2007年5月〜6月

6月29日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、いい加減、ここの文句も尽きてきたよとお届け中!>



ごきげんよう。

美姫 「ごきげんよう」

濁った曇り空に今日も何気ない挨拶が表面上は飛び交う。

美姫 「天使のような笑顔を振り撒いて」

心身を包むのは恐怖と言う名の鎖。

美姫 「スカートのプリーツは乱さないように、じっくりと甚振るのがここでの嗜み」

もちろん、逃げるなんて無駄な事をするような俺ではなく。

美姫 「迷わず斬り裂くはただ一つの煌き」

……って、何じゃこれは!?

美姫 「いや、何もアンタがやりだしたんじゃない」

かもしれんが、何故殺伐とした感じに?

美姫 「そうかしら? 普通じゃない」

いやいやいやいや。
俺が可哀想だろう。

美姫 「???」

本気で不思議そうな顔するなよ!

美姫 「それはそうと、SSはどうなってるの?」

あ、あー。とりあえず頑張ってますよ、はい。
リリ恭なのを中心に。

美姫 「の割には、そのリリ恭なのが更新されていないような?」

あ、あれれれ?

美姫 「はぁぁぁ」

呆れつつも、いつのもの事というような顔をするなんて器用な真似しやがって。

美姫 「アンタのお陰でね」

うぅぅ、皮肉がチクチクと胸に……。

美姫 「はいはい」

くっそー、この程度で凹んでられるか!

美姫 「アンタは少しぐらい凹みなさいっての」

ぐえっ!

美姫 「さて、馬鹿な事はこの辺にして」

C〜。

美姫 「M〜」







風芽丘学園の一年のとある教室は、朝のHRの時間帯だと言うのに少々賑やかな事態となっていた。
というのも…。

「一条院美紗希です」

首元で長い髪を二つに分けて結んだ少女がそう自己紹介した瞬間、
席に座っていた生徒が嬉しそうに後ろの生徒へと話し掛ける。

「美由希ちゃん、新しいお友達ができるかな?」

「くすくす。ユナちゃんだったらできるんじゃないかな。
 と言うよりも友達になりたいんでしょう」

「うん!」

美由希の言葉に美しい金髪を纏めた少女、神楽坂優奈は楽しそうにそう答える。
と、美由希はユナと楽しそうに話していた視線を一瞬だけ転校生として紹介した美紗希へと転じる。

(気のせいだったのかな?)

先ほど、美紗希から鋭い視線を受けたと思ったのだがどうやら勘違いだったらしく、
美紗希は先生に示された席へと歩き出す所であった。



「恭也せんぱ〜い。お昼一緒に食べましょう」

昼休みが始まって間もなく、3年G組の入り口からそんな声が掛けられる。
顔をひょこと出すユナに苦笑しつつ、恭也はユナと一緒にいた美由希、リアと共に場所を中庭へと移す。
それぞれに弁当を広げつつ、話題は今日ユナたちのクラスに来た転校生の話になる。
楽しそうに話すユナと美由希を眺めながら、リアは少しだけ恭也のほうへと近付くと、
顔は二人に向けたまま、恭也へと小さな声で話し掛ける。

「あまり疑いたくはないんですが……」

「その転校生に何か感じたのか?」

「感じたと言うか、実際に一瞬だけですが睨むようににユナの事を……。
 いえ、あれは観察するような……」

「そうか。思い過ごしなら良いんだがな。まあ、一応気に掛けておいた方が良いかもな」

「ええ。あの子は能天気すぎますから」

リアの言葉に小さく笑い合う二人に気付いたユナが、何の話をしていたのかと近付いてくる。

「いや、別に大した事じゃない」

「だったら教えてよ〜。じゃないと…」

瞳をあっという間に潤ませるユナに、それが嘘泣きだと分かっていても慌てる恭也。
助けを求めるように美由希を見るが、美由希は完全に顔を背けて知らない顔をする。
ならばとリアを見るも、リアも素知らぬ顔であまつさえ、美由希と話を始める。
この二人もユナの涙には弱いのか、完全に知らん振りを決め込んだようである。
などと助けを求めている間にも、ユナの瞳には滴が浮かび上がり……。

「あー、ユナ。いいものをやろう」

こんな時のためにとばかりに懐に入れていた写真を取り出す。
手渡された写真を受け取り、眺めること数秒。
泣きそうな顔で恭也に詰め寄っていたユナの顔が蕩けきる。

「はぁぁ、ポリリーナ仮面さま〜」

目を覆う大きな仮面に白いコスチュームを着たポリリーナの写真に、
ユナはすっかり先ほどまでの出来事を綺麗さっぱりと忘れ去る。
ほっと胸を撫で下ろした恭也であったが、ふと視線を感じたような気をして空を仰ぎ見る。
だが、そこには何もなく気のせいかと首を振る。
そもそも、空から視線を感じるなど。
と思いつつも、その視線の先に屋上があるのに気付いて目を細める。
だが、怪しい人影も見えない。本当に気のせいだったのか、もしくは既に場所を離れたのか。
どちらにせよ、いつまで見ていても仕方ないと恭也は昼食を再開するのだった。



「私の素性は、銀河安全保障理事国の査察官、セイレーン。
 神楽坂優奈、貴女を銀河支配を目論む第一級反逆者として逮捕します!」

――ユナの前でその正体を現す転校生、一条院美紗希

全く覚えのない罪でセイレーンに逮捕されるユナ。
裁判の結果は超ブラックホール追放の刑となり……。

「恭也、大変ユナが」

「分かっている、リア。まずは、一条院、いや、そのセイレーンと会う必要があるな」

「うー、ユナさんを助け出すです!
 ユーリィも頑張るです。でも……、お、お腹が、はっ! ご、ご飯はあとにするです!」

「えっと、おにぎりで良かったら晶に頼むけれど」

「お願いするです、美由希さん!」

「お前ら、本当に事態を理解しているのか?」

緊張感があるようなないような一行はユナを救い出すべく動き出す。
ユナ逮捕の裏に隠された陰謀とは。

銀河剣士伝説 〜悲しみのセイレーン〜 近日?







いやー、かなり懐かしい作品とのクロスだな。

美姫 「本当よね」

それにしても、もう夏なんだよな。

美姫 「いきなりの話題ね」

まあな。ほら、暑いのが苦手の俺としましては、ねぇ。

美姫 「夏だ! 海だ! 山だ! ってなテンションにはならないの?」

うーん、夏、夏…。
盆だ! 蚊だ! 溶けるぞ!

美姫 「最初のは兎も角、それはどうかしら」

しかし、そろそろ気の早い蝉が鳴き出すかと思ったんだが今年はまだ聞いてないな。

美姫 「まあ、まだ六月だしね」

とは言え、後今日を入れて二日だぞ。
まあ、それでも六月といえば六月なんだが。
梅雨はいつ明けるのか。

美姫 「でも、今年はそんなに降ってないんじゃない?」

どうなんだろう。去年の天気なんて覚えてないし。ははは。

美姫 「まあ、そうなんだけれどさ」

雨は雨で乙なものなんだがな。

美姫 「場合によりけりよね」

確かに。出掛ける時に大雨は勘弁してもらいたいな。

美姫 「でも、雨の中を歩くのも中々風情があるんじゃないかしら」

和服の美女と傘。ぽつぽつと降る雨の中を一人、静々と歩く。
ふと道端に咲いている紫陽花に足を止めて。うんうん、良いな。

美姫 「いや、誰もそこまで想像しろなんて言ってないんだけれど」

まあまあ。さて、お喋りはこの辺にしておくか。

美姫 「珍しくSSでも書く気になったの?」

まあな。

美姫 「……今日は雨だわ!」

いや、雨だろう。

美姫 「槍が降るわ!」

降らねぇよ!

美姫 「冗談よ、冗談」

まあ、言われなれてるが。と言うか、それはそれでどうよ?

美姫 「さあ? それを私に言われてもね」

言われ慣れているという事は、それだけお前が言っているという事にならないか?

美姫 「つまり、それだけ言われるような事をしてるって事でしょう」

いや、それだけしてるって事は、真面目に書いているという解釈にならないか?

美姫 「それ以上にサボっているバカって事よ」

おお、なるほど。……ん? 何気に貶められている?

美姫 「気のせいよ、気のせい。それよりも、やる気になっている内にさっさと書きなさいよ」

へいへいほ〜。それじゃあ、今週はこの辺で。

美姫 「また来週ね〜」


6月22日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、雨にも負けず暑さにも負けずとお送り中!>



梅雨だな〜。

美姫 「梅雨よね〜」

ぼへ〜。

美姫 「って、だらしなく呆けている場合じゃないでしょう!」

ぶげらっ! 呆けていたのはお前もなのに、何故俺が殴られる?

美姫 「決まってるじゃない。私殴る人、アンタ殴られる人」

ああ……って、なんでやねん!

美姫 「はいはい。それよりも、SSの更新がされてないわね」

ギクギクギク。
なははははは〜。

美姫 「相も変わらず、笑って誤魔化すだけなのね」

いや、だって、ねぇ。

美姫 「言い訳なんていらないのよ! 欲しいのは更新したという事実だけなのよ!」

力説されましても…。

美姫 「やっぱり、これは何処かに閉じ込めて書かせる必要があるかも」

さらりと監禁、もしくは軟禁すると宣言しないでくれ、頼むから。

美姫 「アンタ次第ね」

結局はそうなるんだよな〜。
これでも頑張っているのに……。

美姫 「形として見えないとだ〜め」

う、うぅぅぅ。楽園は何処に?

美姫 「ないわね」

…………。

美姫 「はいはい、呆けた所でどうにもならないんだから、気合入れていくわよ!」

元気だな、本当に。
だが、確かに呆けていても仕方あるまい!
何としても、今年中にリリ恭なのを終わらせないとな。

美姫 「そうよ! 頑張るのよ!」

おおー!

美姫 「改めてやる気を充填した所で、CMよ〜」







ある朝起きたら、そこには……。

「おはよう」

喋る狐が居た。
正に狐に摘まれたような気持ちで目の前の狐をじっと見下ろす。
そんな恭也に向かい、狐はさも当然のように話し掛ける。

「君は騎士に選ばれた。共に世界を救おう」

言葉の内容は兎も角、恭也は女の子に変化する狐が居るのだから、
喋る狐が居てもおかしくはないかと自身を納得させる。
そんな恭也の葛藤など構いもせず、狐は一人話を進めていく。

「我が名はテル。姫を守る騎士の一人なり」

「とりあえず状況の整理をさせてくれ」

恭也は混乱する頭を押さえ、状況の把握に努める。
昨日の記憶を辿れば、いつものように起きて鍛錬をし、講義があったので大学へ。
午後からは時間が空いたので鍛錬をして、途中で帰ってきた美由希と軽く打ち合う。
後はいつものように家で寛いで深夜の鍛錬へ。
よし、何も可笑しな事はなし。
自分の昨日の行動を思い返し、何も変なところはなかったと確認する。
その上で、改めてテルと名乗った狐へと向かい合う。

「それで、お前は誰だ?」

結局のところ、この狐は何者なのか。
それが分からない恭也にとっては当然の質問であった。
最早、喋るという事は恭也の中では納得済みらしい。

「だから言っておろう。我は騎士が一人、テル」

「そのテルさんが何故、こんな所に?」

「テルでよい。これよりお主と我は運命共同体。
 変な遠慮はいらぬ」

知らない間に運命共同体にされた恭也は、益々困惑した顔を浮かべる。
浮かべながらも、そろそろ美由希が起き出した頃だろうと、自分もまた鍛錬の用意を始める。
後で那美さんにでも相談しようと考える恭也へと、テルは尚も話し掛ける。

「着替えながらでおいから聞くが良い。
 この地球は魔法使いによって滅ぼされようとしておる。
 それを阻止するのが我らのもう一つの使命!」

「……あー、いまいち事態が把握できないんだが」

「仕方あるまい。ならば、見る方が早かろう。
 外へと出るが良い」

着替えを終えた恭也の肩に飛び乗ると、テルは促すように前足で扉を指差す。。
仕方なく恭也は促されるままに庭へと出る。

「あれを見るが良い」

テルの前足が指す方向を見た恭也は、言葉をなくして立ち尽くす。

「何だ、あれは…」

ようやく搾り出された声に、テルが平然と答える。

「あれこそが魔法使いが生み出したこの地球を砕く人形」

恭也が見つめる先、遥か上空にまるで冗談としか言えない程の大きなハンマーの影が浮かんでいる。

「ビスケットハンマーじゃ」

「いつ、あんなものが。今まで気付かなかったぞ」

「さもありなん。あれはそこにあると意識した者のみが目視できる代物だ。
 故に、普通の人は気付きもせぬ。じゃが、これで理解したであろう。
 我らが騎士の使命は二つ。先ほど申したように、一つは姫の守護。
 そして、もう一つが魔法使いを倒して地球を守ることじゃ。それを見よ」

前足で今度は恭也の右手を指す。
見れば、中指に見慣れない指輪が嵌っていた。

「騎士の証である指輪じゃ。その指輪に意識を集中してみよ」

言われるままにする恭也。
途端、指輪から黒い球体のようなものが飛び出す。

「これは?」

「それは掌握領域といって、指輪の騎士となった者に与えられる特殊能力じゃ。
 お主の場合…」

言いかけるテルの口を塞ぎ、恭也は後ろを振り返る。

「おはよう、恭ちゃん。どうしたの? 庭になんか出て」

「いや、何でもない。それじゃあ、行くか」

「うん」

美由希を先に行かせ、恭也は塞いでいたテルの口を離す。

「大体の事情を分かった。流石に地球の破壊ともなると見逃せないからな。
 スケールの大きな話だが、出来る事があるのなら力になろう」

「おお、そうか。やはり我が眼に狂いはなかったようじゃ。
 これから共に戦おうぞ、我が友よ」

「ああ。それはそうと、他の皆の前では喋るなよ」

「ああ、気にしなくとも良い。我の姿はお主にしか映らん。
 後は、同じ騎士仲間にのみじゃ」

「そうなのか。……ちょっと待て。
 つまり、さっきからお前と話をしている俺は、傍から見たら…」

「そうじゃな。一人でブツブツと喋っている奴と映るじゃろうな」

「家の中で良かった」

心底安堵する恭也であった。
ともあれ、恭也はこの日を境に魔法使いと騎士による戦いへと巻き込まれることとなるのであった。
その裏に第三勢力が潜んでいる事など、この時の恭也が知るはずもなかった。



「この地球を砕くんは、魔法使いやない。この私の拳や!
 さあ、忠誠を誓え」

――魔法使いと対立する騎士たちが守るべき姫にして、自らの拳で世界の破壊を企む魔王 朝比奈さみだれ

「我が全ては魔王(ひめ)様のもの。姫の望みとあらば」

――さみだれに全てを捧げ忠誠を誓う騎士 雨宮夕日



この二人との出会いが、恭也の運命を大きく変えていく。

惑星のハ〜ト プロローグ……??







ふ〜、気合いが抜けていく〜〜〜〜。

美姫 「って、早すぎるでしょうが!」

ぶべらっ!
じょ、冗談だよ。

美姫 「アンタの場合、その手の冗談は信用できないのよね」

ちっ。

美姫 「ん?」

な、何でもないですよ、はい。
えっと、とりあえずは頑張るぞー!

美姫 「とりあえず、はいらないわよ。頑張りなさい!」

は、はい。

美姫 「で、予定的にはどうするの?」

とりあえず、リリ恭なの、極上、あとはAn unexpected excuseのリリなの過去編を何とかしたいな。

美姫 「したいな、じゃなくてするのよ」

……えっと〜。

美姫 「ふふふふ」

あははは。

美姫 「くすくす」

あ、あは……や、やります!

美姫 「楽しみだわ」

……うぅぅ。誰か助けて〜〜。

美姫 「何を言ってるのかしら。まるで私が苛めているみたいじゃない」

みたいじゃなくて、まさに……ううん、何でもないよ。

美姫 「くすくす。可笑しな浩ね」

あははは〜(涙)
こうなったら、にげ…。

美姫 「たらどうなるかは今更よね」

る訳ないじゃないか。がんあばるぞ〜、お〜(泣)

美姫 「楽しみにしてるわよ」

シクシク。いや、書く事自体は良いんだけれどな。

美姫 「だったら頑張りなさい」

へいへい。っと、そろそろ時間じゃないか?

美姫 「そうみたいね」

それじゃあ、こん週はこの辺で。

美姫 「また来週〜」


6月15日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、雨が降っても暑いじゃないかとお届け中!>



さて、今週もまたまたゲストの登場です。

美姫 「という訳で、いらっしゃいフィーア」

先週の始まり方と似たような感じだな…ぶべらっ!」

フィーア 「という訳で、ちょっとした変化をプレゼント〜」

そ、そんなプレゼントはいらないわっ!

フィーア 「お姉さまにはこれをプレゼントです〜」

美姫 「ありがとうね」

お願いだから、俺にも優しくしてよ!
と言うか、お前ら二人が組んだ時の俺の無視度や殴られ率がググッと上がっているような気がするんだが。

美姫 「気のせいだと思ってる方が幸せよ」

フィーア 「そうそう、思うだけはただですからね」

つまり、事実って事なのかっ!?

美姫 「そんな訳ないじゃないの。ねぇ、フィーア」

フィーア 「そうですよ。馬車馬のように書いてもらわないといけないんだから、無視なんてそんな」

その動機もどうかと。

美姫 「はいはい、バカはその辺に捨てておきなさい」

フィーア 「は〜い」

って、何故俺の襟首を掴む。

フィーア 「だって、今お姉さまが」

美姫 「ああ、言い間違えたわ。バカはその辺にしておきなさいだったわ」

フィーア 「あ、そうだったんですね」

美姫 「ごめんね、フィーア」

フィーア 「いいえ、間違いは誰にでもありますから」

……おーい、バカって所には否定ないの?
と言うか、お前らの中ではバカ=俺で決定なのか!?

美姫 「今更それを聞くの?」

フィーア 「うーん、はっきりと言って欲しいのかな?」

……えっと、遠慮しておこうかな。

美姫 「懸命な判断よ」

フィーア 「ですね」

う、うぅぅ。既に言われたような気がするんですが……。

美姫 「とりあえずは、アハトさんからのお土産ね」

フィーア 「はーい。それじゃあ…」

美姫&フィーア 「CMで〜す」







ネタだけど、パワーバランスは壊滅的です。
むしろ、これはSSですらないので、真剣にならないように。



時空管理局。
次元世界における司法機関として、遍く時空にその名を轟かせている機関である。
その中でも、更に有名な人物が一人居る。
時空管理局黎明期の伝説の三提督と並び。
一部の集団にはそれ以上に神聖視されている一人の女性。
管理局に登録されている人物データベースのほぼ全てのデータがUNKNOWN
いまだにその全てが明かされてすらいないと言う、規格外な女性。
そして、その手にあるデバイスですらロストロギア級のアームドデバイス。
ベルカ式カートリッジシステムが組み込まれており、最大装填数は十二発。
更に排莢は一切されず、空になり次第使用者から直接魔力を吸い上げる特殊機構を備えている。
それと対を成す自作型インテリジェントデバイス。
ただ1つの魔法に特化した、それ以外では役に立たないデバイス。
マジック・ドレインにのみ特化したこのデバイスのお陰で、もう片方のデバイスは成り立つ。
その二つのデバイスを駆る女性の名は……



「いやぁ、久しぶりだなぁ…あの娘達に会うのも」

ここは、ミッドチルダ中央区画湾岸地区にある機動六課の本部。
その隊舎の廊下を、一人の女性が歩いていた。
膝裏まで伸ばされた長い艶やかな黒髪。
身に纏う管理局の服でさえ、この女性が着れば何か特別な服に見えてしまう存在感。
現に、廊下で擦れ違う局員達が思わず動きを止めて見つめてしまっている。
そして女性は、徐に隊長室のドアを開けた。

「やほー、はやて」

突然ドアを開けて入ってきて挨拶をしてくる女性に、はやては一瞬動きを止める。

「ありゃ? おーい、はやてー?」

挨拶をしても返事が返ってこないことに女性は首を傾げる。

「な、ななななななな……」

「?」

「何で此処におるんですかーーーーっ!!!!?」

首を傾げる女性に向かって、はやては大声を上げる。

「ちょぃ、はやて…声おっきぃ……」

突然の大声に、女性は耳を押さえながら言う。

「はやてちゃんっ!!?」

「はやてっ!?」

そのはやての叫び声を聞いたのだろう、血相を変えてなのはとフェイトが部屋に入ってくる。
そして、目の前に居る人物を見て固まる。

「おりょ、なのはにフェイトじゃん。 背ぇ伸びたねぇ」

苦笑しながら、女性は二人に声をかける。

「あのっ…朱鷺さん、ですか?」

「以外に見える?」

なのはの問いに、朱鷺と呼ばれた女性は笑って聞き返す。

「朱鷺さんっ!!」

その朱鷺の笑顔をみて、なのはは朱鷺の胸に飛び込む。

「会った早々熱い抱擁かぃ…相変らずだねぇ、なのはは」

抱きついてきたなのはの頭を撫でながら、朱鷺は苦笑する。

「だって、朱鷺さんとは中々会えないから……」

少々顔を赤くしながら、なのはは言う。
そしてその後ろで、フェイトがなにやら羨ましげに見ている。

「フェイトも、おいで?」

そんなフェイトを見て、朱鷺は小さく笑いながらフェイトを呼ぶ。
それを聞いて、フェイトも顔を赤くしながら朱鷺に抱きつく。

「相変らずですね、朱鷺さん」

背中越しに、はやては苦笑しながら朱鷺に言う。

「【管理局のお姉様】の異名は、伊達やありませんなぁ」

「そうかな? 私から見れば皆可愛いからついつい可愛がってあげたくなるだけなんだけどなぁ」

はやての言葉に、朱鷺は苦笑しながら言い返す。


この女性、フルネームは水影 朱鷺。
ミッドチルダ在住の女性で、階級は一等空佐。
個人で事件に当たれる独立した権利を持つ、魔道師ランクSSSの管理局最凶の懐刀。
そしてなによりも、最強の…同性キラー。



「うぉっ、可愛い娘はっけーん」

「ひゃぅ!」

訓練室で訓練中に突然抱きしめられ、キャロは素っ頓狂な声を出す。

「みみみみ、水影一等空佐!?」

かなりどもりながら、キャロは抱きついてきた時の名前を呼ぶ。

「硬いなぁ、こうフレンドリーに朱鷺って呼んでみて?」

小さく笑いながら、朱鷺はキャロを更に抱きしめる。

「そっ、そんな…」

「んー、別に階級気にしてるんならいいよ? 私は別にこだわらないから」

撫で撫で擦り擦りしながら、朱鷺は言う。

「えと、じゃぁ…朱鷺、さん」

「はい、よく出来ました」

キャロに名前を呼ばれて、朱鷺は嬉しそうに顔を綻ばせ、キャロを離す。
そして、徐にキャロを自分のほうに向かせて……

「お近づきって、事で」

少し顔が赤かったキャロの頬っぺたに、キスを落とした。
その行為に、キャロは一瞬動きを止める。
そしてキスをされた事を理解して、更に顔を真っ赤にする。

「ホント可愛いなぁ…お持ち帰りしちゃっても大丈夫かな?」

「えっ、えぇぇぇぇぇ!!?」

朱鷺の言葉に、キャロは驚いて声を上げる。

「朱鷺さん、誰彼構わずそんな事してるんですか?」

その声を聞きつけたのか、朱鷺の後ろで溜息をつきながら、フェイトが朱鷺に声をかける。

「誰彼とは心外だねぇ、私は可愛い娘には素直に可愛いって愛情表現してるだけじゃない」

キャロを抱きしめたまま、朱鷺は振り返ってフェイトに言い返す。

「それが色々問題だと思うんですけど?」

フェイトにしては珍しく、少し剥れながら朱鷺に言う。

「はっは〜ん、つまりはあれかな。 フェイトはもっと私に構って欲しい、と?」

ニヤニヤと、意地の悪そうな顔で言い返す朱鷺。
その言葉を聞いて、フェイトの顔が一瞬にして真っ赤になる。

「キャロ、ちょっと私はフェイトとお話してくるから、また今度ね」

「あっ、は、はい」

ウインクしながら言う朱鷺に、キャロも少し顔を赤くしながら頷く。

「じゃ、指きり」

そう言って、朱鷺は自分の小指とキャロの小指を絡ませて指きりをする。

「ではでは、ウサギちゃんなフェイトに付き合いますか」

笑いながらそう言って、朱鷺はフェイトを連れて訓練室を出て行った。



(あれが噂のガジェットドローンとか言うやつかぁ…って事は、近くにレリックあり?)

念話で、朱鷺ははやてに確認を取る。

(はい、多分その近くにあると思います)

(おっけぇ、んじゃまさっさとやりますか)

はやての言葉に頷き、朱鷺は両耳に付けている金の鈴と銀の鈴に手を伸ばす。
普段は耳にイヤリングとして付けているそれを外し、握り締める。

「切り裂け 切り捨て 切り倒せ 吹き荒べ剣嵐 刹那・夜深…Set up!!」

朱鷺は叫ぶと同時に、鈴を上空へと投げる。
刹那、眩い光りと共にその鈴が二振りの刀へと姿を変える。
そして、管理局の支給品である制服が戦闘用のバリアジャケットへと変わる。
上半身は紺色の甲冑で、下は膝より少し上までの純白のスカート。
そして上半身に羽織られた白い羽織と、首に巻きついたかなりの長さの赤いスカーフ。
さらに、左目だけを隠すような仮面が、顔に装着される。

「行くわよ、刹那、夜深」

≪≪all right, my master.≫≫

朱鷺の声に反応し、デバイス達が恭順する。
ロストロギア級のアームドデバイスとインテリジェントデバイス。
アームドデバイス【刹那】とインテリジェンスデバイス【夜深】
全てが黒で統一された刹那と、それとは対称に全てが白で統一された夜深。

「さぁてと、毎回の口上を叩き付けるわよ」

かなり楽しそうな笑みで、朱鷺はデバイスを掲げる。
朱鷺は、戦闘が始まる時に決まってこの口上を好んで叫ぶ。
その口上とは……

「乙女の人生邪魔するやつと、他人の幸せ邪魔するやつは、私に斬られて三途の川よっ!!!」

叫びと共に、朱鷺はガジェットドローンへと斬りかかった。





これは【管理局のお姉様】と呼ばれる、ある一人の女性の物語。
全てが謎に包まれた女性の生き筋を辿り、少女達との日常を描く。

タイトル未定



連載はしない方向で。







ぐしゅぐしゅ。どうせ、俺なんて、俺なんてぇぇぇ。

フィーア 「お姉さま、さっきからずっと鬱陶しいのが」

美姫 「まあ、梅雨だからね〜。多少じめじめするのは仕方ないわよ」

って酷いなお前ら。少しは慰めようとは思わないのか。
例えば、メイドの格好をしてみたり、メイドの服を着てみたり、メイドのコスプレをしてみたり、
メイドの服を装着してみたり、メイド服を装備してみたり、メイドさんになりきってみたりとかして。

フィーア 「つまる所、要求は一つなんだ」

いやいや、今、六つぐらいあげたぞ。

美姫 「はいはい、バカな事ばっかり言ってないの」

あっさりと流されるのも虚しいんだが。
まあ、それはさておき。

フィーア 「報告があると聞いたんですけれど」

そう! その通りなのだよ、フィーアくん。
それじゃあ、美姫くん宜しく頼むよ。

美姫 「はい、室長!」

フィーア 「相変わらず、その辺りの息はぴったりなんですね」

ほら、私語を挟まない。では、頼むよ。

美姫 「はい。まずは、頂きもののコーナーに関してです。
    一覧は流石に難しいので、それを二つに分けたタイプを頂き物2として設置しました」

うんうん。私の仕事が増えたね〜。

美姫 「アンタの苦労なんて知らないわよ」

何か言ったかな?

美姫 「いいえ、何も。では、続けますね」

ああ、頼むよ。

美姫 「ですが、やっぱり転送量の関係もあるので、
    いつまでこっちの方は続くかは分かりませんのであしからず」

その辺はご了承ください。
因みに、こっちの頂き物2に関しては容量も現在でギリギリと言う状態です。

美姫 「まさに、四方塞がり」

だが、限界まで頑張ります!

フィーア 「お姉さま、頑張ってください!」

美姫 「任せなさい!」

えっと、俺にはないの?

フィーア 「はいはい、がんばれ〜」

うわっ、滅茶苦茶やる気ないし!

美姫 「と、まあお知らせはこれだけね」

うん。とりあえずは、今の形で当分運営しますので、また何かあればご報告をお願いします。

フィーア 「それじゃあ、そろそろ次に行きましょう、お姉さま」

美姫 「そうね。それじゃあ……」

美姫&フィーア 「C〜M〜」







それはある休日の午後の事であった。

「ねえ、お姉ちゃんお願いがあるんだけれど」

「うん、何? すずかがお願いだなんて珍しいわね。
 何でも言ってみなさい。出来る事ならきいてあげるわよ」

そうウィンクしながら軽く引き受けた事を忍が深く後悔するのは、そんなに遠くはなかった……。



なのはとフェイトが魔法使いだと知っても、四人の仲は変わる事がなかった。
そこにはやてという新しい友達も増え、日々は平穏に流れて行く。
だが、すずかは偶に怪我をするなのはたちを見ては心を痛めていた。
そして、いつからか力になりたいと思うようになっていたのだ。



「封印指定のロストロギア?」

「ああ、そうだ。それが君たちの世界、それも海鳴を中心とした半径数十キロの何処かで反応があった。
 見つけ次第、即座に結界を展開してアースラへと連絡を」

クロノから突如として入った連絡。
なのは、フェイト、はやての三人はそのロストロギアを探して探索を開始する。



「妖怪?」

「うん。わたしの世界に昔から伝わる人とは少し違う生き物なんだけれど…」

「なのはちゃんの言う通りや。あれは天狗に違いないで。
 いやー、まさか実在するなんてな」

三人の魔法少女の前に立ち塞がる妖怪の群れ。

「って、襲ってきてるよ!」

襲いくる妖怪の群れを前に、アースラからの解析データが送られてくる。

「三人共、目の前のソレはロストロギアによって作り出された偽者だ。
 ただし、その能力はその地の伝承に基づいて与えられているらしい。
 こればっかりは、僕は現地の人間じゃないから分からないけれど」

「数が多すぎるよ」

「大きいので一気にやった方がええんとちゃう?」

「はやて、私となのはで時間を稼ぐからお願い」

「任せとき」

妖怪たちに対して作戦を決めてその通りに動き始めた三人。
だが、僅かな隙を付かれて妖怪の数匹がはやてへと襲い掛かる。

「はやてちゃん!」

なのはの悲鳴が響く中、しかし地へと落ちていくのははやてではなく天狗の方であった。
見れば、はやての前にはマントを身に纏い、やたらとヒラヒラの多い洋服に身を包んだ一人の少女が。
その手には見慣れない剣を手に宙に浮かんでいた。
だが、何よりもなのはたちを驚かせたのは、その少女の顔がよく見知ったものであったからである。

「……すずかちゃん?」

半信半疑に呟いたなのはの言葉に、すずかは肯定するようににっこりと微笑む。

「え、何ですずかちゃんが空を飛んでるん!?」

「はやてちゃんだって飛んでいるじゃない」

「それはそうやねんけれど…。って、違うやん!」

「くすくす。冗談だよ。えっとね、これのお陰なの」

言って左手に付けられた小さなアクセサリーを見せる。

「お姉ちゃんに頼んで造ってもらった。
 私たちの一族に伝わるロストテクノロジーとデバイスの融合だってお姉ちゃんは言ってたけれど。
 無理を言ってユーノくんに設計図を貰ったの。お姉ちゃんにも頑張ってもらって、ようやく完成したの」

その姉である忍は徹夜続きから解放され、自室のベッドで思う存分に睡眠を楽しんでいる途中であった。

「こっちの剣はなのはちゃんたちの杖みたいなものかな。
 これで私も皆の力になれるよね」

そう言って微笑むすずかに、なのはたちは顔を見合わせると、その気持ちに嬉しそうな表情を見せて頷くのだった。
新たな魔法少女がこの夜に加わる。

魔法少女ムーンナイトすずか プロローグ 近日XXXX







今回はちょいと短めにお届け〜。

美姫 「怠慢ね」

フィーア 「しかも、月村だからムーン。夜の一族だからナイトって」

いやいや、そのナイトには騎士という意味のナイトもかけてあって。

美姫 「はいはい。えっと、後は何かあったかしら?」

シクシク。別にもう報告する事もないし。
SSは書けてませんよ。

フィーア 「拗ねちゃいましたね」

美姫 「まあ、これぐらいなら大丈夫よ」

フィーア 「それじゃあ、今週は早いですけれど、この辺でお終いですか?」

美姫 「そうね。さっさとこの馬鹿に書かせないといけないしね」

まあな。流石に更新できていない状況はやばい。

フィーア 「珍しくやる気ですね」

美姫 「最近はね」

はははは。もっと褒めろよ〜。

美姫 「あまり褒めると調子にのるからここまでね」

うっ。

フィーア 「流石によく分かってますね」

美姫 「まあね。って、いじけてないで、さっさと締めなさい」

へいへい。それじゃあ、今週はこの辺で。

美姫&フィーア 「また来週〜」


6月8日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、暑いのが何さと叫びつつもお送り中!>



さて、今週はゲストの登場です。

美姫 「という訳で、いらっしゃいブリジットちゃん」

ブリジット「お邪魔しますです」

お久しぶりです。

ブリジット「久しぶりです」

美姫 「元気そうで何よりね」

ブリジット「はいです」

にしても、夏も近付きつつある今日この頃…。
俺はもう溶けそうです。

美姫 「早いわね。まだ夏という程じゃないでしょう!」

ブリジット「溶けるところは驚かないですか」

美姫 「うーん、今更だし」

いや、それは言葉のあやだから。

ブリジット「実際に溶けても違和感ないですよ」

う、うぅ、胸が痛いよ。

美姫 「適度に浩を弄ったところで…」

苛めたの間違いじゃないのか。

ブリジット「はい、お土産です」

って、無視しないでください。

美姫 「はいはい、後でちゃんと構ってあげるから」

ブリジット「今は大人しくしててください」

うん、分かった。って、何でやねん!
何だ二人して、その俺がまるで我侭を言って困らせてもう、みたいな反応は!

ブリジット「煩いです。行き成り耳元で叫ばないで欲しいのです」

美姫 「ふふ、大人しく黙るのと、強制的に黙らさせるのと、どっちがお好き?」

大人しくしてます……。

ブリジット「さすがです」

美姫 「まあね。さーて、それじゃあ……」

美姫&ブリジット「CMで〜す」







「さぁ、始まるザマスよ」
「いくでガンス」
「フンガー!」
「まともに始めなさいよ!」



らき☆とら





『呼び方』

いつものように休み時間に教室で屯するこなた達四人。
ここ最近の話題は先輩であり、こなた以外の三人の共通の思い人でもある高町恭也の事が多い。

「そういえばさ、私達高町先輩の妹さんとはあんまり話した事ないよね?」

突然そんな事を言い出すかがみにこなたは嬉しそうに、

「なになにかがみん、敵情視察ですか?」

と身を乗り出してにやける。

「美由希さんはちょっと人見知りする子ですから……会いたければ教室か図書室、
 今はお昼ですから学食か中庭にいけば大抵はどちらかにいらっしゃいますよ?」

「よぉし! それじゃいってみよ〜♪」

そしてみゆきの言うとおり中庭で恭也や忍達と弁当を広げている美由希を簡単に発見。

「美由希さん」

「ん? あ、みゆきちゃん。お友達?」

知り合いという事でみゆきが声をかけると、美由希はから揚げを口に放り込んだまま箸を咥えて首を傾げている。

「みゆきか。それにこなた達も……いったいどうした?」

「いえね、同学年なのに恭也さんの妹さんとはお話した事ないなぁって話してたら、
 それなら会いに行ってみようって話になって……恭也さんは相変わらずギャルゲってますねぇ」

「……何の話だ? それよりもコイツに会いにきたのならぜひ友達になってやってくれ。
 何処にいってもやってる事が読書と庭弄りだけなんで少々心配していた」

「恭ちゃんにだけは言われたくないよっ?!」

こなたと恭也の会話が聞こえていたのか美由希が力いっぱいつっこむ。

「それよりもみゆきさん」

「「はい?」」

「……ややこしいわね」

「名前同じだしね」

こなたの呼びかけに同時に返事をしてしまう二人の“ミユキ”。かがみとつかさが苦笑いしている。

「そういえば私達両方と知り合いなのって……」

「恭也さんだけですね。どうりで今まで困らなかったわけです」

当の本人達もそう言って苦笑している中、こなたが興味深そうに恭也に尋ねる。

「んじゃ恭也さんは二人をなんて呼んでるんですか?
 こいっちゃ何ですけど二人とも眼鏡だし童顔だし、結構似てて呼び分け難そうなんですけど……」

そんなこなたの問いかけに、恭也は少し考えるような仕草を見せた後みゆきを見て、

「こっちはみゆきだな。そうとしか呼んでない」

といい、そして美由希のほうをむいて小さく微笑むと、

「こっちも大体は美由希と呼んでいるが、まぁ呼び分けるとしたら……」

『したら?』

「馬鹿弟子」





『ドジっ娘』

「さ、さすがに私達はそんな呼び方できないわよねぇ」

るーるーと涙を流してへたり込んでいる美由希を気の毒そうにみながら美由希の呼び方を思案し始めるかがみ。

「私はゆきちゃんの事はゆきちゃんって呼んでるから、
 普通に美由希ちゃんって呼んでも大丈夫そうだけど……みゆちゃんの方がいいかな?」

「私はそもそも自分の事を名前で呼びませんし、今までどおり美由希さんとお呼びしますね」

案外簡単に呼び方の決まったつかさと、そもそも片方が自分なので全く困らないみゆきは、
そう言って残りの二人に視線を向ける。

「んじゃあさ、ちょっと二人の違いをあげてみようよ。ニックネームを付けられるかも」

そう言って視線を皆へまわすこなた。どうやら皆にあげてほしいらしい。

「つかさのと同じではいけないのか? ウチの弟子には不相応だがいいあだ名だと思うぞ?」

「ダメだよ恭也さん。折角同じ名前なんだからなんかインパクト付けないと」

「私はつかさと一緒でいいわ。みゆって呼ばせてもらうけど、それでいいかな?」

「あ、はい。えっと、かがみさんでしたよね? よろしくお願いします。つかささんも」

「うん。よろしくね、みゆちゃん」

「よろしくー、みゆ」

どうやら“みゆ”という響きが可愛らしくて気に入ったのか笑顔で頭を下げる美由希。
そんな三人を見て微笑ましげに少し表情を柔らかくしていた恭也だったが、
いまだ一人難しい顔をして考えこんでいるこなたに、

「こなたももういいだろう? 特に奇をてらう必要もあるまい」

と苦笑しながら背の低いこなたの頭にぽんっと手を置く。
くすぐったげにその手を見上げていたこなただったが、やがて諦めたのか一息つくと、

「んじゃ私はみゆみゆで〜。よろしく〜、みゆみゆ〜♪」

「よ、よろしくね、こなたさん」

「でもさ、恭也さん。二人にはなんかインパクト強い特徴とかないの?」

そんなこなたの問いかけに恭也は、

「あるにはあるが、二人とも同じだからな」

とため息をつく。
そんな恭也の様子にこなたが首を傾げながら二人の“ミユキ”をみてやると、

「それじゃあ美由希さん。改めてよろしくお願いしますね」

「うん。こちらこそよろしくね、みゆきちゃん」

と二人で笑いながらお辞儀をし、そして、

「「あうっ?!」」

ものの見事にお互いに頭突きをかましていた。

「……一番の特徴が、二人ともあれなんだ」

(二人ともドジっ娘ぉぉぉぉ?!)





『優しい人』

昼休み。昼食を買うための列に並ぶこなた達。

「ところでさ、三人とも恭也さんの魅力に関して語ってみる気はないかい?」

ただ列に並んでいる事に退屈したのかこなたがそんなことを言い出した。

「とりあえず私の知ってる恭也さんの魅力は……あの鈍感さだね。
 最近ではありえないほどにモテる人なのにそれに気付く気配すらないところがグーだね」

そう言って他の三人を見回す。

「私は……やっぱりあの笑顔かな? とっても綺麗なんだよ〜。ちょっとぎこちない所とかが逆にいいよねぇ。
 やっぱり普段あんまり笑わない人だから余計に綺麗に見えるんだよ」

乗せられやすいつかさがそう言って、恭也の笑顔を思い出したのか頬を染めてにやけている。

「私はときたま見せる子供っぽい表情とか仕草かな?
 普段は落ち着いててとっても大人っぽいんだけど、たまにすっごいあどけない顔するのよ。
 きょとんって感じで首傾げたりしてるときなんてホント、可愛いのよね。
 あと赤星先輩と話してる時とかは結構子供っぽく笑ってる事があるのよ。
 そん何見たときはちょっとラッキーな感じがするわね」

「ほっほう? 結構恭也さんのこと見てるんだねぇ、かがみん? もしかして後つけたりとかしたりしてない?」

「するかっ! あたしゃストーカーかっ?!」

かがみにのみつっかかるこなたにかがみがつっこんでいる中、最後の一人のみゆきが、

「私は結構前から恭也さんの事を知っていますけど、やっぱりあの優しい所ですかね。
 困っていると、私にも出来ると思ってくださっている事にはちゃんと決して手を出さずに励ましてくれますし、
 それでも最後は必ず助けてくださるんです。こういうのを本当の優しさというんでしょうか」

そう言ってうっとりとしているみゆき。つかさの時と同じく、そんな状況を思い出しているのだろう。
そんな中かがみを一通りからかったこなたが、

「ところでみゆきさん。今日は何を買うの?」

「はい。サンドイッチを頂こうかと……は?!」

「みゆき……また列違う……」

「が、頑張ってゆきちゃん」

以前と同じおっちょこちょいをまた繰り返してしまったみゆきが恥ずかしそうに列を出て並びなおそうとしたその時、

「ん? みゆき、どうした?」

恭也が四人を見つけて声をかけてきた。

「い、いえあの……サンドイッチを頂こうと思ったのですが……列を……」

「間違えたわけだ。こなたは気付いてただろ? 教えてやればよかったのに……はぁ、しかたない。みゆき」

「は、はい」

「塩ラーメンを大盛りで頼んでくれ」

「……はい?」

「そしてお前がこれを食べればいい」

そう言って恭也が差し出したビニール袋の中には数種類のサンドイッチが入っていて、
その中にはいちごサンドやフルーツサンドも数個、入っていた。

「実は俺は向こうに並んでいたのだが少々出遅れてな。
 残っていたのはこれくらいで……甘いものは苦手だし、誰かと交換できればと思っていたところなんだ」

それならば、とみゆきは恭也と並んで頼まれたとおりに塩ラーメンの大盛りを頼み、
そしてそれと交換にいちごとフルーツのサンドイッチを渡される。

「ありがとうな、みゆき。助かった」

「いえ。こちらこそ、ありがとうございました」

そう言って恭也が去っていった後、かがみが何かに気付く。

「そういえば……さっきこなたは気付いてたってどういう意味よ?」

こなたはブーっと不貞腐れたような表情で、

「恭也さん、さっきまで私達のちょっと前に並んでたのに……」

「「「……え?」」」

「私達見つけてちょっとなんか考えてたと思ったら列出ていった」

「「……それって……」」

「そうやって無自覚にフラグ立てまくんのやめよぉよ、恭也さぁぁぁん」

そう言うこなたの視線の先には、

「あれ? 師匠今日はサンドイッチにするって……」

「気が変わった」

何食わぬ顔で席につく恭也がいた。

(天然だよ。あの人絶対天然ジゴロだよぉぉぉ)





『ついに……?!』

「むむむむむむむむむむうぅぅぅぅぅぅ……」

「……とりあえずどうした、こなた?」

帰宅途中、なにやら唸りだしたこなたに、かがみが仕方ないと言わんばかりに声をかける。

「なんで恭也さんは私以外とばっかりフラグ立てまくってんだろ?」

「……そうねぇ。さっきのお昼といい、確かに自分では気付いてない所で気を惹きまくってるわね」

そう言ったかがみの視線の先には先ほど思わぬ形で恭也にドジを救われたみゆき。
ちなみに貰ったサンドイッチのいくつかはまだ大事にとっておいてあるらしい。

「こなちゃんは私みたいにドンくさくないし、ゆきちゃんみたいなドジもしないし、
 恭也さんに助けてもらったりすることがないんじゃない?」

「そうですね。そういえば私達三人とも恭也さんに助けられて、そ、その……好きに……」

「そ、そうね。たしかにそういった意味じゃこなたにはそういった面で弱点がないしね」

「……むぅ」

三人のもっともな台詞に思わず納得してしまって唸るこなた。

「たしかに……あたしってそういった欠点がないんだよねぇ……」

聞こえようによっては、特に同じ名前の二人あたりには羨ましい事この上ない台詞も今は全く意味をなさない。

「オタクだし、ギャルゲーどころかエロゲーだってやっちゃうし、
 アウトドア派なのに引きこもりだし……あたしゃ所詮ロマンスとは縁のない女なのさ」

「な、なにもそこまで……」

「そうだよこなちゃん……」

「げ、元気出してください……」

なにやら地面にのの字を書き始めたこなたに三人は半分悪ふざけだとわかってはいても励ましの声をかける。

「そうだぞこなた。そんなに自分を卑下するものではない」

「「「恭也さん?!」」」

突然現れた恭也に驚く三人。こなたは未だしゃがんだまま。
そんなこなたの横に恭也は屈みこむと、

「お前はお前でいいところがある。
 なんだかんだでこの四人だってお前が中心で纏まっているようなものだし、
 お前は人を惹きつける魅力があるんだと俺は思っている」

と子供をあやすようにこなたの頭を撫でる。

「身体的に少々小さめなのも特徴といってしまえばそれだけの事だ。
 その長い髪は綺麗だと思うし、一緒にいて楽しいと思う。
 そういった事にはあまり通じていない俺にだってお前の魅力はきちんと見つけられる。
 だから安心しろ。お前の魅力に気付く人だって必ずいるはずだ」

そう言うと恭也は最後にこなたの頭を一撫でし、小さく微笑んで店の手伝いにいくと言い残してその場を去った。

「よかったね、こなちゃん。恭也さんはちゃんと分かってくれてるよ」

「よかったですね、こなたさん」

つかさとみゆきがこなたの両脇に屈みこんで声をかけるも、聞こえていないようだ。
よくみるとこなたは軽く頬を染め、恭也の去っていった方向を呆けたように見続けている。心なしか潤んだ瞳で。
そんな状態のこなたにまだいじけているのかと心配そうなつかさとみゆきだったが、かがみは愕然としていた。
そのこなたの表情で気付いてしまったのだ。つまり、

(恭也さん、ついにこなた相手でまでフラグを立てましたかっ?!
 ってゆーかなんでそんなにさらっとそんな赤面物な台詞が言えるんですかっ?!
 あんた全自動女性陥落機ですかっ?!!)



ちょっと甘めに長めでお送りしましたっ! オチが弱くてスイマセン!
ではっ!







らきすた第二弾!

美姫 「今回はちょっと甘い雰囲気が」

ブリジット「遂にこなたまで落ちたです」

さくさくと読み進めれるというのは凄いよな。
文章が上手い。

美姫 「感心しているバカは一先ず置いておき」

さりでに毒舌だな、おい。

ブリジット「今回のネタは二段仕立て」

美姫 「という訳で…」

美姫&ブリジット「再びCMです」







とある日の朝。大学に向かうべく家を出た恭也の前に懐かしい顔が現れた。

「よ、恭也。久しぶりだな」

「和麻か。確か最後に会ったのは……中国でだったな。その後どうだ?」

「相変わらずだよ。ちょっと気が向いたんで帰ってきたんだが、早々に元実家の仕事とかち合ってな。
 胸糞悪くなったから懐かしい顔を見たくなった」

「そうか……。まぁ上がっていけ。暫く留まるなら家に来ればいい。厄介事なら協力するぞ?」

「そうか!? そりゃスッゲー助かる。ホテル暮らしは馬鹿にならねぇんだ。
 確か実家は喫茶店っていってたよな? 宿代は暇な時手伝うってのでどうだ?」

「ああ、助かる。では上がって……いや、荷物を置いてついてきてくれ。かあさんに了解を取りがてら紹介しよう」





神凪和麻が八神和麻と名を変えて、風の精霊王と契約をしてから数年。
日本に舞い戻って最初の仕事でいきなり神凪の分家の人間と鉢合わせて少々気が立っていた和麻は、
契約者となった後中国で流浪の旅をしていた時に出会った恭也の事を思い出して風の精霊を使って居所を探した。

「いやぁ、お母さん可愛いな。妹さんもなかなか美人だし、それにお前以外は皆女の子らしいし、
 こりゃいいとこ転がり込んだな」

桃子への挨拶を終えて早々、嬉しそうにそう言って恭也の肩を組む和麻。
和麻の同居を快く了解した桃子は、その後暫く大はしゃぎで和麻に恭也の普段の事や、
中国で会った時の事などを根掘り葉掘り聞き始めた。さすがの和麻が勢いに押されてたじろいでしまうほどで、
仕事そっちのけだったために松尾に耳をつままれて厨房へ戻っていった時は
恭也と一緒に安堵のため息を漏らしていたほどだ。

「否定はせんが、手は出すなよ? お前が父親や弟というのは激しく遠慮したい」

和麻には今は亡き忘れられない想い人がいる。その事を知っている恭也は冗談半分にそういって苦笑する。

「かなり惜しいが……それに関しては同意見だ。年が同じなうえ実力が自分より上の息子なんざ勘弁願いたい。
 お前が兄貴ってのは……色々煩そうだしな。……ところで松尾さんってのも綺麗な人だったな」

「それはもういい……で、何人だ?」

「とりあえず一人。風牙衆だな。という事は情報収集って事だ」

肩を組んできたのはその為だと分かっていた恭也は、答えにくい質問が来たところで話をそちらに持っていく。
和麻もまた、もともとそのつもりでわざと話をそちらに持っていっただけに切り替えも早かった。

「お前の実家だな。何かあったと考えるのが自然だが……家に戻るのは得策じゃない。
 とりあえず仕掛けてくるまで待つか」

「ああ。おそらくそれなりの実力の奴が来ると思うが、恭也は大丈夫か?」

「お前の風術のような出鱈目さでなければどうとでもなる。
 お前と同等、もしくはそれ以上というのなら多少無理をせねばならんが」

コントラクタークラスが相手でも多少の無理でなんとかなると言ってのける恭也に和麻は苦笑をこぼすが、
決して否定しようとはしない。恭也の実力は分かっているのだ。
少なくとも術なしでは和麻とて足元にも及ばない。術があっても当てるのは至難の業。

「まったく、お前人間としちゃ間違いなく最強だな。むしろ生身で人間を超越してやがる」

「失敬な。それに俺よりも叔母のほうが上だ。美由希も俺に迫りつつある。
 ほら、身近にこれだけいるのだから……」

「それはお前の一族がおかしいだけだ」

恭也が自己擁護しようとするも和麻が容赦ない一言を浴びせる。
そんな調子で無駄話をしながら街を歩き続け、
日も暮れ始めた頃に二人は示し合わせたように人気のない工事現場へと足を踏み入れた。

「さて、お膳立てはしてやったんだが……」

「来たぞ。二人だ」

恭也の声に反応するかのように影から姿を現したのは、
見た感じ落ち着きのありそうな男と無さそうな男のでこぼこコンビ。

「久しぶりだな、和麻」

落ち着きのありそうな方の男がもう一人を制して和麻に声をかける。
和麻は少々考えるように顎に手を当てると、

「ああ、大神の跡取りか」

と、合点がいったというふうに手を一つ叩く。
その男、大神武哉は和麻の横で何も言わずに悠然と立っている恭也へと一瞬眼をやると、
無視することに決めたのか優越感に浸っているような態度で一歩前へと踏み出た。

「用件は、分かっているな?」

あくまでも自分優位といわんばかりの上からの物言いで確認する武哉だったが、和麻は肩を竦めて見せる。

「いや、全然。精々依頼人の前で結城の末っ子が無様な姿をさらしたところに追い討ちかけてやったくらいだが、
 それにしたって俺自身が手を下したわけでもねぇし……」

和麻としてみれば本当に心当たりがないのだから当然の事。
知らないから知らないと言っているだけなのだが、

「和麻、お前その態度少々改めんと本気で誤解されるぞ?」

恭也が危惧したとおり、もう一人の男のほうが完全に我を見失っていた。

「お前はカンケーねーんだ! 殺されたくなかったら失せやがれってんだ!」

「おいっ慎吾! 宗主は生きてつれて来いと。おい和麻、痛い目見たくなかったら大人しくついて来い!」

「ふざけんなっ! コイツは慎治を殺したんだ!
 そんなもん抵抗されたから止むを得ませんでしたでいいだろうがっ!」

完全に頭に血が上ってしまっている慎吾は、もうすでに宗主の命令など忘却のかなたへ飛ばしてしまっている。
かなりぶっとんだ慎吾を呆れたように見つめる和麻と恭也。
さすがの武哉も同類と見られたくないのかその表情はかなり微妙だ。

「最後だ。俺たちに従え」

「いやだね。誰が」

中指を立てて答える和麻。

「死ねやこらぁぁぁぁぁ!!!!」

と同時に恭也がいるのにも関わらず炎を放つ慎吾。一拍遅れて武哉もそれに続く。
自分達が負けるとは微塵も思っていない二人の火炎は、容赦なく和麻と恭也の立っていた場所に着弾した。
当然の事ながら大爆発。

「へっ! ざまぁみやがれ!」

狂ったような笑い声を上げてそれを見ている慎吾とは裏腹に、武哉には少々の罪悪感が芽生えていた。

「炎を操れない一般人を巻き込んじまった……」

せめてと手を合わせようとした時、武哉は自分が見たものが信じられなかった。
先ほどまで燃え盛っていた炎が急速に静まっていくのだ。そしてそこから姿を現したのは、

「お前等、炎術師以前に人として終わってるな」

その眼に怒りを宿した和麻だった。隣にいたはずの恭也の姿はどこにもない。

「けっ! そんなもん、お前の知り合いだった不運をあの世で呪ってもらうんだな」

「すまない事をしたとは思うが……」

和麻の言葉にも対照的な答えを返す二人。
両方に共通しているのは恭也がいるということで躊躇わなかったということだ。

「そっちの狂ったのはそこまでいくとむしろ清々しい。
 むしろ偽善的な事をいって常識人を気取る貴様のほうがたちが悪いな」

「なっ?!」

しかし恭也は一般人ではなかった。むしろくぐった死線の数なら和麻よりも上といっていいだろう。
そんな恭也がたかが火の玉ごときにやられているはずもなく、全く無傷の状態で武哉の背後に現れる。

「誰かいってたよな。本当に怖いのは化け物でも幽霊でもなく人間だって」

「それはまた言いえて妙だな。確かにそのとおりだ」

攻撃された事などなんでもなかったかのように会話を続ける二人。
というかこうして話している間にも慎吾は狂ったように炎を和麻に放ち続けているのだが、
和麻は風に護られていてそんなものはなんでもないかのように恭也と談笑している。

「とはいえ、そろそろさすがに鬱陶しくなってきた」

「そうだな。俺もこの下衆な偽善者を見ているのは正直耐えられなくなってきた所だ」

「な、なにを……?!」

お互い言い終えると同時に動いた二人。
和麻は炎を打ち出し続けている慎吾の手元の酸素濃度を操って炎を過剰燃焼させて暴発させ、
恭也は武哉には捕らえられない速さで彼との距離をつめて八景の柄で思い切り殴りつけた。
二人ともなす術なく意識を刈り取られる。

「さて。こんな輩もいるし、お前の家に厄介になるのは……」

「和麻! 何かいるっ!」

この一件が片付いてから、と言おうとした和麻だったが、恭也の鋭い声に探査に神経を集中する。

「「上か?!」」

二人同時に気付いて見上げた時、もうすでに禍々しい風の刃が打ち出されていて、
それは軌道修正をしながらつい先ほど二人が無力化した武哉と慎吾の首を撥ねていった。

「な、なんだとっ?!」

「……ちっ!」

自分がここまで接近されるまで気づかなかった事が信じられずに動揺する和麻と、目の前で、
とても友人にはなれそうにはなかったがそれでも人を殺されてしまった事で自分の未熟さを感じ舌打ちする恭也。

「和麻、あそこだっ!」

恭也が指を刺す先にはなにやら人の手のようなものが禍々しい妖気を放って浮かんでいる。
和麻が確認して風の刃を放つも、その手はスッと溶けるように消えていく。

「ちっ、逃がしたか。何考えてんだありゃ? それに風の精霊も言う事きかねぇし」

何がなんだかさっぱりと肩を竦めて見せる和麻。

「一難去ってまた一難。和麻、本日三度目のお客さんだ」

そんな和麻に恭也はいち早く殺気に反応して和麻に伝える。

「綾乃、か?」

「和麻! それと見知らぬ人! よくも一族の者に手をかけてくれたわね!」

燃え盛る炎の剣を持って威勢よく仁王立ちする少女、神凪綾乃。
転がっている二人同様、神凪襲撃の犯人は和麻であると決め付けてかかっている上、
現在転がっている二人も和麻の仕業だと思っている。
問答無用で斬りかかる綾乃を暫く裁いていた和麻だったが、

「なぁ恭也、ここで正直に俺達じゃないって言ったら信じてもらえると思うか?」

「まず無理だな。頭に血が上ってしまっているうえにそもそも精神年齢が低そうだ。
 家の末っ子のほうがしっかりしている」

腕を組んで見学している恭也は淡々と分析している。というか言っている事は何気に酷い。

「うっさいわね! そこのアンタもコイツ斬り刻んだらお父様の所に連行してやるから大人しくしてなさい!」

「まぁそれでもいいんだが……お父様?」

「コイツの父親は神凪家現宗主だ。つまりコイツが時期宗主」

「……これは酷いな。和麻、どうやらお前の元実家もそう永くはないらしい」

わざと挑発するように侮蔑を込めてそういった恭也に、綾乃は和麻から方向転換して炎雷覇で斬りかかった。
さすがの和麻もこれには少々焦る。

「ばっ、綾乃…」

「こぉんのぉぉぉぉっ!!!!」

よほど頭に血が上っているのか分別なく全力で斬りかかった綾乃。しかし、

「…へっ?!」

炎雷覇を振り下ろした場所には誰もいない。全力で振り下ろしたその瞬間にはもうそこに恭也は立っていなかった。

「メチャクチャだな、この娘は」

そして当然のことのように背後から首筋に八景を突きつける恭也。

「剣を使うわりに剣術は素人に毛が生えた程度。強大な力があるのにそれを適切に操るだけの自制心は欠片もない。
 さすがにお前の元実家の人間だけの事はある」

よほど悪い印象を持っているのか、恭也はそんな事を言いながら冷たい殺気を発し続ける。
あてられてストンと腰を抜かしてしまう綾乃。

「まぁそういってやるなよ、恭也。お前に斬りかかった事はコイツが子供だからだし、
 ちょっと極端な箱入り娘みたいなもんだ」

そう言って笑う和麻は、そのまま恭也の隣にたって綾乃を見下ろす。

「んじゃ綾乃ちゃん? 俺達はこれで失礼させてもらうんで後始末はよろしくな〜♪」

そう言って恭也と共に風に包まれた和麻は、夜の闇の中に消えていった。
後に残されたのは腰を抜かした綾乃と二つの首なし死体。
呆然と事を見ているしかなかった綾乃は、それでも気丈にも二人の消えていった夜空に絶叫した。

「な……なによなによなんなのよっ?! おぼえてなさいよぉぉぉぉぉぉ!!!!」



「いいのか? これでお前元実家と事を構えることになりかねんぞ?」

「あの禍々しい風が誰のものなのかしらねぇけど、踊ってやる気はねぇよ。
 それよりお前こそいいのかよ? 落ち着くまで家には戻れないぞ?」

「いいさ。戻って害が及ぶよりは。まぁなるべく早く片付くよう助力はするさ」

「ああ、頼む。俺も、そろそろ決着つけないといけないだろうし」

そう言って楽しそうに笑う和麻を見て、恭也は苦笑を零しつつも少々憂鬱な気分になっていた。

(これでまたなのはに怒られそうだ。早い事片付けなければな)



風と小太刀の輪舞曲

さぁ、これ以上連載を増やすのか無理だっ!(改行の間もなく即答!)







風の聖痕とのクロス!
いつの間にか、風の聖痕もアニメ化してるし…。

美姫 「時の流れを感じるわね」

いやいや、それはちょっと違うんじゃないか?

ブリジット「因みに、これを渡されたときに伝言も預かったです」

ほうほう。

ブリジット「実は隠しのこのクロスを思い出してほしくて送ってたりします。という事らしいです」

……ど、努力します。
いやいや、忘れてはないんですよ。いや本当に!

美姫 「その慌てようは怪しいわね」

そんな事はないって。本当に!

ブリジット「目がとっても泳いでます」

これは…そ、そう! 生まれつきです!
……すまん、今の所はやり直ししても良いでしょうか。

美姫 「どうやって返されるかって分かったんだ」

まあな。

ブリジット「そんな事はどうでも良いですから、早く返事をください」

え、えっと、頑張るよ、うん。

ブリジット「伝えておきますです」

美姫 「騙されちゃ駄目よ。頑張る=書くじゃないんだから」

ブリジット「騙すつもりだったですか!?」

ひ、人聞きの悪い事を。
正直に言ったじゃないか! その場しのぎの答弁を。

美姫 「それが悪いのよ!」

ぶべらっ! じょ、冗談なのに……。

美姫 「分かってるわよ。短い付き合いじゃないんだから」

だ、だったら、何故に殴られたの!?

美姫 「分からないの?」

……いや、もう充分すぎるぐらいに分かりました。
冗談って言うんだろう。

美姫 「正解♪」

シクシク……。

ブリジット「相変わらずの名コンビです」

何処がっ!

美姫 「はいはい、叫ぶ暇があれば手を動かしてね」

う、うぅぅ。

ブリジット「それじゃあ、またまたいくです!」

フンガー!

美姫 「真面目にやんなさいよ!」

ぶべらぼげぇっ!

美姫&ブリジット「C〜Mで〜す」







訓練中に不意に光に包まれた。
目が覚めたときの覚えていたのは、そこまでであった。
そこからの意識がないという事は、その時点で気を失ったということだろう。
そこまで考えて、意識を取り戻したその人物は周囲を油断なく見渡す。
周辺に人の気配はなし。自分が寝ていたのは部屋のようである。
自分の下にある可笑しな模様の床も、周囲を囲む壁も石造り。
一つだけある扉も頑丈そうに見える。
敵対組織に捕まり監禁されたのかと考えるも、それならば装備がそのままなのが可笑しいと思わず首を傾げる。
手にしているのは、さっきまで持っていた抜き身のままの小太刀。
背中にもう一刀、纏ったコートの至る所に隠し持った飛針や鋼糸などの武器もそのままである。
自分の体の状態と装備を確認して立ち上がるなり、近づいてくる気配を感じる。
とりあえずは情報を引き出さなくてはいけないと判断し、抜いたままの小太刀を背中の鞘へと仕舞うのだった。



「誰かがこちらの世界に来ようとしています」

ぽつりと呟かれた少女の言葉に、同じクラスの者が皆声を発した少女――リコへと視線を向ける。

「今日、新らしい仲間が来るなんて連絡は受けてませんけれど…」

「今回の召喚も大河さんたちのようなパターンなのか、もしくは緊急だったのかもしれません」

神官の姿をしたベリオの疑問に、リコは可能性を上げてみせる。
それを聞き、救世主クラスの面々は召喚の塔と呼ばれる場所へと向かうのだった。
根の国と呼ばれる世界がある。
国、ではなく世界である。異世界と呼ばれる世界が実際に幾つも存在しているのである。
それはまるで一本の木のようにたくさんの枝を持ち、その枝の一つ一つが世界なのである。
根の国とはつまり、文字通りに木に例えるなら根にあたる部分にある世界である。
枝の一本が折れたとしても、木は存在し続ける事は可能である。
だが、それが根であった場合はどうなるか。
根の崩壊は木そのものの崩壊を意味する。
つまり、この根の国アヴァターは全ての世界の根源にして、数多の世界を支える世界でもあった。
それだけならばそれでお終いとなるのだが、
困った事にこのアヴァターにはこの世界を滅ぼそうとするものたちがいた。
それは人では太刀打ちするのが難しく、世界は滅ぶかと思われた。
だが、それに対抗する者たちが存在した。それが救世主である。
そして、ここはその救世主となる適性を持つ者たちを育てる学園であり、彼女たちは救世主クラスの者たちである。
そんな今更な事を思い返しながら、彼女たちにとって教師にあたるダリアはリコたちの後に続く。
いつものようなお気楽な顔がなりを潜め、こっそりと溜め息を吐きながら、

(そのはずなのに、ここに来てイレギュラーがおき過ぎてない?
 史上初の男性救世主候補である大河くんが来てからかしら? ああーん、クレアさま〜。
 手当てを弾んでもらわないと、何か割に合いません〜〜)

ぼやきつつも召喚の塔に着く頃には、いつものようなのほほんとした顔に戻るダリアであった。
ダリアの胸中の葛藤など知らず、大河たちは召喚陣のある部屋へと踏み込む。
そこに立つ一人の人物を見た瞬間、大河はまるで滑り込むようにその前に膝を着く。

「生まれる前から好きでした、是非、結婚してください!」



こちらへと近付く気配に美沙斗は用心深く扉を見つめる。
どうやら鍵は掛かっていなかったらしく、ノブが回されて中へと数人の男女が入ってくる。
どの子たちも美由希と同じか少し下といった所だろうか。
そんな風に観察していた美沙斗の前へと、地面を膝で滑るようにして近づいてくる青年が一人。
行き成り膝を着いて手を取ってくる青年に、美沙斗はあまりの出来事に一瞬呆気に取られる。
そして、青年から飛び出して来る言葉が一つ。

「生まれる前から好きでした、是非、結婚してください!」

大河がそう口にした瞬間、後ろにいたベリオ、妹の未亜、忍者の格好をしたカエデの三人が一斉に大河の頭を、
肩を、背中を何処からか取り出した杖、弓、手甲を嵌めた拳で殴りつける。
煙を噴出しそうな勢いで顔面から地面へと倒れる大河に、美沙斗は気遣うように話し掛ける。

「だ、大丈夫かい?」

「ああ、何て優しい人なんだ! まさに天使!」

懲りずに起き上がるなり、その手を再び掴もうとする。
だが、再び三人の攻撃が大河に突き刺さり、その前にリコが立ち、無言のまま避難を込めた視線を大河に向ける。
一人取り残されて困った顔をする美沙斗へと、残った赤髪の少女リリィが声を掛ける。

「とりあえず、このバカの事は放って置いて良いから。
 で、あなたは…」

「誰がバカだ、誰が!」

「うるさい、黙れバカ! アンタ一人の所為で、救世主クラス全体の品位が疑われたらどうするのよ!」

喧嘩を始める二人を困ったように見つめる美沙斗に、
いつもの事と他の面々は気にしない様子で美沙斗へと事情を説明する。
そこへダリアもやってくるが、説明が終わったのを見て身体をくねらせて大げさに悲しむ。
リコは美沙斗へとここに来た方法を尋ねるが、返す美沙斗の返答はとても簡潔なものであった。

「分からない」

大河たちと同じかそれ以上に召喚された方法が分からない美沙斗に、すぐには元の世界には戻れないと説明する。
この塔が前に破壊された所為だと。
本来なら、修復された後に来たはずだから戻れると思うかもしれないが、
元へと返すための機能だけが抜け落ちている状態なのである。
そんな説明を聞きながら、美沙斗はようやく頭の整理を終えた。

「まさか、こんな事に遭遇するなんてね。
 兄さんならどんな目に遭っていても不思議ではないと思う所なんだけれど。
 まさか、自分がその立場になるなんて思ってもいなかったよ」

「分かりますよ。突然、誰も知る人のない異世界へと召喚されて心細いんでしょう。
 良ければ、今日はその寂しさを紛らわすために一晩一緒に……がっ!」

三度地面に沈む大河に、美沙斗は元気付けてくれようとしていると思い、苦手ながらも何とか笑みを浮かべる。

「元気付けようとしてれるのはありがたいけれど、こんなおばさんをからかうものじゃないよ。
 周りの子たちが焼き餅を焼いてしまうよ」

「あははは、おばさんだなんて冗談ばっかり。
 とっても美しいですよ。大丈夫です、少しぐらいの年の差なんて。
 寧ろ、綺麗なお姉さんは大好きです!」

大河の言葉に、しかし四度目の攻撃はこなかった。
美沙斗の柔らかな笑みに、未亜たちも思わず見惚れていたからであるが、
大河はそれに気付かずに調子に乗って更に美沙斗を口説いていく。

「まるで月の女神のような美しさ! いやいや、それ以上です!」

「ふふ、お世辞でも嬉しいね。でも、あまりしつこくされても困るよ。
 何なら、娘を紹介しようか。まあ、娘は既に思う人がいるみたいだけれどね」

珍しく冗談っぽくそう口にして話を逸らそうとした美沙斗であったが、その言葉に驚く一同。

「娘!? お子さんがいるんですか」

ベリオが驚きの声を上げる中、大河は少し考え込む。

「人妻か…。しかも、若妻。くふっ、た、たまらん…」

「って、お兄ちゃん! 旦那さんがいるんだから、手を出したら駄目だよ!」

怒りながら大河の耳を引っ張る未亜へ、

「だが、この世界には居ないだろう。浮気してもばれな…」

「お兄ちゃん!」

本気で怒る未亜に大河も流石に反省する。
そんな兄妹のやり取りに恭也と美由希を思い出し、尤も立場は逆だが、口元を緩める。
気も少し緩んだのか、大河に同情して美沙斗はあまり考えずに言う。

「いや、夫はもう亡くなっているんだ。だから、その辺にしといてあげて」

美沙斗としてはだから浮気にはならないというつもりではなく、
単に大河の不穏な発言を少しでも減らしてあげようと思っての事だったのだが、
美沙斗の言葉に全員が思わず暗い顔になってしまう。
だが、大河はすぐにその顔を緩ませると、空気を変えるように少し大きな声で言う。

「未亡人……た、たまら…」

いや、かなり本気の色が見えるが。

「お兄ちゃん! 娘さんだっているんだから、いい加減にしなさい!」

流石に妹だけあって、最初はこの空気を変えるための発言であったが、すぐに本気の色を見て取り、
問答無用とばかりに弓を脳天に振り下ろす。
鈍い音に頭を押さえつつも、大河の妄想は止まらない。

「娘も…。今から俺好みに仕込む!? いやいや、そんな気長に待てるか!
 うーん、この人の娘さんなら将来美人になるだろうし、今はまだ射程範囲外としてもやはり懐かせて……」

大河の続く発言に全員が頭を押さえて顔を見合わせる。
この男を黙らせるには、気絶させるしかないという結論を出した顔で。
いざ、全員が行動に移ろうとするよりも早く、

「そうなのかい? うちの娘は君たちと同じぐらいの年なんだけれど。
 そうか、君はえっと何って言うんだったかな。兎に角、年上が好きなのか。
 さっきからそれをほのめかすような事も言ってたし。気付かなかったよ。
 だから、こんなおばさんを口説いてきたんだね。冗談だと思ってたんだけれど、本気だったら少し困るかな。
 私にとってあの人は今も…」

自分で言おうとした言葉に照れて赤くなり、最後まで口に出来ない美沙斗。
そんな可愛らしい仕草を目にしつつ、先程の言葉にまたしても絶句する一同の中、未亜が恐々という感じで尋ねる。

「えっと、娘さんは幾つなんですか?」

「確か、高校三年だったね」

「て、俺より年上!?」

大河の言葉にその場に居た者たちの驚きの声が上がるのだった。



美沙斗さん異世界放浪記 プロローグ 近日……







さて、HPの方も落ち着いてきたし…。

美姫 「おお、やっと書くのね」

寝るか。

ブリジット「美姫さん、ここにとんでもない人がいるです!」

美姫 「離空紅流、鳳凰煉獄!!」

ブリジット「ああ、久しぶりの大技です!」

ぐぎゃぇぇぁぁぁっ…………。

ブリジット「綺麗な消し炭になったです」

美姫 「全くこのバカは。珍しくやる気を出してたのに、何も書いてないし」

ブリジット「書かないうちにやる気が消えちゃったですか」

美姫 「バカとしか言いようがないわね」

ブリジット「本当です」

失礼な。冗談でここまでするか。

ブリジット「……え、だって、消し炭に、え、あれ?」

美姫 「ったく、本気だったら手加減してないわよ」

だよな。幾ら俺でもあれを喰らったらすぐに復活は無理だって。

美姫 「ありがたく感謝して、きりきり書きなさいよ!」

ラジャー! リリ恭なのに集中して一気に書きたいところ!

美姫 「その前にキリリクもあるのを忘れないでよ」

へいへい。

ブリジット「手加減って、消し炭にして手加減なんですか。いやいや、その前にその状態で復活ってです!
      と言うか、本気だったらどんな状態なんです!?
      すぐに復活出来ない状態って、何処までいったらすぐに復活できない状態なんですか!?」

はっはっは〜。深く考えるなよ〜。

美姫 「そうそう」

ブリジット「そ、そうですね」

っと、そろそろ時間か。

ブリジット「本当です。残念です」

美姫 「またいつでも遊びに来ても良いからね」

ブリジット「はい、です!」

それじゃあ、今週はこの辺で。

美姫&ブリジット「また来週〜(です)」


6月1日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、だらけつつもお届け中!>



いきなりですが、明日は少しお休みしてHPの改良をしてみようかと。

美姫 「む〜、また更新しないのね」

いや、だからね…。

美姫 「むぅぅ〜」

そんなに可愛く拗ねられましても…。
ほら、いい加減に整理もしないとね。

美姫 「む〜、仕方ないわね」

ほっ。
そんなこんなで今週はこの辺……ぶべらっ!

美姫 「その冗談は笑えないわ。本気だって言うのならぶっ飛ばすわよ」

す、既にぶっ飛ばされてるんですが。

美姫 「さあて、今週の更新は……。ほうほう」

いや、あのね。例によって無視ですか。

美姫 「またまた更新が少ないようだけれど?」

あ、あは、あは、あははは〜。

美姫 「笑って誤魔化すな!」

ぶべらっ!

美姫 「こうなったら、何処かに閉じ込めようかしら。ねぇ」

日常会話的に、しかも当人に監禁の話をするか!?

美姫 「監禁じゃないわよ。そうね……飼育?」

おまっ、幾らなんでもそれは酷いぞ。

美姫 「そうよね。アンタなか飼っても一文にもなりもしないし」

……う、うぅぅ。目からしょっぱい水が。

美姫 「そうそう。今日はクレさんから善意による素晴らしい頂きものが」

……本当に善意のプレゼントなんだろうな。

美姫 「どういう意味かしら〜」

強制や脅迫じゃないよな、と念押しをぶべらっ!

美姫 「失礼な奴ね。一度、アンタとはじっくりと話し合わないとね」

いや、おまえと長い付き合いだからこそのいけ…ぶべらぅっ!

美姫 「ごめんね。よく聞き取れなかったわ」

あがが……。い、今のは効いたな。まだフラフラする。

美姫 「で、何の話だったかしら」

いえ、美姫様が相も変わらずにお綺麗だというお話です、はい。

美姫 「そう、ありがとう」

えっと、それでは折角頂いた事だし。

美姫 「そうね。それじゃあ、CMよ〜」







――永遠神剣を巡る戦いが再び幕を開ける――

それは朝の食卓で突然起こった。
「恭ちゃん!?」
「師匠!?」
「お師匠!?」
「おにーちゃん!?」
「「恭也!?」」
恭也は箸を放り出して立ち上がり叫ぶ皆を一瞥すると今度は彼女らが言うままに自分に眼を向ける。
「…む。光っているな」
「って恭ちゃん!そのリアクションは絶対に間違ってるから!?」
「落ち着かんか馬鹿弟子」
「ぴ!?」
容赦のよの字も無い。
徹が込められたデコピンが美由希の額に撃ち込まれ(誤字に非ず)た。
「さて、そこで悶えてる愚妹は放っておいてだな」
「恭也…アンタいくらなんでも扱いが酷すぎない?」
「……以前にも似たことがあったからな。今回も多分そうなのだろうと思ったから落ち着いていただけだ」
「うう…士郎さん。最近息子が冷たいんです…シクシク」
「(無視)というわけでだ。そこの愚妹、俺はしばらく留守にするからその間皆を頼む。
 あと鍛練もいつも通りにやっておけ」
「は、はいぃ〜」
未だに痛みから床に突っ伏している美由希の返事を確認すると恭也は箸を置き立ち上がった。
そのまま玄関まで歩いていこうと足を踏み出したが後ろからくいっと服の裾が捕まれ自然歩みが止まる。
「なのは……」
「おにーちゃん…ちゃんと帰ってきてくれるよね?」
なのはは裾をぎゅっと掴んだまま不安気に恭也を見上げている。
そんななのはを安心させるように、
滅多に見せない微笑みを浮かべてしゃがみこむとなのはの瞳と自分の瞳とを合わせた。
「ああ。必ず帰ってくる。ここが俺の帰ってくる場所で、誰よりも護りたい人たちがいる場所だ。
 だから、なのはも俺が帰ってくる場所を確りと守っていてくれ」
「…うん!」
恭也の言葉と笑顔になのはも彼女らしい太陽のようなあたたかくてやさしい笑顔で返した。
そして僅かに溜まった涙をゴシゴシと拭い言葉を紡ぎだす。この場に相応しい言葉を。
「いってらっしゃい」
「ああ。行ってくる」
同時に光は弾けるように溢れ、目が眩むような閃光を放ったかと思えば、
そこには僅かな光の粒子が舞うだけで恭也の姿は既に無かった。


『剣の世界』。
便宜上そう呼んでいる世界で、彼女――カティマ=アイギアスは戦っていた。
「ああああああああああっ!!」
次々とひっきりなしに現れる『鉾』と呼ばれる超人的な戦闘能力を備えた騎士をそれを上回る力で薙ぎ払っていく。
しかし『鉾』の数は一向に減る様子が無い。いくら力で勝ろうとも数が違いすぎる。
……それでも彼女は引くわけにはいかなかった。
脳裏に浮かぶのは先日見た光景。
焼け焦げた村と虐殺された人の死体と臓腑の臭い。
どれもこれもが自分達が間に合わなかったせいだった。
自分は王族の血を引く最後の姫。
だけど、それを証明するためには今右手に握る永遠神剣『心神』だけでは駄目だった。
もう一つの証、それがなければ。
反乱軍として戦うだけでは足りなかった。今なお涙を流す人々を救うには王族として立つ必要があった。
だからこそ反乱軍を抜け、たった独りで証を捜しに出た。これは自分だけで為さねばならぬことだったから。
だというのに恐らくは自分が来た所為でこのアズラサーセは襲撃を受けている。
最初は見捨てようとも思った。少しの犠牲を容認して、証を手に入れることでより多くを救えるだろうと。
―――そんなこと、出来るわけがなかった。
見捨てるなんてありえない。助けられる民を助けずして何が王族か。何が国の復興か。
ならばとるべき道は一つだけ。
例えこの身に代えてでも、護り抜く。
それが、いまは亡きアイギアの王女、カティマ=アイギアスの進むべき道なのだから。
「はあ…はあ…」
身体が重い。
限界などとっくに超えている。
神剣の力を引き出すことで辛うじて動かしていたが、
今では逆にその力の大きさによる過負荷で身体は悲鳴をあげていた。
剣を支えにして立っているのが精一杯。
そんなことに微塵も構うことなく『鉾』の一人がそのダブルセイバーを振り上げた。
ゆっくりとスローモーションのように感じる動作。その中でなお彼女は思う。
『護りたい…』
右手が心神を握り締める。
『護る力が欲しい……』
強く強く。
『護りたい人を護れるだけの力が……!』
そうして願いは光と共に、舞い降りる。

光が収まるとそこには黒い人影があった。
その人影はちょうどカティマと鉾の中間の位置に立っている。
人影――おそらくは男性だ――にとっても突然のことだったのだろうか。
おかれている状況を確認するように周りに視線だけを走らせて……その瞳に一瞬怒りの炎が宿ったかのように見えた。
おなじように突然のことに鉾の動きが一瞬とまっていたが、すぐに再起動し、
持っていた剣を目の前に現れた障害目掛けて振り下ろす。
見た感じ彼は無手だ。その事に気付きすぐさま逃げてと叫ぼうとしたがその言葉は言葉になる前に霧散し
「…え」
次の瞬きの後には驚きへと変わっていた。
そこに鉾の姿は無かった。あったのは金色のマナの粒子だけ。
……彼の手にはいつの間にか二振りの剣が握られていた。
そしてそれが永遠神剣だと同じく永遠神剣を持つカティマはすぐに理解する。
当の彼といえば無表情な中にほんの僅かの驚きが混ぜられていて、けれどすぐに元の無表情へと戻る。
そうして先ほど突然手に現れた剣の切っ先を鉾達に突きつけた。
たったそれだけのことで今までカティマを越えて逃げ惑う人々に襲い掛かろうとしていた者まで動きが止まる。
「―――どんな理由があろうとも今、貴様等が行っている行為は容認できない。故に覚悟しろ」
切っ先に込められた力は更に力強さを増し、彼が纏う殺気は怒りに猛る。
「永全不動八門御神神刀流小太刀二刀術 師範代 高町恭也。我が剣へと誓いの下、貴様等の命、貰い受ける」
その姿は、きっと色褪せ消えることなくカティマの胸に刻まれた。

―――永遠神剣第5位『祈り』と御神の剣士『高町恭也』、亡国の姫君にして姫騎士『カティマ=アイギアス』

望の覚醒を切っ掛けに永遠神剣を巡る戦いは再び始まったように、
この出会いが恭也とカティマの物語の始まりの一ページとなる。


聖なるかな二次創作
『Eternity Sword Eternity Promise』

―――とりあえずちゃんと発売したら連載予定―――







聖なるかなとのクロス〜。

美姫 「発売はまだだけれども先行SSといった所ね」

聖なるかなでは、ユーフィが出るみたいなんだけれど。

美姫 「アンタのユーフィはオリジナルだものね」

一応はアセリアエンドで出て来たから少しは参考にしてるんだけどな。
とりあえず、うちのユーフィと本編のユーフィの性格が違っていたら、ごめんなさい。
先に謝っておこう、うん。仕方ないよな、こればっかりは。
まさか、ユーフィが出てくるなんて思わなかったし。

美姫 「まあ、これに関してのお仕置きは流石にやめといてあげるわ」

ありが……って、待て待て。
そこは元からお仕置きされるような部分でもないような。

美姫 「なら、されたいの?」

それは嫌に決まってるだろう!

美姫 「だったら素直にありがたいと感じてなさい」

何か納得いかないが、ありがたいと思っておこう。

美姫 「それで良いのよ」

さーて、それじゃあ今週はこの…。

美姫 「はぁぁぁっ!」

ぶぎゃらばっ! な、何を……?

美姫 「寝ぼけているバカは放って置いて、CMよ〜」







「私は反対です!」

高い天井に全体的に広い作りの部屋。
そこに少女の声が響き渡る。
その顔はいつになく鋭く、普段なら少女の前に座る男の言葉には最終的に同意するのだが、
今回ばかりはそうもいかないという雰囲気を全身から漲らせている。
他に居並ぶ者たちを見れば、皆、この少女と似たような意見であるらしい。
困ったように頭を掻きつつ、一段高い位置に座る男性――北郷一刀は先程から無言のままでいる、
この場に一刀を除き唯一の男性である恭也へと顔を向ける。

「恭也も反対か?」

「俺は別に構わないと思うが…」

途端に突き刺さるのは、先程真っ先に反対を唱えた黒髪の美しい少女の視線であった。

「恭也は甘すぎる! 本来、敵国の王を捕らえたのなら…」

「言いたい事は分かっているから、愛紗。それと俺だけに文句を言わないでくれ。
 そもそもの言い出しは一刀なんだから」

「それは言うだけ無駄というものだぞ、恭也」

「そうそう星の言う通りなのだ。愛紗はお兄ちゃんに弱いから」

「星! 鈴々!」

二人の言葉に顔を赤くして怒鳴るも、恭也自身もその意見には大いに賛成であった。
だが、口にするような事はしないが。
このままでは喧嘩になるかと思われたが、そこへこの中で一番年上だと思われる、
穏やかな雰囲気を纏う女性が一刀へと話し掛け、愛紗の注意を再び論議へと戻す。

「ご主人様の優しさも分かります。そこが長所でもありますから。
 ですが、流石に自由に外を歩かせるというのは問題がありますね。
 極刑にしないだけでもかなりの処遇だと言えるというのは分かってくださってますね」

「紫苑の言いたい事は分かるよ。でも…」

やんわりと反対する紫苑に対して何か言いかけるも、紫苑はそれを制して続ける。
一度だけ愛紗を横目で見るも、愛紗は紫苑の言葉にうんうんと頷いていた。

「ですから、一つ条件をつけてはどうでしょう」

「条件だと? 紫苑、それでは…」

自分と同じ意見だと思っていた紫苑の言葉に愛紗が声を上げるが、紫苑はそれを軽くいなしてその条件を口にする。

「条件は誰かが一緒に行くこと。これなら、脱走しようとしても取り押さえれると思います」

「幾ら武器がないとは言っても、一般の兵じゃあいつらを取り押さえるのは難しいんじゃないかな」

ポニーテールにした少女の言葉に、軍師である幼い外見の少女も頷き、少し考えて紫苑へと顔を向ける。

「紫苑さんの事ですから、翠さんが今仰った事は既に考えていると思いますが…」

「ええ。勿論、外に出かけるときに付き添うのはここにいる者の誰かになるわね」

「そうなるだろうな。となれば、今回の外出に関しては、言い出した主が妥当か」

「だけどなー。ご主人様じゃ、あいつらを取り押さえれないぜ」

星の言葉に翠が尤もな事を口にし、愛紗は当然のように反対する。
とは言え、他の者も流石に自分の仕事があったり、
捕虜の対応には少なからず反対なので、感情的にも自分からその役を買って出る者もいない。
一刀は困ったように溜め息を吐きつつも、
既に彼女たちが逃げるとは思っていないので別に自分が付き添いで良いかと思い始める。
と、恭也と目が合い、忘れていたとばかりに手を打つ。

「そうだよ、恭也が居たじゃないか。恭也なら、あの三人を相手にしても問題ないだろう」

「それは幾らなんでも買い被り過ぎだ。流石にあの三人が本気なったら、全員を捕まえるのは難しいぞ。
 とは言え、今更逃げ出すとも思わないからな」

「だろう。それに、曹操も恭也なら嫌がらないだろうし」

「そうか? その割には顔を合わすたびに文句を言われるが…」

「あー、まあ、あれはああいう挨拶だと思って。それに俺の扱いなんてもっと酷いぞ。
 兎に角、恭也だって曹操の事は放っておけないだろう」

「はぁ、分かった。俺は別に元から反対でもないしな。引き受けよう」

恭也が引き受けた事により、一刀はほっと胸を撫で下ろす。
これで論議は終わりとばかりに腕を上へと伸ばし、思い切り伸びをする。

「ふふふ、恭也には曹操も少しは気を許しているという事か」

だが、皆はすぐに解散せず、星がそう言いながら恭也へと近付く。
その顔に、声にからかう気なのを読み取り、恭也はさっさと背を向けようとしてその腕をしっかりと捕まえられる。

「何処に行く、恭也」

「いや、曹操の所だ。外出の許可が出たと教えにな」

「なに、そんなに慌てなくとも良いではないか。
 どちらにせよ、外に出れるのは明日なのだから、明日にでも迎えに行くついでに伝えれば良かろう。
 その方が手間も省けるというものだ」

「そうだな。なら、鍛錬でも…」

「ほう、鍛錬か。ならば、私も付き合おう。ただし、後でな。
 しかし、恭也。いつの間にあの曹操を手懐けた」

「別に手懐けてなどいないぞ」

「そうなのか?」

わざとらしく驚いた表情を見せた後、にやりと笑みを見せる。
その笑みを見て恭也は咄嗟に一刀へと視線を向けるが、目が合った途端に気付かない振りをして逸らされる。

「てっきり、あれから更に身体を合わせてお主の虜にしたのかとばかり思ったが…」

「っ! 何を言っているんだ、お前は」

「照れなくても良いではないか。流石は私が見込んだ男、それぐらいの器量を見せてもらわんとな」

言葉を詰まらせながら、他の者に助けを求めるも…。

「ご主人様の言う通りに逃亡する気がないのなら問題はないのですが、
 その確認の意味も込めて最初の何回かは、皆さんで後を付けるというのはどうでしょうか」

「流石、朱里だぜ。それなら万が一の時でも大丈夫だな」

「ならば、次は誰がどのようにして後を付けるかだな」

「そうですね…」

「鈴々はお兄ちゃんと一緒が良いのだ」

「何を言っているんだ、鈴々。ご主人様と一緒と言う事は、曹操たちの動向を監視すると同時に、
 ご主人様の身も守らなければならないんだぞ。そのように複数の事をこなすなど、鈴々に出来るのか?
 ここは私が…」

「あ、ずりーぞ、愛紗」

わざとらしく何やら論議を始めた愛紗、朱里、鈴々に翠たち四人であったが、すぐに喧嘩になる。
仲裁するように一刀が口を出してしまい、四人が一刀に決めてもらおうと迫る。
あちらはあちらで大変な事になったようであったが、最初に見捨てた罰だと一刀を見捨てる恭也。
と言うよりも、向こうに構っている場合でもないのだが。

「どうした、恭也? 何故、私から視線を逸らすのだ?
 よもや、見るに耐えない顔をしているのだろうか」

わざとらしく悲しむ振りをする星に、恭也は分かっていても否定の言葉が口をついて出てしまう。

「そんな事はない。星は……」

「ほう、私は?」

「……その可愛いぞ」

照れてそっぽを向く恭也に言葉に嬉しそうに笑いながら、その腕を胸に抱く。
それに慌てる恭也へと更に笑みを深めつつ、

「しかし、このぐらいで照れる事もなかろうに。少しは主を見習ってはどうか」

「俺にあそこまで節操なしになれと」

「おい、こら恭也! 聞こえてるぞ!
 否定は出来ないが…」

遠くから一刀の声が聞こえてくるが、それは聞こえない振りで聞き流すも、

「否定しないのか」

思わず溜め息混じりに反応してしまう。

「で、星。いつまでも腕を捕まれていると、その、色々と困るんだが…」

「そうだな。もう一度、私を褒めてくれたら離してやろう」

「あー、褒めるのは吝かではないが、ここでか」

紫苑までが一刀の元で騒いでおり、こちらに注目している者はいないが、
やはり他人の目があると言う事で躊躇する。
だが、星はあくまでも恭也の言葉を求め、更に腕をきつく抱き締める。

「わ、分かったから。その、星は、……き、綺麗だ」

「ふむ。あまりにも飾りも何もない面白みのない言葉ではあるが、恭也の口から効くと美酒のように染み渡るな。
 約束だから、名残惜しいが解放しよう」

解放された腕を無意識に触りつつ、恭也は星に咎めるような視線を向ける。

「で、何故、突然こんな事をしたんだ」

「なに、主はよく褒めてくれるのだが、何処かの誰かさんは中々言ってくれないんでな。
 少々自信をなくしそうになっていた所だったのだ。しかも、そこに来て曹操たちも現れたしな」

恭也へと星が嫌味たらしくそう口にする。
それを聞いて恭也は何とも言えない顔をするが、照れたように星から視線を逸らす。

「星が綺麗なのは今更言う事でもないと思ったんだが」

「だとしても、偶には聞きたいものなのだよ。
 それにしても、そういった事を自然と口に出来る辺りは何と言うか。
 恭也も主の事をあまりとやかく言えぬかもな」

「頼むから一緒にはしないでくれ」

心底頼み込む恭也へと星は小さく笑い、恭也もまたそれを受けて微笑を返すのだった。







ふ〜。って、華琳の出番がなかった……。

美姫 「書いているの、アンタじゃない」

そうなんだがな。うーん、星との絡みが思った以上の長さになってしまったからな。
まあ、良いか〜。その分、星の出番があった訳だし。

美姫 「まあ、別に私は良いけれどね」

とりあえず、明日は忙しくなるぞ〜。

美姫 「出来れば、SSを書いて欲しい所なんだけれどね」

うん、俺も書きたいんだけれどな。
いや、これは本当に。

美姫 「先週、今週とあまり書いていないから、流石にうずうずしているみたいだしね」

ああ。ここぞとばかりに書きまくりたいものだ。
時間さえあればな。

美姫 「違うわよ。時間があれば、じゃなくて、作るものなのよ!」

おお! だが、無理。

美姫 「言うと思ったわよ」

まあ、とりあえずは出来るだけ頑張るという事で。

美姫 「あまりにも無難過ぎて面白くも何ともないわね」

ほっとけよ。

美姫 「放置したらしたでいじけるくせに」

そこはほら、上手い事だね。

美姫 「えー、面倒くさい」

そんな事言うなよ〜。

美姫 「ええい、纏わり付くな!」

ぶべらっ! 段々、突っ込みも激しさを増しているような気が…。

美姫 「アンタが変に頑丈になっているからよ」

さいですか。

美姫 「そうよ。ったく、こんなバカな事をやっている間に、また時間になってしまったじゃない」

あははは、いつもの事じゃないか。

美姫 「だから、怒ってるんだけど? いい加減、少しは進歩して欲しいわよね」

そんな難しい事を言うなよ。

美姫 「難しいの!?」

ははは、冗談はさておき。

美姫 「本当に冗談だったの? かなり真剣な目だったわよ」

あ、当たり前じゃないか、嫌だな〜。アハハハ。

美姫 「もう充分に分かったわ」

そ、それじゃあ、今週はこの辺で。

美姫 「また来週〜」


5月26日(土)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

フィーア 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、暑いのなんか嫌いだと絶叫しつつお送り中!>



という訳で、昨日に引き続きフィーアがゲストだ!

フィーア 「やっほー」

美姫 「今日も行くわよ〜」

……元気だな二人とも。

フィーア 「って言うよりも浩が元気なさすぎよ」

美姫 「あー、暑いの駄目だからね」

あち〜。

フィーア 「まだ五月なんだけれど…」

夏が来て、すぐに冬になれば良いのに。

フィーア 「夏短っ。って言うか、秋は!?」

美姫 「毎年同じ事を言っているような気もするわね」

うぅぅ。冬が来て、ずっと冬だたら良いのに。

美姫 「はいはい。だれるのはそれぐらいにして、しゃきしゃき行くわよ!」

フィーア 「というよりも、最近SS更新してませんよね」

違うんや! 俺だって書きたいんだよ!
なのに、なのに、時間が!
サーバーの難しい事なんか分からないっての!

美姫 「はいはい、良いからドンドン書く書く」

その書く時間をくれ!
俺だってな、一週間も書かないと逆に手が疼くは、脳内で色んな妄想が浮かぶは…。

フィーア 「書けば良いじゃない」

だ〜か〜ら〜。

美姫 「でも、冗談抜きで今週更新した?」

まあ、一本だけ書けたけど。

フィーア 「ああ、あそこの部屋のですね」

まあな。とは言え、不完全燃焼〜。
うぅぅ、リリカル恭なのを書きたいのにぃぃぃ。
ネタはあるのに。ぐぅぅぅっ。

美姫 「珍しく本気で悔しがってるわね」

フィーア 「という事は、書かせるチャンス?」

はぁ〜、はぁ〜。SS書きたい禁断症状が。

美姫 「よく分からない単語ね」

フィーア 「とうとう頭まで可笑しく…」

さらりと酷い事を。

美姫 「と、そう言えば…」

フィーア 「そうでした! 昨日公開しなかったお土産がもう一つ」

あな、ありがたや〜。
それでは早速…。

美姫&フィーア 「CMよ〜」







目の前が真っ白になって……
眩しくなったから目を瞑り、再び開けると……





「平行世界、ですか」
「えぇ、貴方と全く同質の存在が、この次元にはいますので」


魔璃がやってきた世界は、自分のいた世界と似た、別の世界。


「母がいる、父もいる、姉もいる…でも、全部偽者ですね」
まるで冷めた様な物言いをする魔璃。

「あんな弱者な父は、私の目指した父ではない」

「あんな弱い母は、私の尊敬した母ではない」

「あんな姉は、私が憎み続ける姉ではない」




「系統が違うようですね、魔法といっても」

その両手に小太刀を握り締め、魔璃は大空を駆ける。

「幾ら頼まれようとも、私は貴女達に協力する気はありません」

馬鹿にされたような気がしたから、魔璃は協力を拒む。

「なのは叔母さん…いえ、高町なのは一等空尉。 私は貴女を殺しますよ」

元の世界で幾ら大好きな身内だろうが、魔璃は躊躇いを捨てる。





魔璃が来た世界、それは元の世界と似て非なる世界。
全てが魔璃を拒絶するかのような錯覚の中。
魔璃は、その命の昇華を見せ付ける。



外伝 月村 魔璃の漂流譚〜虚像世界の魔術師達〜







今日のはリリカルの世界へかな。

美姫 「みたいよね」

フィーア 「それにしても、相変わらず魔璃はいい性格ですよね」

おいおい(汗)
それにしても、アハトさんも色んな作品を書いているよな〜。
改めて凄いな。

美姫 「今までにお土産としてもらった作品だけでもかなりの数よね」

様々な作品とクロスさせているネタCM。まあ、たまにクロスしない場合もあるけれど。
俺も負けずに頑張るぞー!

フィーア 「わぁ、本当に今日は変ですよ!」

美姫 「ああ、大丈夫よ。怖くない、怖くないからね」

って、俺のやる気は天変地異か!

美姫 「ずばり言っても良いの?」

激しく遠慮させてください。

フィーア 「この辺りは変わらないんですね」

美姫 「まあね。さーて、それじゃあ昨日は休んだ分、今日はたっぷりとやってもらおうかしら?」

え、え? いや、俺はSSを書きたいのであってCMSSはね…。

フィーア 「そんな言い訳なんて当然の如く無視をして…」

いや、お前もかよ! って言うか、お前は元々そうだったか!

美姫 「今週のCMいってみよ〜」







  ――この夏、あいつらが再び帰ってくる!



「えっ!?」

その言葉に驚きの声を上げたのは果たして誰であっただろうか。
この場にいた誰もが同じような事を思っているのは間違いない。
そんな一同を見渡し、何処か苦しげな表情で中央に立つ女性はもう一度それを口にする。
その目元は心労からか薄っすらと隈が見られ、元は美しかっただろうと思われる髪も最低限に整えた程度。
全体的に疲労感を漂わせる女性の姿はぼんやりと透けており、比喩でも何でもなく言葉通りに姿が透けている。
だが、その事をこの場にいる者は誰も驚いたりはしなかった。
ここ、高町家の庭に建てられた決して広くはない道場内。
そこに座るものたちは、掌大の大きさの透けている女性を前に真剣な表情を浮かべている。

「もう一度言います。辺境の村に破滅が現れたとの報告がありました…」

再び同じ言葉を口に乗せた女性、ミュリエルの言葉に恭也たちはあり得ないと思いつつも詳しい事を尋ねる。
恭也たちが前にしているのは、念話器と呼ばれるもので、恭也たちの世界で言うテレビ電話のようなものである。
普通、異なる世界からの通信などは出来ようはずもないのだが、
そこは無限に連なる世界で見てもトップクラスの召喚士が三人もいるのだ。
何とかなったようである。
ともあれ、ミュリエルは自分が受けた報告を恭也たちへと話す。
本来なら、アヴァターの統治を任されている自分が采配し、対応しなければいけないのだろう。
ましてや、異世界で平和に暮らしているであろう恭也たちを頼るなど。
だが、事に破滅という単語が含まれた以上、助けを求めない訳にもいかないのだ。
何せ、彼らは長く続く救世主と破滅との真相を知り、その争いに真の終止符を打った者たちだから。

「事の起こりは一ヶ月ほど前の事です。
 村の外れでモンスターを見かけたという報告がありました。
 勿論、あの戦いの後もモンスターたちはまだ残っていますから私は騎士団を派遣しました。
 ですが、派遣した騎士団は壊滅。
 その報告をもたらした騎士も、近くの村にその事を王国に伝えるように言い終えると同時に息を引き取りました。
 事態を重く見た私たちは、軍を編成してその場所へと向かわせたのですが…」

結果は聞かなくても分かる。
その表情を見れば、最悪全滅という事であろう。
幸い、全滅ではなかったらしいが半数はそのまま還らぬ人となったらしい。

「幸い、今回は多数のものが生き残り、軍を指揮していた隊長も大怪我を負いましたが何とか生き残りました。
 なので、前回よりも詳しい事が分かったのですが…。
 どうやら、モンスターたちは群れをなしており、しかもそれを指揮するものが居たそうです」

「ミュリエル、いや、今は女王だったか。して、そやつらが破滅だと断定したのは?」

ミュリエルに王位を譲った元王女のクレアの言葉に一つ頷く。

「自ら名乗ったそうです。破滅の将と」

「バカな!」

ミュリエルの言葉にロベリアが驚きの声を上げる。
つまり、彼女にも身に覚えがないのだろう。
元破滅の将として恭也たちと敵対していた彼女は、破滅軍に対しては恭也たちよりも多少は詳しい。
その彼女が存在を知らないという破滅の将を名乗る者。
訝しげに眉を顰めつつ、恭也はミュリエルへと話し掛ける。

「その破滅の将と名乗った者は一人なのですか。
 他に仲間などは」

「それは分かりません。とりあえず、彼ら騎士団が出会ったのはその一人だけだったそうです。
 相手が破滅を名乗る以上、こちらも救世主を呼ぶべきだと賢人会議でも出ました。
 勿論、あなたたちを巻き込むべきかどうかという問題もありました。
 ですので、もう一度軍を編成し、今度は調査を目的として派遣しました」

「なるほどの。しかし、賢人会議も随分と様変わりしたようじゃの。
 昔ならば、自分たちが助かるためにはこちらの都合などお構いなしという者どもの巣窟だったはずじゃが」

「最後のあの大きな戦いの所為でしょうね。民衆の信頼を無くした彼らには既に味方もいませんでしたし。
 何より、賢人会議のメンバーに破滅と通じていた者たちが数名いました」

その言葉に驚くのは恭也やクレア、そして元破滅に組していたイムニティとロベリア以外であった。
後者の二人に関しては、自分たちが手引きをしていたのだから当然知っており、
前者二人はある程度は当時から予想していたためである。

「勿論、そのような輩は既に居らぬのだろうな」

「当たり前です。とんでもない置き土産でしたが」

不敵に笑い合う元女王と現女王。
だが、今はそんなに悠長な事をしている場合ではないとミュリエルはすぐに話を戻す。

「調査の結果、どうやら連中は辺境の果て、誰も住まない未開拓の地よりも向こうに居る事が分かりました。
 いえ、それぐらいしか分からなかったと言うべきね。正確な勢力も、その目的も分からないまま。
 けれども、その力だけは決して侮れない。現にたったこれだけの調査にも関わらず、かなりの損害を出してます」

ことここに至り、救世主を再び召喚しようという流れになったらしい。
その話を聞き、恭也たちはそれぞれの顔を見合わせる。
皆、思いは同じで頷き合って気持ちを確認する。
恭也が皆を代表するように、ミュリエルへとそれを伝える。

「もし本当に破滅の仕業なら、いや、それが破滅じゃないとしても破滅を名乗る以上、捨てては置けません」

「ありがとうございます。
 では、すぐに召喚の儀式に入ります。幸い、そちらにはリコさんとイムニティさんの二人が居るでしょうから。
 場所は学園の召喚の塔。時刻は明日の朝。召喚の前に、こちらから再び連絡を入れます」

そう告げるとミュリエルはリコとイムニティの三人と召喚に関しての打ち合わせ手順を確認し始める。
それらを横に眺めながら、恭也は難しい顔をして腕を組む。
恭也の周り他の者たちも集い、やはり困惑を隠せない顔を付け合せる。

「どういう事なんだろうね、恭ちゃん」

「分からん。実際にこの目で見るしかないだろうな」

「ふんっ、相手が破滅って言うのならもう一度倒すだけよ」

力強く言い放つリリィの言葉に、他の者たちも同意するように頷く。
そんな中、召喚に関する話を終えたミュリエルが言い忘れていたと切り出す。

「二度目の派遣で騎士団を助けてくれた子がいるの。
 彼女は前回の戦いでも村を一人で守ったらしいわ。
 前回の戦いでは見つけれなかったけれど、彼女も召還器を持っているようなの。
 既に学園へと召集はしてあるから、今回の戦いでは彼女も一緒に行動してちょうだい」

その事実に多少驚きつつも、戦力が増えるのは喜ばしい。
だが、他の者たちとはそれこそ幾つもの生死を共に潜り抜け、互いにチームワークを築き上げてきたのだ。
そこへ突如入る少女。連携を考えると少し不安がよぎる。

「それも承知の上です。ですが、相手の正体が分からないのです。
 それに、あなたたちも最初は上手く連携できていたわけではないでしょう」

ミュリエルの説得に似た言葉に他の者たちもようやく納得する。

「ところで、その者の名は何と申すのじゃ」

「はい。その少女の名は、エスカ・ロニア」



再びアヴァターへと向かう事となった恭也たち元救世主クラス。
彼らの前に立ち塞がるのは破滅を名乗る者。
そして、新たに見つかった召還器を持つ少女、エスカ。
思いもよらぬ事態に、恭也たちはどうなる!?

Xross Triangle 20007夏スタート







うーん、まだ書き足りない。

美姫 「その気持ちがある内に書き始めるのよ!」

フィーア 「そうですよ! そんな滅多にない機会なんだから」

……何か一気にやる気が消えて行くのは何でだろうな。

美姫 「ちっ、いつものアンタに戻ったか」

って、おおい。
皮肉すら気付かないのかよ…。

フィーア 「はぁ〜、しょせん、ですね」

お前まで!

美姫 「何かこっちのやる気まで奪われた感じ〜」

フィーア 「本当ですね」

しかも、何故か俺が悪人になってるし。

フィーア 「もう今日はこれぐらいにしておきましょうか」

美姫 「そうね。全部、浩の所為ね」

お、俺が何をしたんだよ……(シクシク)

フィーア 「それじゃあ、今週はこの辺で」

美姫 「また来週〜」

って、俺の台詞がないし……(涙)


5月25日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、ああ何でこんなに忙しいとぼやきながら届け中!>



フィーア 「こんにちは〜」

美姫 「いらっしゃい」

という訳で、先週の予告通りゲストはフィーアだ!

フィーア 「よろしくお願いします」

だが、悲しいかな。

美姫 「そう、今日のハートフルデイズは縮小サイズ」

フィーア 「な、何でですか!?」

聞くも涙、語るも涙。

美姫 「その所為で、投稿してくださった分がまだ半分アップできてないものね」

フィーア 「一体、何が」

うむ。サーバーの会社から連絡があってな。
どうもうちのHPが高転送量らしい。
この辺り、俺はよく分からないんだが。
基本的に重い動画や画像はないんだけれどな。

美姫 「どうも、SSのあるページが一日でGBを超えてるみたいなのよね」

WEBを閉じてもその人が見た場合は転送量ってのは減らないままなのかな?
全く分からん。だとしても、一日で5GBはないと思うんだが。

美姫 「よく分からないのよね」

ともあれ、その処理を数日で何とかしないといけなくなったのだよ。

美姫 「とりあえずの解決はしてると思うけどね」

という訳で、いただき物から『HOMEへと戻る』とすると、少し違う画面になります。
ちゃんとうちのHOMEに戻ってくるリンクも置いてあるので、多分分かると思いますが。

美姫 「その処理の所為で、SSが書かせられないし、投稿して頂いたものをまだ全部目を通してないのよ」

申し訳ございません。

フィーア 「そんな〜。じゃあ、私は?」

美姫 「それは大丈夫。ちゃんと明日へと持ち越すから」

って、やっぱりかよ!

美姫 「因みに、アハトさんからのお土産は二つよ」

まさか、これを見越してて!

フィーア 「多分、偶然だと思うけど」

美姫 「だったら丁度良いじゃない。今日と明日分に分けれるわよ」

果たして、それで良いのか悪いのか。

美姫 「駄目な場合は、後日の連絡を持って一日に纏めちゃいましょう」

ら、乱暴だな。

フィーア 「お姉さま、素敵です」

何処が!?

美姫 「それじゃあCMよ〜」







正史の裏に隠された外史の扉を、今こそ開けよう――――




いつものように。
自宅にて母の作った(危ない)発明品の実験台になっていた魔璃。
そこから、この外史は始まる――――



突如閃光に包まれる魔璃。
魔璃が目をあけると、そこは屋敷の中ではなく……


「…………ドッキリ、ではありませんよね?」


幾人もの兵士に囲まれ、魔璃は呟く。
目を開けた前には、槍や剣を構えた兵士が幾人も立っており、
魔璃はその兵士達に囲まれていたのだ。
そのまま、捕虜扱いとしてあれよあれよの間に君主の前に突き出されることに。
この出会いこそが、魔璃の運命を左右する出会いであった……






「そうですね、性はありません。 名は女(じょか)、とでもお呼びいただければ」
名を隠し、生まれを隠し、戦いに身を投じる魔璃。

「軍神関羽に、燕人張飛、昇竜趙雲とは、そうそうたる顔ぶれですねぇ」
立ち塞がるは、歴史に名を残す武人達。

「良いでしょう、戦いが生甲斐ではありませんが……
此処まで強さに差がある相手と戦えることを、この身の幸運と感謝しましょう」
身に宿る高揚感を惜し気もなく出しつつ、魔璃は笑った。


突如広がった世界は史実とは少し違った三国志演義。
それでもなお、魔璃は戦う路を、選ぶ。





外伝 月村 魔璃の漂流譚〜乙女だらけの三国志演義〜







またしても魔璃が主役の物語。

美姫 「今度は三国志よ」

いやいや、これも楽しそうですな。

フィーア 「とりあえず、縮小版ということで、今日はここまで?」

その通りだ!

美姫 「フィーアはこのままお泊りね」

フィーア 「わーい♪ 思わぬ副産物が」

わーい。今日は安眠できそうもないよ(涙)

美姫 「寝首はかかないわよ」

フィーア 「そうそう」

言いながら、正面からとか言うんだろう。

美姫&フィーア 「ふふふふ」

う、うぅぅぅ。怖すぎる……。
と、とりあえず、今日はここまで!

美姫&フィーア 「また明日〜」


5月18日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、おいおいもう蚊が飛んでるよとお送り中!>



さてさて、早速だが……。

美姫 「やけに元気よね」

おうとも! 何せ、今回はゲストの登場。
しかも唯一と言っても良いぐらい、暴力を振るわないゲストの登場だからな!

美姫 「いつ、私が暴力を振るったのよ!」

ぶべらっ! た、たった今振るったのは?

美姫 「愛の鞭よ」

言い方が違うだけ……ぶべらっ!

美姫 「これは愛の斬撃よ」

い、いならないよ、そんなの。
もうキャラメルのおまけはいらな……ぶべらっ!

美姫 「愛の蹴り! 蹴り、蹴り、蹴り!」

ぶべっ、あばばばばばっ! 8Hit、16Hit、32Hit、64Hit……。
えっと、えっと…12……。

美姫 「128Hitよ!」

ぶべらっ! 256Hit〜〜〜〜!
って、人で遊ぶな!

美姫 「言いながら、自分で何Hitか言ってたわよね」

まあな。どんな時も遊び心は必要だよ。

ブリジット「流石に、あの状況ではいらないと思うです」

美姫 「アンタの所為で、ゲストをほったらかしじゃない」

お、俺の所為かよ!

ブリジット「そんな事はないです。……まあ、遊んでた浩さんに責任はあると思うですが」

今、ぼそっと何か言いましたか?

ブリジット「何も言ってないです」

えっと……因みに、美姫の責任は。

ブリジット「勿論、ないです」

う、うぅぅ。

美姫 「これが人望の差よね」

違うと思いたい!

ブリジット「あ、それよりもこれお土産です」

ありがたや、ありがたや。
アインさん作の今回は何かな?

美姫 「それじゃあ、早速だけど…」

ブリジット「はい、いくのです」

それじゃあ…。

美姫&ブリジット「CMです」







「さぁ、始まるザマスよ」
「いくでガンス」
「フンガー!」
「まともに始めなさいよ!」





らき☆とら





『フラグ?』

放課後、ファーストフード店でおしゃべりをするべく街中の方へと足を進めるこなた、かがみ、つかさ、みゆきの四人。

「私たちのまわりってさ〜、なんでこうロマンスがないかねぇ?」

信号待ちをしていると、相変わらずだるそうにポツリと呟くこなた。

「みゆきさんとかつかさって絶対どっかでフラグたってそうなんだけどなぁ」

「フラグってなんだフラグって」

「……フラグ?」

こなたの呟きの意味が分からないが、返す反応が正反対なかがみとつかさの双子姉妹。
話に出てきたみゆきは頭上にハテナを浮かべ、人差し指を口元に当ててただ首を傾げている。


「だからさぁ、何処かで転びそうな所を助けてもらったり、実は幼馴染に淡い恋心を抱いてたり、
 偶然街中であった先輩に助けられたり……」

「な、何なのよその妙に具体的かつピンポイントなのは」

「そ、そうだよ。大体そんな簡単にいい人とは出会えないよ」

「そ、そうですよね? 幼馴染の男の子なんて誰でもいるわけじゃありませんし」

こなたの妙に偏った出会いというかフラグに、なにやら少々挙動不審な三人。


「大体さ、そもそもナンパすらないってどういうことよ?
 みゆきさんまで一緒にいるんだから一組くらい来たって不思議じゃない……って、え?」

そこでようやくなにやら様子のおかしい三人に気付くこなた。
三人をジト目で見つつ、自分の言った事を頭の中でリプレイして……

「……転びそうな所を助けてもらったり……?」

「ビクッ?!」

「……実は幼馴染に淡い恋心……?」

「ドキッ?!」

「……街中で助けられたり……?」

「うっ!」

順番につかさ、みゆき、かがみと指を差していくこなた。
三人が三人とも露骨に動揺している。

(ま、まさか…………もうフラグたってる?!!)





『相手は……?』

「それでそれでっ? その相手はどんな人なのかな?」

ファーストフード店で席につく早々、先ほどまでとは一転興味津々といった感じで顔を寄せるこなた。

「わ、私は……」

一番初めに覚悟を決めたのはみゆき。

「小さい頃お父さんのお友達の方がよく遊びにいらしてたんですが、その方の息子さんです。
 口数は少ないんですが、とても優しい方なんです」

照れたように頬を染めるみゆき。

「私はね、学校で階段から落ちそうになった時に助けてもらった先輩。物静かだけど笑顔の綺麗な人だよ」

みゆきに触発されたようにつかさも喋る。
そしてこなたと、すでに白状し終えた二人の視線はかがみへ。

「わ、私はその……ま、街でちょっとナンパされて……」

「え?! お姉ちゃんナンパさんが好きになっちゃったの?」

「ってゆーかかがみにナンパ?!」

「おいそこっ! 驚くところが納得いかねぇ! ……それにそのナンパは違うわよ。
 そのナンパ男達にしつこくされて困ってたら喫茶店の店員さんが助けてくれたのよ。かっこよかったなぁ……」

失礼な事をいうこなたにツッコミつつ、助けられたときを思い出したのか何処かうっとりとした表情になるかがみ。
他の三人もそれぞれ少しスイッチが入ったような状態になっている。
そんな中、こなたは先ほどの三人の言葉を思い出し……

(なんか似てる気がするんですけど、その男の人達……)





『仲間はずれ?』

ファーストフード店で盛り上がる四人。もっぱらこなたが三人から男の情報を引き出すことに夢中になっている。
しかしそこに一組のカップルを見つけると、こなたはそちらへとパタパタと手を振る。

「お〜い、忍ちゃぁ〜ん」

「……ん? ああ、こなちゃん。友達とおしゃべりかな?」

こなたが忍と呼んだ女性が、フレンドリーな笑顔を浮かべながら近づいてくる。
ロングヘアーで笑顔がキュートなかなりの美女だ。

「はい。忍ちゃんは……」

「俺と無理やりゲームで勝負して奢らせているところだ」

話に割り込むようにして後ろから声をかける男。こちらも一見無愛想だがかなりの美青年だ。

「恭也さん。今度私と修行しますか? ゲームの」

「……頼むから俺をそちらの方面へ引き込もうとしないでくれ」

恭也とも親しげに話すこなた。しかし他の三人はそれぞれ唖然とした表情で恭也を見ていた。
その視線に気付いた恭也。そちらを見ると恭也もまた驚いたように、

「なんだ、みゆきはこなたと知り合いか……ん? かがみとつかさもか?」

と、三人に声をかける。
三人はそれぞれ借りてきた猫のように縮こまって挨拶をしている。突然の事に頬も赤い。
が、三人はお互いが似たような反応をしている事に驚く。
そんな三人を訝しげな表情で見る恭也とは対照的に、忍は呆れたように、
そして三人のフラグの相手に気付いたこなたは何故か悔しそうに呟く。

「恭也ったら、またフラグ立てたわね」

「あたしだけフラグ立ってないのはなんかズルイ。まさかかがみにも負けるなんて」

ツッコむべき彼女はまだ恭也の前で借りてきた猫状態のままだった。





『ギャルゲー?』

「しかしまっさか三人とも同じ人でフラグたってたなんてねぇ」

忍と恭也が去った後、本当に意外だったというように声を上げるこなた。

「わ、私だってびっくりよ! まさかみゆきの幼馴染のお兄さんがあの人だったなんで……」

「私もだよ。でもあの人ならお姉ちゃんをナンパさんから助けてくれても不思議じゃないよね」

同じ空間で過ごすことの多い双子ですらお互いの事を知らなかった事に驚いている。

「わ、私も小さい頃よく転びそうになったりしたところを助けてもらってましたよ
 でもまさか皆さん同じ人を好きだなんて……」

ライバル心というものは意外性に勝てないものらしい。
というかこの三人にはそんなものすら芽生えないのか、
何故かお互い恭也のいい所を言うゲームのようなものを繰り広げる。

「それでですね、恭也さんは私の飛ばしてしまった風船を木を駆け上がるように上って取ってくれたんです」

というよりも古くからの知り合いのみゆきがもっぱら話しているだけだったが、
先ほどからすっかり会話の外にはじき出されてしまったこなたが、

「でもさ、実は恭也さんってめちゃくちゃモテるんだよね。ファンクラブとかあるし」

と爆弾を投擲した。案の定知らなかったらしく、一瞬にして三人の視線がこなたに集まる。

「学内の美少女連中も皆夢中なんだってさ。
 さっきの忍ちゃんでしょ、二年の神咲先輩に、隣のクラスの恭也さんの従兄弟の高町美由希ちゃん。
 それに海中の晶ちゃんにレンちゃんの大暴れ美少女コンビに……」

どんどんと候補者を上げていくこなた。何故リアルの事情にこなたがここまで詳しいのかというツッコみは、
本来入れるべき人間が完全に聞き手に回ってしまっているために入ってこない。

「「「……………………」」」

無反応になってしまった三人。どれほどの人間を好きになってしまったのかという事を痛感しているらしい。
しかしこなたは一人満足げにうんうんと頷くと、おそらく一番言いたかったのであろう台詞をいい笑顔で発した。

「まったく、それなんてエロゲですの? ッて感じだよ〜」

「せめてギャルゲーと言えっ!ってゆーかその台詞はアウトだっ!」

某ラノベの台詞に思わず正気に返ってツッコんでしまうかがみだった。



らっきーちゃんねるはございません。
以上、らき☆とらでしたっ! またいつかっ?!







らき☆すたとのクロス!

美姫 「テンポよく四本立てで」

ブリジット「以上、お送りしましたです」

いやいや、新鮮ネタだな。
ウズウズ。

ブリジット「何やらウズウズしてるです」

美姫 「ん? ああ、放っておいても大丈夫よ。後でアインさんにお礼を言っておいてね」

ブリジット「はいです」

美姫 「さーて、それじゃあそろそろ浩を締め上げましょうか」

おい、今さりげなく物騒な単語を聞いたぞ。
って、既に襟首に手が!

ブリジット「恒例の進捗状況です」

美姫 「さあ、どうなのかしら?」

あ、あははは。最近はもっぱら『リリ恭なの』に掛かりきりで…。

ブリジット「そう言えば、他の更新を見ないです」

えっと、もう少しこんな感じの予定かな。

美姫 「ふむ。だとすると、不意に他の長編が更新される事もあるのね」

ま、まあな。理想としては定期的に更新できれば良いんだけどな。
今はどうしても、偏ってしまう。

美姫 「うーん、このままぶっ飛ばしたいんだけれど」

俺は遠慮したいな。

ブリジット「私は飛ばされるのが見たいです」

人事みたいに! って、まあ人事なんだろうけどねっ!

美姫 「ゲストの期待には応えなきゃね」

おい、何でそんなに嬉しそうなんだ!

美姫 「そんな事ないわよ。浩をぶっ飛ばさないといけないなんて。う、うぅぅ」

滅茶苦茶わざとらしいっての!
そもそも、ぶっ飛ばすと最初に口にしたのはお前だ、お前!

美姫 「そんな過去もあったわね」

過去って、ついさっきのことだろうが!

ブリジット「良い女は過去ばかりを見ないのです」

美姫 「良い事を言うわね」

いやいやいや! 歩んできた道を時には振り返るのも大事だぞ!

美姫 「…………」

な、何だ! そのこいつ、何言ってるのって顔は。

ブリジット「ワクワクするのです」

そこ! 一人で勝手に期待するな!
止めろ、止めろ!

ブリジット「……無理です」

美姫 「という訳で……」

う、うぅぅ。結局、こうなるのかよ。
ならば、潔く……。せめて一太刀!

ブリジット「おお、美姫さんの頭にメイドさんのヘッドドレスが」

美姫 「気が済みましたか、ご主人様」

ああ、本望さ! 唯一の悔いは服がそのままという事だが。

ブリジット「それは仕方ないと思うのです」

まあな。だから、これで満足しよう!

美姫 「そうですか。それでは良い空の旅を」

ああ、行ってくる!

ブリジット「うーん、本当なら物騒な場面のはずなのに、どちらにもいまいち緊張感がないです」

今更だしな。

美姫 「そういう事です。日常茶飯事。人とはなれる生き物なのです。という訳で……はぁぁぁっ!」

ずげらびょにょびょ〜〜〜〜〜〜〜!!
私は今、鳥になるぅぅぅぅぅぅ。

ブリジット「とんでっちゃいましたですね」

美姫 「まあ、CMが終わる頃には戻ってくるでしょう」

ブリジット「ですね。それじゃあ…」

美姫 「CMよ〜」







「再び始まるザマスよ」

「いきなり影響されてるでガンス」

「フンガー(設定はアインさんのとはちがうけれど)」

「いいから始めなさいよ」



とら☆すた



『みゆき』

「うーん」

「こなた、何を唸っているんだ」

「あ、恭也。いや、ちょっと考え事をね」

昼食を終えた昼休みの教室。こなたは自分の席で一人首を傾げる。
かがみが少し呆れたように肩を竦め、

「どうせ次の授業の宿題をやってないとか、そんなんで悩んでいるじゃないの」

「失礼な」

「あ、ごめん。珍しくやってたんだ」

「いや、やってないよ」

謝るかがみにしかしこなたは平然と返すと、胸を張り威張るように言う。

「ただそんな事で悩むはずがないって事だよ」

「それって威張れる事じゃないでしょうが」

「ま、まあまあお姉ちゃん。だったら、こなちゃんは何を考えてたの?」

かがみを落ち着かせながら、双子の妹であるつかさがこなたへと問い掛ける。

「うん、実はさ。みゆきさんなんだけれど…」

「私、ですか?」

行き成り自分の名前を呼ばれて、小首を傾げるみゆき。
そんなみゆきに頷きながら、こなたは人差し指をぴっと立てて…。

「うーん、やっぱり説明するときは眼鏡も欲しいよね」

「いや、言っている意味が分からないし、良いからさっさと言えって」

律儀に突っ込んでくれるかがみに微笑みつつ、こなたは今度はちゃんと話し始める。

「ほら、みゆきさんって眼鏡という一部マニア狙いじゃない」

「言葉の使い方に引っ掛かるんだけれど、まあ良いわ。それがどうしたのよ」

「うん。で、少しドジっ娘でもある。ああ、もう本当に萌えだよね」

最後の部分は兎も角、何を今更といった感じでこなたを見つめる三人。
本人であるみゆきは少し困ったようにしているが、その仕草もまたこなたに言わせればツボなのだそうだ。

「で、恭也の妹の美由希ちゃん」

「美由希がどうかしたか?」

「同じく眼鏡でドジっ娘。つまり、みゆきという名前の子は萌え要素を持っている!
 美由希ちゃんはそこにみつあみ、更には恭也と血の繋がらない妹というある意味最強になりうる要素まで!」

「次の授業は確か…」

「数学よ、恭也」

「うちのクラスは英語だよ」

まるで今までの話がなかったかのように話し始める三人に、

「いや、まあ分かっていたけれどね。
 冗談ですよ、冗談」

と、こなたは小さく呟くのだった。



『恭也』

「でもさ、よくよく考えて見れば…」

「また変な話じゃないでしょうね」

「いやいや、今度は真面目な話だってかがみ」

呆れたように言うかがみに手を振り、こなたはそう言葉を返す。

「恭也の置かれている環境って美味しいと思わない?
 血の繋がらない妹に、小さい頃に結婚の約束をした幼馴染。
 病弱な妹分に、巫女さんにメイドさん。挙句は獣耳少女。
 しかも、それこそゲームや漫画でしかお目に掛かれないような、実年齢とそぐわない外見幼女まで」

「いや、確かにそうだけれど。って、ちょっと待て。
 最後のはアンタにも言える事でしょうが」

「むむ。言われてみれば。でも、それだけじゃな〜。
 やっぱり、女医さんや弁護士といった自立した女性がそうだという所に、更に萌えるのですよ」

「いや、知らないわよそこまで」

呆れつつも自然にこなたへと突っ込みを入れるかがみに、恭也たちはただただ苦笑を零すのだった。



『こなたとかがみ』

「うーん、これはあれですな」

「おーい、その話をまだ続ける気なのか」

流石にやや疲れた感じで言うかがみを無視し、こなたは恭也をじっと見つめる。

「どうした? 何かついているか」

「むむ。その台詞は是非ともかがみに向かって言って欲しいな。
 そしたら、かがみは目と鼻と口に決まってるでしょうって真っ赤になって横を向きながら叫ぶと」

「いや、勝手にアンタの脳内設定を押し付けないでよ」

かがみの突っ込みににんまりと笑みを見せつつ、こなたはもう一度恭也へと視線を戻す。

「話を戻すけれど、恭也ってば恋愛原子核?」

恭也は怪訝な顔を見せ、つかさやみゆきが首を捻る中、こなたは期待するようにかがみを見るが…。

「あー、ごめん。私もそれは意味が分からないから突っ込めないわ」

「な、ななな…。突っ込みが唯一のキャラ特性なのに」

「って、勝手に決め付けるな!」

思わず声を上げるかがみに、こなたは親指を立てて満足そうな笑みを浮かべるのだった。



『おまけ』

昼休み終了五分前を告げる予鈴が鳴り、違うクラスの恭也とかがみは教室を出て行く。
と、廊下を歩くかがみの髪に不意に恭也の手が伸び、思わず上擦った声を出す。

「な、何?」

「ああ。すまん。少しリボンが…うん、これで大丈夫だ」

「あ、ありがとう」

「いや。早く戻ろう」

何でもないように平然と歩き出す恭也の背中に溜め息を零しつつ、
かがみもその後を追おうとして、何やら視線を感じて振り返る。
付いて来ないかがみに気付き、振り向いた恭也もかがみと同じものを見つける。

「何をやってるのよ、こなた」

「いやいや、何でもないですよ、うん」

にまにまと笑みを見せるこなたに、かがみはさっきのやり取りを見られていたと知って顔を赤くする。
そんなかがみに構わず、こなたはわざわざ恭也の前までやってくると。

「駄目だよ、恭也。リボンを直すんなら…」

「ああ、そうだったな。最初に一声掛けるべきだった。行き成り髪に触れるのは確かにまずかった。
 だが、かがみには謝ったぞ」

「そうそう、一声は大事だよ」

後半部分はどうでも良いのか、こなたは一人うんうんと頷く。

「やっぱりそこはリボンが曲がっていてよ、の一言が欲しいよね」

「言うと思ったわよ!」

かがみの突っ込みにこなたは満足そうな顔をして教室へと戻って行き、
その背中を意味が分からないまま恭也は見送る。
そんな恭也に肩を竦めると、促すように軽く背中を叩いてかがみもまた教室へと向かう。
それを見て恭也もその隣に並んで歩き出すのだった。







という訳で、行き成り影響を受けて書いちゃいました。

美姫 「普通に入ってくるわね」

ブリジット「戻ってくる過程がないです」

良いじゃないか。しかし、アインさんみたく面白みに欠けるような…。

美姫 「まあ、アンタが書いている以上は仕方ないわよ」

ブリジット「仕方ないです」

グサグサと刺さる言葉の刃。ああ、我が心は既にボロボロ。

ブリジット「それはそうと…」

おおう! 無視ですか!?

美姫 「なあに?」

ブリジット「ここに落ちているメモは何ですか?」

美姫 「ああ、それは浩に更新させる分の予定表よ」

ブリジット「そうなんですか。これは凄いです! 一日で五十本もの」

いやいや、無理だろうそれ!
こんなものはこうだ!

ブリジット「ああ、ビリビリに」

美姫 「まあ、初めから冗談だしね」

ブリジット「です」

……う、うぅぅ。暴力はないけれど、何か違う感じでダメージが…。

美姫 「さて、いい感じで浩を弄った事だし。

ブリジット「寂しいですけれど、そろそろお別れの時間です」

う、ううぅぅ。傷付いた心を優しく癒してくれ…。

美姫 「バカやってないで、そろそろ締めるわよ」

バカって酷いな、おい。それなりに傷付いているのに。

ブリジット「全然そうみえないです」

慣れというやつだな。

ブリジット「慣れたくもないです」

……チクチクと小さな棘が胸に。

美姫 「はいはい。とりあえず…」

今週はこの辺にするとして、何と来週は、あのゲストが登場!

美姫 「一体誰が来てくれるのかしら?」

それは来週のお楽しみ。

ブリジット「私にも内緒なんですか?」

こればっかりはな。

美姫 「という訳で、来週をお楽しみに♪」

それでは改めて、今週はこの辺で。

美姫&ブリジット「また来週〜(です)」


5月11日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、暑くなってきたことを嘆きならお届け中!>



しかし、いよいよ暑くなってきたな。

美姫 「まあ、偶に冷え込む日もあるけれど概ねはね」

あ〜、鬱だ。これから暑さで溶ける季節が…。

美姫 「本当に暑さに弱いわよね」

うぅぅ。まあ、だれていてばかりもいられないがな!

美姫 「うわっ! 珍しくやる気のある言葉が! い、いやぁ〜。明日は天変地異がっ!?」

そ、そこまで言いますか、あーた。

美姫 「言うわよ!」

即答断言ですか……。う、ううぅぅ。何だろう、この胸に込み上げるものは。
泣いてない、泣いてないもんね。

美姫 「はいはい、どっかの誰かみたいな台詞は良いから。
    で、実際、そのやる気はどうしたのよ」

いや、ほらリリ恭なのが終盤だからな。
ここらで気合いを入れて一気にと。

美姫 「おおっ!」

まあ、気合いだけで手は動かないんだけど。

美姫 「駄目じゃない、それ…」

あはははは。

美姫 「笑って誤魔化すな!」

ぶべらっ!
…つつっっ。だが、頑張ろうという気持ちは本当だぞ。

美姫 「はいはい。それをわざわざ削ぐような事はしないから、さっさと書いてね♪」

何故だろう。お前の笑顔を素直に喜べないのわ。

美姫 「ほほう。しばかれたいと」

誰も言ってないし!

美姫 「いやいや、遠慮はいらないわよ」

意味分からん! 頼まれてもいらんわっ!

美姫 「さーって、大きいのを一発……」

聞けよ!

美姫 「ぶっ飛びなさい! そして…」

CーーーーーMーーーーーですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!

美姫 「てな訳で、はいどうぞ〜」







ここ聖フランチェスカ学園では、学園長が趣味で集めた物を飾った博物館が最近建てられた。
その為に、その博物館を見て感想を書いて提出するという課題が出され、
それをこなすために、学園の生徒の一人である北郷一刀もまた博物館を訪れたその日、
博物館で気になった少年を見かけ、その事を考えつつ寮へと戻った一刀の元に一人の来客があった。

「ああ、恭也か。どうしたんだ、今日は」

訪れた知人を部屋に上げ、受け取った土産を皿へと移す。
恭也もまたかつて知ったるとばかりに、中へと上がりこんで腰を下ろす。

「いや、なに。最近、うちに顔を出していないお前の事をかーさんが心配してな。
 一応、ご両親に偶に様子を見てくれと頼まれている手前、俺がこうして様子を伺いに来たという訳だ」

「そうか。うちの親のせいで、桃子さんには迷惑を掛けるな」

「別に頼まれているからだけじゃないから。かーさんは一刀自身の事も心配しているからな。
 例えご両親に頼まれていなかったとしても、同じことをしてるさ」

「だろうな。そこが桃子さんらしいというか」

言って笑う一刀に恭也もまた微笑で返すが、不意に真剣な眼差しを向ける。

「ところで、何かあったのか?」

「相変わらず鋭いな。実はな…」

恭也の問いかける言葉に対し、一刀は博物館で見た少年の事を話して聞かせる。
展示物を見る様子が何か可笑しかった事。身のこなしから何らかの武術を修めており、かなりの腕前である事。
なのに、校内で見た覚えが全くないと。

「どうも嫌な予感というか…」

「なるほどな。で、今夜は出掛けるつもりだったと」

「そこまで分かるのか」

「やっぱりか。…そうだな、俺も一緒についていこう」

「それは心強いな」

言って笑う一刀に恭也は小さく頷くのだった。



一刀の睨んだ通り、昼間見かけた少年は博物館の方から人目を避けるように走ってくる。
その手には何かを持っており、一刀は思わず飛び出す。
恭也は一刀とは反対側に隠れており、飛び出した一刀を見て、
少年に気付かれないように挟み込むような位置にまで移動する。
けれどもまだ姿は見せない。
もしも逃亡しようとした際、不意をつけるように気配を殺して様子を窺う。
押し問答をしていた二人であったが、急に少年が一刀へと襲い掛かる。
それを辛うじて躱す一刀も、それを見ていた恭也も思わず息を飲む。
少年の一撃は躊躇いもなく一刀の急所を狙っていたからである。
流石にこうなると放っておく訳にもいかず、
恭也は飛び出そうとするが一刀がそれを抑えるように合図を送ってくる。
暫し考え、一刀の考えに従う恭也。けれども、いつでも飛び出せるように準備はしておく。
恭也の見詰める先では、一刀が木刀を手に少年と対峙しており、今のところは互角の勝負を見せている。
だが、少年の方は本気で一刀を殺すような一撃を繰り出しており、
このままで一刀が危ないのは目に見えて明らかである。
思った以上に一刀の抵抗が強いのを見て、少年の顔付きが更に険しくなる。
その攻撃は更に苛烈になり、一刀も何とか凌いでいるが態勢を崩してしまう。
そこへ襲い掛かる少年であったが、恭也が飛び出して間に割って入る。

「ちっ。まだ他にもいたのか。お前ら、邪魔だ! 死ね!」

標的を恭也に変えて襲い掛かる少年。恭也は少年の攻撃を同じく素手で捌く。
その事に驚きを見せたその一瞬を一刀が付く。

「しまった!」

一刀の攻撃に少年が盗み出したと思われる古い鏡のようなものが手を離れて宙を舞う。
少年はそれを落とすまいと手を伸ばし、恭也と一刀はそれを取り戻そうとこちらも手を伸ばす。
瞬間、辺り一面を強烈な光が包み込み、恭也と一刀の二人は意識を手放すのだった。



気が付いた恭也は辺りを見渡し、さっきまでいた場所と違う事に気付く。
傍らに倒れている一刀を揺り起こし、何が起こったのか揃って首を傾げている二人の傍に、
柄の悪い三人組が近づいてくる。

「おい、お前ら。命が欲しければ身包み置いていけ」

リーダー格の男の言葉に、恭也と一刀は思わず顔を見合わせる。

「まさか、このご時世に追い剥ぎに出会うとは」

「いや、恭也。感心する所はそこなのか。
 どう見ても、ここは日本じゃないみたいだぞ」

「ふむ。確かに周囲の山々にこうも開けた土地というのは日本では殆どお目に掛かれない感じだが。
 とは言え、目の前の奴らの服装も充分に可笑しいと思うぞ」

「それは確かに。コスプレって奴じゃないのか」

目の前で平然と話をする二人に、追い剥ぎたちの顔が怒りに変わっていく。
そして、終には腰に吊るしてあった長物を引き抜いて二人に突きつける。
それを見て、それが本物の真剣であると二人は瞬時に見抜く。

「…恭也、流石にやばくないか」

「俺の方は丸腰じゃないから大丈夫だが…」

恭也の言葉に一刀は周囲をざっと見渡し、少し離れた所に転がっている木刀を見つける。
一刀の視線から恭也もそれに気付く。
互いに小さく頷きあうと、一刀が男たちへと話し掛ける。

「分かった、俺たちも命は惜しいし、怪我もしたくない。
 だから、大人しく言うとおりにするよ」

両手を挙げて降伏の意を示しつつ男たちにゆっくりと近づく一刀。
警戒しつつもその言葉に男たちが僅かに切っ先を下げた瞬間、恭也の足が地面を抉って土を跳ね飛ばす。
同時に一刀は木刀の元へと跳び、恭也は三人のうち、一番近くにいた最も背の低い男の懐に飛び込んで肘を入れる。
突然の攻撃に憤り刀を振るってくるリーダー格の男と太った男。
その攻撃を躱して後ろへと跳んだ恭也の隣には、木刀を構えた一刀が。

「これで二対二か。数の上では互角なんだけれど、俺は木刀なんだよな」

「ぼやくな一刀」

そんな言葉を交わしつつ、目の前の男に対峙する二人。
緊張が高まり、両者共に動き出さんとした瞬間、そこへ一人の少女が姿を見せて突然名乗り始める。

「持て、そこの賊ども。その方々はお前ら如きが手を出して良いお方ではない。
 どうしてもやると言うのならば、この私が相手しよう!
 姓は関、名は羽、字は雲長」

名乗りを上げながら、背丈以上の長さを持つ槍を構える少女。
恭也たち二人よりも組し易いと思ったのか、盗賊は少女へと向かっていくも、
少女の振るった槍の前にあっさりと返り討ちにあう。
その腕に感嘆する恭也と一刀であったが、不意に一刀は気になる事を呟く。

「あの子、さっき名乗ったときに関羽とか言ってなかったか」

「言われれば、そんな気もするが。同姓同名か」

「だとすると、ここは日本じゃなくて…」

「いや、まだ結論を出すのは早いぞ一刀」

そんな事を話している間に、盗賊たちは倒れた仲間を支えて逃げていく。
助けられて形となった二人は、少女へと礼を述べるも逆に少女は畏まって頭を下げる。

「お迎えが遅くなってしまいました、天の遣いとその守護者さま」

「「はぁっ!?」」

少女の言葉に二人は揃って素っ頓狂な返事をしてしまうのだった。



張飛と名乗る少女とも顔を合わせた恭也と一刀は、益々混乱を増していく。

「まさか、タイムスリップというやつなのか」

「いやいや、恭也。それでも可笑しいって。
 見てみろよ。二人とも女の子だぞ」

「むぅ、確かに」

二人の懸念を余所に、関羽と張飛と名乗った少女たちは苦しむ民衆の為に立ち上がろうと息巻く。
二人が占いに出た天の遣いでなくとも、自分たちだけでもと。
そこまで聞かされ、また他に頼る所もない二人は少女たちに力を貸して立つ事を決意する。



――続々と集まるはいずれも聞き覚えのある武人たち。
  ただし、その性別はまるで異なっていて…。



「一刀、俺たちの知っている歴史を鵜呑みにするのはまずい」

「まあな。ただでさえ、今まで出会った武将は皆女性だったしな。
 おまけに、あの孔明がこの時点で自分から仕官してくるなんてな。
 どうも、俺たちの知っている世界とは違うのかもな。ただのタイムスリップじゃないってか」

「ただでさえ、俺たちが来た時点で歴史が狂っているとも考えられるからな。
 それに、歴史とは先人たちが築き上げてきたもの。言うならば過去だ。
 だが、俺たちはれっきとして今、ここに居る。
 俺たちにとってこれは現在であり、進むべき先は未来なんだ。
 未来とは、今を生きる者達によって作られていくものだ」

「だな。言いたい事は分かったよ。結局は、その時その時に最良と思う行動を取るしかないんだよな」

「そういう事だ。で、どうする?」

「勿論、趙雲を助ける」



「お主は?」

「俺は高町恭也。北郷の側近といった所だ」

「ほう、それではお主があの天の御使いの守護者にして、変わった獲物を操る剣技無双の武将か」

「そんな大層なものではないがな。ともあれ、一刀の命によって助けに参った」

「ふっ、それは助かる。剣技無双と誉れ高き恭也殿にこの背中を任せよう!」

「こちらこそ、頼もしい限りだ」



一つの大きな争いが終わりを告げると同時に、新たな争いの火種が各地へと飛散する。
今、まさに群雄割拠の時代が幕を開けようとしている。

恋姫剣士無双 プロローグ







にしても…ぶべらっ!
い、いきなり何を!?

美姫 「いきなり何を、じゃないわよ。何事もなかったかのようにいきなり話し始めないでよね」

と言われてもな。ただいまはCM中に言ってしまったし。

美姫 「はぁぁぁ」

そんなに大きな溜め息ばっかり吐いていると、幸せが逃げるぞ。

美姫 「誰の所為よ、誰の」

まあまあ。

美姫 「はぁ、もう良いわ。で、何を言いかけてたの?」

ああ、それなんだが。別に何もないな。

美姫 「はぁっ!?」

まあ、何ていうか、何となく?

美姫 「ふふふ」

あははは。

美姫 「くすくす」

ア、アハアハ。

美姫 「言い残す事は?」

思い切り物騒な!

美姫 「ふっ!」

ぐがっ。

美姫 「はぁぁぁっ!」

あばばばっ。

美姫 「離空紅流、煉獄天衝!!」

ぐげらぼぎゃらぁっ!!

美姫 「ふぅぅ〜」

…………。

美姫 「あ、もうこんな時間だわ」

……。

美姫 「そろそろお終いね」

……。

美姫 「それじゃあ…」

…こ、今週はこ……この辺で……。

美姫 「また来週〜」


5月5日(土)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、柱の傷を眺めながらお送り中!>



という訳で、本当に続けて放送しちゃってますが。

美姫 「当たり前じゃないの」

ですよね、はい……。

美姫 「さー、それじゃあ今日も元気にいってみましょう!」

おー……。

美姫 「全然、元気ないじゃない!」

ぶべらっい! 何をするですか!

美姫 「ほらほら、元気出していきましょうよ!」

わ、分かったから、頬をはたくな!

美姫 「さて、早速だけどSSはどうなの?」

いきなりな上に、分かりきった事を。

美姫 「ほほう。つまり、全く進んでないと」

そのとおり! …ぶべらっ!

美姫 「相も変わらずだけど、一応言っておくわよ。それは威張る事じゃないからね」

こ、こっちも最早日常と化しているかもしれないが、言っておくぞ。
そこまで強く殴らんでも……ぐげっ。

美姫 「それなら、踏みつけてあげる♪」

や、やめいっ! ったく、人の頭を何だと思ってるんだか。

美姫 「……99%が妄想で出来ている」

いや、おい。否定したいんだが、強く出来ないのは何故。

美姫 「さて、お互いに理解できたところで」

いやいやいや。出来てませんって。

美姫 「早速だけれど、CMよ〜」

お願いだから、偶にで良いから、本当にお願いしますから、聞いてください人の話…(涙)







それは五月の連休が明けてすぐの事だった。
一時間目が終わってすぐの休み時間、恭也の教室の扉が開かれて中へと一人の下級生が入ってくる。
いきなりの闖入者に騒然とするも、休み時間だからと普通ならすぐに元に戻るはずである。
だが、入ってきた人物が問題であった。
校内でも指折りの美少女にして、抜群のプロポーションの持ち主の登場に男たちは思わず声を無くす。
校内で知る者がいない美少女は、自分を注目する視線など歯牙にもかけず、教卓の前で教室の中を見渡し、
目当ての人物を見つけたのか、その顔に笑みを浮かべてその元へと近付く。
その目の前で立ち止まり、話し掛けようとして相手が机に突っ伏している事に、
困ったように隣の席に座る生徒へと顔を向ける。
だが、こちらも同じように眠りこけており、少女は困ったように立ち尽くす。
と、そんな気配を察したのか、眠っていた件の生徒が顔を上げる。

「……」

「良かった。このまま起きてくれなければどうしようかと思っちゃったわ」

気配を感じて起きてみれば、目の前に綺麗な女性の顔がアップで飛び込んでくる。
慌てて身体を起こした恭也へと、少女は手にした手紙を恥ずかしそうに恭也へと差し出し、
未だに事態が分からずに固まる恭也を見て、その手に無理矢理手紙を握らせると、

「それじゃあ、また後でね」

とびっきりの笑顔を残して去っていく。
騒然となる教室内で、恭也は未だによく事態が分からないものの貰った手紙を開こうとして、

「で、何を覗き込んでいる忍」

「だって気になるじゃない」

「あのな。流石にその行為はどうかと思うぞ」

いつの間に起きたのか、恭也の背後から手紙を覗き込もうとしていた忍を窘める。
忍は唇を尖らせると、拗ねたように机に置いた手に顔を肩頬を乗せて恭也を見上げる。

「さっきの子、確か二年の源ちずるよね」

「そうなのか」

「まあ、恭也に世間一般の噂話を知ってなさいっていう方が無理よね」

「失礼な。だが、源さんが俺に何の用なんだろう」

「鈍い、鈍すぎるわよ。ラブレターに決まってるじゃない」

「そんな訳ないだろう」

自分が人から好かれるはずがないと思い込んでいる恭也は忍の言葉を鼻で笑い飛ばす。
そんな恭也の態度に頭を抱えたくなりそうになるも、忍はその目をすっと細める。

「でも、気を付けた方が良いわよ。あんまり言いたくはないけれど、良い噂だけじゃないのよね。
 弟が同じ学校にいるんだけれど、それがあまり素行が良くないらしいのよ。
 で、美人局みたいな噂もあったりするのよね」

「噂だけで判断するのはどうかと思うが、俺の事を心配しての忠告だからな。
 片隅に留めておく」

「うん、本当に気をつけてよ」

もう一度念を押すと、忍は照れたように机に再び突っ伏すのだった。



放課後、手紙に指定された第二音楽室。恭也は一人、その場所に来ていた。
そこで恭也は源ちづると対面する。

「私はあなたの事が…」

言いながら制服のボタンを外していくちづる。
思わずその豊かな胸の谷間に視線が飛ぶも、すぐに背を向ける。

「な、何のようで俺を…」

「だから、あなたの事を好きになってしまったの」

言いながら恭也の背中に指をつつっと這わせる。

「ねぇ」

甘く囁くような声を耳元に聞きながら、恭也は突然の事態にかなり混乱していた。
そんな恭也へとちづるは気になる切っ掛けとなった出来事を口にする。

「恭也くんは私の事、嫌い?」

「き、嫌いも何も、会ったばかりだし」

更に詰め寄るちづると、何とか引き離そうとする恭也。
そこへ新たな闖入者が姿を見せる。

「っ! お前、何してやがる!」

男子生徒の言葉に恭也は懸命に誤解だと訴えるも、男は聞かずに恭也へと飛び掛ろうとしてちづるに頭をはたかれる。

「落ち着け、このバカたゆら!」

「う、つぅぅっ! いてぇな。今、思いっきり殴ったな!」

「あのね…」

事情を説明するちづるに、闖入者――ちづるの弟たゆらは眦を上げて怒り出す。
その手の中には、炎の揺らめきが生まれ……。



「実はね、恭也くん。私とたゆらは人間じゃないの。妖狐なのよ」

――不安そうに揺れる瞳で恭也を見上げる一つ下の後輩にして、その実齢400年を超える妖狐 源ちづる

「おい、そこのバカップル。こんな時にまでいちゃつくな!」


――ちづるに拾われた妖狐 源たゆら



この二人の姉弟との出会いが、恭也を更なる非日常な世界へと誘う。

「恭也さんもこの風校の秘密を知ってしまったんですね。
 ここは妖怪の更生施設でもあるんです。
 だから、神咲の者が監視と抑制の意味も兼ねて、この海鳴に学生としてやって来るんです」

――神社の巫女にして退魔士、更には学生準指導員という顔を持つ後輩 神咲那美

「高町、お前もあまり可笑しな事に首を突っ込まない方が良いぞ。もう手遅れかもしれんがな」

――体育教師兼生徒指導担当にして、その正体は妖怪たちの監査官 八束たかお



知らず危険者として人間側の組織にも睨まれる日々。
そこへ更にはこの学園で妖怪を取り締まる番長にまで目を付けられ……。



「……今までの俺の静かな日常は何処へ行ったんだろうな」

「恭也くん、そんな難しい事考えてないで、今は楽しもうよ〜。
 ほらほら〜。お胸もこんなにたゆんたゆんだよ〜。あんっ。そんなに私の胸が気に入った?
 じゃあ、お顔を挟んであげちゃう♪」

「ちょっ、ま、待って、ちづるさん…」

バイオレンスな日々のはずなのに、何故か当人たちはピンク色の空気ばかりを振りまく。
果たして、恭也の明日はどっちだ!?

かのこんかれだま プロローグ 「彼女はこんと可愛く咳をして、彼は黙ってそれを見る」







むむ、一応、全年齢対応ですから!

美姫 「いや、分かってるから」

思わずCMに対してフォローしてしまった。
さーて、とりあえずはこれで昨日の分はお終い、と。

美姫 「じゃあ、次は今日の分ね」

はぁっ!?

美姫 「当たり前じゃない」

う、うぅ、無理じゃぼけー!

美姫 「誰がぼけよ!」

ぶげりゃっ!

美姫 「ったく、冗談も分からないなんて」

う、嘘だ。さっきの目は本気だった……。

美姫 「じゃあ、書く?」

うっ、ごめんなさい。

美姫 「ったく。それにしても、ほぼ一週間更新なしね」

いや、間違いなく一週間更新してないな。
いい加減、書きたいな。

美姫 「じゃあ、書きなさいよ!」

わ、分かってるよ。
頑張って書くよ。

美姫 「どうだか」

いやいや、本当だよ

美姫 「はいはい。期待半分で待ってるわ」

ひ、酷い……。

美姫 「さーて、浩も甚振ったところで」

いや、これはそんなコーナーじゃないんですけど…。

美姫 「えっ!?」

そこまで驚いた顔するなよ!
無茶苦茶悲しいじゃないか! 泣くぞ、俺。

美姫 「お好きにどうぞ」

くっ。なんて奴だ。

美姫 「ほらほら、泣かないの〜?」

典型的ないじめっ子だな。
こうなったら、泣いてやる! ちくしょぉぉっ!
ホーホケキョ!

美姫 「いや、意味分からないから」

うん、俺も分からなかった。思わず錯乱してしまったよ。
やはり、この場面ではクックドゥードゥードゥーだったよな。

美姫 「いや、それも分からないから」

まあ、冗談はさておき。

美姫 「あれだけ好き勝手やって、フォローも何も入れないのね」

いつもの事じゃないか〜。ぶべらっ!

美姫 「そうね。そうやって、吹き飛ばされるのもいつもの事だものね」

ふぁ、ふぁ〜い。つつつ。少しは加減を覚えてくれよ。

美姫 「充分にしてるわよ」

へいへい。さーて、それじゃあそろそろ。

美姫 「そうね。そろそろ時間よね」

それじゃあ、今週はこの辺で。

美姫 「また来週ね〜」

ではでは。


5月4日(金)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、ひーこら言いながらお届け中!>



いやー、改めて投稿してくださっている方に感謝を。

美姫 「いきなり何を」

はい、その突っ込みは先週と同じだよ。

美姫 「いや、それを言わせるような事をアンタが言うからでしょう」

まあまあ。

美姫 「で、どうしたのよ」

いや、かなりの数の投稿が一気に!

美姫 「一気に、と言うよりも、アンタが更新してなかっただけ」

まあな。なので、今日一日でのアップはちょっと無理なので。

美姫 「本当に申し訳ないですが、数回に分けてアップさせてもらいます」

とりあえず、今日は半分を。
あ、因みにアップの順番は投稿して頂いた順番になってます。

美姫 「でも、これってアンタが寝る間も惜しんで頑張ればできる…」

さてさて、今週も約束通りに始まってしまったハートフルデイズ。
だけど、流石にアップの時間も惜しいぐらいなので、当然、こっちもそんな余裕がない!

美姫 「却下」

おおい!

美姫 「私のコーナーは全てにおいて優先よ」

いやいやいや!

美姫 「くす♪ そうよね」

あ、いや、だって、ねぇ……(涙)

美姫 「それじゃあ、今日も元気にいってみよ〜」

うぅぅ。

美姫 「ってのは流石に冗談よ」

おお!

美姫 「流石にそこまで我侭は言わないわよ」

おお、女神がいらっしゃるぞ〜。

美姫 「ほほほ、もっと褒め称えなさい」

美姫さま〜。女神さま〜。おお、ありがたや、ありがたや。

美姫 「そんな訳で、今日のハートフルデイズは残念だけれど、ここでお終いね」

おお、やけにあっさりと。ありがたや、ありがたや。

美姫 「それじゃあ、また明日ね〜」

おおい! それって今週二回やるのと変わりないって!

美姫 「ネタSSがない分、楽じゃない」

……そうなのか?
騙されてないか、俺。

美姫 「やーねー、私がアンタを騙す訳ないじゃない」

と言われて騙され続けて、はや幾年。

美姫 「なら、このまま続けても良いのよ」

うっ。いや、待て、俺。ネタSSのネタは既にある。
なら…。

美姫 「書く時間があるのかって所よね」

ぐっ。……アップするのを優先させてください。

美姫 「それじゃあ、明日に延期ね」

う、うぅぅ。りょ、了承。

美姫 「よし! それじゃあ…」

今週というか、今日はこの辺で。

美姫 「また明日ね〜」

ではでは(涙)










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