フィーア 「SSの進捗状況〜♪」

た、楽しそうだな、フィーア。

フィーア 「うん♪ だって、生で浩さんが倒されるところを見れるんだよ」

……それは決定事項なのか。
俺が、SSを山のように書き上げて、威張っているという可能性も。

フィーア 「ありえない、ありえない♪」

美姫 「そんな銀河レベルであり得ない事を言われてもね〜」

そ、そこまでですか……。

フィーア 「で、で、どうなの〜」

ああ〜、その笑顔が恨めしい……。

美姫 「で、どうなのかしらね〜」

……その笑顔が怖い。

美姫 「ふーん、私にはそんな口をきく訳だ」

あ、あははは。
え、えっと、ですね。
状況はですね。と、とりあえず、きりリクの『Moon Heart』は、何とかあげましたです。
とらハ学園は、出だしだけです。マリとら2ndも似たような感じです。
と言うか、クロス作品は全て出だしでストップです、はい。

美姫 「それって、全く書けてないって言うんじゃないの?」

そ、そうとも言うかも…。

フィーア 「それ以外には、どういうの?」

ぐわぁ、可愛い顔して、何て事を聞くかな〜、この子は。

美姫 「いや、それ以外に言いようないでしょう?」

失礼な。例えばだな……。
そこはかとなく書けているような、書けていないような、とか。
全体を100として、1は書けた、とか。

美姫 「総合すると、書けてない、よね」

……ま、まあ、専門用語を使うとそうなるかな。あ、あははは〜。

フィーア 「へ〜、専門用語なんだ」

美姫 「さて、覚悟は良いかしら?」

あ、あはははは。

フィーア 「何か、言っておく事はある?」

……それじゃあ、一つ。
日本の気候に付いて知らない海外の人と掛けまして…。

フィーア 「掛けまして?」

今のこの状況を全く予想していなかった俺(まさか、こんな事になるなんて)と解きます。

フィーア 「その心は?」

…つゆ知らず。

フィーア 「それじゃあ、お姉さま、やっちゃってください〜」

う、うわぁ〜〜ん。じょ、冗談だ。

美姫 「もう五月蝿いわよ。しょうもない事言ってからに!」

ま、待て、美姫。これだけは言っておくぞ!

美姫 「何よ!」

お手柔らかにお願いします。

フィーア 「って、強気の割には、発言は弱気!?」

ふふん。いつもの事だ!

フィーア 「いや、威張っている割には、内容が情けないんだけれど…。
      でも、この状況下で、その余裕はある意味凄いわ」

美姫 「さーて、それじゃあ、ぶっ飛びなさい!」

にゅぎょろびょぴょみょみゃがっはぁってぃぃぃぃぃぃばぎゃぁぁぁぁぁぁぁーーー!
お手柔らかにって言ったのに、いつもより激しいよ〜〜〜〜〜(キラン)

フィーア 「綺麗なお星様になっちゃった」

美姫 「いやー、屋外での放送で良かったわね〜」

フィーア 「あー、楽しかった」

美姫 「うんうん。それは良かったわ」

フィーア 「今日はありがとうございますね」

美姫 「良いわよ、フィーアの頼みだしね。それじゃあ、帰りに何処か寄って行く?」

フィーア 「はい!」

美姫 「それじゃあ、今週はこの辺で」

フィーア 「また来週〜」

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜、ズドン!

……で、ではでは(ガクリ)

フィーア 「……やっぱり、色んな意味で凄いですね」

美姫 「まあ、馬鹿だからね」

フィーア 「その一言で、全てが集約されるっていうのも、これまた凄いですよね」

美姫 「浩だからね」

フィーア 「はぁ。良くは分からないのに、妙に納得です」

美姫 「さて、それじゃあ、改めてやるわよ」

フィーア 「はい!」

美姫&フィーア 「また来週〜♪」


5月27日(金)

美姫 「美姫ちゃんのハートフルデイズ〜」

<この番組は、PAINWESTの提供でお送りします。>



はぁ〜。五月病だよ〜

美姫 「って、まだそのネタを引き摺るつもり!」

じょ、冗談だ。
だから、その剣を降ろしてください。

美姫 「全く。と、そういえばさ、頂きもののSSが少し変わってたわね」

ああ。変わったというか、二つのパターンになっただけだけどな。
ここを見てくれている人から、メールで連絡があったんだ。
メモリ不足と出て、頂きもののページが見れないって。
だから、新しい頂きもののコーナーを新設したんだよ。

美姫 「成る程ね」

まあ、新設といっても、今までの投稿者順は変わらずに、単に十人ごとにページを分けただけなんだけれどね。
見易いように努力はしたつもりだけど…。
どうかな。

美姫 「とりあえず、従来のものも残しているのよね」

ああ。
という訳で、お好みに応じて、入ってください。

美姫 「と、お知らせ第一弾はこの辺で」

お知らせ第二段は、CMの後で〜。







「……つっっ。ここは……」

目が覚めた恭也は、見知らぬ土地で倒れていた。
何故、自分が倒れているのか、直前の記憶が曖昧で思い出せないまま、恭也は身体をゆっくりと起こす。
特に、異常が見受けられない事に安堵しつつ、起き上がった拍子に落ちた濡れた布を掴み上げる。

「誰かが、介抱してくれていたのか」

恭也が呟くとほぼ同時、奥の茂みを掻き分けるように一人の女性が現われる。

「ああ、目が覚め申したか」

「は、はい。ありがとうございます」

返事を返しつつ、恭也は目の前に立つ女性の格好に目を見張る。
そんな恭也に気付かず、着物を着た女性は恭也へと近づく。

「私の名はこよりと申します。あるお方にお仕えする者です。
 時に、貴方様は、どういったお方でしょうか。お腰にさしたるものより、武家の出の方だとは思いますが、
 それにしては、少しおかしな出で立ちをされておいでのようですし…」

そのこよりの言葉や言葉使いに、恭也は女性へと質問で返す。

「すいませんが、今は何年でしょうか」

「今、ですか? おかしな事をお聞きになられますね。
 今は、寿永三年でございますが、それが何か?」

こよりの言葉を聞き、恭也は必死に記憶を引っ張り出す。

(寿永というと……。確か、1180年代だったはず……)

「タイムスリップというやつか。
 まさか、そんな漫画みたいな事が…」

「如何されました?」

「い、いや」

自分の考えに茫然としつつ、恭也は改めて回りを見渡す。
日本語が通じているという事は、日本なのだろう。
しかし、それにしては空気が自分の知るソレよりも澄んでおり、また、緑も多い。
単に、そう言う場所なだけかもしれないが。
恭也は動揺する心を落ち着け、何とか現実を受け入れる。
そんな恭也へと、こよりはもう一度問い掛ける。

「して、貴方さまのお名前は」

「俺の名前は、恭……」

(本当にタイムスリップしたのなら、下手に名前を明かすのは拙いな)

咄嗟にそう思い、恭也はそこで言葉を止め、代わりの名前を考えるが、それよりも先にこよりが声を出す。

「恭さんですね」

どうやら、それが恭也の名前と思ったらしく、恭也もそれで良いかと実に安直にその偽名を使う事にする。

「どうやら、介抱して頂いたようで、ありがとうございました」

「いえ、私は大した事はしておりませんから」

「そうですか」

「それよりも、恭さんはこれからどちらまで行かれるおつもりなのですか?」

「俺は……」

そこで恭也は、これからどうすれば良いのか悩む。
こんな昔では知り合いがいるはずもなく、かといって、他に宛てがある訳でもなし。
そんな風に考え込む恭也を見て、こよりはどう感じたのか、またしても先に口を開く。

「もし、京に向かうおつもりならば、今は止した方が宜しいかと」

「京…。どうしてですか」

「今、源義経様と範頼様が率いる兵たちが木曽義仲様を討ち取るべく進軍しておいでですから」



宛てのない恭也はこよりと共に、こよりが仕えるという人の元へと向かう。
その道中、戦に破れた兵たちが徒党を組み、旅人を襲っている現場に出くわす。
その兵たちを叩きのめした恭也に、こよりが尋ねる。

「恭さんは何処の剣術を」

これに対し、恭也は思わず正直に答えてしまっていた。

「俺が使う剣術は御神流と言うんです」

「御神流? 聞かない流派ですね」

(しまったな。確か、御神流が出来るのは、今から数年後のはずなのに)



こよりの仕える人物の元へと辿り着いた恭也は、こよりの口添えで、同じ人に仕えることとなる。
そして、こよりの仕える人物とは、北条政子だった。
北条政子から恭也が言い渡された主な仕事は、長女、「大姫」の護衛だった。
始めは恭也に反発していた大姫だったが、二人は次第に打ち解けるようになっていた。
頼る者のいない恭也にとって、まだ幼い大姫は妹のようなものだったのだろう。
そんな平凡な日々を過ごす中、大姫が何者かの刺客に狙われる。
それを助けた恭也の働きや、その剣腕を政子の夫である源頼朝が目に止める。
時折、戦場へと借り出される事の増えた恭也を心配する大姫だったが、その心配を余所に恭也はその名を響かせて行く。
それでも、主な任務は大姫の護衛という事もあり、また、大姫がかなり懐いているという事もあって、
滅多に戦場へと赴く事はなかったが。
それでも、恭也の名前は全国へと知れ渡る事となる。その使う流派と共に。
いつしか、恭也は人々から、尊敬と畏怖の念を込め、『御神の恭』と呼ばれるようになった。
曰く、敵対する者で生き残った者はいない。曰く、彼が守れなかった者はない、と。
敵対するものは、恐怖を込め、『御神の凶』とも呼んでいたが。
そして、いつしか、この呼び名が戦場へ出る事もない人々にも知れ渡り、恭也本人の名前として認識され始めた。
御神恭として。
そして、彼の元に、志を同じくする者たちが剣を習いに通い始め、いつの間にか、恭也は彼らの纏め役となっていた。
これよりも後、恭也に教えを受けた者たちが一つの一族をなし、そこに残される歴史書にはこう記される。
御神恭、御神流の開祖、と。







ああー、これは恭也がタイムスリップして、御神流の開祖になるというループするようなお話だな。

美姫 「最初は、大姫との話を書こうとしてたのよね」

うん。で、こんな感じになった奴だな。

美姫 「と、それじゃあ、お知らせ第二弾」

はい!
5月31日から6月2日まで、ネットが出来ません。

美姫 「だから、更新が止まります」

そういう事ですので、宜しくお願いします。

美姫 「掲示板の返答も出来ないのよね」

おう!

美姫 「でも、何で?」

色々とあるのだよ、色々と。

美姫 「ふ〜ん。まあ、良いけどね。でも、SSは更新させます!」

いや、無理だって、無理!
パソコン自体、触らない状況になるのに。

美姫 「筆記」

無理、無理。そんな暇あるか!

美姫 「ぶ〜、ぶ〜」

あ、ほらほら、時間だ、時間。

美姫 「ちぇ〜」

ほらほら、ふてくされてないで。
また来週〜。

美姫 「それじゃあ、また来週ね〜♪」

いや、切り替えが早いな、おい。


5月20日(金)

美姫 「美姫ちゃんのハートフルデイズ〜」

<この番組は、PAINWESTの提供でお送りします。>



はぁ〜。五月病だよ〜

美姫 「って、先週と同じ入り方じゃない!」

……ちっ、ばれたか。

美姫 「返す反応まで同じだし」

あ、あははは〜。

美姫 「まだ続けるんなら、私も付き合ってあげるわよ。
    確か、この後は、アンタが私に…」

ご、ごめんなさい、ごめんさい!
俺が悪かったです。

美姫 「ったく。そんな馬鹿な事をしてないで、SSの進捗はどうなのよ」

あ、あはは……。
とらハ学園が全然、進んでません。
変わりと言っては何ですが、『DUEL TRIANGLE』が頭をちょっと。

美姫 「本当にとらハ学園が、全然、進んでないわね」

あ、ああ。困った事に、ネタだけは、ほら、こんなに。
ただ、文章に出来てないんだよ〜。
今、頭の中は殆どがマリとら状態だから…。

美姫 「言い訳は無用よ!」

ゆ、許して〜。
ら、来週辺りには、書き上げる予定だから。

美姫 「……アンタの予定ほど、信用できないものってないのよね〜」

しょ、しょんな〜。

美姫 「とりあえずは、CMです〜」

えっ! こんな状態で放っておくなよ〜!
えっ!? な、何か、フォロ……。





舞台はここヨーロッパ。
とある国の公益法人である社会福祉公社では、国の為の仕事を名目に、様々な少女たちが集められた。
それが、どんな仕事であるのかは、一切説明されないままに。
集められる少女たちは、皆、何かしらの過去を持ち、その時の記憶を持たない少女たちばかりであった。
何故、過去を持たないのか。思い出せないのか。
そんな事すら疑問に思う事無く、少女たちはそれぞれに管理する者が一人付き、一緒に仕事をこなしていく。
その者たちは、少女を管理し、命令し、仕事をさせる。
『条件付け』を施された『義体』として、『暗殺』などの仕事を……。
傍から見れば、疑問さえ感じるような日常の中、少女たちは、それでもとても幸せそうだった。
そう、それが例え与えられた幸せだったとしても……。

そんな少女たちの中の一人、アリサ・ローウェル。
彼女もまた、こんな日常を幸せに感じていた。
彼女に付き添う諜報官の男の名は、高町恭也。
彼と彼女は、公社の中でも、特に変わっていた。
それは…。
義体は、あらゆる状況下で、あらゆる武器を使う事を訓練されている。
大型の銃からライフルによる狙撃。ナイフや素手による接近戦など、本当に様々に。
そんな中にあって、彼と彼女が好んで使っていた武器があった。
その武器の所為で、公社の中でも変わっていると言われるのだが、本人たちは一向にそれを気にしない。
周りもまた、からかうものの、それを止めようともしなかった。
何故なら、彼と彼女がその武器を用いた戦闘術こそが、彼と彼女の力を最も発揮できると知っていたから。
これは、そんな一人の男と、彼に付き従う一人の義体の少女のお話。

SWORDLINGER GIRL 近日公開予定につき、少なくとも500年は待て!





シクシクシク〜。

美姫 「はいはい。鬱陶しいから、泣くんなら隅で泣いてね〜」

……うぅぅ。人の世は、こんなにも世知辛いのか。

美姫 「さて、戯言は放っておいて…」

いや、放っておくなよ!
だって、元々、このページはその為のものだろう。

美姫 「今は違うのよ♪」

……のおぉぉぉぉぉぉぉ!

美姫 「さて、馬鹿の叫びは無視して、没SSよ〜」





桃子からの新作の試食を頼まれたいつもの面々は、放課後、翠屋へと向かっていた。
そして、翠屋へと着いた恭也たちを待っていたのは、全身を薄汚れた白い布で、頭からすっぽりと覆った一人の人物だった。

「恭也〜、良かったわ。やっと来てくれたのね。あんたにお客さんなのよ」

その人物は、桃子が告げた恭也という名前に反応をすると、恭也の前に立ち、その頭から爪先までをじっくりと見渡す。

「恭也? 恭也! 恭也〜!」

恭也の名前を連呼したかと思うと、その人物は突如、恭也へと向かって飛び込む。
あまりの出来事に茫然となる恭也の手前で、その人物は立ち止まり、腰を落とすと、右手だけを布から出す。
すると、その右手を淡い光が包み込み、一瞬後には、そこに光で出来た剣が姿を現した。
咄嗟に後ろへと下がろうとした恭也だったが、後ろに美由希たちが居たため、下がる事が出来ず、その場に留まる形となる。
その間に、その人物は踏み込んで、その剣を振るう。
結果、恭也の額に×の形で傷が付けられ、そこから血が噴き出す。
それを見た美由希たちが、その人物を囲むようにして身構えた所、それに意を返さず、
傷口を押さえようとしていた恭也の手を押さえ、すぐさま恭也の頭を挟み込むように持つと、その傷口へと唇を付ける。
口付けを受けた途端、恭也のその傷口が淡く光り、血が止まる。
事態に付いていけない一同の中、さっきの行動で白い布が床へと落ち、目の前の人物の姿が現われる。
長い髪に、均整の取れたプロポーション、そして、整った顔立ちに浮ぶ笑顔は、
まるで向日葵を連想させるような、そんな美少女が恭也の前に現われる。

「恭也、これで、私と恭也は夫婦よ」

『はい!?』

少女の言葉に、恭也を含めて全員から素っ頓狂な声が上がるのに、そんなに時間は掛からなかった。

とりあえず、詳しい説明を求めた恭也に、その少女は話を始める。
店の一番奥の席へと場所を移し、当然の事のように、美由希たちも一緒に。
一同をゆっくりと見渡すと、少女はゆっくりと事情を話し始めた。

あれは、今から大よそ八年ほど前の事…。
恭也の父である士郎がある学者の護衛をしていて、遭難した。
士郎は、何とか村らしき場所へと辿り着き、そこで食料などを貰い、命を取り留めた。
その際、金のなかった士郎は、どうやって礼をしようかと悩む。
別に礼は良いという族長に、それでは駄目だと言って必死に考える士郎の服のポケットから、一枚の写真が落ちる。
それを、近くにいた少女が拾い上げ、その写真を食い入るように見詰める。
やがて、それを見た族長が、少女と写真を見比べ、何やらこそこそと話しをし始める。
それをじっと待っていた士郎だったが、やがて、族長からどうしても礼というのならば、と言葉が変えって来た。
族長が出したその条件とは、写真の少年、つまる所、恭也を、この少女の夫にという事だった。
これに対し、士郎の返事は至って軽く、
ああ、良いよ、良いよ。そんなので良かったら、好きなだけ持っていってくれ、だったとか。
兎にも角にも、こうして恭也は本人の与り知らぬ所で婚約していたのだった。
しかも、この話には続きがあり、この村こそが、知ろうが護衛していた学者の研究する村だった。
この村では、独自の紋様を使った文明が栄えており、それを調査しに来たのだった。
ただし、紋様は門外不出という事で、本来は部外者である学者はすぐにでも追い出されるところだったが、
息子を差し出した士郎のお陰もあって、村から出ない限り、研究する自由を与えられたのだった。
これに大層感謝した学者は、当初の約束の三倍の謝礼を士郎へと払ったのだった。
つまり、簡単に言うと、士郎は息子の将来を差し出したという事だった。

話を聞き終えた恭也は、怒りに肩を振るわせつつ、今は亡き父に心の中で罵詈雑言を浴びせるのだった。
かくして、不思議な少女と恭也の同居生活が始まる。

紋様刻みし剣士 脳内製作中!





美姫 「そう言えば、最近、秘密のお部屋が更新されてないわね」

いや、あそこは、そういうやつでしょうが。

美姫 「え〜」

え〜、とか言われてもな。

美姫 「たまには更新しようよ」

いや、まあ、時間があればするけれどさ…。

美姫 「時間がなければ、作れば良いのよ」

おいおい。

美姫 「あ、時間を止めたら良いのよ。という訳で、時間よ、止まれ!」

……おーい。

美姫 「ほら、止まってた間にさっさとやりなさいよ」

いや、止まってないって。
と言うか、お前、時を止めれるのかよ!?

美姫 「ううん」

……じゃあ、やるなよ。

美姫 「やっぱり、止めれる」

嘘!? って言うか、やっぱりって何、やっぱりって。

美姫 「どっちにしろ、これは無駄ね」

何で? 本当に止めれるなら、止めてくれよ〜。

美姫 「いや、もし、本当にそんな能力を私が持っていたとしても、止まった時の中でアンタが動けないじゃない。
    だったら、意味ないでしょう」

……おお! こいつは、とんだ盲点だった。

美姫 「あ、馬鹿だ。馬鹿がいる」

誰が馬鹿だ、誰が!

美姫 「アンタ」

一言の元にで切って捨てますな、あなた…。

美姫 「ふふふ。それほどでもないわよ〜」

いや、褒めてませんから!

美姫 「はいはい。誰かさんが、お馬鹿な会話をしているうちに、お時間となってしまいましたね」

俺か!? 俺の所為か!?
というか、会話と言っている時点で、俺だけじゃないよな。

美姫 「ううん。アンタが見えない妖精さんと喋っているかもしれないでしょう」

成る程な。その可能性が……って、ねーよ!

美姫 「はいはい。どうどう」

えーい、馬扱いするな。

美姫 「はいはい、これ上げるから」

うん? 鹿煎餅? って、今度は鹿扱いかよ。

美姫 「違うわよ。別々で考えちゃ駄目よ。合わせて考えなきゃ」

合わせて? 馬と鹿扱い……馬鹿かよ!

美姫 「冗談よ、冗談。ほ〜ら、いい子、いい子」

ごろごろ〜。って、今度は猫か!

美姫 「いやー、アンタをおちょくるのって、楽しいわね」

俺は楽しくねーよ!

美姫 「と、時間だわ。それじゃあ、また来週でね〜」

って、無視するなよ〜(泣)


5月13日(金)

美姫 「美姫ちゃんの…」

ハートフルデイズ〜。

<この番組は、PAINWESTの提供でお送りします。>



はぁ〜。五月病だよ〜

美姫 「嘘言いなさい。どうせ、言ってるだけでしょうが!」

……ちっ、ばれたか。

美姫 「バレバレだっての。と、それは兎も角、SSはどのぐらい進んだの?」

あ、あははは〜。きりリクを書いてて、全く進んでません。

美姫 「ひ〜ろ〜。覚悟はOK? お祈りは済ませた? この世に神はいますか?」

いや、最後は何か可笑しいし。

美姫 「問答、無用!」

のぐわぁぁぁぎゃぁぁ〜〜!!

美姫 「と、CM〜」





ふと気が付くと、恭也は見知らぬ風景の中に居た。

「ここは……、どこだ」

茫然と辺りを見渡す恭也の耳に、爆発音が響き渡る。
そちらを見遣ると、訳の分からない物体に、一人の少女が追われていた。
その物体の攻撃を受け、吹き飛ばされる少女を受け止めた恭也。
すると、少女の体から突然、光が溢れ出して……。



ある朝、目覚めたたら、隣に夢で会った少女の姿があった。

「なっ! き、君は、夢の……」

「もね〜」

「恭ちゃん、どうしたの? 鍛錬の時間はとっくに過ぎてるけど…」

「み、美由希か。すぐに行くから、ちょっと待ってろ」

「もね? もねもね〜」

「えっ、今の声、一体、誰!? 入るよ、恭ちゃん」

「馬鹿、ちょっと待て!」

突如現われた、夢で会ったはずの少女。
それが何故か現実の世界へと。
この日から、恭也の知り合いが、同じ夢の中に現われ始める。

「夢? ここって、夢の世界なの、恭ちゃん」

「ああ」

「何で、私が恭ちゃんの夢の世界に。いやいやいや。もしくは、私の夢の中で、恭ちゃんがそういう風に言うような夢を……」

訳が分からないままも、遅いくる敵らしきものと戦う恭也たち。
一人、一人と仲間が増えていく中で、事情を知っているような女性から説明を受ける。

「ここは、夢世界…」

「夢世界?」

そして、語られる真実とは……。

Dream Hearts 夢世界で公開中!





…………。

美姫 「…返事がない、ただの屍だ」

……。

美姫 「って、いい加減に起きろ!」

がぁ! って、起きろって何だ、起きろって。

美姫 「ほら、聞こえてたんじゃない」

うっ。

美姫 「ほらほらほら〜」

う、う、う…。

美姫 「さて、SSの進行状態に変化がない事は分かった。で、次にアップするのはどの作品になるのかしらね〜」

『An unexpected excuse』とかの可能性もあるな。

美姫 「それよりも、天星もそろそろ更新する頃でしょう。先にそっちにすれば」

いや、まあ、出来上がり次第…。

美姫 「じ〜」

えっと、えっと……。

美姫 「じっじ〜」

し、CMー!





「た、高町先輩!」

「うん? 君は誰だ? 何処かで会った事があったかな?」

「い、いえ、初対面だと思います。でも、私は前から高町先輩の事を見てました。
 そ、それで、良かったら、これを読んで…」

そう言いながら、少女は後ろ手に隠していた可愛らしいシールで封のされた白い封筒を差し出そうとする。
そこへ、恭也とその少女の間を何かが通り過ぎ、その封筒を地面へと打ち払う。

「だ、誰ですか」

少女が、何かが飛来した方へと顔を向けると、そこには……。

「春には春の花が咲き、秋には秋の花が咲く」

「花が咲いても人は泣き、助けを求める声がする」

「月は東に日は西に」

「この世に悪がある限り」

「優しさだけでは生きてはいけぬ」

「咲かせてみせよう恋の花」

「命短し恋せよ乙女」

『7人だけど、人呼んで海鳴7。呼ばれなくても即参上!』

『恭也さん(ちゃん)を傷つける者は、私たちが許さない!』

「あー、色々と言いたい事があるんだが。まず、俺は傷付けられてない」

「そんな事ないよ。あの封筒の中には剃刀が入っていて、恭ちゃんが知らずに受け取っていたら…」

「そんなのいれてません!」

少女の叫びを無視して、美由希は恭也をじっと見る。
恭也は嘆息をすると、口を開く。

「あー、名前は兎も角、7人居て、海鳴7というのなら、間違ってないよな。
 だったら、『7人だけど』じゃないよな」

「そんな細かい事を気にしたらいけませんよ、恭也くん」

「あー、フィリス先生、病院の方は良いんですか…」

「気にしないでください。こっちの方が大事ですから」

「は、はあ。えっと、それじゃあ…、呼ばれなくても参上するのは、正直、邪魔なんだが」

「恭也、それを言ったら駄目だよ」

「俺たちは、師匠のために」

「そうですよ、お師匠」

「大体、那美さんやノエルさんまで一緒になって…。しかも、その格好は…」

「巫女服ですよ。やっぱり、七人全員が同じ制服よりも良いかと思いまして」

「私はメイド服です。これは、忍お嬢さまのお世話をする時にはいつも身に着けてますので。
 今回も、広い範囲で言えば、忍お嬢さまのお世話になりますから」

「…大変ですね」

「いえ、もう慣れました。それに、恭也さまのためですから…」

「……あー、とりあえず、これは一体、何なんだ?」

「だから、海鳴7よ、海鳴7」

「だから、と、当然のように言われてもな」

茫然とする恭也を置いて、俄然やる気な七人の乙女。
果たして、どんな事が起こるのか…。

海鳴7 海鳴地方で公開中!





……あははは〜。
この間、夜上さんが『こいこい』と『極上』で悩んだって言ってたから、俺はこいこいの方をしてみたんだが…。

美姫 「それで、海鳴7?」

おう。本当は、ここにフィアッセもいれて、『8人だけれど、海鳴7』ってしようと思ったんだが、台詞が浮ばなかった……。

美姫 「成る程ね〜。さて、それじゃあ、そろそろ時間みたいだし…」

だな。

美姫 「それじゃあ、また次回でね〜」

さらば!



<この番組は、雑記を乗っ取ってお送りしてます>


5月6日(金)

美姫 「美姫ちゃんのハートフルデイズ〜」

いや、本当に、いつまで続くんだ、これ……。

<この番組は、暮らしをメイドが支える、メイド専門学校の提供でお送りします。>



美姫 「さて、五月に入ったわね」

ああ、五月だな。

美姫 「GWも終った事だし…」

まあ、人によっては、まだGW中の人も居るだろうけれどな。

美姫 「まあ、確かにね。と、それは兎も角、不満〜、ふ〜ま〜ん〜」

何なんだよ、突然。

美姫 「だって、全然、SSが更新されたないんだもん。予定では、既に50本近くアップさせているはずなのに」

いや、絶対に無理だろう、それは。

美姫 「ぷぅ〜」

膨れても駄目〜。

美姫 「プンスカプン!」

可愛く怒ったって、駄目〜。

美姫 「じゃあ、どうしろと?」

どうもしねーよ!

美姫 「ぶー、ぶー」

はいはい、いい子、いい子〜。

美姫 「って、ちょっとくすぐったいってば」

なでなで〜。

美姫 「もう、髪の毛がぐしゃぐしゃ〜」

はいはい。じゃあ、それをなおしている間に、CM〜。



穏やかな気候の海鳴市。
その海鳴に、穏やかな気候にそぐわない、暗雲たる気持ちを持った一人の女性が居た。
彼女の名は、高町桃子。翠屋の店長にして、高町恭也、美由希、なのはの三人の母親だった。
彼女の悩みとは……。
息子である恭也の事だった……。

「はぁ〜。何で、あの子は周りにあんなに一杯、魅力的な女の子が居るというのに……」

このままでは、美由希がなのはの方が先なのではと心配をした桃子は、とある事を思いついた……。
そのある事とは……。

その日の夕食での事。

「そういう訳で、家をリフォームする事にしたから♪」

「いや、何がそういう事なのか、全く説明がないんだが…」

「もう、細かい事ばっかり言ってないで、そこは頷きなさいよね」

「細かい事なのか、それは」

恭也の言葉に、美由希たちはただ、苦笑を浮かべるだけだった。
そんな恭也の発言を無視し、桃子は恭也たちへと高らかに告げる。

「兎に角、もう決定事項なのよ」

こう言い切られれば、恭也たちに反論する事も出来ず、決定となる。
それでも、恭也は桃子へと申し出る。

「しかし、リフォームするといっても、何をするんだ?」

「とりあえず、リビングとキッチンを広くして、後はお風呂も広くするのよ。
 で、部屋数をもっと増やして……」

「ちょっと待ってくれ。最初の方は良いとして、何故、部屋数を増やす必要があるんだ?」

「何故って、それは、ここを女子寮にするからよ」

「ああ、そういう事か。って、女子寮!?
 何を考えてるんだ、かーさん」

「そ、そうだよ、かーさん。ここを女子寮にしたら、恭ちゃんはどうなるの?」

「それは大丈夫よ。恭也はそのまま住んでもらうに決まっているでしょう。
 とりあえず、反論は許しません。これは決定事項だからね。
 因みに、那美ちゃんと忍ちゃんは既に入寮する事が決定してるから」

「一体、いつの間に」

「勿論、昼休みの間によ」

茫然とする面々を見渡しながら、桃子は一人満面の笑みを浮かべる。

(これで、この子の鈍感も少しはましになるはず。
 一層の事、入寮した子の誰かとくっ付くってのもあるかもね)

「何か、嫌な予感が……」

「うふふふふ……」

こうして、再び新たな出会いが始まる……。
一体、どんな事が起こるのやら。

とらいあんぐるハート3.5 〜高町女子寮〜  3500年4月公開予定。

 一緒に笑ってくれますか



うーん、随分と先に公開する予定の作品CMだったな。

美姫 「って言うか、その時は墓の下にいようよ、人として」

あははは〜。まだまだ頑張っているはずだ。

美姫 「いや、絶対に無理だって流石に」

と、それはそれとして、よくよく考えれば、GW中連続アップ達成か?

美姫 「まあ、昨日までをGWとするならね。でも、不満〜」

また、それかよ。

美姫 「だって、だって〜。って、そう言えば、今の進行状態ってどうなってるの?」

うむ、マリとら2ndが3割。とらハ学園は2割出来た。
で、天星が同じく2割って所かな。
後は、短編を構想しつつも、書くのは難しいかな〜、とか。

美姫 「何か、毎回聞くけれど、ほとんど進んでないわよね」

あ、あははは。え、えっと、コマーシャル!



「フレイムヘイズ?」

聞きなれない言葉に、恭也は首を傾げて、目の前の少年に聞き返す。

「うん、そう」

「悠二が、そのフレイムヘイズという奴だという事か?」

「ううん。僕は違うよ。僕はミステスって呼ばれる、宝具をその身に内包したトーチなんだ。
 フレイムヘイズは、僕と一緒に旅をしている、さっきの女の子。僕はシャナって呼んでいるけれど、そっち」

「そうか」

旅をしているいう二人連れに出会った恭也は、この世のもう一つの顔を見る事となる。

「紅世の徒は討つ。それだけ…」

──大大刀を自在に振り回す少女、シャナ

「シャナ、全力で行け」

──シャナと契約せし、紅世の王、天壌の劫火、アラストール

「まだ。まだだ。強く、強くなるって約束したんだ!」

──『零時迷子』をその身に宿すトーチ、坂井悠二

「とりあえず、悠二が危ないようだったから、斬ったんだが。こいつは、何だ?」

──古の剣術を振るう剣士、高町恭也

一つの出会いが、大きな運命を形作る。

海鳴のシャナ  プロローグ 「可笑しな二人組は旅人」 近日……。



いやー、何か体がだるいね〜。

美姫 「浩、刺さってる、刺さってる」

……って、お前が刺したんだろうが! しかも、CM中に!

美姫 「私は知らないわよ」

シクシク。もう良いですよ……。

美姫 「さて、いじけている馬鹿は放っておいて、没SSへ〜」



「恭ちゃん、電話だよ」

ある日、高町家へと掛かってきた電話。

「もしもし、お電話、かわりましたが…」

これが、後に恭也の生活を変える事になろうとは……。

「おう、士郎の倅、久し振りじゃな」

この時の恭也に分かるはずもなかった。

「はぁー、やっと着いたか」

温泉街として、それなりに知られているこの地に、恭也はやっとの事で辿り着く。

「後は、この地図の通りに……」

長い長い階段を登った先。
そこに一つの建物が見えてくる。
同時に、怒鳴り声らしきものも。

「この、エロ河童!」

「ぷろぉー!」

「な、何だ、今のは。まさか、人か?」

茫然と見守る中、件の影は恭也の前へと落下する。

「いててて。成瀬川のやつ、もう少し手加減してくれても良いのに……」

「大丈夫ですか?」

「え、あうん、大丈夫、大丈夫。体だけは丈夫だから。
 それに、いつもの事だしね」

丈夫とかいう問題ではないような気がしつつ、今のがいつもの事というのは、とも思いつつ、どちらから突っ込むべきか悩む恭也に、
その人物が不思議そうに尋ねてくる。

「所で、君は?」

「ああ、自分は高町恭也といいます」

「ああ、それじゃあ、あなたがばあちゃんの言ってた。
 あ、俺は浦島景太郎と言います。宜しくお願いします」

「はい、こちらこそ。暫らく、こちらでお世話になりますが、よろしくお願いします」

「うーん……」

「どうかしたのですか」

「いや、まだ君が来る事を皆に言ってないんだよな」

「そうでしたか。では、ついでに皆さんに紹介して頂ければ…」

「いや、それはそうなんだけれど……」

恭也の言葉に、非常に言い辛そうな表情を見せる景太郎。

「実は、ここって、今は女子寮なんだけれど……」

「はい?」

「あ、やっぱり、聞いてなかったんだ」

恭也の反応を見て、景太郎は納得したように頷くのだった。



「反対です! 私は反対です。女子寮に、お、男が住み込むだなんて」

「何や、素子は固いな〜。景太郎かて、ここに住んでるやないか」

「そ、それは、一応、管理人ですし。それに、私はまだ認めたわけでは…」

「はいはい。それじゃあ、他の人の意見は?」

「うーん、別に良いんじゃないのか?」

「わ、私も別に良いかと。その、さっきも助けてもらいましたし、そんなに悪い人には見えませんから」

「なるは?」

「私? どうせ反対したって、ひなたのお婆ちゃんが決めた事なんでしょう?
 だったら、私たちがどうこう出来るもんじゃないと思うんだけれど」

「まあ、確かにな。あの婆さんの客人な訳やしな…。
 なら、多数決で決まりや」

「私は、認めません!」

「せやけど、もう決定した事やし」

「こんな事を多数決で決めるのは間違ってます!
 成瀬川先輩もそう思いますよね!」

「え、えっと、まあ、これ以上、景太郎みたいなのが増えるのはちょっとね…」

「そうでしょう。だったら…」

「せやけどなー。あの婆さんに知れたら…」

揉めている所へ、当の本人である恭也が口を挟む。

「いや、確かに、青山さんの言う通りだ。
 女子寮に男が寝泊りするのはまずいだろう。
 しかし、俺も頼まれた以上は、そう簡単には帰れないからな。
 悪いが、外を借りても良いか」

「どうする気だ?」

「野宿させてもらう。それなら、良いだろう。勿論、用がある時は、玄関で伝えるようにして、中へは入らない」

「……」

暫し考え込んだ後、素子は口を開く。



恭也が朝の鍛練をしていると、人の気配を感じ、一時中断する。
暫らくして、茂みから姿を見せたのは、日本刀を手にした素子だった。

「高町、ここで何をしていた?」

「軽い運動だ」

「……そうか。邪魔をしたな」

「いや。青山さんがここで何かをするというのなら、俺がどこう」



「凄いですね。三人とも、東大を目指しているんですか」

「そんなに凄くもないんだけれどね。だって、一度失敗してるし。
 こいつなんて、既に三回だし」

「成瀬川、お願いだから、それは言わないで……」

徐々に打ち解けていく恭也と住人たち。
そんな中、いつもの様に素子の剣が景太郎へと襲い掛かる。

「貴様は! 喰らえ、斬空閃!」

「ちょ、そ、それは洒落になってな……」

「って、高町先輩、危ないです!」

「しまった! 景太郎の後ろに居たのに気付かなかった」

「ど、どうするのよ。景太郎なら兎も角…」

寮生が見守る中、恭也は景太郎の襟首を掴むと、もつれるようにしてその攻撃を躱す。

「イテテテテ。って、恭也くん、大丈夫」

「え、ええ。すいません、浦島さん。驚いて、足がもつれてしまって」

「いいよ、気にしなくても。お陰で、助かったし」



「貴様は一体、何者だ」

「何者と言われても、ただの転校生だが…」

「嘘を付け。只者ではないだろう」

「気のせいだろう」

「気のせいだと? では、何故、私の剣筋をあそこまで完璧に見切った?」

「あれは、ただ足が縺れただけで」

「縺れただと?」

訝しむ者もいる中、恭也は普通に過ごしていく。
果たして、この先、どうなるのか…。

 『ラブとら 〜ひなた荘の住人たち〜』
   プロローグ・新たな住人な



……いやー、こんなのもあったな〜。

美姫 「恭也X素子?」

まあ、そんな所かな。
因みに、他のラブひなのヒロインたちは、原作のように景太郎で。

美姫 「とらハからは、他に誰が?」

未定だったな。

美姫 「まあ、色々考えてたって事ね」

あはははは〜。いやー、本当に懐かしいや。

美姫 「と、そろそろこの辺で」

ではでは。

美姫 「また来週〜」



この番組は、雑記のコーナーを乗っ取ってお送りしました。










          



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